裾野駅徒歩3分の矯正歯科専門医院です。キレイな歯並び・キチンとした噛み合わせのための矯正治療を行います。近隣の沼津市や長泉町からもどうぞ。

わたなべ歯列矯正クリニック

〒410-1127 静岡県裾野市平松456-1 1F

JR御殿場線「裾野駅」より徒歩3分

診療時間(休診日:木曜、隔週月曜・日曜)

[月火水金] 10:30~13:00 / 15:00~19:30
[土日] 10:00~13:00 / 14:30~18:30

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055-993-9350

日々の診療や学会・セミナー参加など、矯正に関するあれこれを綴っています。

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当院の特徴矯正相談矯正治療全般子どもの矯正治療マルチブラケット治療

お知らせ学会・セミナー報告雑談

 

『お知らせ』

『初診相談の一時休止につきまして

 

現在治療中の患者さまの増加に伴いまして、初診相談の受付を一時休止とさせていただくこととしました。(6月1日より)

受付再開のタイミングは現在のところ未定です。再開の際にはこのホームページ上にてご連絡いたします。

初診相談並びに矯正治療ご希望の患者さまには大変ご迷惑をおかけいたします。ご理解のほどお願いいたします。

9月28日(月

『子どもの矯正治療~分類が同じでも異なる治療内容

 

不正咬合と一口に言っても、中身はいろいろあります。

上顎前突、下顎前突、叢生、反対咬合、開咬(前歯部、臼歯部)、過蓋咬合、交叉咬合、鋏状咬合、空隙歯列、上下顎前突、異所萌出、埋伏歯、過剰歯、先天欠如歯、、、

さらにこれらの多くには、

歯の位置や角度が問題であるもの(歯性)、

土台の位置に問題のあるもの(骨格性)、

などの分類が加わったり、もちろんそれぞれの不正咬合の程度(軽度~重度)も合わさりますすから、さらに細分化されます。

 

これら不正咬合、患者さん一人に付き一つとは限りません。というよりも、叢生(歯列の凸凹)や上顎前突(出っ歯)が組み合わさっているとか、下顎前突で臼歯が交叉咬合を呈しているとか、いうようにいくつかの不正咬合を併せ持っていることがほとんどです。

来られる患者さんの中で一番多いと感じるのが、今挙げました、

叢生と上顎前突が組み合わさった不正咬合です。

 

ではこのよくある不正咬合のタイプであれば治し方は一緒かというと、必ずしもそうとは限りません。

叢生と上顎前突でも

叢生・・・軽度~中等度~重度  

上顎前突・・・軽度~中等度~重度(骨格的な要素)

と程度に差がありますし、

症例としては中等度でも、小2の中等度と小6の中等度は同じではありません。

程度や乳歯から永久歯への生え替わりの状況、土台となる骨の成長度合いなどによって、

始める時期や、治療期間、用いる装置、抜歯必要性の有無

など多くの点で違いが出てきます。

例えば、

小2 叢生、上顎前突ともに軽~中等度

拡大プレートなどで歯列の幅を拡げたり、ヘッドギアという装置で出っ歯を治したりといったいわゆる『子どもの矯正治療』で改善

小2 叢生、上顎前突ともに重度

子どもの治療が功を奏さない可能性が高いので、敢えてこのタイミングでアプローチをせずに、中学生になってから(すべての永久歯が生えそろってから)治療を開始

小6 叢生、上顎前突ともに軽~中等度

程度としては重くはないが、乳歯から永久歯への生え替わりを利用した治療ができないため(小6でほとんどの乳歯が抜けすでに永久歯が生えそろってしまっているので)、子どもの矯正治療ではなく、『大人の矯正治療』で改善

のようになります。

 

学年(歯の生え替わり具合)が同じでも程度が異なれば違う治療になりますし、程度が同じでも学年が異なれば違う治療になるというわけです。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』沼津、三島からもどうぞ

9月18日(金

『重度な凸凹症例と口元の突出症例、どちらが早く治る?

 

1年ほど前に初診相談を行い、その後治療開始となった姉妹の、初診相談からの経過です。

 

当時高校生と中学生の姉妹でのご来院でしたが、姉妹で対照的な症例(とその後の経過)でしたので、前回のブログとの関連も含めて書きたいと思います。

どちらも歯列の凸凹を一列にしたい、が主訴でした。しかし叢生(凸凹)の程度としてはお姉さんは重度あるものの、妹さんは軽度です。姉は左右の犬歯がまるまる歯列からはみ出していますが、妹は上の2番目の歯がやや横を向いている程度した。

ここで前回との関連が出てきますが、姉は凸凹が大きく、左右で2本の犬歯が歯列からはみ出てくれいていますから、歯列の”張り”はありません。歯列の張りがないため口元も出ていません。

一方で妹には凸凹があまりない反面、歯列が張っており、口元もお姉さんに比べるとモコっと出ています。

聞いてみると、凸凹よりもそのモコっとした方が気になるとのこと。

 

お母さんにとっての一番の心配ごとはお姉さんの歯並びの方で、

姉のとても凄い(と自身で思っている)凸凹がそもそも治るものなのか

治るのだとしてもかなり長い期間がかかるのではないか

でした。

確かに姉妹比べた時の不正咬合としてのインパクトはお姉さんの方にかなり軍配が上がりそうです。お母さんが姉の歯並びの方を特に心配するのもよく分かります。

 

そこで、症例としての特徴と治るまでの時間の関係の話が出てきます。

一般的な抜歯をした場合のブラケット治療の流れですが、治療期間2年の内訳は、

①まず歯列を一列にする。半年

※抜歯したスペースを使って、凸凹を一列にしていく

②前歯を後ろに後退させる。1年

※先の工程で余ったスペースを前歯を閉じることで閉鎖していく

③最後の細かい微調整をする。半年

となります。

一番時間がかかるのは、前歯を後ろに退げていくことで抜歯したスペースを閉じていく2番目の工程です。

①の工程において、はみ出した犬歯を抜歯したスペースに入れ込んだことで、抜歯したスペースを全て使い切ってしまえば、②の工程はなくなるわけですから、1年をとばして③の仕上げの微調整に入っていけます。

一方で、今回の妹さんのようにもとの凸凹が少ない症例では、一列になった後でもほぼまるまる抜歯したスペースが余ります。このスペースはじっくり②の工程で閉鎖されていきますから、とても時間がかかります。

 

この辺のことを説明すると、

『○○(姉)の方が早く治るっていうことですか?!』

ととても驚いた様子でした。

 

そして先日の診療での進捗ですが、お姉さんには年末ほどで治療が終了になれるお話が出来ました。

妹さんですが、現在②の進行中です。それでも年齢が若いので歯の動きがとてもよく、残りのスペースはあと1~2mmほどではあるので、来年春くらいには終われそうです。

 

ただやはり全く同じスタートの姉妹でも、凸凹が多い方が進みが早いことを物語っていると思います。

 

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9月4日(金

『”横顔の改善”を主訴に来院した患者さん

 

患者さんは様々な主訴をもって来院されます。

矯正治療で歯並びや噛み合わせが変わることは皆さん当然ご存知ですが、というよりもむしろ『矯正治療がそのための治療でしょ』くらいの認識でいると思います。

一方で、矯正治療の前後で変わることの要素に『横顔』や『口元の感じ』も挙げられます。

 

少し前は初診相談でこのお話や症例写真などをお見せすると、そこで初めて横顔も変わることを知り、その変化に驚かれる患者さんも多くいらっしゃいました。

最近では、『口元を引っ込めたい』を主訴に、つまり矯正治療で口元が引っ込むことを知っていて、それを希望に来院する方が増えてきたような気がします。

 

ところでなぜ矯正治療で口元が引っ込むのでしょうか。

もちろん治療をした全員がそうなるわけではありません。逆にすでに引っ込んだスッとした口元をしていて、これ以上引っ込んでしまっては困る方もいるでしょう。

矯正治療で口元がスッとする症例とは、

①もともと口元が突出していて比較的並びの凸凹は少なく、②小臼歯を抜歯して治療を行う場合です。

 

まず①です。

詳細を省きますが、凸凹の多い方はそもそも口元が出ていないことが多いです。一方で、凸凹が少なく一列の歯並びの方に口元が出ている方が多いです。

この状態にいる方に、②ですが、小臼歯抜歯を伴う矯正治療を行うと、前歯が後方に退がるため、退っていく前歯についていくように口唇も退がるというわけです。

結果口元がスッと引っ込みます。

 

ただし、口元が出ているのに小臼歯抜歯を伴う矯正治療を行ってもあまり前歯が後退しない、つまり口元が退がらない方(症例)もいます。

・凸凹が多い(歯同士の重なりが多い、叢生の度合いが強い)けれど口元が出ている

・口唇が厚い(歯が十分に後退したのに、それが口唇に反映されにくい)

場合です。(後者の場合は全く口元が後退した感じが得られないということではありません。)

 

口元の突出を改善ご希望の方は、ご自身がどのタイプに属するか、初診相談の際に医師に尋ねてみるといいと思います。

 

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8月11日(火

『矯正治療の”目立ちにくさ”と費用の関係』

 

矯正治療を目立ちにくく、周囲から気づかれにくくやりたいという方は少なくありません。

目立ちにくい装置となれば、通常のブラケット装置を基準にすると、

通常のブラケットと金属ワイヤー(歯の表側)

ホワイトブラケット・ホワイトワイヤー(歯の表側)

ブラケット装置とワイヤー自体を見えない位置に(歯の裏側)

のように、下にいくほど目立ちにくく(見えなく)なります。

 

これに関連して、目立ちにくくなるほど矯正治療の施術費用は『高く』なるのが一般的です。

理由としては単純で、装置そのものの仕入れの費用つまりは原価が高くなるから、というのがもっとも大きなところです。

 

ホワイトの場合は、

ブラケットについては、通常のブラケットはプラスチック素材ですが、白いブラケットはセラミック素材になりますし、金属ワイヤーに対して、ホワイトワイヤーは金属ワイヤーを特殊な技術で白くコーティングしたものになりますから、やはりその分原価は高くなります。

それが提供する治療の費用にも反映される形になります。

 

では裏側矯正の場合はどうでしょう。

これもやはり材料の原価という点もありますが、装置自体が患者さん個々のオーダーメイドになるという点が最も異なるところです。やはりそれが費用に反映されます。

 

当院では特に患者さんからのお話、ご希望がなければ、こちらからのご提案等はなく通常のブラケットになりますので、目立たない、見えない装置をご希望の方はお伝えいただければと思います。

 

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7月19日(土

『口元が退がってとても喜んでいた患者さん』

 

先日ブラケットオフになった患者さんです。

口元の突出が主訴でした。歯列の凸凹は多くなく、一列だけど(だから)口元が出ていることが気になり、それを引っ込めたく治療を始めました。

 

口元の突出は、例えば2年という治療期間のうち1年を過ぎたくらいから、

『あれ?なんか口元の感じ、横顔の感じ変わってるかも・・・?』

と気付き始めます。

1年半くらいすると抜歯した隙間もほぼ閉じるため、口元のが引っ込んだ感じの完成型に近くなります。

 

この患者さんも、治療が終わって装置が外れた時の(およそ治療開始から2年)感じもさることながら、1年半経過時くらいから口元はすっきりとしてきていたので、治療途中からでも大分お顔の印象は違ってきていました。

ご本人に聞いてみると、

『そうなんですよ、最近鏡で横顔見るのが楽しくて!』

とのこと。

 

並びが一列でも歯の傾斜が前のめりだと、結果口元が出るという状態になることも多いです。そうなると口が閉じにくい、鼻呼吸ではなく口呼吸になる、といった問題や、

歯の前のめりの傾斜で噛む力がうまく歯軸に伝わらない、といったことも起こる可能性もあるので、そういう意味においては、

歯を抜いて『噛み合わせを治す』ことからの、結果口元も後退できる、

という結果になることはとてもいいことだと思われます。

 

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6月20日(土

『歯が痛いことが主訴の初診相談』

 

矯正歯科の専門医院では多くの場合、虫歯や歯周病の治療を行っていません。

患者さんも最近では矯正には『矯正専門の医院』が存在している、という認知が高まってきているため、ここでは虫歯の治療はしてもらえないんだろうな、とすでに思われている方も多いです。

なので、『歯が痛い』と言って矯正歯科に来院されたとしても、一概に、

『一般の歯科医院と間違えているな』

とは言い切れず、虫歯ではない原因で歯が痛く当院を訪れた、可能性も否定できないわけです。

とは言っても、その痛みが虫歯が原因ではないというのは患者さん自身では判定できないため、歯が痛くて歯科医院を受診したら、

『その歯は虫歯じゃないね。多分噛み合わせが原因だから矯正歯科を受診してみては?』

とアドバイスを受け、矯正歯科を受診するというケースがあるのだと思います。

 

そして実際に口腔内を診察してみると・・・

左右両側の6歳臼歯、12歳臼歯が『鋏状咬合』という不正咬合の種類で噛み合っていない状況でした。

この鋏状咬合でよくあるのは、6歳臼歯はしっかり咬合していて、12歳臼歯だけがすれ違っているという場合がほとんどです。

それだけでもこの状態を改善するのはなかなか骨が折れます。それが左右のともで、かつ6歳臼歯までその状態となると、治すのにとても大変です。

奥歯がそのような噛み合わせですから、患者さんとしてもその状態の奥歯を使用せずには入られません。片方が鋏上咬合ならそうでない片方ではしっかり噛めるのですが、両方その噛み合わせだとそうも言っていられないからです。

なので、本来の正しい咬合関係ではない、本来咬合できない位置に位置している歯を無理に咬合に参加させていることになるので、歯には当然負担がかかります。顎を大きくずらさないと上下の歯が当たらないので顎の関節にも負担がかかります。

 

これは噛み合わせが歯の痛みの原因にもなれば、顎の関節の痛みの原因にもなる状況となっていると言ってもいい症例でしょう。

ただ治すのがとても大変な症例であることは簡単に予想が付きます。そのあたりの大まかな治療方法、この症状を治すにはこんな方法がある、などの説明をしてこの日の相談は終わりました。紹介元の歯科医院からいくつかの矯正歯科を紹介されているとのこと。

 

初診の主訴はやはり見た目や、噛みにくいといった内容が多いですが、このように痛いが主訴のことも少ないですが、ときどきいらっしゃいます。

 

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6月13日(土

『キレイを維持するには”継続”が必要』

 

突然ですが、矯正治療は治療が終わってからの方が実は大変です。

矯正治療は、

凸凹の歯列 → 一列の歯列

する過程の治療ですが、

一列の歯列になってからは、その一列を保つ働きかけをし続けなくてはならないからです。

 

意外に聞こえるかもしれませんが、矯正治療でゲットしたキレイな歯並びはダイエットでゲットしたスマートな身体と同じで、ダイエット後も食事や運動の管理の必要があるように、歯並びについても治療後は、

『戻り止め装置を使用する』

のような、キレイを維持する管理を続けなくてはならないのです。

 

いつまで戻り止めを装置を使用するか?と言われれば、

『キレイな歯並びを維持したいと思っている間は』

と答えることになります。

なので、治療後一生キレイを維持したいのであれば、生涯にわたって戻り止めの装置を使用し続ける必要があるということになります。

これは大げさではなく、事実なのです。

 

『一生とかムリ』

『そんなに長く使えるわけないじゃん』

という声が聞こえてきそうですが、

ゲットしたものが、やっと手に入ったもの、手に入れるまでにとても苦労をしたもの、時間がかかったもの、それ自体素晴らしいもの(と自分で思うもの)、費用がかかったもの、、、

というようにその過程でハードルが高かったものほど手放したくないと思うものです。

一方で、労せず手に入ったもの、いつのまにか自分の手元にあったもの、すごいと思っていないもの、費用がかかっていないもの、、、

などと自身が認識しているものは(実際はそうでなくても)、それを手元に、いい状態で維持しておくことがおざなりになりがちです。

 

矯正治療はと言えば、費用はかかる、期間も長い、装置がお口の中にあることでの治療中の不快感もある、月に1回の通院を2年間、なによりも治療前はその歯並びがコンプレックスだった、、、

という経過を経て治療終了になるものですから、簡単に手に入ったものではありません。なので患者さんもそれを維持しようと、一生懸命戻り止め装置を使ってくれる方が多いです。

ただ、10年も20年も使用を続けるとなると、難しいことも多いかもしれません。

人間の体は何もしなくても死ぬまでの間は変化(老化)していきますから、当然歯並びもその影響をうけます。歯並びも体の一部です。それに抗うには、体にとってのエクササイズのように、歯並びにとっては『戻り止め装置』の使用継続、これしかありません。

良い状態を保つにはやはりそれを維持するための働きかけがずっと必要です。

 

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6月6日(土

『ある日を境に

 

さて先日の初診相談の患者さんです。

主訴は並びの凸凹で、いわゆる八重歯、治すのには小臼歯の抜歯が必要だなと一目で判別できてしまいそうな、大きい程度の重なりがありました。

 

しかし実はこの患者さん、現在の歯並びをほんの2ヶ月ほど前には全く気にしていなかったとのこと。

当時友人から、

『歯並びすごいよね。ずっと思ってたけど。』

みたいなことを言われ、その一言が頭に残り、自分の歯並びを意識するようになり、

『確かにこれは気にしなきゃいけないレベルの歯並びかも』

と思うようになったとのこと。

友人に対して『ずっと思ってたならもっと早くいってくれよ』と思いながらも、

『指摘された直後だからすごい気になっているけど、少し経てば気にしなくなるかも』と

その後を過ごしていましたが、逆に気になり度は上がるばかりで、今回初診相談の申し込みをするまでに至ったそうです。

 

一方で、二十代の方で当院に初診相談に訪れる方は、

『歯並びは学生の頃からずっと気になっていたんですけど、仕事も始めて自分で何とかできるようになったので、いいタイミングだと思って』

というきっかけを持っていることが多いような気がします。

 

何かが始まるときには、計画通りにそれが始まることもあれば、思いもよらないことがきっかけになることもよくあることです。

 

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6月1日(月

『初診相談の一時休止につきまして

 

現在治療中の患者さまの増加を受けまして、初診相談の受付を一時休止とさせていただくこととしました。(6月1日より)

受付再開のタイミングは現在のところ未定です。再開の際にはこのホームページ上にてご連絡いたします。

初診相談並びに矯正治療ご希望の患者さまには大変ご迷惑をおかけいたします。ご理解のほどお願いいたします。

 

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5月15日(金

『今後の診療体制につきまして

 

静岡県の緊急事態宣言が解除されたことを受けまして、当院の診療体制につきましてご連絡させていただきます。

一方で解除直後という点、首都圏では5月末までの緊急事態宣言継続ということを受けまして、当院でも段階的に診療の範囲を広げていく方針としました。

 

○診療体制

処置内容につきまして

出血を伴う処置、エアロゾル発生を伴う処置につきましては、5月末まで内容自粛とさせていただきます。

 

来院間隔につきまして

こちらにつきましても、原則5月末の診療まで診療間隔の延長をいたします。

 

○院内環境

これまで同様引き続き徹底した衛生管理に努めます。その他待合室におきましては、アルコール手指消毒、院内書籍、キッズコーナー玩具撤去、換気など、患者さまのご協力を継続お願いいたします。

 

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5月6日(水

『矯正相談を4軒目、3軒目の患者さん

 

現在、4月7日の緊急事態宣言前にご予約いただきました初診相談の患者さまにつきましては、患者さまの方からのキャンセルがない場合は通常通りご相談を行っています。

 

今日は初診相談を複数軒受診している患者さんが多かった一日でした。

まず一人目の患者さんです。静岡県は東西に広いのですが、西の通常は当院には来られない遠方の地域からのご来院でした。

リンガル(裏側からの矯正)をしたくて矯正相談に行ったところ、裏側からは難しいとのコメントを複数の医院でもらったとのことでした。

裏側は治療システムや体系、方法などがとても複雑です。それらが整っているところでないと治療は難しいのかもしれません。

 

二人目は小学2年生の患者さんです。この患者さんは複数軒の初診相談の後に診断まで進んでいますので、今回の当院への来院は実質的にはセカンドオピニオンです。

複数院の相談で、2つの異なる説明があったとのことです。

一つは、歯列の拡大をして一列にしましょう。

もう一つの医院では、拡大しても一列にならないから、中学生まで待ちましょう。
(=中学生になったら抜歯してマルチブラケット治療ということです。)

抜歯はしたくないなと思い、歯列の拡大を提案してもらったクリニックで始めようと思い診断を受けたとのことですが、色々とご自分で調べるうちに思い返したいことがいくつが生まれてきたとのこと。

かといって将来抜歯する方法をすぐに選ぶこともできず、第3者の意見も聞きたいとの希望で当院来院です。

患者さんは程度の多い凸凹に加え、出っ歯さんの程度も多い状態です。詳しく調べないと分からない点もあったのでその旨説明をしたうえで、この見た目からの判断であれば、今治療はせずに将来抜歯をしてブラケット治療というのがいいかもしれないと伝えました。

 

以前にも触れましたが、矯正の初診相談での見立ては矯正歯科医によって大きくことなることも珍しくはありません。

当院でも、医師によって意見が割れるような症例については、他矯正歯科クリニックでの初診相談を勧めたりもします。

選択肢がそもそも与えられなければ選びようがありませんが、いくつかの治療法がある場合、それらの存在を知りそれら方法のメリットデメリットをよく理解したうえで、選択することが大事だと思います。

 

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4月25日(土

『オンラインでの診療

 

現在不急不要の外出を控えることから、仕事に関しては会社に行かなくてもできることは自宅でする、ことが大勢になっています。

だからというわけではないですが、すでに数年前から僕が所属している矯正のスタディグループではオンラインでの症例検討会が行われています。

実際会って顔を合わせることにはそれとしての意味はあるのですが、メインの要件はすべて適ってしまいます。

しかも会議室を確保する必要がない、プロジェクターやスクリーンの準備もない、移動もない、自身の環境でのフォーマットで発表すればいいのでみんなで合わせる必要がない、、、など

と、結構いい事尽くしです。

この症例検討会はこの自粛環境となる前から行っていたものですが、他業種の方と話をしていると、今回の自粛で初めてテレワークを行うことになったが、仕事の結構な割合を実は在宅でも十分にできることが分かった、なんていう声も結構聞きますから、この流れで新たな仕事の取り組み方なんかも見直されるてくるかもしれません。

症例検討会ではもちろん実際の患者さんがその場にいるわけではない(その患者さんの治療をするわけではない)ので、オンラインでのやり取りが可能なわけです。

 

では実際の診療ではどうでしょう。

診察にはその形態により大きく二つのグループに分けることが出来ると思います。

一つは、

診察の際に医師が施した施術の効果が、次回診療まで持続するもの

もう一つは、

診察の主な意味合いはチェック。患者さん自身がご家庭で施術しその効果を出すもの

 

これを矯正治療に当てはめてみると、

前者は、マルチブラケット治療に当てはまります。

来院の際、ワイヤーを曲げたり太くしたり、装置の位置を変えたり、ゴムを引っ掛けたりなどといった調整を行います。

およそその効果が1~2ヶ月は持続するため、効果が切れる2か月後までには再度調整が必要になってきます。

 

後者は、子どもの治療(拡大プレートやヘッドギアなど)に当てはまります。

拡大プレートの治療は、要点が2つあります。この2つさえしっかりできていれば、通院はチェックのみをするだけで、患者さんによる『ご家庭での施術』で治療はほぼ問題なく進みます。

その要点とは、『装置を拡大すること』と『装置の長時間使用』です。

この要点ですが、治療中の方はご存知かと思いますが、2つともご家庭で行います。拡大は保護者が、使用はもちろんご本人が行います。

つまりブラケット治療でのワイヤー調整といった、来院しての調整に相当する『装置の拡大』をご家庭で行う治療なのです。あとはそれを使うだけですから、調整と調整された装置の使用といった治療サイクルがご家庭で完結してしまうわけです。

ですから来院の際診察にてすることは、予定された量の拡大がされているかとか、装置の歯列への適合具合はどうかなどといったチェックをすることが診察の主な内容となるのです。

なのでもちろん、不具合や今後不具合に発展すると予想されるところがあればその調整をしますが、問題が生じていなければ診察は本当にチェックのみです。

 

ただこの治療形態は実はごく一般的であって、例えば内科診療などが近いかもしれません。

薬をひと月分処方され、患者さんは指示の通り薬を服用します。そして次の診察の際にひと月分の薬を服用した(患者さん自身がご家庭で施術した)効果を医師がチェックします。

その診察時、順調に進んでいると分かれば、次回までのひと月分のお薬を渡し患者さんはそれをまた指示のもと服用します。

上の拡大プレートの診察もこれと似ていることが分かります。

 

マルチブラケット治療では効果が切れてしまうので、通院はもちろん必要なのですが、後者の拡大プレートの治療ではそれこそオンライン診療が可能かもしれません。

痛いなどといった問題は主観的なものですから、患者さん自身で当然判断付きます。その際には来院いただいての診察、調整が必要です。

そのような問題がなければ、装置の適合具合、広がり具合、といったものはwebカメラなどで判断付くものですから、ご家庭でカメラの前でお口を見せてもらい、装置をはめてもらったりしてチェックを行う、次のチェックまでの装置の拡大頻度なども指示できますから、これで診察が成り立ちます。

 

もちろんチェックの精度は実際に来院してお口を拝見して、、、のほうが高いと思います。でも大きな差がないのであれば、有事の際には有効な方法かもしれません。

というか有事でなくてもそのような診療スタイルが今後主流になるのかもしれません。

 

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4月24日(金

『5月8日から初診相談の受付を再開予定です

 

4月7日より受付を停止しておりました初診相談ですが、緊急事態宣言の明ける(とされています)5月8日より受付を再開させていただきます予定です。

また今後、緊急事態宣言の延長、裾野市および近隣市町での感染者の増加などありました場合、状況に応じ上記予定を延長することもございます。

その際は可及的早期にその旨の掲載をいたします。

 

通常診療におけます診療内容制限、来院間隔の延長などは当面の間継続予定です。

 

ご連絡いただいております初診相談ご希望の患者さまには、大変ご迷惑をおかけいたしております。ご理解ご協力のほどお願いいたします。

 

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4月13日(月

『診療内容の制限につきまして

 

現在当院では、以下の診療内容を制限(中止または延期、延長)させて頂いております。

 

○当院にてまだ治療(装置の使用)を始められていない患者さま

中止(受付を停止)しています内容

・4月7日以降でお問い合わせのありました初診相談

・4月7日以降でお問い合わせ、ご希望のありました検査

 

延期しています内容

・次回が装置の装着開始、装置の使用開始となる診療内容

 

 

○すでに治療中の患者さま

中止しています内容

・毎回の診療での歯のクリーニング

 

延期しています内容

・保定観察(戻り止めの治療ステージに入っている方)

・現在装置をしていない経過観察

・準備矯正で、期間をあけても影響の出ない治療

・出血を伴う処置(アンカースクリューの埋入など)

・歯(やプラスチック)の切削

 

延長しています内容

・毎回の診療間隔

 6週 → 8週

 8週 →10週~12週 とさせていただいております。

 

※一方で、赤字で記載されています内容に関しましては、すでにご取得のご予約から1ヶ月ほど先のご予約に変更させていただくこともございます。

 

待合室、診療室での人と人との接触頻度、時間を減らす対応でございます。患者さまにはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解、ご協力のほどお願いいたします。

 

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4月8日(木

『新型コロナウイルス感染症 予防対策につきまして

 

首都圏を中心に緊急事態宣言が発令されたことを受けまして、当院におきましても次のような対応をさせていただきます。

治療をこれからご希望の患者様、現在治療中の患者さまにおかれましては、ご迷惑をおかけすることもありますがご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症 予防対策につきまして

 

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3月12日(木

『反対咬合の治療いろいろ』

 

反対咬合には成り立ちによって、

①上下の前歯の角度や位置が問題であるもの

②上下の顎の位置に問題があるもの

と、大きく分けて2つの型があります。①にはさらに2つの型があります。

専門用語でいえば①が歯性反対咬合、②が骨格性の反対咬合となります。

身長と同じで、下顎(の骨)も成長期にぐんと伸びますから、小学6年生~中学生にかけての反対咬合は骨格性の反対咬合の性質を呈していることが多いです。

 

かといって中学生前後の反対咬合のすべてが骨格性であるわけではありません。

中学1年生女子、反対咬合で半年ほど前から治療を開始しているこの患者さんは、反対咬合ではありますが歯性であり、骨格のバランスはほぼ標準に近いといった現状でした。

骨格のバランスがいいのになぜ反対咬合かというと、この患者さんは、

”下の歯列は一列の並び、上の歯列は前歯の2番目が内側に入り、犬歯は八重歯の凸凹のしれつだった”

からでした。

”~”の意味がお分かりになりますでしょうか?

歯列は一列だと”張り”ます。

逆に、凸凹だと”たわみ”ます。

上の歯列がたわんでいて、下の歯列が張っている状態でカチンと噛み合わせれば『反対咬合』になってしまうことがあります。たわんでいる分歯列が後ろに位置づくからです。

なので骨格のバランスに問題がない以上、上の歯列も張らせれば下の歯列より前に行き、反対咬合ではなくなることになります。

 

患者さんとしては、反対咬合もさることながら、上の歯列の凸凹もまた治したいと気にしているところであります。そのため、上の歯列にはブラケット装置(とワイヤー)、反対咬合に対応したマウスピース装置を併用することで半年間治療してきました。

現在では上の歯列が一列に張っており、下顎も少し後ろに位置づいたため、噛み合わせとしてすでに反対咬合ではなく、上の歯の一列と正常被蓋が同時に達成されたような形になりました。

 

原因によって当然方法も変わります。

このくらいの年齢で骨格性の反対咬合であれば、将来的に顎の骨を切る手術が必要になる場合もありますから、原因がどこにあるかを見極めて治療方法を選択することがとても大事です。

 

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2月13日(木

『ブラックトライアングルが心配』

 

ブラックトライアングルという言葉をご存知でしょうか?

googleで『ブラックトライアングル 歯』と検索した結果です。

上の写真を見ていただくとお分かりのように、下の歯列ならば、歯と歯が上の方ではしっかりくっついているけれども、下の方では隙間が開いている、、、

この隙間が三角形でかつ暗く見えるので『ブラックトライアングル』と名前が付いています。

 

先日の初診相談の方は、30代女性、当院が2件目の相談でした。

1件目の相談にて、症例としては問題なく治ると考えられるが、治療中~治療後にかけてブラックトライアングルが生じるでしょう、と説明があったとのこと。その際見本の写真も見せてもらい、

『え?こうなってしまうの?』

ととても衝撃だったようでした。

 

なので患者さんの今回の相談の目的は、

このブラックトライアングルというものは治療の方法や、治療を行う人によらず生じてしまうものなのか?

生じないようには治療をできないものか?

などを聞きたいというものでした。

 

結論から言えば、生じてしまうことはほぼ避けられません。

年齢的な要素もありますが、20代以降で、治療開始前の症状で特に並びの凸凹が多いような場合は、ほぼ確実にブラックトライアングルは生じます。

小臼歯(中間の歯)を抜歯して前歯をゆったり並べるような際にも生じやすいです。

 

ではできてしまうのが避けられないのであれば、できてしまったブラックトライアングルは失くせたり減らしたりすることはできるのでしょうか?

答えとしては『生じた空隙の量によりけり』ということになります。

原則として『減らす』ことは多くの場合可能です。ですので、

もともとの生じたブラックトライアングルの量が多ければ減らしても無くならないですが、もとの量が少なければ減らすことで無くなります。

という結論に尽きます。

 

初診や診断にてブラックトライアングルが生じうることや、およそどのくらいの量できるかはお伝えすることはできます。

ただ、その量はあくまでも目安ですので、結果生じたものが患者さんのイメージよりも少ないこともあれば多いこともあるでしょう。

ですから、ある程度歯を動かしてからでないと『生じる量』は正確にはわからないというのが実際です。

 

患者さんの捉え方も様々です。

相談時に、

『並びの一列には是非なりたいが、ブラックトライアングルが出来てしまっては意味がない。』

くらいの捉え方をする方もいれば、

『でもまぁしょうがないですよね、できてしまったら少しでも減らしていただければそれでいいです。』

くらいの捉え方の方もいます。

 

何かをする際には必ずメリットとデメリットがありますし、何をメリット、何をデメリットと捉えるかは個人個人で本当に異なります。

自分にとってのメリットがどこまで大きなものか、それがデメリットを覆えるほどのものなのか、、、などを、矯正治療を行う際にもじっくり検討する必要があるということでしょう。

 

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2月11日(火

『下顎小臼歯を抜歯済みのセカンドオピニオン』

 

先日の初診相談です。

20代の女性の方で、県内在住ですがやや遠方からのセカンドオピニオンでの来院でした。

現在他院で矯正治療を始める運びになっており、下の小臼歯2本を抜き終わったらブラケット装置をつけることになっているという段階でした。

 

セカンドオピニオンでの来院の方に不安をお持ちでない方はいません。この患者さんは何がご不安だったかというと、

『治療方法の説明を矯正の先生から直接受けていないのですが、(他の先生?からしてもらった)この方法で大丈夫でしょうか』

というものでした。

治療内容の説明を受け分かりにくいとかそういうことはなかったのだが、本当に矯正の先生が考えた方法かどうかわからないので、正しい方法なのか教えてほしい。

というような主旨です。

 

この患者さんの症例自体は凸凹の程度はややあるものの、決して治療が難しい内容ではなく、矯正の先生ではない方からあったという説明(を患者さんにしていただきましたが)も、抜歯する場所や本数、用いる装置なども含め、自分もそうするだろうなというような内容だったため、その旨説明しました。

患者さんは安心して帰って行かれたので、ひとまず良かったなといったところでした。

 

医院によって診療システムの違いなどもあると思います。

上には書いていませんが、この患者さんに説明をした方の名札には『コーディネーター○○』とあったそうです。

この○○さんはこの肩書で患者さんへの説明を任されているのですから、この方が矯正の歯科医師ではないにしても、『患者さんが満足できる、不安にならない説明ができる』という医院からの認定があるわけです。
一般歯科で歯のセラミックの被せや自費の入れ歯などを患者さんに説明する場合、このコーディネーターという役職の方が活躍しているのはよく聞きます。

 

そうは言ってもやっぱり、この患者さんのように治療内容の説明は矯正の先生にしてもらいたい、と考える方もいると思います。

逆に、矯正の先生でもないのに患者さんにそこまでの話ができるというのはこれはとてもすごいことで、その医院には矯正の先生以外にも自分の治療内容のことを把握してくれている人が他にもいる、という理解もできるわけです。

患者さんの捉え方は様々ということなのでしょう。

 

ただ矯正治療に限って言えば、『診断(検査の結果や細かい治療方法などの説明)』は施術を実際に行う矯正歯科医がしっかりとすべきだろうな、と考えます。

 

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1月30日(木

『ブラケット装置装着後の歯の痛み』

 

矯正治療で歯を動かすと歯に痛みが出ます。

例えば、ブラケット装置をつけてワイヤーを装置に通すと歯に力がかかるため、早ければその日の夜多くは次の日の朝くらいには痛みが出始めます。

この痛みは虫歯のような鋭い痛みではなく、いわゆ鈍痛と言ってズーンと響くような痛みです。

 

痛みですので当然感じ方に個人差がありますが、多くの患者さんでやはりそれなりに強く出ます。

痛みの持続期間はもっとも痛い時期が1〜2日、その後1〜2日はその痛みが引いていく期間なので、4〜5日もすれば痛みは無くなります。

矯正治療での来院間隔はひと月半(45日)ほどなので、次の来院までの残り40日は痛みなく過ごせることになります。

次の来院で調整をするとまたそのあと4〜5日痛く残りは痛みがない、ということになりますから、残りの治療期間はその繰り返しです。

 

治療前にこの歯の動く痛みを心配される方は多いです。また心配の程度も様々です。

例えばテストの時に痛かったらどうしようとという方、ご飯が食べられなくなるのかなという方、さらにはその痛みで矯正治療が続けられなくなるかもと心配される方、、、、

などいらっしゃいます。

例えばテストなら、次回診療をテスト終了後に来ていただくことで対応できると思いますし、

ご飯は上記の4〜5日を過ぎれば『柔らかいもの』などに制限することなく食べられると思います。また食事会などがあれば、テスト同様その食事会の後日に来院、という対応もできます。

また、この痛みに耐えられなくて治療を断念したという方はこれまで一人もいらっしゃらないので、そこまでのものではないと考えられます。何より矯正治療をする方の気持ちとしては、

歯並びキレイにしたいという気持ち > 痛み

であるため、乗り越えられるのだと思います。

 

痛みの発生自体はある程度避けられないところはあります。しかし上述しましたように、痛み発生のタイミング(つまりは来院のタイミングやその日の調整内容などによって)をコントロールすることは可能です。

痛みと上手につきあえるか心配、、、という方はお話しいただければ、患者さんにあった対応を提案させていただきたいと思います。

 

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1月27日(月

『1月29日の診療につきまして』

 

1月29日(水)は午前と午後4時までの診療時間を院内研修に充てさせていただいており、お電話での対応のみとさせていただいております。

ご予約がお取りづらい中、患者さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、院内一丸となってサービスの向上を目指しますので、ご理解のほどお願いいたします。

 

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1月13日(月

『ブラケットオフ3人と、、、』

 

今日はブラケットオフが3人。

時期柄というわけではないのですが、確かにこのタイミング(年度末)はブラケット除去が多くなります。

今回のオフはリンガル(ハーフやフル)や通常の表のブラケット、部分矯正と一通り揃っているような感じで、準備や診療内容がやや大変でしたが、無事全員キレイにオフすることができました。

 

と思っていると、ブラケットオフの患者さんの間にブラケット装着の患者さんが一人。

今日で2年間の治療が終わる患者さんもいれば、今日から始まる患者さんもいる、、、

『やった!終わった!』


『よしっ!始めるぞ!』

もっと極端には、初診相談の方もいれば布袋観察の方も、、、

 

この日に限ったことではないですが、段階の最初と最後の患者さんが同じ場所、同じ時間に居合わせるのも矯正歯科の特徴的なところかもしれません。

 

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12月27日(金

『埋伏の過剰歯を始めて知った

 

さて、歯科には上あご下あごの全体を撮影できる通称パノラマというレントゲンがあります。

これは細かい部分の正確性には欠けますが、大まかに、

・歯の本数(ある、ないなど)

・これから生える歯の向き

・顎骨内の病変の有無

などを知ることが出来、スクリーニング的な目的でとても多くの情報が得られるレントゲンです。

 

範囲は全体、かつ細かい正確性は低いレントゲンなので、虫歯1本の詳細を知りたいような場合にはあまり用いられません。

なので、歯科医院の利用が虫歯や予防処置がメインの場合、今まで撮影したことがないという方も多いと思います。

当院では初診相談の際小児の患者さん限定ですが、ご希望がある場合はこのパノラマレントゲンの撮影を行い、その所見も一緒に説明しています。

 

この初診相談のレントゲンで稀に見つかるのが、題名にもある、

『過剰歯』

です。

過剰歯というのは、本来の歯の本数永久歯なら28本(親知らずも入れれば32本)を超えて存在する歯のことで、本来の歯ではない『余分な歯』のことを言います。

実際に歯の形をしているものもあれば、歯になり損ねたような形のもの、あるいは球形に近いものまで様々です。

ただ、歯の形をしていても余分な歯であることには変わりなく、当然この歯が生えるスペースは歯列には用意されていません。

なので対処法としては、

・そのままにする

・抜く

ざっくり言えばこの二つになります。

どのような判断でどちらが選択されるかは様々な条件によります。

例をあげれば、

放っといたらその過剰歯が別の永久歯にぶつかってしまう場合は過剰歯を抜く

とか

放っといても特に悪さをしないことが予測されれば経過観察とする

と言った具合です。

 

保護者の方の反応もいろいろで、

過剰歯がありますと聞いて、

『ふ〜ん』

くらいの方もいれば、

『えっ!?どうしたらいいんですか!?』

と慌てた様子になる方まで様々です。

 

上に書きましたように、このパノラマレントゲンをなかなか虫歯予防の定期検診だったり、1本の虫歯治療のためには撮影しないので、その際に発見されないこともしばしばです。

発生率はとても低いので、その低い確率でしか起こらない疾患に対してすべての患者さんにそのレントゲンを撮影することも難しいわけです。

それだけに発見された場合、速やかな対処が必要になってきます。

 

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12月6日(金

『矯正治療とダイエット

 

患者さんからよく冗談で聞く、矯正したら歯が痛くてものが食べられなくなり体重が減った。

のお話ではありません。(笑)

 

矯正治療とダイエット、似ているところがあります。

それは矯正治療が終わった後にも”リバウンド”が『来る』可能性があるという点です。

 

女性でも男性でも、ダイエットという言葉をつけるほどのものでないにしても、ちょっと体重落とそうかな、、、と思って何かしらの実践をしたことがある方も多いでしょう。

食事の量を減らしたり、間食を控えたり、さらには運動をしたりして、数ヶ月かけて目標の体重になったとします。

でも例えばその翌日から運動もピタッと止め、食事も以前の量に戻してしまったりすると、今度はあっという間に数ヶ月などかけなくても元の体重に戻ってしまう、、、

なんていう話はよく聞いたり、経験のある方もいるかもしれません。

 

実は矯正治療も一緒です。

治療後の歯の位置はキレイな位置と言っても、歯にしてみれば矯正装置をつけられて2年間という短い期間で強制的(?)に移動させられた位置です。

30歳で矯正治療をした方ならば、30年間の元の歯並びでいた時間の方が圧倒的に長いわけです。となれば、装置が外れた後、歯はその居心地のよかった元の位置に戻ろうとしてしまいます。これが後戻りです。ダイエットで言えばリバウンドに当たるでしょう。

 

ダイエット成功後にその体重を維持しようと思えば、ダイエット期間中ほどではないにしても、間食を控えることや適度な運動を継続したりと、『いい状態』を保つための『働きかけ』をしなければなりません。

矯正治療も一緒で、ブラケット装置を撤去したのちには、今度はそのいい状態を保つための装置の使用(という働きかけ)を継続する必要があります。

突然ある日を境に”どフリ一”にはできないということです。働きかけが必要な最低限の期間は一応”2年”ほどということになっています。

 

ここまでを踏まえたうえで、実はここからが本題です。

”最低限の期間”という言葉に引っかかった方もいるかもしれません。じゃあ結局いつまで『働きかけ』を継続する必要があるの?という疑問が浮かび上がってくるでしょう。

 

まず大前提として、矯正治療によって手に入れたキレイな歯並びは、

『決して不変のモノではない』

ということです。

治療をしてきれいな歯並びになった後は、これからはその状態が自然に保たれる、変わらない、と思われる方はとても多いのですが、実はこれは正しくはありません。

 

もう一つ大前提として、

『歯(やそれぞれの歯の連なりである歯並び)は体の一部』

ということです。

年齢を重ねていく中で、変わらない、常に同じ部分が体の中にあるでしょうか?悲しいことですが、体のすべての部分は消耗品です。もちろん使わなすぎると委縮するので使う必要がありますが、かといって使えば使うほど劣化しますし、日が経てば経つほど老化します。つまり変化します。

このような劣化や老化、そこから来る変化を、生きている以上は完全に食い止めることは不可能です。

 

なのでまとめますと、矯正治療でキレイな歯並びを手に入れたあと、次の2つの敵と抗って維持していかなくてはならないのです。それは、

・後戻りによる歯並びの変化

・避けられない体の変化の一部としての歯並びの変化

です。

2年間『後戻り』を防ぐ働きかけを頑張ったとして、その後は後戻りによる変化は少ないかもしれませんが、依然として、『体は日々変わるもの』から来る歯並びの変化は一生起こり続けます。

 

なので、矯正治療で手に入れたキレイな歯並びを一生維持したいとすれば、維持のための働きかけも実は一生続けないといけない、、、と考えられます。

もちろんその働きかけのぺ一スは終始同じである必要はありません。働きかけの時間や頻度、程度は経年的に少なくしていってもいいでしょう。でもやはり0にはできないのが難しいところです。

 

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11月18日(金

『○歳時歯科検診や学校歯科検診で気づいた歯並び・噛み合わせのこと

 

裾野市の○歳時検診や学校、保育園検診の担当で歯科検診を行うことが年に何回かあります。

むし歯で気づいたことは、私見ですが、

『ある子にはたくさんあって、ない子にはほとんどない』

という両極端の状況があるように感じています。

ただ全体としては、

『虫歯の本数は減っている』

と感じます。

 

一方で歯並び噛み合わせはどうでしょう。

乳歯だけの歯列なら、さっくりですが、

乳歯同士の間に隙間があって、出っ歯でも反対咬合でもなく、、、

という歯列の状態が望ましいとされます。

しかしなかなかこのような、文字で書けば1行で書けてしまう内容ですが、この状態を満たしている歯列のお子さんはそうそういません。

 

隙間なくびっしりキレイに並んでいたり、乳歯の段階からすでに歯同士重なり合っていたり、出っ歯さんだったり、噛み合わせが反対だったりと、、、

どれか一つは不正咬合につながる要素を持っているように感じました。

 

虫歯は地域や日常のご家庭での取り組みで実際に『減っている』現状となっています。フッ素塗布や、フッ素洗口、フッ素入歯磨き粉の使用の広まり、保護者のお子さんの歯への意識の向上などが日常的に行われています。

 

それに対し、歯並びや噛み合わせを良くする取り組みはどうでしょう。虫歯のと取り組みに比べれば、あまり取り組まれていないような感じがするでしょう。

これにはちゃんと理由があります。

簡単に言えば、

『これをやればいい歯並びになる』

といった明確な予防法のようなものがないからです。

 

小学生の初診相談の際に保護者の方からよく、

『どうしていれば凸凹してこなかったんでしょうか?顎を使って硬いものを噛むようにすればいいのでしょうか?』

と質問を受けます。

硬いものを小さいころから噛んでいればいいかと言えば、仮にそれが正しい答えだったとしても、硬いもの、噛みちぎらないといけないもの、噛む回数を増やさないといけないもの、、、などを日常的に毎食食卓に並べるのも至難の業でしょう。

小さいお子さんであればご飯を食べてくれないというもっと現実的な問題にぶつかってしまいそうです。

なので歯並び・噛み合わせに関しては、予防というよりはある程度症状が出てからの治療というあり方がまだ一般的です。

もちろん虫歯がもとで生じる不正咬合もありますから、そういう意味では虫歯予防も不正咬合予防につながるといえばもちろんそのとおりです。なので、かかりつけ歯科医院を持って、定期的なフッ素塗布や定期健診をすることは不正咬合の予防という点からも意義があると思います。もちろん、不正咬合の指摘ももらえるでしょう。

また、専門用語では『予防矯正』という言葉もあります。矯正は治療としてするんですが、より重篤な症状になってから治療をするのではなく、軽度なうちに、重篤化する前の予防として矯正治療をするという考えです。

 

なので不正咬合にならない明確な予防法はありませんが、そのような前提においては、早い段階での不正咬合が重篤化する前での発見やアプローチが有効な予防法と言えるでしょう。

 

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11月3日(日

『子どもの歯並びが羨ましくなって・・・というお母さんの初診相談

 

少し前になりますが、現在小学6年生で子どもの矯正治療がほぼほぼ終わり、経過観察に入った患者さんのお母さんから、

『今度私の歯並びを診てもらえますか?娘の歯ならびがキレイになったからって、私もっていうのも変ですよね、、、?』

との申し出が。

さかのぼってみれば、この患者さん(お子さんの方)の初診相談の際、

『私が歯並びガタガタで苦労したので、娘の歯並びはよくしてあげたい』

というのが、矯正治療が始まるきっかけでした。

お子さんの歯並びがひと段落付いたため、昔から気になっていた自分の歯並びを治したいと思い始めたとのこと。

 

実はよく似たシチュエーションは他にもあります。

例えば、

職場や学校の友人が矯正治療を始めて、歯並びがキレイになっていく様子を間近で見て自分も矯正をしたいと思うようになった方や、

一人のひとのなかでも、部分矯正で上の前歯をキレイにした結果、下の歯列や全体的にもキレイにしたいと思い始め、その後全体矯正に進んだ患者さん、さらには

海外留学で向こうの歯ならびキレイ率がとても高いことに衝撃を受け、帰国後間も無く矯正歯科の初診相談に訪れる方、

年に1回お正月に会う同年代のいとこが矯正治療を始めていたと言う方、

、、、などなどがこの例でしょう。

 

矯正治療は噛み合わせをを治すという、機能が改善される面を持つ一方で、並びを治すという『見た目』をよくする面も持っています。

噛み合わせをよくするというとしっかり健康面にアプローチをしているような感があります。

一方で並びはどうでしょう。

見た目なら結局は美容目的でしょう?

と思われてしまうかもしれません。そしてなんとなく美容目的で形が変わることを良しとしない雰囲気もあります。

 

矯正治療を美容目的でやるのは悪いこと?

堅い内容ですが、『健康』を辞書で引いてみると、

健康とは、単に病気ではないとか、弱っていないとかいうだけでなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態であること

とあります。

噛み合わがいいことは肉体的に満たされた状態でしょう。

一方で歯ならびにコンプレックスを抱いている方の並びが一列になれば、精神状態もとても満たされたレベルになるでしょう。

さらには地域、学校、職場、、、みなさんなんらかの社会生活を営んでいます。その中では周囲と比較する、されることもあれば、その環境にはある種の価値観がすでに作られているかもしれません。その社会の価値観に合うようになることは、社会的に満たされた状態になることに他なりません。

つまり、見た目の改善もまたれっきとした『健康』目的に行うことであり、並びの改善を目的として矯正治療を行うことももちろん悪いことでも変なことでもないわけです。

 

『周りの人たちの歯ならびがキレイになったから自分も始めたい』という動機は、自分が健康になるための素晴らしい動機だと思います。

 

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10月30日(水

『小学生の矯正治療開始のタイミングは?

 

初診相談の際、小学生の患者さんの保護者の方から、

『治療を開始するタイミングはいつがいいですか?』

という質問をよく受けます。

少し前のブログでも触れましたが、大まかには、

①2年生くらい

②4年生くらい

という2つのタイミングがあります。

本当にざっくり言えば、

やることは多めにある(程度がそこそこ大きい)場合は①、

やることが少なめの場合は②、

ということに一応はなります。

 

いわゆる子どもの矯正治療は、

『ご本人の本来持っている顎の幅の成長力』

や、

『歯の生え替わり』

を上手く利用して進めていく治療ですから、顎の成長や歯の生え替わりがほぼほぼ終わってしまう『6年生』くらいが子どもの矯正治療のタイムリミットと言えます。

矯正治療では、治療を始めてから効果が出るまでにはやはり年単位の期間が必要です。

そこを逆算すると、程度の軽い症例でも4年生くらいからは治療を開始している必要があるわけです。

 

するとこんな疑問も湧いてきます。

程度の重い症例の方が4年生で初診相談に訪れたら?

この場合、程度が重くタイムリミットまでの時間も少ないという点から、子どもの治療だけではおそらくその不正咬合を解決できないため、

子どもの矯正治療+中学生以降の矯正治療(ブラケット治療)

かあるいは、

子どもの治療はせずに、中学生まで待ってそこからブラケット治療を行う、

というような選択肢が考えられます。

 

このあたりのことから、治療開始のタイミングを早い段階から知っておくことにメリットが多くあると考えられます。

1~2年生くらいのうちに一度矯正歯科を受診し、タイミングのお話などを聞いて①にも②にもどちらにも対応できるという体制にしておく、というのがベストかもしれません。

 

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10月18日(金

『違和感の感じ方もひとそれぞれ

 

裏側ブラケットの装置といえば、見えずに矯正治療期間を過ごすことを可能にする装置のひとつです。

ただ歯の裏側に付くということで、表に付いた場合と比べ舌と装置がとても近いところに位置するため、感じる違和感が強くなるという傾向があります。

考えてみれば確かに納得で、歯の表に付けばそこにはすぐ前に唇がありますから、表に付けた場合は唇の裏に感じる違和感の方が主に感じられことになります。

 

先日初めて上の歯列の裏側に装置を付けた患者さんが何人かいました。

一人は人前で講演などの話す仕事をしている方でした。見えないことが重要であることもさることながら、やはりしゃべりにくくなってしまってはやや本末転倒のような気もします。

様々な点から説明をし、ご本人も悩んだ末ハーフリンガルという選択に至りました。

いざ装着の際しゃべりにくくなることをやはりとても心配していましたが、付け終わってみると、

『全然大丈夫ですね』とのこと。

 

別の方は逆に『違和感?別に気にしません。』くらいの感覚でしたが、いざ装着してみると、

『これヤバいですね、、、』とのこと。

 

これこそ個人の感覚からくる感想なので、この方がこうだったからあの方もこうとは言えないものです。

ご自身のハードルの上げ方もあるでしょう。上げに上げて装着に臨んだ方と下げた状態で臨んだ方ではやはり感じ方が異なるのかもしれません。

ただ装置の装着部位が裏や表にかかわらず、そもそも矯正治療が、

『異物をできるだけ長い時間お口の中に入れ続けること』

を前提にしていますから、違和感自体は避けられないものでしょう。これまでで治療期間中ずっと『慣れなかった』方もいらっしゃらなければ、ずっとちゃんと『しゃべれなかった』方も、さらには装置の違和感が原因で治療を中断した方もいませんから、そこまで深刻に考えなくて良いものなのかもしれません。

 

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10月6日(土

『子どもの矯正治療の期間も患者さんそれぞれ

 

先日子どもの治療が一通り終わり、あとは12歳臼歯が生えるまで経過観察になった患者さんの診療がありました。

当院では子どもの治療で、

①拡大プレート→②ヘッドギア(下顎にはリンガルアーチ)→③前歯だけのブラケット装置

の流れで治療するパターンがとても多いです。

小学生で一番多い不正咬合は、出っ歯と並びの凸凹です。なので上のような流れが当てはまることが多くなります。

 

ざっくりですが、

①の拡大プレートは歯が並ぶための幅を作る装置

②のヘッドギアは出っ歯を治す装置

③は①と②でやったことの仕上げをする装置

です。

 

今回の患者さんはこの経過観察を開始するまで1年ほど装置の使用をしていました。

去年の8月から今年9月までになります。その診療の最後にお母さんから、

『早かったですよね!』

の言葉がありました。

子どもの治療は取り外しタイプの装置が主なので、本人の装置の頑張りが鍵を握ります。使った分だけ歯は動くのでその分治療も早く進みます。

なので、早く終わったのは間違いなくご本人が頑張ったからです。

 

もう一つの理由としては、もともとの不正咬合の程度にあります。

当然といえば当然ですが、もともとの程度が大きければその分時間もかかりますし、程度が小さければその分時間もかからないことになります。

凸凹があってしかも出っ歯

よりも

出っ歯だけ

の症例の方が治すことも少ないので当然それを直す時間も少なくて済みます。

①には6ヶ月〜12ヶ月

②でもやはり6〜12ヶ月

③は3〜6ヶ月

が各ステージの期間の目安です。

 

今回の患者さんは凸凹はあまりなく、出っ歯が多めにある方でした。なので①のステージでの治療はする必要はなく②からのスタートでした。

①〜③全て行った場合の期間の幅は15ヶ月〜30ヶ月

②と③を行った場合の期間の幅は9ヶ月〜18ヶ月

となりますから、②と③をやって13ヶ月の治療期間というのは実際的には標準的な期間ということにはなるわけです。

ただなんとなく一般的な矯正治療の治療期間といえば『2年から3年』というイメージをお持ちの患者さんも多いですから、それと比較すれば断然短いということにはなるのでしょう。

 

凸凹だけ、凸凹と出っ歯、出っ歯だけといった組み合わせもありながら、凸凹や出っ歯にもその軽い重いといった症状の程度もありますから、それらが治療期間の長短に反映されるわけです。

 

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9月13日(金

『トップページにビフォーアフターを乗っけてほしいくらい

 

小学6年生の女子の患者さんです。

小学4年ころから出っ歯と凸凹(なりかけの八重歯)の改善を目的に、子どもの矯正治療をしています。

 

子どもの矯正治療は中学生以降のいわゆる大人の矯正治療とは違って、お口から患者さん自身で取り外すことのできる装置を用いて治療をすることが多いです。

お口から外すことができ、学校では装置を原則使用しなくてもよいので、使っている装置が外から見えるということがあまりありません。

一方で、付けたままで取り外しの出来ない装置であれば、患者さんの意思で外すことが出来ないことがデメリットである反面、常に歯に力がかかっていることになるので歯の動くスピードが速いことがメリットと言えます。

言い方は悪いですが、付けたままの装置は歯に付いたままであること(からくる不自由さなど)を我慢できれば、あとは歯は勝手に動いてくれます。

 

一方で、取り外しタイプの装置はどうでしょう。もちろん装置が装着されていないと歯に力はかかりませんから、装置を使用しない限りは治療は進まず歯並びもキレイにはなりません。

装置の付け外しをするのは患者さん本人ですから、患者さん本人が頑張らないことには良い結果にはなりません。

なので子どもの矯正治療の成否は患者さん(とそのご家族)の頑張りがカギを握っているといってもいいくらいなのです。

 

そこで冒頭の患者さんですが、先日積極的に歯を動かす治療が終わり、今度は良い位置に動いた歯をそこで止めておく『動かさない』治療に入りました。

『抜歯が必要と言われたんですが、なんとか抜かない方法はないですか』

というお母さんの初診時の主訴も今は昔、ご本人が取り外しタイプの装置を2年間頑張ったことで中間を抜かずに、かといって口元が出てしまうわけでもなくむしろ少し引っ込んだほどで、経過観察に入ることが出来ました。

その際お母さんが、

『ホームページの一番上にこの子のビフォーアフターを乗っけてほしいくらいですよ!。会う人にしか見てもらえないのはもったいないから(笑)』

とのことでしたが、患者さん本人が『やだよ』とのことでしたので、ホームページには載せていません(笑)。

 

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9月10日(火

『裏側ブラケットの部分矯正~セットアップ模型通りの結果

 

裏側ブラケットでの矯正治療は、部分矯正でも出番があります。

今回詳しくは触れませんが、表側の部分矯正より適応症が限られますが、もし適応に当てはまればそれこそ見えずに短期間での前歯一列が可能です。

 

さて題名ですが、裏側矯正では歯にブラケットを付ける前にセットアップ模型というものを作製します。

このセットアップ模型というのはいわゆるシミュレーション模型で、一列になった完成の歯並びを先に石膏模型で作ってしまうものです。そしてそこから逆算して歯面のどこにブラケット装置を装着すればよいかを割り出します。

つまり目の届くところにゴ一ルをまず先に作ってしまうことで、完成形に直結した治療を行っていくことができるようになるということです。

 

ブラケット装着位置もシミュレーション模型のようになる位置に設定しますから、実際の完成した歯並びもまた当然そのシミュレーション模型に近いものになります。

この”近い”という状態ですが、症例によっては近いを通り越してシミュレーション模型と”全く一緒”といっても過言ではないくらいの状態になるものもあります。

 

先日ブラケットオフになった患者さんもまさに模型通りの結果、仕上がりになりました。

部分矯正でのこのような結果になりやすい症例としては、主として最初の並びが歯のねじれや軽度の前後的なズレである場合が挙げられます。

逆におよそ模型通りだが、少し歯の角度が模型と異なるような症例は、例えば2番目の歯が後ろに引っ込んでいるような凸凹のタイプによく見られます。

歯冠同士は一列になっているが、歯の根っこが冠に追いついてこれていないような状態です。ただとはいっても冠はいい位置に来ているわけですから、一列度合いには問題ありません。

この根っこまで大きく移動させるとなるとそれだけで半年くらいかかってもおかしくはないものです。
一方で部分矯正では治療期間が短いことも大事な要素です。全体矯正なら他のことをしながら根っこの向きを変えていっても、それだけのために時間がかかるということにはなりませんが、部分矯正の場合はそうはいきません。

ですから部分矯正で上記のような症例は、最初に何をどこまで治すかを患者さんとよく相談をします。

 

裏側からの部分矯正はこのところ需要が多い治療方法の一つです。適応症であれば、装置がほぼ見えずに並びの改善が可能です。期間は半年前後~1年未満という方が一番多いです。全体矯正の2年前後という治療期間に比べれば短い期間とも言えます。

ご希望があって適応症であった方には、見えない、短い治療期間での一列の応援をさせていただきたいと思っています。

 

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8月24日(土

『学校歯科検診で虫歯なしの判定だったが・・・

 

さて先日矯正治療開始のための検査を行った患者さんです。

診断の際、レントゲン検査で判明した虫歯の箇所ももちろんお伝えしています。やはりブラケット装置などが歯に接着される前には、虫歯を治しておくことが必要だからです。

 

レントゲンの結果から3箇所の治すべき虫歯が見つかりました。ところがこの患者さんは、4月の学校歯科検診で虫歯なしとの判定をもらっています。そのため、

『この3ヶ月の間に虫歯ができたってことですか?』

と驚いた様子でした。

 

もちろん、レントゲンにて写ってくるような治すべき虫歯がこの3ヶ月で出来上がってくることはまずありません。

じゃあどういうわけかというと、『虫歯なしの判定をもらった学校検診を受けた時点ですでに虫歯はあった』ということです。

 

そこで考えるべきは学校歯科検診とは何かということでしょう。

学校歯科検診では一人の歯科医師が午前中だけで500人くらいの学生の検診を行うことも珍しくありません。

3時間、180分で500人ですから一人当たり20秒ほどの検診時間ということになります。

診察体勢はと言うと、対面座位でお互い向き合って患者さんが少し顔を上に向けて口を大きく開けて、、、といったもので、患者さんを仰向けに寝かせた体勢に比べればやはり『見えにくい』ものになります。

ライトももちろん診療用のものはありません。卓上ライトを顔にあてるとか、歯科医のヘッドライトで代用します。

また歯と歯の間に唾液が停滞していたらどうでしょう。その唾液の下に虫歯が隠されているかもしれません。しかし唾液を飛ばすエアーもありません。

また歯と歯の間の歯の接点に虫歯があった場合、これは肉眼で見ただけではあるなしがなかなかわかりません。歯科医院での好条件下で行ったとしてもです。その場合、歯と歯の間にフロスを通し、その際フロスから伝わってくる感覚や、フロスのほつれなどを見て『穴』のあるなしを判定します。フロスでわからなければレントゲンです。もちろん学校検診ではフロスもレントゲンも用いることができません。

 

等々の条件を見てみると、決して歯科医師がいい加減に検診をしているわけではないのですが、どんなに一生懸命に目を凝らして検診をしても、学校検診にて全ての虫歯を拾い上げることは不可能なのです。

見た目で目の届く範囲に存在する明らかな『穴』がなければ虫歯にチェックが入らない学校検診では、肉眼で見えない範囲に虫歯があっても虫歯なしという判定になってしまう、わけです。

では『疑わしきは罰す』で、怪しいところを虫歯の判定にしてしまうと、のちに歯医者に行ったけどそこでは虫歯じゃないと言われた、と言うことになってしまうかもしれません。

 

しかし当然お口の中はご自分で鏡で見ても到底奥まではしっかりと見えにくいですし、中学生以上であれば保護者の方がお子さんのお口の中を見ることは難しかったりもします。

つまり目で見て目の届く範囲に虫歯があってもそれに気づけない、という状況も多々生じているはずです。

あるいは明らかな虫歯があるのをご自分で認識してはいても、それに対処する強制力が特にかかっておらず歯医者に行っていない、という状況も普段の日常で起きているでしょう。

 

ですので一番いいのは、上記のように

『学校歯科検診では全ての虫歯が判明するのではない』

『虫歯なしと言われたが、見えないところにはあるかもしれない』

という捉え方にして、

検診結果がきたらその内容(虫歯あり・なし)にかかわらず、定期検診のお知らせと思って歯医者に行く

ことがオススメです。

現在では歯科は予防歯科にとても力を入れています。虫歯がなくて歯医者に行っても『なんで来たの?』とは言われません。

学校歯科検診の時期をだいぶ過ぎてはいますが、みなさん歯科検診を正しく理解し、かつ上手に利用しましょう。

 

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8月4日(日

『直近でのご予約が取得しにくい状況になっております。

 

当院は数年前に開業しましたが、地域初の矯正専門医院ということもあってかその開業月にはとても多くの患者さんに初診相談に来院いただきました。

内覧会など特別なイベントなども兼たひと月であったため、年間を通した月平均からすればあり得ないくらいの数になるわけです。

なのでこの数を超えたらそれはそれで大変なのですが、先月は夏休み開始ということもあり、開業月を超える患者さんが初診相談に来院されました。

 

ということもありまして題名ですが、直近でのご予約が取得しにくい状況となっております。

初診相談ご希望の患者さまには、予約表に一週間ごと初診相談枠を予め設けておりますが、早期に埋まってしまいますと少し先のご案内となってしまいます。

また現在通院中の患者さまが通常来院間隔での次回ご予約取得が難しいことはないのですが、すでに取得済みのご予約を変更の場合、近くの日時での再取得が難しい場合がございます。ご注意ください。

 

ご迷惑をおかけいたします、よろしくお願いいたします。

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7月24日(水

『中学1年生の八重歯の相談

 

さて夏休みに入り、このタイミングで矯正治療を始めようか検討されている方も多いと思います。

先日中学1年生の女子の患者さんが初診相談に来院されました。主訴は八重歯です。矯正相談は通算2度目で、1度目は小学4年生のころにやはり矯正歯科の専門医院で受けていました。

当時説明を受けた内容はあまり覚えていないとのことでしたが、その矯正歯科でもらったという歯並び噛み合わせの記録写真を持参されていました。

そこにおそらく当時先生が相談時説明で用いたメモ書きが残されており、

『ヘッドギア→前歯にブラケット』『そのあと再判定』

とありました。

ヘッドギアというのは子どもの矯正で八重歯を治すために行う装置の一つですが、当時の写真に見る八重歯になりかけ、八重歯になる位置に生えようとしている犬歯の時期に使うと効果が出やすいです。

当時はやったほうがいいとは分かっていたものの、日常生活に矯正治療(通院のこと、装置使用のこと、期間のことなどなど)が入ってくることの抵抗感があったようで、開始には至らなかったとのことでした。

 

さて現在の状態としては、12歳臼歯まで生えそろっていて、犬歯の八重歯はほぼ1本分まるまるはみ出している程度です。

現状として口元の突出もなく下顎に凸凹はないため、上の小臼歯を2本抜いて八重歯の犬歯を入れ込む治療となりそうな見立てでした。

当時と今の写真を比べてみると、八重歯の程度は大きくなっていることが一目瞭然だったこともあり、お母さんから、

『当時始めていれば今歯を抜かずに済みましたか?』

と質問を受けたため、難しい判断ではありますが、当時の程度であればヘッドギアを使って非抜歯を目指せていた可能性はあったことを説明しました。

 

やはりそう考えると、矯正治療は症例の程度だけで開始のタイミングが『今でしょ』とは言い切れない治療であることを実感しました。

 

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6月17日(月

『お昼ご飯にウィダーインゼリーを飲む職場の上司

 

すでにハーフリンガル(上の歯列は裏側、下の歯列は表側)で矯正治療を開始している方の、治療開始前のエピソードです。


中学生頃から凸凹の歯並びが気になりだし、治すなら矯正が必要と分かってはいたもののあの『ギラギラ』したワイヤーの装置が嫌で、以降治療を始めることから遠ざかっていたといういきさつがありました。

その間『矯正するならあのギラギラの装置をしなきゃいけない』が頭の中にあったため、何か別の装置があるかもといった情報収集をしなかったそうです。

ただ、忘れることはあってもどこか歯並びを気にしている自分が常にいたようで、人と話しても自分の歯並びが気になって口を開けて笑えないし、相手の口元ばかりに目がいってしまうという状況で現在に至っていました。

 

そこで題名です。ある日職場の上司が、お昼ご飯にウィダーインゼリーを飲んでいたので理由を尋ねてみると、歯が痛くて物が噛めないとのこと。まさか親知らずですか?と聞いたところ、

『矯正始めたの』

と思いもよらない答えが返ってきたそうです。

患者さんがびっくりしたのは、この上司の歯に矯正装置が付いていない(ように見えていた)のにもかかわらず『矯正治療中』という答えが返ってきたからです。

そこで裏側矯正の存在を知りネットで調べたりして、思い立ったら早かったようですが、現在ハーフリンガルで治療をしている最中です。

ハーフリンガルは下の歯列は表に装置が付きますが、下唇で隠れてしまう方が多くあまり見えません。

『装置が見えることが気になって治療に踏み切れなかった方が治療を開始できて、その後も問題なく過ごせている装置』

とも言えますから、見えない・見えにくいという点においては満足できる類のものだと思われます。もちろん捉え方の個人差はあるとも思いますが、、、

見えない・見えにくい矯正治療を選択する場合、裏側矯正が今のところ最も患者さんのご希望に添える方法だと思います。

 

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6月5日(水

『やっぱり浅い噛み合わせの反対咬合は治りやすい

 

さて小学生くらいの反対咬合や、交叉咬合、開咬といった不正咬合は、歯並び噛み合わせの問題にとどまらず、後々顎の形を変えてしまいうる不正咬合として、早期のアプローチが好ましいとされています。

 

2月の終わりくらいにそのような、今後の変化を心配されている小学校低学年の女児の患者さんが初診相談に来院しました。

お母さんによれば、かかりつけ歯科医より、前歯が永久歯に生えかわっても前歯が反対の噛み合わせのままだったら矯正治療を考えましょう、と提案されていたとのこと。

前歯が永久歯に生えかわったのは1年ほど前でしたが、そのあと今日まで反対のままであったため来院したといういきさつがありました。

かねてより反対咬合をかかりつけ医より話をされていたためインターネットなどでも調べる機会も多く、初診相談でも『反対咬合は治らないと手術するんですよね!?』と質問があったほどです。

ちなみに中学生以降の反対咬合であっても、程度がよほど大きくなければ手術ということにはならない、というのが実際ではあります。

 

上記のような知識をお持ちであったため、『そのうち治るかも』と思いながら1年間、歯科を受診せず過ごしてしまったことを少し後悔している様子でした。

その後治療を始めることになり、4月の半ばくらいに装置の使用が始まりました。

そして先日使用開始して最初の1か月の診察があったのですが、このとき反対咬合はすでに治っている状態でした。

カチンとと噛んだとき、上の前歯の方が下の前歯より少しでも前にあればそれはもう反対咬合ではありませんから、これをもって治ったと一応言えるわけです。

お母さんとしてはびっくりです。手術のことまでを気にしていた数年来の反対咬合が、1か月で反対ではなくなったのですから。

 

ただ注意点として2つあります。

一つ目はもちろん、=治療終了というわけではないということです。

この装置をトータル1年ほどは少なくとも使用し、上の前歯を下の前歯よりもっと前にしておくことや、『上の前歯が前』にある状態を維持していくことが今後必要です。

二つ目は、この患者さんが『反対咬合が治りやすいタイプ』だったということです。

以前もブログで取り上げた、反対咬合が治りやすいタイプである、

『父母が反対咬合ではない、噛み合わせが浅い、反対の程度が小さい』

という条件を、この患者さんが満たしていたことが早期に治った理由と考えられます。実はこのような条件を満たした患者さんの反対咬合が1~2か月で治ってしまうのは珍しいことではなく、比較的よくあります。

逆にこの条件を満たしていないと改善までに時間がかかることが多いです。一つの装置だけでなく、他の装置、併用、などといったことが必要になります。

 

お母さんの話していたように手術になることは稀ですが、反対咬合は並びの凸凹(叢生)などの不正咬合に比べ、外見や顔の形にまで影響してくる可能性が高い不正咬合であることは事実です。

『治りやすいタイプ』の症状が進行して『治りにくいタイプ』に移行してしまわない、早めのアプローチが必要でしょう。

 

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5月27日(月

『ホームページへの症例フォーアフターの掲載

 

最近個人的的にあちこちでよく目にも耳にもする『医療広告規制』の言葉。

それと関係のない学術のセミナーや学会に参加しても見聞きしないことはないくらい頻出のワードになっています。

医療広告規制とは何かというと、

『医療なのだから、宣伝・広告するにしても見る人に誤解のないように行いましょう。』

という取り決めのことです。

これまで見る人が自らの意思で見ようと思わなければ目に入らない媒体などは規制の対象にはなっていなかったのですが、近年規制の範囲が拡大しホームページもその対象に含まれるようになりました。

なのでホームページ上でどんな言葉を使うか、ということにも医院側は気を付けていかなければなりません。

 

矯正歯科での頻度の高い違反事例をいくつか挙げてみます。中には患者さんにとってもよく見聞きする表現もあるかもしれませんね。

・スピード矯正

・ブライダル矯正

・プチ矯正 など

これらはそもそもすべて学術用語ではないのでダメです。およそのイメージはついてしまうのですが、よくよく立ち止まって考えてみるとブライダル矯正って何?となるわけです。

スピード矯正はおそらく速く治療が終わることを意味しているものですが、何を基準に速いのかが不明ですし、患者さんに誤解を与えてしまいます。

 

・当院は~の治療例1000症例の医院です

・県内唯一の~です。

他者との比較もしてはいけません。

 

・治療期間の短い~システムを使用しています。

・当院は歯を抜かない非抜歯矯正を行っています。

特定の処置の有効性だけを強調する表現もダメです。~システムや非抜歯矯正が、その表現をホームページで目にしている患者さんにあてはまったり有効であるとは限りません。誤解を与えてしまう可能性もあります。

 

・当院は最新の矯正治療を提供しています。

・患者満足度100%です。

最新や100%という表現は意図せずとも虚偽になってしまうこともあったり、そうでなくとも客観性に欠けています。

 

これもよくあります。

・当院は厚生労働省医政局認可の医院です。

その医院が開院しているのであれば当然認可を受けてのことなので、嘘でも客観性を欠いているわけでもありません。しかし当たり前のことを何か特別の資格であるかのように表現するのは誇張表現となってしまいます。

確かに『~の認可を受けています』などと書くと、なにか頼りがいのありそうな気がしてきます。二つの歯科医院でどちらを選ぼうか迷っている方であれば、その記載が決め手になることもあるかもしれません。

 

その他、症例のビフォーアフターを掲載する条件もとても厳しくなりました。

このホームページでも昨年までは症例のビフォーアフターを掲載していましたが、現在は初診相談で医院にいらした方に見ていただく形にとどめています。

 

まだまだ他にもあります。意図的でなくても少し気を抜くとうっかりどれかに抵触してしまいそうなものばかりです。

去年の9月ころまではこのホームページもそのような表現に満ちていましたが、学会からの指摘で大分直しました。

 

ただ矯正治療は歯科の中でも特殊な分野であり、虫歯の治療のように、

症状(むし歯で痛い) → 医院に電話 → 受診

というよりも、

症状(並びが凸凹)→ 受診予定の医院をホームページで調べる → 医院に電話 → 受診

となることが多いでしょう。

それだけに、規制に引っかからないようにと情報を余分にそぎ落としてしまうのではなく、MI(ミニマルインターベーション)の考えで対応していければと思います。

 

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5月22日(水

『小学生でマルチブラケット治療ができないのは』

 

初診相談で、

『マルチブラケット治療は中学生以降で行う治療なんです』

とお話しすると驚かれる方が結構いらっしゃいます。

 

基本的には上の言葉通りで、小学生でマルチブラケット治療をすることはほとんどありません。

マルチブラケット治療とは、矯正治療と言えば多くの方がイメージする装置、歯にボタンとワイヤーを付けて行うあの治療のことで、

『仕上げの治療』

と位置付けられている治療です。この治療により、歯並びが一列になり、上の歯と下の歯の噛み合わせも整います。

小学生でも、ブラケットとワイヤーを『前歯だけに付ける』とかいうことは結構したりします。でもこの場合とは少し異なり、上の歯下の歯、生えているすべての歯にブラケットとワイヤーを付ける、ということは小学生のうちにはあまりしません。

 

ここでいう『小学生』の定義は、

乳歯がまだ残っている、

12歳臼歯が生えていない、

上あご・下あごの成長がまだ続いている、

などです。

どれも理由としては重要なのですが、今回は

『上あご・下あごの成長がまだ続いている』

を取り上げてみたいと思います。

 

単純には、

『土台が動いていると、土台に乗っかているものの位置は定まらない』

ことが理由です。

 

たとえば、

中学校に入学した男の子に、成人式で着るスーツを買えない

のと同じような理由です。

でも仮に買ったとしましょう。

現在の身長である160cmに合わせて買ったとしたら、おそらく20歳では小さくて着ることはできません。

じゃあ、大きくなることを予想して170cmのものを買うか、180cmのものを買うか、をしてもいいかもしれませんが、おそらくぴったりのものは買えないでしょう。

部分的に手直しで済めばいいですが、まるまる新しいものを買いなおし、なんていうことも普通にありえそうです。

ですのでどれも適切な買い方とは言えません。

前もって買うにしても、少なくとも体の成長、身長の伸びが止まってから買うべきでしょう。

 

歯並び・噛み合わせもこれと一緒です。

上あご、下あごは成長すると前方に大きくなります。つまりは前に出てきます。

このあごが前に出る程度は個人差が大きくありまして、上あごばかりが前に成長しやすいお子さん、下あごの方が前に出やすいお子さん、両方とも出やすいあるいは出にくいお子さん、など様々です。

では仮に、上あごが成長しやすい患者さんにマルチブラケット治療を行い、10歳でいい歯並び噛み合わせが達成されたとしましょう。

治療はもう終わりましたが、この後上あごがさらに前方に成長して出てしまったとしたらどうなるでしょう。

さらに10歳なのでまだ乳歯も残っています。11歳ころに最後の乳歯が抜け、永久歯が生えてきます。その永久歯が思いもよらない変な位置から生えてきたら?

 

でもこの方は『仕上げの治療』であるマルチブラケット治療をもう終えられている方です。11歳になって新たに生じた上記の問題を解決しようと思うと、実はまたマルチブラケット治療をしなければなりません。

これは明らかに2度手間です。

 

手間が2度だけならそれでもまだいいかもしれませんが、歯に矯正での力つまり外力を加えるのはなるべく期間や回数が少ないほうが、歯の健康という面からみてもいいに決まってます。

ですので、特にマルチブラケット治療のように1本1本の歯の移動量が大きい治療は1回で終わった方が好ましいです。

 

これらを考えれば、土台が動かない年齢や時期になってから、仕上げの治療を行うのがベストという結論になりますし、小学生でマルチブラケット治療を行わない理由になるのです。

 

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5月18日(土

『中学生、混合歯列の反対咬合』

 

反対咬合といえばいわゆる受け口のことです。

受け口の治療はステージや程度により異なり、

小学生(就学前や小学生の期間)・・・顎の成長をコントロールする治療 ←土台が動くので、動く土台を好ましい位置に導く治療

中学生~成人(程度が小さいもの)・・・マルチブラケット治療 ←土台がもう動かないので、土台の上の歯を並べていく治療

中学生~成人(程度が大きいもの)・・・手術を伴う矯正治療
※中学生~高校生で程度が大きい場合は、10代後半からブラケット治療を始めます。

おおよそこんな感じになります。

 

中学生で、程度が小さいものはマルチブラケット治療を始めてもいいでしょう。

注としまして、

中学生→12歳臼歯まで生えている

程度が小さい→反対咬合でも骨格性の要因が小さく、身内に反対咬合の方がいない、など

等が付きます。

 

先日の相談の方は中学1年生の女子で、少なくともご両親は反対咬合ではなく、程度も切端咬合あるいは2~3歯に反対の歯がみられるくらいでした。

ただ歯列の発育段階として、12~3歳の方で見られうる永久歯列ではなく乳歯(第2乳臼歯)が混じった混合歯列の状態でした。当然12歳臼歯もまだ生えていません。

そうなると、上の記述に当てはめ中学生で程度は小さいものの、即マルチブラケット治療の適応というわけにはいきません。

単純には、

『マルチブラケット装置の適応が12歳臼歯まで生えそろった永久歯列からだから』

ということがそその理由に挙げられます。

一方で反対咬合で混合歯列(体全体としては成長期)の場合、まだ下顎自体が伸びる可能性も秘めています。つまり歯が植わっている土台が動くということです。

なので、現時点で土台の上の歯一本一本をきれいに並べていく、という治療つまりマルチブラケット治療を行うことはありません。

というよりも、現状で反対咬合かつ土台が動きうるのであれば、さらなる好ましくない動きを抑えることをしなければなりません。つまりは、さらに顎が前に出てしまうということを防がなくてはいけないわけです。

 

中学生とくに中学1年生くらいですと、生えかわりの個人差からまだ乳歯が残っているという状況は特別珍しくはないかと思います。他方で12歳臼歯まで生えて永久歯列が完成していてももちろん珍しくはありません。

これに症例としての中身が併されば、治療の内容に差が出ることも然るべきということになるのでしょう。

 

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5月11日(土

『ハーフリンガルの需要』

 

さて、裏側矯正といえばブラケット装置とワイヤーを歯の裏側に付けて行うマルチブラケット治療のことを指しますが、裏側矯正の中でも上下の歯列ともに裏側に装置を付けるタイプと、上の歯列は裏、下の歯列は表に付けて行うタイプのものがあります。

前者をフルリンガル、後者をハーフリンガルと通称しています。

このブログでもたびたび紹介していますが、googleで、『女性 スマイル』などと検索していただくと分かるように、結構な大きな口を開けて笑っても下の歯列は下唇に隠れて見えないことが多いです。

それならばと、フルリンガルよりは費用や装置の違和感などが抑えられるハーフリンガルが選択されることが多くなります。

当院でもハーフとフルの比率はおよそ4~5 : 1くらいとなっています。

 

先日成人女性の方が4人初診相談に来院された日がありましたが、全員がハーフリンガルでの治療を希望していました。

このように成人の方がリンガル希望、は最近では全くめずらしいことではなく、上述のうち2人の方が当院にてすでに裏側矯正で治療を開始されている方からのご紹介で、ハーフリンガルのメリットを直に見たり聞けたりしていたのだそうです。

当院では、ハーフリンガルで治療をする方は自動的に下の装置は『ホワイトワイヤーとホワイトブラケット』での施術になります。

下の歯列は上にも書いたように、歯列自体が唇に隠れて見えにくいです。とはいっても、下の歯列がいつも見えないわけではありません。

装置が見えるのが嫌で上の歯列を裏側でやっている方たちです。その見えてしまったときに、目立つ装置であるよりは、白くて目立たないタイプの方が好ましいでしょう。

 

少し前は裏側矯正というと何か特別なことをする矯正治療のようでしたが、今では提供する医院も増え、患者さんもインターネットなどで情報をたくさん取集できたりと、ごくごく身近な施術になってきました。

とはいっても表側矯正に比べれば、生まれてからまだ日が浅い分野であるのも事実です。それだけに需要が高まっている昨今、供給する僕たちの知識・技術のレベルも日々さらに向上させていくことが課せられていると思います。

 

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5月7日(火

『顎を切る手術で治したい、、、でも矯正治療は裏側からしたい』

 

さて矯正治療は自費診療といって健康保険が効かないことは世間でも広く知れているかと思います。

一方で保険の効く矯正治療もあります。不正咬合の程度が著しく、その改善に手術(顎の骨切りなど)が必要とされる場合、顎変形症と病名が付く場合ですが、矯正治療に保険が効くようになります。

顎変形症の矯正治療には決められた流れがありまして、大まかには、

矯正歯科医院で顎変形症との診断を受ける → 術前矯正治療(手術を行う前の矯正:1年ほど)→ 手術(提携病院への入院:1週間ほど)→ 術後矯正治療(手術後の矯正:1年ほど)→保定(治療終了)

の流れになります。

上記の流れを厳密に踏まないと、保険適応になりません。

つまり、手術ありきの矯正治療ですし、矯正治療ありきの手術ということになります。

 

先日の初診相談の方は当院が初めての相談でしたが、インターネットなどでいろいろと調べてきていて、『手術で治したい』という希望をすでに持っていました。また、手術を伴う矯正治療の場合は、矯正治療が保険の適応になることもご存知でした。

症状としては受け口で、奥歯のみが咬合、横顔の印象も受け口の方特有の側貌になっており、顎変形症の病名を付けられる程度でした。また、矯正治療は裏側からしたいという希望も持っていました。

 

結果としては、患者さんの希望を叶えてあげられない相談となってしまったんですが、理由としては、

・当院が保険適応の矯正治療を行っていない点

・保険適応になる矯正治療を行おうとすると、表側からのブラケットにしなければいけない点

でした。

 

矯正歯科の専門医院のなかでも、保険治療も行う医院と自費診療のみを行う医院があります。もちろん保険治療というのは虫歯や歯周病の治療のことではなく、上述した顎変形症などの方の矯正治療のことです。
なかなか患者さんもここまで知っている方は少なく、相談で来院しその旨を相談時に伝えられる場合が多いようです。

ですので、顎変形症で手術を伴う矯正治療が適応になると思われる方は、該当の矯正歯科医院で初診相談を受ける必要があります。

 

なので治療そのものに関してはそれでいいのですが、解決できない問題として、

顎変形症(矯正治療が保険適応になりうる症状)であっても、裏側からの装置(裏側矯正)で治療を行ってしまうと保険が効かなくなってしまう

ということが挙げられます。

 

虫歯治療は保険が効くが、矯正治療は保険が効かない。健康保険なので国が治療費の一部を負担してくれるわけですが、虫歯は国が疾患と認めてくれているからこその適応なわけです。
一方で歯並び・噛み合わせの改善は、治療というより美容、という捉えられ方であるため

『国はその費用を負担しませんよ』

となっているのです。

でも不正咬合としての歯並び・噛み合わせが重篤化すれば機能面や日常生活にも支障が出ますから、そうなると疾患として認められるようになりその改善は、美容というより治療、という捉えられ方にもなり、

『国が費用を一部負担します』

となるわけです。

 

一方で歯並び・噛み合わせを改善する際、見えにくい装置として最近では裏側矯正がありますが、裏側矯正が存在している理由のすべては『見た目』です。それ以外の理由はありません。

なので歯並び・噛み合わせを治すだけならば裏側からである必要は全くありません。表側からですべてが治せます。

ですから、顎変形症の矯正治療であっても、

『国が負担する(保険が効く)のは、表側からした場合だけですよ』

という条件が付いてくるのです。

ですので、裏側から見えない装置を使って手術もしたい、となると治療費用から手術費用まですべてが自費診療、つまり患者さん自身の負担となってしまうわけです。

 

でもどうでしょう。

例えば受け口の方が顎変形症の手術で出ている下顎を引っ込めたとします。すると口元の印象というよりは、それを通り越して顔全体の印象がとても大きく変わります。

矯正治療の一環としてのそのような治療があるということを知らない人からすれば(ほとんどの一般の方は知らないと思いますが)、いわゆる、

『整形した』

と思われる程度で変わります。

もしブラケットが歯についているのが表ではなく裏であれば、周りの人は矯正治療であることをさらに知りえませんから、何日間か会社を休んだと思ったら顔が変ってた、顎の骨を切るまでの整形をしたんじゃないか、と捉えてしまうかもしれません。

 

一方で、歯の表にブラケットが付いていて、手術までに1年間の矯正治療をしていたとしたらどうでしょう。今度は国が認めた疾患であり保険治療でもあるわけなので、美容ではなく疾患の治療をするなかで、結果的に見た目も変わるという位置づけになります。

周囲も、手術をしなければいけないほどの深刻な噛み合わせの問題だったんだね、と捉えるかもしれません。何よりも1年も前からブラケットを付けています。それが手術を前提とした矯正治療であることを周りにも告知しやすいと思います。

 

以前の職場で手術を伴う矯正治療を担当していた際、手術を終えた患者さんから、

『顎を後ろに退げただけでここまで顔の印象って変わるんですね。びっくりです。』

と、ここまでは手術をした患者さん全員がおっしゃることなんですが、加えて、

『ブラケットが付いていて良かったです。矯正治療で顎を後退させた、と周りに説明しやすいですから。』

とのこと。

 

裏側からの矯正治療で費用を抜きにすれば、やはり見えずに、矯正治療と気づかれずに結果を得られることは大きなメリットだと思います。

ただそれが手術を伴う矯正治療となった場合には、逆に装置が表に付いていることがメリットと捉えられる一面もあることを、患者さんのお話から知らされました。

 

今回の初診相談の患者さんがどのタイプで手術に臨まれるかはわかりませんが、一応上記のような説明もさせていただきました。

ただ患者さんの側で自費診療になってしまうことを良しとしても、裏側からの矯正治療で手術を行える施設が限られていることも確かです。

まず医院探しが大変かもしれません。

 

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4月26日(金

『側切歯(前から数えて2番目の歯)を抜いて治療したい・・・後編』

 

前回の続きです。

 

3を2の形にする際、抜髄(歯の神経を取り除くこと)をして、いったん歯をものすごく小さくしてから2の形の被せをすることが必要、ということは照会した歯科医院の先生のお話ですでに判明しています。

 

情報が小出しですが、この患者さんは下の歯並びにも凸凹があり、それを一列にするには抜歯が必要でした。つまり矯正の治療期間ということだけで言えば、上の2番を抜いて上がササっと一列になっても、下がまだ治療中であるため治療自体が早く終わることはないわけです。

よく、『矯正か被せか』で期間のかかる矯正よりも歯を大きく削ってパパっと一列をゲットする被せかが比較される場合もありますが、矯正をしないなら被せで解決ということも考えられるかもしれません。

でもどうせ矯正をするのであれば、被せをせずすべて自前の歯で解決できた方が後々にとっても良いのは明らかです。

なので矯正の立場としては4を抜いて2を表に出してくることを勧めていました。

 

診断を終えたのち、3~4か月音沙汰がなかったので、どこかの歯科医院で被せをして治したのかなと思っていたところ、連絡があり4を抜いて2を表に出す方法で治療を進めたいとのこと。

そして治療が開始され、今に至ります。

このような経過があったこともあり、2を抜歯せず前歯が一列になったことに対して患者さんの喜びも一入でしょう。

なぜ患者さんが2抜歯にこだわったかというと、期間は期間でも、1番と2番が2枚歯のような感じで重なっているのが嫌で、少しでも早く2枚歯の状態を何とかしたかったからです。

4番目はもちろん抜いていますが、2番を残したので、2番は天然の2番で3番も3番です。もちろん3番の神経をとって2番の形にする必要もありません。

 

今回のケースでは2番抜歯でなくてよかったことは、前編冒頭の患者さんの発言ママですが、短期の視点で『良い』ことは大事だとは思います。

でも当たり前ですが、患者さんは矯正装置がついている期間よりも、矯正治療が終わった後の生活の方が長いです。患者さんのバックグラウンドに拠りけりだとは思いつつも、長期の視点で『良い』かどうかという基準もやはり大事だと思います。

 

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4月23日(火

『側切歯(前から数えて2番目の歯)を抜いて治療したい・・・前編』

 

先日の診療中のこと。

マルチブラケット治療開始8か月を経過した患者さんが、前歯が一列になりその喜びを噛みしめながらポツリ、

『2番目抜かなくて良かった・・・』

 

この患者さんの初診時は叢生(並びの凸凹)で両側の側切歯が2本とも内側に入っており、程度としては『前歯のすぐ隣に犬歯がある』状態でした。つまり、丸々2本分永久歯の生えるスペースが不足している状況です。

 

マルチブラケット治療の抜歯ケースでは、第一小臼歯といって前から数えて4番目の歯が抜歯の適用になることが多いです。

次に第二小臼歯、5番というところでしょうか。

いわゆる八重歯だからといって犬歯(3番)が、あるいは後ろに大きく引っ込んでいるからといって側切歯(2番)が抜歯の適用になることは稀です。

奥歯は噛む機能を主に担う歯ですし、前歯は見た目の要素、審美性を担う歯です。にこっとしたときに歯並びがキレイに見えるのは、前歯を担う1、2、3番の各形態が自然に調和のとれた状態になっているからです。

もし前歯が1、2、3番ではなく、1、3、4番で構成された場合、やはり違和感が出てしまいます。

 

ただこの患者さんのように、側切歯が隙間なく歯列から追い出されている場合、側切歯を抜くメリットというのはあるといえばあります。

それは一列になるまでの時間・期間が大幅に短縮されるという点です。

2番を歯列に入れるために4番を抜いた場合、まず4番を抜いたスペースに3番を退げ、3番が退がったら3番があった場所に2番を引っ張り出してくる、といった行程を経るひつようがあります。

おそらく矯正用のアンカースクリューといった付加装置も必要になるでしょう。

2番が1番の隣に来るまでに1年くらいはかかるかもしれません。

 

一方で、2番を抜いた場合はどうでしょう。一列じゃない歯列の原因はこの2番がはみ出しているからです。なのでこの2番を抜いてしまえば即一列の歯列の完成です。期間にして1日です。

なので、もし、1番のとなりに3番があることが気にならないのであれば、これも一つの方法かもしれません。

もちろん、2と3は長さ、幅、形態、厚み、、、とどれをとっても異なりますから、並びや見た目だけではなく噛み合わせが少しずれるといった問題を生じさせたり、すでに問題がある状態を改善できなかったりといったことが起こり得ます。

 

この患者さんは、内側にある2を抜きたいのだけれど、1の隣には2の形態をした歯があってほしい、という希望を持ち合わせていました。

こうなると方法としては二つです。

4を抜いて2を出すか、

2を抜いて、3を2の形に修正するか、

です。

 

後編に続きます。

 

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4月19日(金

『『裏側矯正 裾野』の検索で』

 

先日の初診相談の患者さんです。

以前も書きました、

裏側矯正希望の患者さんは、裏側矯正をやると決めて来院することが多い

法則?ですが、

今回の相談の方もそうでした。

通常の装置か見えにくい白い装置かで迷われる方は多くいらっしゃいますが、やはり裏でやると決めている方はそもそも医院探しから『裏側矯正を行っている』かどうかの基準で探していますから、上のような法則があてはまるのも納得です。

 

このかたはgoogleで『裏側矯正 裾野』で検索して当院を知ったとのことです。

もともと他県にお住いの方で、高校生の時に中学生の妹さんと一緒に治療を始めるタイミングがあったとのことですが、当時さまざまな事情で表側からしか治療ができず、やはり装置が見えてしまうのが嫌でその時は治療開始になりませんでした。

とはいいつつも歯並びが気にならなくなることはなく、先日当院受診となりました。

 

やはり『装置が見える』ことが足かせになり、治療を思いとどまっている方は多いんだなと改めて実感しました。

 

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4月14日(日

『矯正治療はすぐ始まらない?』

 

先日の初診相談の患者さんです。小学校2年生の女子が患者さんで、お母さんが来院されました。

並びの凸凹と出っ歯さんが組み合わさった歯並びで、治療開始のタイミングとしては今ぐらいがちょうどいい頃合いです。

 

ご本人も装置珍しさ、友達もしている等々あり治療をしたそうです。しかしそれにも増して治療に前向きなのがお母さんでした。

それはこの一言によく表れています。

『この後その装置を付けてもらえるんですか?』

 

矯正治療と一般歯科治療、とくにむし歯の応急処置的な治療とで最も大きく異なるのが、治療開始となるまでの期間でしょう。

『痛い!どうにかして!』

という患者さんを、治療計画を1週間かけて綿密に立てないと処置ができないのであれば、患者さんは痛みを抱えて何日も我慢しなければなりません。なので、痛くて歯科医院に行けばその場で処置をしてもらえます。

 

一方で矯正治療はというと、来院した患者さんの症状が、一分一秒を争う緊急症状であることはまずありません。それは患者さんの方も実はちゃんと分っていて、患者さんが取る初診相談のご予約は数日~1週間後くらいを希望される場合がほとんどです。

逆に、例えば午前にお電話があってその日の午後の初診相談希望という方は稀です。

 

ところで矯正治療は年単位の治療です。

今日何をするという計画ならともかく、何年もかかる治療の計画となれば瞬間的に立ててしまうわけにもいきません。

患者さんも、大事な数年を治療に費やすわけですから『そんなすぐに簡単に、やることを決めてしまっていいの?』と思われるでしょう。

 

ちなみに矯正治療は、

初診相談の回

検査の回

診断の回(検査結果と検査から導き出された今後の方針が決まる回)

歯磨き状況をチェックする回

装置準備の回

装置使用を始める回

 

の順に進みますが(医院によって差はあります。)、どうでしょう、初診相談からこれだけの行程を経て装置の使用が始まります。

初めて目にする、耳にする方はびっくりするかもしれません。ですが、矯正治療の特殊性上どれも省略できない行程です。

冒頭の保護者の方も納得はしていただいたもののやはりびっくりした様子でした。

 

今回は矯正治療の特殊性を『期間』に特化してお話ししましたが、他にも特殊な要素はたくさんあります。

だからこそしっかりとした準備を経て治療開始となることが必要です。

 

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4月9日(火

『検査多めの1日』

 

春休みなどの長期休みが終わった後の1ヶ月ほどは、休み中に相談を行った方の検査や、休み中に検査まで行った方の診断が多めに予約表に記入されます。

休みごとおよそそのような傾向があるため、長期休みの最終週の数日は、相談、検査、診断の枠を予約表にあらかじめ設けるようにしています。

夕方以降は毎月の患者さんの予約ですでに埋まっていますが、朝〜昼〜午後の時間にかけては、まだ学校が始まっていない患者さんにとっては取得可能なお時間帯になります。

 

先日春休み終了前、この時間帯に検査の患者さんが6組と、1日の検査数としては多めになった1日がありました。

この日検査をした方の中には、春休み中に治療を開始したいという方も何人かいらっしゃいましたが、装置にも依りますが使用開始はゴールデンウィーク明けくらいにはなるでしょう。

 

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4月3日(水

『矯正治療の費用の合計って、結局いくらになるの?

 

矯正治療を検討中の方にとって、関心のあることのひとつに『費用』があると思います。

すでに矯正治療をしているお友達などから費用の話を聞くと、ある人はこう言って、別の人はそう言って、この人はあー言って、、、

聞けば聞くほどどうなってるの?とより分からなくなってしまった、、、などという経験をした方も多いと思います。

 

それは矯正治療が保険の効かない自由(自費)診療であることに理由があります。保険治療の費用体系は国が決めますから、同じ治療内容であれば、東京のA歯科医院で受けても大阪のB歯科医院で受けても費用は一緒です。

一方で自由診療の場合、それぞれの医院が治療費用を独自に設定することができるため、十院十色の費用体系が存在することになります。

それも矯正治療の費用って分かりにくいと思われてしまう原因の一つでしょう。

 

さらに矯正治療費用を分かりにくくする要素に、処置料制を採用している医院と総額制を採用している医院がある、ということも挙げられると思います。

 

ところで、矯正治療の治療費用の合計は以下の式で説明できます。

治療にかかる費用の合計 = 基本施術料(管理料) + 治療期間の毎回の診察代

です。

 

処置料制とは?

処置料制とは、基本施術料に加え、毎回の診察代がかかるシステムのことです。
毎回の診察代として、3000~5000円に通院回数を掛けた費用が加算されます。

2年間(24ヶ月)の通院で合計80万円になる治療であれば、

80万円 = 68万円(施術料) + 12万円(5000円 x 24回通院)

1年で終われば、68万円 + 6万円 = 74万円 ですが、

3年かかると、68万円 + 18万円 = 86万円 になります。

 

総額制とは?

総額制とは、基本施術料=かかる費用の総額であり、毎回の診察代を必要としないシステムのことです。
上述の式において、毎回の診察代に0円を代入したものになります。

80万円 = 80万円(施術料)

1年で終わっても早く終わった分の費用の返却はありませんが、逆に治療が延びても多く支払うこともありません。

 

ではどちらがいい?

トータル費用の大小に関しては、どちらも一長一短あります。

処置料制では、当然治療期間が短ければ通院回数も減るので、支払う額は少なくなります。一方で、治療期間が予想よりも長くなってしまえば、払う額も増えてしまいます。

逆に総額制ではどうでしょう。もし治療があっという間に終わってしまっても、極端には2年の治療が6か月で終わっても(もちろん満足のいく結果で)、費用は同じです。早く終わったからといって一部帰ってはきません。一方で、2年の治療が4年かかってしまっても、余分に払うこともありません。

患者さんにとってどちらがいいでしょうか?

処置料制の医院、総額制の医院、あるいは症例によって総額制と処置料制を分けている医院、様々です。

 

しかし患者さんの側で、『私の症例としての程度はそんなにひどくないから期間もかからないだろう。じゃぁ処置料制の医院で矯正しよう』とはなかなか至らないと思います。

矯正医としても治療前から『あなたの症例としての難易度は低いですから、治療期間は必ず1年未満ですよ』ともなかなか言えませんから、患者さんの側で治療期間が短くて済むだろうと判断しての決定はやはり難しいと思われます。

となれば、少なくとも費用だけを考えるのであれば、一般的な治療期間である2年〜2年半ほどをかかる期間と設定して、費用を算出し、処置料制で行った場合と総額制で行った場合の費用を比較するのがいいでしょう。

 

当院はと言うと、総額制を採用しています。

理由としては、治療中少なくともお金の面で、患者さんが不安や心配に思うことがなくなるからです。

総額制ですと、最初の治療をするかしないかを判断するタイミングですでに費用の総額も決まっていますから、『その額に納得しなければ治療を始めない』という選択ができます。

一方で治療を始めることになった場合は、その額に納得をしてでのこととなりますし、総額制なので今後治療費用がさらにかかることもありません。

つまり、患者さんは治療終了となるまで、仮に治療期間が延びることがあっても費用の心配をしなくて済むことになります。

 

矯正治療は年単位の期間がかかる治療です。

期間が長いということは、『いろいろ』なことが起こる確率も上がる、ということです。

もちろんいろいろとは治療と関係することに限ったことではありません。私生活における様々なイベントと、治療期間が重なる確率も高くなるのです。

そんな時、治療に関する心配事は一つでも少ない方が良いでしょう。

 

もちろん、施術を受ける医院を選ぶ基準は費用だけでは全くありませんが、費用を考える際に、処置料制・総額制の考えが参考になればと思います。

 

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3月20日(水

『本当に2年もかかるの?』

 

先日の患者さんです。

成人女性の反対咬合で、下顎の親知らずが咬合できる歯として存在していたので、下顎の小臼歯を抜く方法でブラケット治療を行っていました。

要は出っ歯さんで上の小臼歯のみを抜いて行う治療の反対咬合版です。

 

現在、治療開始後半年と少し経過したばかりですが、正常被蓋(上の前歯が下の前歯より余裕をもって前にある状態)となり、患者さんの顔つき・横顔の印象もだいぶ変わりました。

下顎前突からくる下顔面の骨格は、例えば上顎前突に比べ顔の印象を少しキツくする特徴があるように思います。

当の患者さんも一番気になるのは噛み合わせではあったものの、昔から『顔がいかつい』などと言われてきた経験もあり、それも併せて少しでも改善できれば、、、ということを主訴に来院されました。

手術をするか、どうするかという経緯もありましたが、矯正治療単独で開始していくことになりました。

 

前述のように現在噛み合わせ、横顔の感じともに大きく改善したため、患者さんに言わせれば『もうこれでいいんですけど』とのこと。

それはそれで患者さんの満足度が高いということを意味するので、こちらとしてもうれしい限りではあります。

しかしまだ抜歯で得たスペースが残っている状態です。

もとが反対咬合の方はやはり治療後少し歯の傾きが最初の状態にもどってしまうこともあり、変な言い方をすれば、大げさに治しておくこと、つまり上の前歯のだいぶ後ろに下の前歯を位置づけさせて終わりにすることが必要です。

なのでこれからはその段階に入っていくわけで、これはこれでとても大事なんですが、メインが改善した患者さんにとっては大きな変化もなく退屈な行程のように思えてしまうかもしれません。

 

もちろんこれらのことを全てして、1年だったり1年半だったりしか経過していなければ、もちろんそこで治療終了となることはありえます。

ただ現段階で、あと半年で終わりますよとか、予定2年でしたが多分1年半くらいで終わりますよとか言ってしまうと、いざその期間で終わらなくなった時の患者さんの落胆があると思いますから、やはり『予定通りのトータル2年ほどと考えていてください』とお話するようにしています。

2年と思っていて1年半で終わった方が嬉しいとも思います。

 

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3月19日(火

『春休みのご予約につきまして』

 

だいぶ暖かくなってきました。もうほとんど春ですね。

 

さて世間での春休み期間中(3/20~4/10ほど)、当院のアポイントに関しましても少し混み入った状況となっております。

通院中の患者さまのひと月後のご予約がとりにくいことはありませんが、ご予約日時間近でのご変更は、その近日での再取得が難しいこともありますのでご注意ください。

初診相談、検査、診断などをご希望の患者さまは直近でのご予約が取りずらくなり少し先となってしまう場合もあります。

特に初診相談ご希望の方は、ご希望の日時から余裕をお持ちいただいてのご連絡をお勧めいたします。なお、既存アポイントのキャンセル等で直近のご予約枠に空きが出ることもございます。まずは問い合わせください。

 

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3月14日(木

『ブラケットオフの患者さんラッシュ』

 

必ずしもこの時期だからというわけではありませんが、ブラケットオフのタイミングがどういうわけか集中する時期があります。

最近はほぼ毎日治療終了になる患者さんがいて、この時期に合わせて言うのであればいわば『卒業』です。

 

上下裏側からの患者さんは、ブラケットを外したからと言って外す前と外した後で見た目が全く変わりません。

でももちろんお口の中からあの煩わしい装置がなくなるのでスッキリ感はかなりあるため、外した後はとてもうれしそうです。

 

卒業した方はその次に新たな入学や入社があるように、卒業したからと言って『終わり』ではありません。矯正治療も一緒で、ブラケットオフ=終わりではなく、ここから始まる行程があります。

それは戻り止め、保定期間です。

なんとまたここから新たな2年間の始まりです。

ただ、矯正治療を終えられる方はこの行程がこれから始まることを知っているので、驚いたりはしません。

むしろ、この行程がとても大事な行程であることも知っているので、『よし、これからリテーナー頑張るぞ』といった意気込みを感じる方さえいます。

 

保定期間の通院間隔は3~6か月です。

毎月来院していた患者さんが、以降はこの頻度になりますから医院としては少し寂しいものがありますが、患者さんにとっては頻繁に通わなくてもよくなるのでうれしい限りでしょう。

 

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3月10日(日

『犬歯のひっかかり』

 

今回は少しマニアックな話です。

 

歯を抜く矯正治療には、抜歯したスペースに犬歯を後退させていく行程があります。

犬歯は前から数えて3番目の歯です。多くの場合抜歯するのは4番目の歯ですから、4番目の歯があったところに犬歯を移動させるのがこの行程の目的です。

後ろに移動させますから、抜歯したスペースよりももっと後ろの歯、たとえば第一大臼歯などからゴムを犬歯に引っ掛けて引っ張っていきます。

 

大きさや数の比較で言えば、大きい奥歯2本対そこまで大きくない犬歯1本ですから、奥歯が負けることは通常なく、犬歯が後ろに引っ張られてきます。大人2人対子ども1人の綱引きみたいなものです。

ところが上の力関係を無視して、この引っ張り合いで奥歯の方が前に来てしまうことがあります。子ども一人の力で大人2人を引っ張ってくることは普通出来ませんから、そこには何か見えざる力が働いていることが考えられます。

 

ところで、犬歯にはとある特徴があります。

犬歯は歯の中で一番もちのいい歯、一番最後まで残る歯、などとよく言われています。その理由として、『歯根が長い』ことが挙げられます。

土に植わっている木でも、根っこが短かければ外力によってすぐ倒されてしまうでしょう。歯も一緒です。やはり根っこが長く、骨にドーンと植わっていればその分もちもいいことになります。

 

ただこの根っこが長いこと、これが歯の移動にとってはややマイナスの要素になることも実は少なくありません。

今度は逆に、根っこが短い木と根っこが長く地中奥深くまで張ってる木とでは、どちらが植え替え易いでしょう。もちろん根っこが短い木です。

ということで根っこが長い歯というのは短い歯に比べて動きにくいです。

 

ではもう一度、今度は普通の大人の女性2人と柔道日本チャンピオンの男子中学生1人が2対1の綱引きをしたらどちらが勝つでしょう?

女性2人の方かもしれませんし、中学生の方かもしれません。2対1とはいえど条件が揃えば、1の方が勝ってしまうこともあります。

 

犬歯と奥歯数本の引っ張り合いでもこれが起こることがあります。なので臨床では犬歯を後ろに引っ張っていくだけの行程であっても、安易にやることはできません。

とある患者さんも、2~3か月前通法通り犬歯を引っ張り始めた1か月後、たいして犬歯は後退しておらず逆に奥歯が前方に傾く傾向が。

このかたの犬歯はやはり根が長く、根の先が骨の中のことさら固い部分に引っかかるように位置していたため、根っこの先端を内側に戻す調整と、やや前に来ていた奥歯を後ろに戻す調整を行い、対応しました。

先日の来院では奥歯の位置もそのままで、無事犬歯も後退し始めたので事なきを得ました。

 

でもいざ犬歯が無事目的地まで後退しきっててくれれば、犬歯もまた奥歯の一部となって、今度は前歯を後ろに引っ張る側として参戦してくれます。こうなると手ごわい敵が急に心強い味方に変化することになるため、まさしく昨日の敵は今日の友といったところでしょうか。

 

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3月2日(土

『ブラケット装置装着5人』

 

矯正治療は、初診相談から治療開始となる装置装着まで少しお時間がかかります。患者さんや治療内容にもよりますが、平均で1~2か月くらいかかるかもしれません。

この3月という時期は年度終わり、新年度の始まりを目の前にしていますので、何か新しいことが始まるきっかけになる月でもあると思います。

なので矯正歯科でも初診相談で来院される方が多くなります。

始める気満々で来院され、出来ることなら明日からでも装置を付けたいと言われる方もいらっしゃいます。ただ、とても申し訳ないのですが、矯正治療は昨日初診、今日治療開始、ということにはなかなかなれません。

 

およそどこの矯正歯科でも同様かと思いますが、治療が始まるまでは、

初診相談→検査→診断→歯磨き指導の回→装置準備の型どりなど→装置装着

という行程を踏む場合が多いです。

上はどの矢印も同じ長さですが、次の行程に進むまで1~2週間かかるものや1~2か月かかるものもあるので、初診相談から治療開始となるまでには少なくとも1か月くらいは期間を見ることが必要でしょう。もちろんこれは各医院によって差はあると思います。

 

しかし最近ではこのような順序で治療が進むことを患者さんもすでに知っていて、この時期に装置が付けれたらいいなぁという希望に対して、上の必要期間を逆算して来院される方が多くいらっしゃいます。

そのような意図はなく、偶然この3月という時期に装置装着となった方もいれば、この春休みのうち、新しい職場で仕事が始まる前に装置を付けておきたい、装置に慣れてから新生活に臨みたい、と考えてこの時期に装置装着となる方もいます。

 

この日装置装着となった方のうち2人は4月から新学年、2人は高校へ進学、一人は社会人と、いずれも新生活目前の方たちでした。こう書いては見たものの、学生であれば4月から新学年はさほど珍しいパターンはないですね。

ただ装置装着はは、装着された位置でその患者さんの歯並び・噛み合わせが決まってしまうので、とても神経を使う処置です。その内容が日に5症例あるとちょっと疲れます(笑)。

 

 

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2月26日(火

『小学生5年生くらいまでの八重歯は歯を抜かずに治りやすい~その1』

 

今回は上のテーマの導入として、前歯の凸凹や出っ歯さんの成り立ちについて書きたいと思います。

 

日々臨床をしていて一番多いと感じる小児の不正咬合は、

①前歯の凸凹

②上の奥歯が前に来てしまっている

③場合によっては出っ歯さんや八重歯

であり、

①と②はほぼ確実に併せ持っていて、場合によっては

①と②に加え③も併せ持っている、

という場合がほとんどです。

 

成り立ちとしては、②が何らかの理由で起こってしまい、結果①や③という形で表現化するというものです。

『一番前の隣の歯(側切歯)が後ろから生えてきた』

ことで『前歯の凸凹』という形が出来上がりますから、前歯の凸凹を主訴に来院される小学生の方は、上の側切歯が生え始める小学校2年生くらいであることが多いです。

 

奥にとどまっていて欲しい奥歯が前に来てしまうと、前方にある歯をもっと前に押してしまったり、あるいは前方の歯が生えるスペースを奪ってしまうことになります。

奥歯が前に来てしまうことで、

前方にある歯をもっと前に押してしまえば③の出っ歯さんや八重歯になりますし、

前方の歯の生えるスペースを奪ってしまえば①の凸凹になってしまいます。

なので凸凹や出っ歯さんという不正咬合は、本来奥にあるはずの奥歯が前に来てしまったことの表現型の違いということになります。

 

ではこのような最も多いタイプの不正咬合、治療開始のタイミングは?というと、

上記の小学校2年生くらいで矯正歯科を訪れた場合、そのタイミングが子どもの治療開始として『適した』タイミングであることが多いです。

 

次回はその理由について書きたいと思います。

 

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2月22日(金

『前回のブログの反応』

 

前回のブログを読んだ通院中の患者さん数名から、

『あのブログの患者さん結局どうなったんですか?』

『治療をすることになったんですか?』

などなどと質問をされましたので、追記したいと思います。

 

矯正の患者さん同士、やはり矯正治療を始めるまでに至るきっかけや考え、いきさつには違う点もあれど共通点も多々あります。

患者さんのなかには、まさしく

『私も今になって治療をするまでは中学生の頃にやっておけばよかったと思っていたうちの一人。でも結局は今でよかったとも思う。』

という方がいました。この方はすでにブラケット治療は終わり、現在リテーナー(戻り止め装置)を使用中です。

 

確かに中高生の頃にやっておけば、今キレイな歯並びだった可能性はあります。

『だった可能性?』

『だったでしょう。』

ではないの?

と鋭い方は思われるかもしれません。

前回書いた”治療へのモチベーション”は、実は治療中だけでなく、治療終了後にまでも保っておく必要があるのです。

なぜなら矯正治療には治療後の”後戻り”の可能性があるからです。2年間の治療後には、2年間以上の保定期間という、今度はキレイな歯並びを保つ期間が続きます。

今度はつけっぱなしの装置ではなく、患者さん自身で付けたり外したりができる装置です。付けっぱなしではないので一見楽に思えますが、逆に『維持』の管理が患者さん自身に委ねられることになるので、付けっぱなしの装置とは別の大変さが生まれます。

サボって付けなければせっかくの並びが崩れてしまうし、しっかり管理して装着を続ければ歯並びは維持されます。

保定装置の継続使用、これこそ高いモチベーションのなせる業でしょう。

 

上の患者さんの言葉ですが、

『あの頃なんとか矯正していても、絶対リテーナー(戻り止め装置)は真面目に使わなかったと思う。』

今やりたくてやって、やっと手に入ったものだから、ずっとそれを持っていたいと思う。

ここまでの気持ちがあってやっと維持までうまくいく。矯正治療はなかなか大変です。

 

前回のブログの患者さんですが、もちろん治療開始にはなっていません。やはりご本人が治療をしたい、治療の必要性がある、という気持ちに至っていないのが大きいでしょう。

海外に行くなら歯並びはキレイな方がいい、頭では分かっているものの周囲から言われる言葉よりも、自分の中から湧き上がる感覚や理解であった方が行動にもつながりやすいということだと思います。

実際に、中高生の頃に矯正を終わらして、その後保定装置の使用が甘く後戻りをしてしまい、再治療をしたく当院に来られる方もいらっしゃいますから、キレイな歯並びでずっといたい、という気持ちを、他の色々なことに消されてしまわずいつまで持ち続けていられるか、が歯並びの末長い維持には大事な要素だと思われます。

 

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2月13日(水

『矯正治療開始のベストなタイミングは?~モチベーションの面から』

 

中学生~成人の患者さんは、ご自分でご自分の『歯並びを治したい、キレイにしたい!』という動機があって矯正歯科を訪問する方がほとんどです。

よっぽど、2~3か月後に通院圏外に転居をする予定があるとかだと別ですが、基本的にはしたいと思ったそのタイミングが治療を開始するベストなタイミングといえるでしょう。

 

さて先日の初診相談の患者さんです。高校生女子の方で、お父さんとのご来院でした。

当院の問診票には

『歯並びについて一番気にしているのは誰ですか?』

のような項目があります。

小学生の患者さんでは、本人に○がなく保護者の方に○があることが多いですが、先ほども書きました中学生以降では本人が歯並びを治したくて、それが動機で来院することがほとんどですから、中学生以降の患者さんの問診票には、上記質問には”本人”に○がついていることがほとんどです。

ところがこの患者さんでは、本人に○がなく保護者に○がついています。しかも保護者の横に”特に父”の記載が。

のちに聞いてみたところ、お母さんは娘の歯並びをそこまで気にしていることはなく、気にしているのはむしろお父さんの方、なので今回の付き添いがお父さんであるのも頷けます。

 

ただ特筆すべきはやはり、『ご本人が歯並びを気にしていない』という点でしょう。

気にしているのはお父さんで、お母さんはあまり気にしておらず本人も気にしていない。付き添いがお父さんというよりは、お父さんに連れられてきたという感じです。

お父さんは少し前に2年間ほどアメリカに単身赴任をしていた時期があり、その際会う人会う人の歯並びが皆キレイなことに衝撃を受けたそうです。お父さんのすごいのは、その衝撃が覚めぬまま、アメリカで矯正治療を始めたことです。

ですので大学で留学を希望している娘さんにも今のうちから歯並びをキレイになっておいて欲しいという考えがあったのでした。

本題から逸れますが、お父さんのような動機で矯正を始める方は実は結構いらっしゃいます。矯正治療に転院はつきものですが、家庭のお仕事の都合で海外に転居し、海外で矯正治療を始めたものの治療が終わる前に帰国となってしまい、治療の継続を日本で行う、という例は多くあり、当院でもそのような患者さんは何人かいらっしゃいます。

その方たちの海外で矯正治療を開始したきっかけが、やはり周りがみんな歯並びがキレイだったから、というものです。

海外に行き、これでもかというほど周りの全員の歯並びがキレイだと、それがスタンダードと思えてくるのでしょう。

 

話を戻します。

ご本人は歯並びを気にしていないわけですから、もちろん治療をしたいとも思っていないわけです。

ご本人の歯並びは、叢生(並びの凸凹)と上顎前突です。パッと見ではやはり凸凹が目立つ印象です。治療となれば少なくとも上の歯列は抜歯が必要でしょう。

お父さんとしては、矯正装置が目立つのが嫌なら裏側からでもさせてあげたいという意気込みです。

ですが、ご本人としてはどうも抜歯が嫌でも装置の見た目が嫌というわけではなさそうな様子です。

 

では何が嫌かというと、

『自分が歯並びを気にしていないのに、なんで治療を受けなきゃいけないの』

つまり、自分がしたくもないことを親の考えを押し付けられてその方向に仕向けられているのが嫌なわけです。『』はご本人のほぼ原文ママですが、つまり〜は僕の推察です。

自分自身が治療の必要性を感じていなくても治療開始となり得るのが、患者さんが小学生の中学年くらいまでの場合です。このくらいの年齢ですと、本人が何のことやら分からないままやることになってしまっても、『なんかやることになったからやる』でできてしまうこともあるからです。それでしっかり装置を使ってくれるので、もちろん効果も出て歯並びもキレイになります。

一方でそうはいかないのが中学生〜高校生の患者さんです。

 

成人の患者さんで保護者の方に連れてこられる方はほとんどいませんので、成人の患者さんがこられた際には、そのご本人が治療をしたいと当然お考えです。なんで治療をしなきゃいけないのとは思わないわけです。

小学生の患者さんは、なんで?と思わないか、思っても決められた宿題のように、やることになったからやるを受け入れてしまえることが多いため、この場合もまた、なんで治療をしなきゃならないのとは思わないわけです。

その中間に存在するのが、中高生の患者さんです。

未成年である以上矯正相談には保護者と一緒に来られる一方で、保護者が『やることになったから』と言ったところで本人にその気がなければやってくれません。

 

中高生の矯正治療ではマルチブラケット装置が適用されるのが一般的です。この装置にワイヤーが通ればあとは自動的に治っていくというイメージがありますが、実はこの過程がとても大変です。

・まずは何と言ってもこの煩わしい装置をつけたまま2年間を過ごすということです

・この2年間、毎月1回矯正歯科に通院する必要があります

・ブラケット装置は虫歯のリスクを上げるため、患者さんは日々の歯磨きに本気で取り組まなければなりません

・治療期間の1/4ほどに当たる期間、患者さんにはブラケット装置とは別にご家庭にてご自分で着脱していただく装置が追加されることがあります。この『宿題』を患者さんが怠ると、治療期間が長くなってしまいます。

これはなかなか大変なことです。

患者さんがこの大変なことをなぜ頑張れるかといえば、ご自身に『キレイな歯並びになりたい』という確固たる目標や意思があるからです。

この意思がないと、装置をつけたものの嫌で途中で外したいと思われるかもしれません。月に1回の通院が続かないかもしれません。歯磨きを怠って虫歯だらけになってしまうかもしれません。宿題を頑張れずいたずらに治療期間が延びてしまうかもしれません、、、

良い治療結果になるには、ご本人のモチベーションは絶対に欠かせません。

この本人のモチベーションが上がっていない状況では、周囲がどれだけ盛り上がっていたとしても、矯正治療を始めるタイミングとしては『今でしょ』とは言えないのです。

 

この先、『あの時お父さんの言った通りに治療しておけばよかったな〜』と思う時期がもしかしたらくるかもしれません。

ただきっとそのように思ったその時が、この患者さんにとってベストな治療開始のタイミングであると言えるのでしょう。

 

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2月2日(土

『反対咬合の改善~早いパターンと遅いパターン』

 

小児の反対咬合で来院される方も多いです。

反対咬合には色々なパターンがあります。

成り立ちとしては、難しい言葉で言えば環境要因と遺伝要因というものがあります。

環境要因とは、その子が生活していく中で歯の外部から影響を受けて成り立つものです。たとえば、口呼吸とかベロの癖、爪噛み、むし歯、乳歯が早く抜けてしまう、、、といったものです。

遺伝要因とは、お父さん、お母さん(やおじいちゃんおばあちゃん)が反対咬合だと、お子さんも反対咬合といったようなものです。お父さんの背が高いとお子さんも背が高い、という現象に似ています。(これらの要因があれば必ず反対咬合になるというわけではありません。)

 

様態としては、骨格性、機能性、歯性、

程度としては、噛み合わせの深いものと浅いもの、上下の前歯の距離が近いものと遠いもの

等があります。

 

さてこれらの要素を縦割りで見た時の組み合わせによって、治療を開始した際の改善までのスピードに差が生まれます。

改善が早いものは、

環境要因で、歯性(機能性)、噛み合わせは浅く上下の前歯の距離が近いもの

です。

逆に改善が遅いものは、

遺伝要因で、骨格性、噛み合わせが深く上下の前歯の距離が遠いもの

です。

これは分かりやすい組み合わせかなと思います。

お父さんの背が高い子は放っておいても背が高くなりますし(背が高くなるのをなかなか止めることはできません。伸びてしまいます。)、下あご(の骨)が伸びてしまった結果下あごが前に出てしまったのであれば、伸びてしまった顎を短くすることはできません(身長180cmのひとを170cmに出来ないのと一緒です。)。

なので後者はスピードが遅いこともさることながら、改善の難易度が高いケースともされています。

 

小学校低学年で、いわゆる早いタイプであれば、装置を使ってひと月で反対咬合の改善をみる患者さんも実は少なくありません。

数年間悩んでいたお子さんの反対咬合が僅かな期間で改善することがあるわけですから、保護者の方もびっくりです。

もちろん改善といってもこの時点ではがっちりとした改善ではないですし、また戻ってしまうこともありますから、この後もまだもう少し装置は使い続ける必要はあります。

 

ただこの『早い』パターンであっても、放っておくと、『遅い』『難しい』方向へ”要素”が変化してしまうこともあります。

『早い』方のケースを放っておくと、

環境要因→環境要因のままです。

歯だけが反対咬合→顎ごと、骨ごとの反対咬合へ変化

浅い噛み合わせ→浅いままである可能性が高いです。

上下の前歯の距離が近い→遠くなってしまう(反対の程度が大きくなる)

のような変化が起きて、つまり骨が伸びてしまったタイプである骨格性の反対咬合に移行してしまうことがあるので注意が必要です。

 

今日の内容は、当院で治療をしている『早い』タイプの患者さんが、1~2か月で反対が改善したことを保護者のお友達に話したところ、そのお友達が反対咬合のお子さんを連れて初診相談にいらした、ということがあったため、書いたものです。

ただその患者さんは小学校高学年、お父さんが反対咬合と、もう一つの方のタイプでした。

 

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1月30日(水

『いろいろな不安を持っていたセカンドオピニオン』

 

昨年夏くらいから、ひと月の初診相談のうち1〜2件ほどセカンドオピニオンの方がいらっしゃいます。

本日来院した患者さんは高校生女子、マルチブラケット装置が装着されており、すでに治療期間は3年を超えているという現状でした。

 

3年前の治療開始時の主訴は凸凹と出っ歯でした。患者さんの強い希望で非抜歯の方針で治療を進めてきましたが、凸凹は改善したものの、口元の突出は以前よりも増えた気がするという現状です。

なので患者さんとしてはまだ『出っ歯が治っていない』という認識でいたところ、4月から矯正担当医がその歯科医院に来れなくなるということで、治療終了の申し出を受けたため、どうしたらいいか分からなくなり、当院のセカンドオピニオンを受診したという経緯でした。

 

多くの不安を抱えられていましたが、

一つは、治療の継続のことです。

やはりこの現状で治療終了としたくはないとのことで、なんとか出っ歯を治して終わりたい。なので治療の継続をしてほしいが、やはり歯は抜きたくない。

一つは、費用面です。

前院では通院毎で診察代が発生する費用体系だったとのことで、3年通院したことで一般的な矯正治療にかかるお金をすでに費やしている現状であるため、続きを他院でするにしても0からの費用をかけることが難しい。

一つは、期間です。

すでにマルチブラケットをつけて3年を経過しています。今後”真”の治療終了となるまでの期間さらに装置をつけ続け(つまりは歯に力を掛け続け)、歯は大丈夫か。虫歯や歯周病も心配とのこと。

さらに一つは、進学です。

4月から高校3年生、大学受験をするため夏には受験勉強が本格化しますから、治療が勉強の負担になるかもしれないという点、さらには来年の3月で治療が終わらず遠方に転居となった場合、さらにまた転院ということになってしまう。

などの不安を挙げられました。文章での事実の列挙だけですとなかなか伝えられませんが、お母さんの切迫感はなかなかでした。

どの不安も、解決にあたっては一筋縄ではいかないものばかりです。

 

患者さんも、患者さん側の要素として治療終了や中断、転医などとなる分にはある程度踏ん切りがつくかと思いますが、矯正医が突然来れなくなるから、では諦めもつきません。

矯正治療は長丁場です。子どもの治療では、6〜7歳から治療が始まる場合、13歳で達成されるべき良い歯並び・噛み合わせを逆算して、担当医が治療計画を立案します。

13歳でここを目指すから11歳ではこの装置を使う、11歳でこういう状態でその装置を使うなら9歳ではこう、9歳がそうなら7歳は、、、と言った具合に、全ての行程には連続性があります。

矯正装置はその種類が山ほどあります。なので担当医ごとで、よく使う装置や全く使わない装置もあれば、使用して多くの効果を認めている装置やほとんど使用しない装置で有効性を確認できていない装置などもあります。これは子どもの治療にとどまらず、マルチブラケット治療でも同様です。

なので、装置の転医先で前医の治療計画が全く引き継がれないということも往々にしてあります。

となると治療計画がガラリと変わりますから、患者さんにとっては新たな担当医から思いもよらない提案をされたり、、、などということもありえます。よくあるケースとしては、実は今回もそのケースに含まれますが、前医では抜かない方針だったのに、転医先では抜歯をしないとできないと言われた、、、等です。

 

このような治療計画の一貫性ということはもちろんですが、医院が変わると費用もまた振り出しに、、、ということさえもありえます。

矯正治療はこのような特徴を持ったある意味”特殊”な治療です。避けられない状況もありますが、出来るだけ『治療終了まで』を見通せる医院で治療を開始できるのがベストだと思います。

 

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1月27日(日

『部分矯正の診断2件』

 

さて本日は部分矯正の診断が2件ありました。

部分矯正の主訴の9割は『上の前歯の凸凹』ですが、この日の診断の主訴もやはり上の前歯を一列にしたいというものでした。

 

部分矯正では小臼歯の抜歯をするという治療上の選択肢が原則として採ることができないため、大きな凸凹のある叢生は治療の対象にはなりません。

かといって少しの重なりでは、患者さんがそもそも気にならないという点で治療の対象にはなりませんから、中程度くらいの凸凹が、患者さんが部分矯正で治したいと思う程度でもあり症例としても部分矯正で対応可能な程度でもあるということになります。

程度が大きい凸凹は患者さんの側で部分矯正では難しいと思うのか、患者さんの方から『全体矯正』を希望してくる場合も多いです。

 

部分矯正は凸凹が改善し一列になっても、前歯が前に出やすいことはこれまでにも何回かブログにしてきました。

当院でこれまで治療を行った部分矯正の症例では、ビフォーアフターを見比べても見ると、治療の適応になった症例、つまり治療を行った症例では一列になったことでの前歯が出るという結果にはなっていません。

なので、部分矯正の適応であればほとんど前歯は出ずに、一列が可能ということです。

 

もちろん適応になるかの判定は凸凹の程度だけではありませんから、全ての症例が部分矯正の適応というわけにはなりませんが、適応になれば期間、費用、装置の煩わしさなど、いろいろな面での患者さんの負担を軽減できる方法ですから、希望があって適応になった方には、そのメリットを受けていただきたいと考えています。

 

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1月19日(土

『意外に知られていない、『乳歯の虫歯』と歯並び・噛み合わせとの関係

 

僕も学生の頃大学の講義で聞いて驚いた記憶があります。

『虫歯が歯並び・噛み合わせに影響を及ぼす』

ことがあるのです。

キーワードは、『場所取り』です。

 

最近は世間、お父さんお母さんの歯への関心の高まり、デンタルIQの向上から、フッ化物の使用率や定期的な(虫歯がなくても)歯科医院への受診率も上昇しており、結果子どもの虫歯率は大幅に減少しています。

なので昔ほど、虫歯がよくない影響を及ぼした結果の不正咬合を見なくはなりましたが、それでもやはり、初診相談に来られる方には一定割合でそれ由来の不正咬合が見られます。

 

虫歯になると歯に穴が開きます。

小さい穴ならいいんですが、初めは小さくても進行すると穴は大きくなっていきます。穴が大きくなると歯のサイズがその分小さくなることになります。

 

乳歯にはいろいろな役割がありますが、その一つに、永久歯に取って代わられるまでの場所取りというものがあります。

乳歯の下からはしかるべきタイミングで永久歯が顔を出します。その際、乳歯にしっかりと自分が入り込むためのスペースを確保してもらっていないと、生えてくることができません。生えてきたとしても歯列からはみ出してしまい、凸凹の歯列になってしまいます。

はみ出して不正な位置に追いやられた永久歯は、もちろん相手の歯と上手くかみ合うことができませんから、これは噛み合わせの問題にも発展します。

 

話をつなげますと、虫歯などで乳歯が小さくなってしまうと、それはイコール次に生える永久歯のの生えるスペースを奪ってしまうことになるため、

『乳歯の虫歯は歯並びや噛み合わせの不正に発展する』

と言うことができるのです。

 

乳歯の奥歯は、2歳くらいで初めてお口に姿を表してから、永久歯への交換で抜けるまで、およそ10年間そこに居続けることになります。

ぜひとも乳歯本来の役目を全うさせ、次の永久歯に正しくバトンタッチをしたいものです。

 

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1月16日(水

『ハーフリンガルでブラケットオフになった患者さん

 

さて、このブログでも度々登場している『ハーフリンガル』。

上の歯列は裏側、下の歯列は表からブラケット治療を行う方法です。その特徴やメリットやデメリットはこちら(見えない裏側矯正)をご覧ください。

 

『思ってたよりも早く終わったので、あっという間でした。』

 

カルテを見るて2017年の7月にブラケット装置を装着しています。なのでこの1月で治療期間ちょうど1年半でした。社会人の方で、途中3ヶ月ほど転勤で来院できなかった期間があったことを考えれば、治療期間的にはまずまずでしょう。

やはりカルテを見ると、1年2ヶ月くらいから、ブラケットの位置を変えたり、ワイヤーを曲げたりして、見た目や噛み合わせの仕上げになる歯の細かい位置の調整をしていたので、およその”形”には1年ほどでなっていたことになります。

この方の初診状態は、下の歯列は比較的一列、上の犬歯は丸まる2本分の八重歯だったので、上の小臼歯を2本抜いての治療でした。

 

これもちょこちょこ触れていますが、凸凹の程度が大きい歯列で、その改善方法を抜歯で行う場合、つまり歯を抜いて歯列を一列にしたら、抜いてできたスペースが全て埋まり終わっていた場合、治療期間は短くなる傾向があります。

歯を抜いて治療を行う場合、抜いてできた隙間は、

①まず凸凹が一列になるために使われ、

②残ったスペースを使って前歯を後ろに引っ込めて

閉鎖します。

①で自然に閉鎖されるのがスピードとして最も早い消費のされ方です。

一方で、②でスペースを閉鎖していく行程は時間がかかります。

なので症例でいうと、同じ抜歯症例だけれど、凸凹が多い方よりも、凸凹が少なく一列なんだけど出っ歯、という方の方が治療期間は長くなります。

今回オフになった方は、抜いたスペースの『全て』が凸凹が一列になる過程で消費されるので、隙間の閉鎖のされ方としては最も速度の早いパターンと言えます。

 

期間の話はさておき、今回の患者さんは治療開始前フルリンガルにしようかハーフリンガルにしようか迷っていましたが、ハーフリンガルでの開始となりました。

気になる下の歯の装置の見え方はと言えば、これはハーフリンガルで治療を始めた人のほとんどが装置装着のその日、家でしていることのようですが、『スマイルの練習』をすることで治療期間を通して目立つこともなかったようです。

スマイルの練習とはなにも大げさなものではなく、ここまで口を広げると下の装置が見える、ここまでなら見えない、というセルフチェックのようなものとのこと。

下の装置というか下の歯列自体、よっぽど大きく口を開けても見えることが少ないです。

こちらを参考にどうぞ。

 

中学生以上の矯正治療はマルチブラケット治療が主となります。当院では、

通常の装置をを使ったブラケット治療

ホワイトブラケットとホワイトワイヤーを使ったブラケット治療

上は裏、下は表のハーフリンガル

上下裏のフルリンガル

がありますが、

成人の方では、ハーフリンガルを選択される方が最も多いです。

『上の歯列の装置が見えない』=矯正中であると気付かれにくい

というのは患者さんにとってとても大事な要素であることの表れでなのしょう。

 

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1月12日(金

『装置がとれた、外れた、痛い等の応急処置の捉え方

 

最近ますます寒くなってきていますね。

 

巷ではインフルエンザが大流行し、息子の学校でも学級閉鎖になったりと、猛威を振るっているようです。

当院でも小学生の患者さんを中心に、ここ1週間で体調不良のためのキャンセルが多くなっています。

どうぞお気を付けください。

 

さて、歯に接着剤で付けるタイプの矯正装置で起こり得るのが、

・装置が取れた

・装置が壊れた

・取れたり外れたりしたところが痛い

というような装置トラブルです。

必要あって付けているものですから、外れたら付け直さなくてはなりません。

でもここで、応急処置の対応には状況によりいくつかの捉え方があります。

 

まず起きた症状は、極論すれば、

痛いか

痛くないか

に分けることが出来ます。

『痛い』と日常生活に支障が出ます。お口の中がチクチクするのは結構耐え難いものです。ですのでこの場合、症状の緩和と原因の除去をする必要があります。
患者さんには本来の診療予定日とは別に、医院に来てもらうことになります。

一方で、痛みのない場合はどうでしょう?
痛みがなければ基本的には通常の生活が送れます。
なのでその点はクリアです。

では次点として、『痛みはないが取れた部分を放っておくと、治療に遅れが出るかもしれない』という問題にあたります。
その場合もやはり来院していただく必要があります。

でも、『痛みもないし、外れたところが次回までそのままでも治療の進行に影響も与えない』というケースも実は結構あります。

このような場合、来院していただくかどうかはケースバイケースということになります。

つまり緊急性を要さないため、例えば、

・患者さんの家が遠い

・仕事があってすぐすぐは来れない

・月に2回も歯医者に行きたくない

・単純に予定が合わない

などといった事情があれば、それらの事情を優先していただいても構いませんし、逆に、

・治療の進行に影響はないとのことだが、そうは言っても心配だから早めに診て欲しい

・痛みはないが、何か気になるから診て欲しい

という方も当然いらっしゃるでしょう。そのような方には来院いただき、やはり処置をさせていただくことになります。

 

ですので、この辺は患者さんに判断いただく形でいいかと思います。

また経験上、お電話いただいた際には痛み等なくても、外れた場所によっては今後痛みに発展することが予想されれば、その旨説明し来ていただくこともあります。

なのでまさにケースバイケースです。

 

矯正治療は、お口の中という過酷な環境に、一時的に人工物を設置して行う治療です。永久に設置してしまうのであれば、それこそもっと外れにくい接着法もあるのでしょうが、数年後には外さなければいけない一時的なものです。

いざ外すときに外れないのでは逆に困ってしまいます。頻繁に外れるくらいの強度でも困るが、でも外れなくてはもっと困るので、どちらかといえば『外れやすい強さ』”寄り”になっていることが必要です。

なので外れてしまうものといえばそういうもの、ということになるのです。

 

そんな条件の中で、患者さんも僕たち矯正歯科医も上手に、装置が取り巻く環境と付き合っていかなくてはなりません。

 

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1月7日(月

『裏側矯正のお問い合わせ

 

年末にかけて多かったのが、裏側矯正についてのお問い合わせでした。

ちょうどその時期にホームページの改装中だったこともあり、当院のホームページから発信できる情報が減っていたせいか、直接お問い合わせをいただくことが多かったのかと思います。

 

また以下のサイトに情報をまとめてありますのでご覧ください。

見えない裏側矯正

裏側矯正の知りたいこと

矯正のギモンー裏側矯正って?

 

裏側矯正は、

『矯正したいけど、ギラギラ目立つ装置はつけたくない』

とお考えで、少し治療に躊躇されている方にお勧めできる方法です。

ハーフリンガル(上は裏、下は表)であれば、見えないポイントは押さえつつも費用も抑えられるというメリットを享受できます。

もちろん絶対少しも見えたくない、という方にはフルリンガルがありますが、費用が少し高くなってしまうのが難点です。

 

また、部分矯正を裏からしたいという患者さんもやはり多くいらっしゃいます。ただし、全体矯正の裏側と比べて、部分矯正の裏側は適応範囲が限られる点が注意を要する点です。

これに関しましては、お口の中を拝見してから、部分矯正を裏からできるできないが判定されます。

 

現在上記リンク先が閲覧できるようになっていますが、引き続きご不明な点があれば直接お問い合わせいただければと思います。

 

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1月5日(土

『小児の八重歯は治る確率が高いです

 

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、小児の患者さんの矯正歯科に来院するタイミングで多いのが、

1永久歯の前歯が生え始めたタイミング

2上の犬歯が生え始めたタイミング

です。

目立つところに生えた永久歯が凸凹で並んでしまったり、逆に、生えるはずの時期になかなか生えてくれなかったり、ということが起こるとやはり保護者の方は心配されます。なのでこの1のタイミングで来院される方はとても多いです。

次かどうかは分かりませんが、やはり比較的多いのが、上の犬歯が生えるタイミングで来院される方です。

上の犬歯を3、その後ろの第一小臼歯を4、第二小臼歯を5と呼びますが、この3本の歯は生える順番が、

4→3→5

の方もいれば

4→5→3

の方もいます。

第2乳臼歯が抜けたタイミングで、

すでに3が生えていれば、その3がやや八重歯でも、乳歯が抜けたスペースを利用して歯列に入り込んでいけます。

一方この時まだ3が生えていないと、乳歯が抜けたスペースは第一大臼歯(6)が詰めてしまいます。すると3は残ったスペースに生えてくるしかなく、残ったスペースが十分でなければ八重歯になってしまうのです。

ですから犬歯が八重歯になりそうと心配される方も、多くこのタイミングで来院されます。

 

と、前置きが長くなりましたが、逆に考えて、3が生えて八重歯になってしまった後でも時間を巻き戻す(前に来てしまった6を後ろに戻す)ことが出来れば、3は歯列に入っていくことが出来ます。

もちろんそのための装置を頑張って使うことが大前提ですが、もう少し後、12歳臼歯が生えてしまうとなかなか経過してしまった時間を戻すことができません。

12歳臼歯まで生えてしまった後の八重歯はその程度にもよりますが、『抜歯をともなうマルチブラケット治療』の適応となることが多く、抜かずに八重歯を治す確率を高めるのであれば、乳歯が混じっている歯列のうちに始める方がいいということになります。

 

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12月25日(火

『どれも緊急性がある不正咬合だった初診相談

 

子どもの矯正治療では、このサイトやブログでも何度かお伝えしていますように、

初診来院時=ベストな治療開始時期のタイミング

とは限りません。

例えば軽度な凸凹や、4本の前歯にまだ乳歯が混じっている場合は、適切な時期になるまで待ってそこから装置を使って治療が始まる、なんて言う場合も少なくありません。

 

一方で、不正咬合は種類や程度も様々です。中には、緊急性を要する、つまりすぐ始めた方が良い不正咬合も少なからず存在します。

先日来院した患者さんがまさにその状態でした。

10歳女子、主訴は『前歯の凸凹、犬歯の生えるスペースがない』です。

パノラマX線を希望していましたので撮影し、併せて状況把握を行いました。

 

ではどんな不正咬合が認められたかというと、

・受け口

・下顎の左方向への変位(シフト)→左の臼歯が交叉咬合

・上下前歯の凸凹。特に側切歯の舌側転位が顕著

・下顎の側切歯が大きく唇側にはみ出された形になっており、同歯の歯肉退縮が著しい。

・レントゲンにて、骨の中の左上の犬歯が左上の側切歯の根っこを溶かしかかっている。

等でした。

 

凸凹以外はお母さんも初めて聞く不正咬合で、これまではその存在自体も把握していないものでした。

しかし、把握していなかったことの方がすべて緊急性があるもので、早急のアプローチが必要です。

これだけ不正咬合が揃っていると、一度にすべてにアプローチとはなかなかいきません。優先順位を付けて、緊急度のより高いものからアプローチしていくことが重要です。

 

といった内容を説明しました。

 

治療のタイミングは、特に小児であれば様々です。初診相談=開始のタイミングでは決してありませんが、=の場合も決して珍しくはありません。

 

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12月21日(金

『予約状況につきまして

 

さて、今年も残すところあとわずかになり、当院の年内の診療日も残り4日となりました。

今年のうちに矯正相談を、、、とお考えの患者さまからご予約のお電話をいただくことが多くなっております。

年内の初診相談ですが、すでに診療枠が埋まってしまっており、年末に向けて緊急対応の患者さまのご予約可能枠のみ空きとなってる状況です。

年内の既存アポイントのキャンセルは随時出る可能性、または年明けにはご相談枠にまだ空きがありますので、ご希望の方はお問合せ頂きますよう、お願いいたします。

 

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12月7日(金

『セカンドオピニオン

 

さて、日常生活の中でも最近耳に入ってくるセカンドオピニオンですが、矯正歯科でも年間一定数のお問い合わせがあります。

一口にセカンドオピニオンでの来院と言っても、様々なステージの方がいらっしゃいます。

初診相談での段階の方は別にして、診断後の方、治療が始まって間もない方、治療半ばの方、治療終盤の方、、、

様々です。

 

矯正治療でのセカンドオピニオンにはとある特徴があるのですが、元を辿ってみると、矯正治療の特徴そのものと同じである場合がほとんどです。

つまり、

治療期間が長いこと

治療の考え方、内容が施術者により様々であること

お顔の中心ともいえる部分に、見た目の変化が起こる治療であること

自費診療であること

その医院との契約であるため、治療中は他の医院での治療が受けられないこと

などなどこれらのことがそのままセカンドオピニオンでの主訴であったりします。

 

特に治療の考え方などは、術者間で本当に異なることが多いです。

例えばインターネットなどで『子どもの矯正治療 装置』などと検索した際、今お子さんがお使いの装置が、ご覧になったいくつかのホームページに掲載されていたものと異なる場合、

『うちの子の治療ではこれを使っていないんだけれど大丈夫かな?』

『逆に子どもの治療ではあまり使わないと書いてある装置を、うちの子は使っている』

等々多くの発見をしてしまうわけです。

多くの場合、どっちが正解でどっちが間違っているというものではなく、単なるアプローチの違いがあるだけですが、保護者の方にとっては心配になるわけです。

その背景には、矯正治療に費やす費用や、時間、見た目の変化といった、上に挙げた理由がやはり大きな要素として存在しているからだと考えられます。

 

その辺りを、セカンドオピニオンで来られた患者さんに説明をすると納得していただける場合がほとんどです。実際その多くが、元の医院さんに戻られて治療を継続しているようです。

 

矯正治療が上のような性質をもつものである以上、患者さんが治療に不安を持たれることがあるのは避けられないことかもしれません。

それだけに毎回の治療前後の説明や、長期的な見通しを折に触れてお話したり、患者さんの声を聴く場を設けながら治療を進めていくことが大事であると実感します。

 

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9月11日(火

『今日は癒合歯

 

本日の初診相談では午前と午後の小学生で、乳歯の時に『癒合歯』のあった方でした。

癒合歯というのは、隣り合っている本来別々の2本の歯がくっついて1本になっている歯のことをいいます。

 

乳歯が癒合歯だった場合、その下の永久歯はどうなっているんだろう?ということが疑問として浮かびます。

例えば、乳歯の前歯(A、B)が癒合歯だったとします。乳歯A、Bに相当する永久歯はそれぞれ1、2ということになりますが、この場合、

・1と2も癒合歯

・1と2のどちらか(多くは2)が1本先天欠損している

・上記2パターンの中間。つまり、永久歯が1本先天欠損していて、1と2が癒合しているわけではないが、生えている永久歯が本来の大きさよりやや大きい

ということが永久歯には起こります。

 

本日来院の患者さんはどちらも3番目のパターンでした。

つまり、乳歯の時にA、Bが癒合歯、1は通常通り生えてきたが2が生えてこない。反対側の1と大きさを比べてみるとややサイズが大きい

という状態です。

これも初診相談時にパノラマレントゲンを撮影した際に判明しました。

結果先天欠損だからといってすぐすぐ何かを矯正治療としてしなければならない、というわけでは必ずしもありません。

やはりこれも『歯並び・噛み合わせのゴール』をどこに設定するかによります。これをゴールにすれば今からの治療が必要だし、あれをゴールにすればまだ治療は始めなくてもいい、というような具合です。

 

癒合歯から外れどちらかというと先天欠損になってしまいますが、一例を挙げますと、

小学生で出っ歯さんの場合、ヘッドギアという装置を使って第一大臼歯を後ろに退げる治療を行うことが多いです。

一方で第二小臼歯がもともとない場合、いずれその乳歯が抜けてしまえばそこにはぽっかりと大きな隙間が空いてしまいます。

この隙間は、隙間としてずっとあり続ければ”埋めなければいけない”隙間ですが、見方を変えれば”利用できる”隙間でもあります。

つまり、前に出てしまっている前歯を後ろに引っ込めることに利用できる、出っ歯さんの改善医用いることのできる隙間と捉えることもできます。

ただこの隙間を使って出っ歯さんを改善するのは、12歳臼歯が生えてからになりますから、この方法を採るのであれば、小学生の間は前歯が出ている状態に対してはあまりすることがなく、メインの改善は中学生になってからということになります。

 

永久歯の先天欠損の場合、乳歯が抜けてしまえばそこには何もないことになりますから、抜ける前に何かするのか、抜けてから何かするのか、を前もって対策を立てておく必要があります。

欠損の部位や本数に拠りますが、程度の軽い凸凹の歯列や、出っ歯さんに比べ治療期間は長くなる傾向にあります。

 

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9月3日(月

『主訴は右上の八重歯。でも、、、

 

ここ3〜4日の間で同じようなパターンで似たような症例の初診相談がいくつかありました。

 

まずは小学生の女子です。

右上の犬歯が八重歯として生えてきたことを主訴に来院しました。

当院の小学生の初診相談では、ご希望のある方にパノラマレントゲンの撮影を行っていることはこれまでにも書いた通りです。

永久歯は骨の中から生えてきます。その骨の中をレントゲンで見るということは、『この先』生えてくる歯の『現在』の様子を知ることができる、ということです。

つまり、まだ骨の中にあるとある永久歯が、

ちゃんとまっすぐ自分が溶かすべき乳歯の方向に向かって進んでいるか

他の歯に自分が生えることを邪魔されていないか

そもそもその『とある永久歯』がちゃんと存在しているか

などを知ることができます。

現状が把握できれば将来の予測が可能になりますから、将来の噛み合わせの予測もある程度はできることになります。

 

この女子は主訴は八重歯でしたが、レントゲンを撮ってみると下顎の両側の第2乳臼歯の下に永久歯がないことが分かりました。

永久歯が何本かないなんていうと大変なことにも聞こえますが、日々矯正の臨床をしていると割とよく遭遇する症状です。上顎の側切歯や上下第2小臼歯は先天欠損の好発部位でもあります。

初診相談などでこのことが判明すると慌ててしまうお母さんもいます。一方で欠損の本数にもよりますが、対応法はある程度決まったものがあるので、そうと分かっても心配し過ぎなくても大丈夫です。

 

次もやはり小学生です。

上顎の側切歯が内側に入っていることが主訴でした。気になるのは『並び』です。

レントゲン希望でしたので撮影してみると、この方も下の奥から2番目の乳歯の下に永久歯がありませんでした。さらにそれに加え、左上奥の乳歯の上にも永久歯がありませんでした。

なので合計3本の永久歯がありません。

さらにこれらに加え、上顎正中に過剰歯らしきものも存在していました。

 

最後もやはり小学生です。

この方は初診相談の際にレントゲンは撮らず、後日検査をした際にレントゲンにてやはり下の第2乳臼歯欠損が判明しました。現在診断前なので、ご本人や保護者の方はおそらく欠損の事実を知りません。

診断の際に欠損の旨を伝え、それらを踏まえた治療方法を提案することになります。

 

偶然が重なっているわけですが、少ない率で生じるはずの先天欠損の症例が続くとその率が上がっているかのような錯覚を覚えます。

 

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8月10日(金

『反対咬合の診療が多かった一日

 

一日の中で同じような診療内容や症例が重なることはよくあります。

この日は反対咬合の患者さんが多い一日でした。

 

その日の朝の時点で判明している反対咬合の診療は4件。

午前中の診断で1名。

午後の診療で3名。

うち一人はプレオルソ、一人はムーシールドを使っての治療でした。舌癖の除去に加え、プレオルソの方が下顎の位置づけをする分、治りが早い気がします。

午後の反対咬合のもう一人は治療途中での経過報告を相談室にて行いました。本日はお話のみの回です。

子どもの歯並び噛み合わせは、土台となる顎の成長や、土台の上の歯の生え替わりなど変化が目まぐるしいため、治療の効果や経過、進捗などと併せ、半年に1回ほどこれらを保護者の方に報告する場を設けています。

子どもの治療はどうしても経過が長い治療になります。

毎回の診察の後には必ず、その日に行ったこと、現状での起きている変化や効果などは説明していますが、患者さんやその保護者の方にとっては、症状が最初と比べてどう変わったのか、これからどのタイミングで何をしていくのか、いつまで治療が続くのか、などなど治療中にはいろいろな不安が付いて回ります。

なので定期的にこちらが経過をお話しするというよりは、定期的にお話をお聞きする場を設けることで、長い治療期間と上手にお付き合いいただくことだ出来るような環境を作るようにしています。

 

これだけでも全ての診療に占める反対咬合の割合は多めな一日と言えます。

一方でこの日は初診相談が4件入っていました。4件ともお電話での予約の方だったため、どのような主訴(気になるところや症状)での相談かは当日朝の時点では分かりません。それぞれ来院されたところ、

午前の1件の相談は成人で開咬の患者さんでした。

そして午後の3件は全て反対咬合の相談でした。

反対咬合の診療が多めに入っている日に、初めて来院された方の咬合もこの日に集めたかのように反対咬合が多い、という偶然。

このことに気付いたのはその日の診療がすべて終わってからで、『あれ、そういえば今日反対咬合多かったな』と調べてみたらこうでした。

 

ただひとえに反対咬合と言っても、子どもなのか、子どもでも就学前か低学年か、高学年か中学生以上か、男子なのか女子なのか、成人の反対咬合でも程度が大きいのか小さいのか、親知らずはあるのかないのか、主訴で気にしているのは歯並び噛み合わせだけなのか、下顔面の形態も気にしているのか、、、

などなどバックグラウンドが異なると、症状に対してのアプローチの仕方も異なるため、話す内容もそれに合わせて変化してきます。

なのでそれぞれの相談の方で、あまり似たような内容になっていないのも不思議な感じがします。

 

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8月5日(日

『”最初より”の患者さんが多い一日

 

夏休みということもあり、一日の診療内容の内訳が普段と少し違う気がします。

今日はどちらかというと、治療前や治療開始後間もない患者さんが多く来院した一日でした。

 

初診相談が3組。

一人は成人の女性の方。咬合平面の傾斜や口角の高さが左右で異なることや出っ歯で口が閉じにくいことが主訴でした。前者の改善には手術を伴う矯正が必要なこと、後者のみなら小臼歯抜歯を伴うマルチブラケット治療単独で改善が可能なことを説明しました。

次は高校生の女子で開咬と上顎前突を併せ持った歯並びでした。

もう一人は小学生。県外への転居が2年後に確定している患者さんです。小学生の初診相談の方で、『〇年後に県外へ転居するんですが、それまでに何か出来ることはないですか?』という訴えで来院される方は結構多いです。

 

診断前検査の方が3名。

一人は裏側矯正を希望されている方です。当院に裏側矯正がしたいと言って来院する患者さんは、他院で”裏側からの治療に向いていない”と説明されている方が多いですが、この方も特に裏側からの矯正で問題のあるところはなく開始できるでしょう。

次は凸凹と出っ歯を改善希望の高校生、

あと一人は反対咬合の成人の方でした。

 

診断後の歯磨きチェックの回の方が2名。

当院では診断後、装置を付ける前に歯磨きチェックの回を設けています。残念ながら矯正装置の多くは、虫歯のリスクを上げるか下げるかといえば上げる方に寄与することが多いです。

そのためまず装置が装着される前に、この方に装置を装着してもむし歯リスクの観点から大丈夫かを判断するため、この回を設けています。

一人はバイトアップを行うプレートを用いる予定の小学生。歯磨き評価も合格点で、無事次回歯型を採る行程に進めることになりました。

もう一人はハーフリンガル(上は裏側、下は表のブラケット矯正)を始める予定の成人の患者さんです。この方も歯磨き評価は合格でした。一方で裏側矯正では装置用の歯型の採取までに虫歯や被せなどを治す必要があるため、この方はまずはそこからのスタートになりました。

 

その他、”最初より”ではない患者さんの診療内容としてはマルチブラケット治療の調整や、準備矯正のプレート調整、部分矯正などなどでした。

 

8月は特に、夏休み中で学生の方の来院が増えること、また医院のお盆休診でそもそもの診療日数が少ないことから、診療日に平日、土日、午前午後の差がなく込み合いますが、内訳としてはやはり相談や検査といった最初の方の割合が多い気がします。

 

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7月29日(日

『治療開始のタイミング~高校2年生の夏編~次々と押し寄せるイベント

 

さて、永久歯への生え替わりがすべて終わった中学生以降であれば、矯正治療としてはマルチブラケット治療の対象になります。

さらにマルチブラケット治療は、上記中学生以降であればいつでも始めることが出来ます。開始のベストなタイミングは、

『治療をしたいと思ったその時』

ということが出来るでしょう。

 

ただこれはあくまで、生体の都合上でのタイミングです。

矯正治療を実際に始めるにあたってはそれにプラスして、生活の都合上でのタイミングもはかる必要があります。

 

先日相談に来た高校2年生の女子の患者さんです。

再来年の4月に大学進学を控え、それに伴い県外へ転居する可能性もある、という現状です。

症状としては、上顎左側の丸々一本分の八重歯、下顎前歯の並びが凸凹です。裏側からのブラケット治療を希望しています。

現状で予想される治療期間は1年半~2年というところでした。

 

現在7月下旬です。治療を始める場合、初診相談後に検査、診断、装置装着の準備を経て装置装着になりますから、歯にブラケットが着くのは早くても9月でしょう。

となれば、再来年の3月までに残されている治療期間は1年半です。

なので、転居前にブラケットオフになることも十分考えられます。一方で通常通りの2年という期間がかかれば、治療途中での転院ということもまた十分にあり得ます。

治療途中で転院となった場合、患者さんにとって色々な負担があります。

1つは費用における面、もう一つは治療方法の一貫性における面です。

なので、転院の負担を無くそうと思えば解決方法は簡単で、転居前には治療を始めずに転居先で0からスタートすればいいのです。

これで、転居というイベントから発生する転院という問題を避けることが可能になります。

 

一方で特に女性の方が大学進学後に矯正治療を開始した場合、治療期間に別の考慮すべきイベントが重なってくることになります。

それは、成人式です。

大学進学(転居)後のバタバタが落ち着いてから矯正歯科を受診すると、やはり上記の一連の流れの後に治療開始になりますから、7~8月くらいに治療開始になるでしょう。

すると今度は1年半後に成人式が待っています。多くの方が前の年の10~11月に前撮りをするでしょうから、前撮りまでには1年とちょっと、ということになります。

一般的に、相談の方や治療中の患者さんの反応としては、転居に伴う新生活開始の場面よりも、成人式の場面でのほうが装置が歯に付いていることへの抵抗を持っている方が多い気がします。

さらにその先には就活や就職が待ち構えています。

 

一難去ってまた一難のあとにまた一難とでもいいましょうか。

大学進学や成人式、就職は人生にとっての素晴らしいイベントです。ですが、そのタイミングに矯正治療がかかわってくると、少しややこしくなってしまいます。

 

今回の患者さんに戻ります。

今治療を始めればもし治療が終わらなかったとしても、再来年の3月には概ねキレイな完成に近い状態にはなっているはずです。その後転院のバタバタがあるかもしれませんが、その年の夏~秋にかけては遅くとも治療終了になっていることでしょう。

つまり『転院』を考えに入れなければ、一番早く治療が終わるのは、一番早く治療を始める『今』ということになります。

キレイな状態になることを人生の一番早いタイミングで獲得できます。人生のうちでキレイな歯並びの状態で過ごせる期間が1年半増えるわけです。

 

高校生の矯正治療で転院が絡んでくる場合、どのタイミングで、あるいはどこで治療を始めるかは患者さんもそうですが、保護者の方の考え方によるところも大きいでしょう。

通院圏外への転居を、半年以内に控えているような場合は、それが部分矯正であったとしても転居後に始めた方が良いと思います。

一方で治療期間として1年半の確保が出来る場合は、転居前に始めてもいいのではと考えています。今回のケースのように、大学進学で転居を予定しているような方の場合は特にそう思います。

もちろん現医院でブラケットオフまで進まないかもしれませんし、保定観察はどうする?といった問題はあります。というところを差し引いても、上述のようなメリットの方が大きいと考えるからです。

 

極端な話に聞こえるかもしえませんが、人生では何が起こるか分かりません。2年後に始めようと思っている何かが、別の事情が重なりそのタイミングで始められなくなることもよくある話です。

初診相談で相談者のかたが『あの時治療をやっていれば、、、』と話しをされるのもしばしばです。

 

いくつかの要素が絡んだ問題を考えるときに、まとめて考えることももちろん大事ですが、ひとつひとつの要素をばらして考えることも大事です。

矯正治療ではミクロでもマクロでも優先順位を決めて行うことが大切です。

 

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7月18日(水

『年齢が上がると歯が動きにくくなるのは本当?

 

さて最近猛暑日が続きますね。例年だと、この時期でも裾野では就寝時クーラーいらずのはずなんですが、今年はちょっと事情が違うようです。

 

『年齢を重ねると歯は動きにくくなる』

『若いほうが歯が動きやすい』

相談をしていると患者さんの方から口にすることも多いので、どこかでこんなこと聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。

 

そもそも歯を動きやすくする、にくくする要素はたくさんあります。

不正咬合(噛み合わせ)の種類、骨格のタイプ、咬合力、年齢、、、もっと細かいところでは、歯根の長さ、形態、歯槽骨の幅、硬さ、上顎洞の位置、喫煙などの習慣、、、

などなどです。

レントゲンを撮ってみないと分からない要素もある中で、年齢は高いか低いかだけで、自分がどちらのグループに属するかは患者さん自身で判断できそうな要素ですから、まず気にかかる要素になるのでしょう。

 

ではそもそも年齢を重ねると、本当に歯は動きにくくなるのでしょうか?

実は、なります。

分子生物レベルでの実験結果から、論文などですでにその仕組みも詳しく判明しています。ただ、人で人体実験は出来ませんから、ラットを用いた歯の移動実験でということにはなりますが。

簡単に要旨を説明しますと、次のようになります。

 

歯が移動する際には、”歯を移動させる細胞”が歯の根っこの周りに集まってくることが必要です。この細胞、普段は歯の周りにはいません。歯に矯正などの力をかけると集まってきます。

この”歯を移動させる細胞”が集まってくる(呼ばれてから集合するまでの)速さが、年齢が若いと速いです。また、それぞれの細胞の活きもいいので、少ない数の細胞で仕事をこなせます。

一方で年齢が上がると、この細胞が集まってくるスピードも遅ければ、よりたくさん集まらないと同じ量の仕事がこなせません。

 

単位は適当ですが数で表してみますと、

年齢が若いと、歯を動かすのに必要な1000個の細胞が1日で集まってくる。

年齢を重ねると、1000個の細胞が集まるだけで2日かかるが、歯が動くにはさらにあと1000個の細胞に集まってもらうことが必要(動くまでには4日かかることに)。

繰り返しますが、単位は適当なので個数とか日数はこの通りではないですが、年齢が上がると歯が動きにくくなる理由がお分かりいただけるかと思います。

 

上にも書きましたが、歯の動きやすさには他にも色々な要素がありますし、さらには治療期間ということになると、それを左右する要素はもっと多岐に渡りますから、年齢だけで治療期間の長短どうなるかは判断できません。

 

とはいいつつもやはり一般的に言って、年齢の若い場合の方が歯は動きやすく結果治療期間も短い傾向にある、というのはその通りだとも思います。

 

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7月14日(土

『予約状況のご連絡

 

〇初診相談ご希望の方

平日17時以降および土日のご予約がお取りづらい状況となっています。

7月14日現在、土日のご予約は最短で8月4日から承ることが可能です。

平日夕方以降または土日は、既存の予約がキャンセルとなり予約枠に空きが出ることもございますので、ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。

 

〇現在通院中の患者さま

ご予約のお取り直しをされる際、直近でのお取り直しが難しい状況になっております。変更をされる場合は、お日にちに余裕をもってご連絡ください。

 

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7月10日(火

『この時期に多い小学生の方のメール相談

 

もちろんメールが来るのはその保護者の方ですが、歯科検診の結果が返ってきた6月~夏休み前のこの時期にかけて、初診相談やメール相談でのお問い合わせが多くなります。

 

内容によっては電話や実際に医院へ足を運ばなくても済むこともありますから、ぜひ活用してもらえればと思います。

 

一方で、メールでの回答が難しい類の質問もあります。それは、小学生の保護者の方から最も多い、

『治療の必要性はありますか?』『いつから必要ですか?』

というような内容の質問です。

 

最近ではお写真を添付しての質問も多く、中には奥歯までとても良く写っているものや、他医院の相談でもらった写真を添付してくれる方もいます。

ですが、そうだとしても実際にお口の中を拝見していない、レントゲンなどを撮影していない段階では、なかなか『必要性はないですよ』や『あと1年後にスタートでもいいでしょう』とは言えません。

 

小学生の患者さんの治療の必要性や開始のタイミングの判定は、決して大げさではない話として、患者さんの今後一生の歯並び・噛み合わせを左右するものであることもまれではありません。

そのような大事な判定は、詳しい現状把握がなされていないことには出来ません。

逆に患者さんの側でも、メールだけでその答えが返ってきてしまった場合、『そんな大事な判定、実際に診てもいないのにメールだけでしていいの?』と思うくらいでいいかもしれません。

 

ですので、必要性やタイミングに関してのご質問に関しては、質問を頂いた方に即した内容を回答する一方、少なくとも判定には医院まで足を運んでいただく必要がある旨を付け加えています。

 

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7月7日(土

『子どもの矯正-将来の抜歯を前提?それとも抜かない結果を目指す?

 

さて早くも1年の半分が過ぎてしまいました。ついこの間今年が始まったと思っていたらもう今年も残り半分もありませんから、本当に月日が経過するのは早いものです。

 

先日初診相談で来院された小学校3年生の女子です。

上下とも前歯4本と6歳臼歯が永久歯で、間の歯は乳歯といった状態です。前歯のねじれを気にしていましたが、叢生の量としては中等度といったところでしょうか。決して軽度でもなければ取り立てて重度というわけでもない、文字通り中程度です。

口元の突出傾向もそんなにはありません。

 

お母さんが気にしていたのは、前歯のねじれ以外にももう一つありました。

それは、『小臼歯の抜歯をしないと治らないのか』という点についてでした。
というのも、先に相談した医院にて『乳歯のうちから永久歯を抜歯していく治療法』(連続抜去法といいます)を提案されたとのことで、それしか方法はないのか、永久歯を抜かない方法はないのかというところを聞きたくての当院来院といういきさつがありました。

 

乳歯のうちから永久歯の抜歯を行う連続抜去法を行うかどうかは別として、小学校3年生ぐらいの時点で、将来の小臼歯抜歯が必要だろうという判断になるケースはもちろんあります。

例えば、乳歯の混じった歯並びの段階で、

・凸凹の程度がすでになかなか大きい

・口元が大きく突出している

ような状態だと、将来抜歯を伴うマルチブラケット治療の該当になることもあるわけです。要は、子どもの治療では対応しきれないから全ての歯が永久歯になった際に対応する、という考えです。

 

今回の患者さんは永久歯の抜歯を説明されたということでした。

見たところ、そこまでの凸凹でもなければ口元の突出もありません。子どもの治療でも対応可能あるいは、将来の抜歯を無理なく回避できそうな程度とも感じられます。

もちろん詳しく検査してみないと分からないところではありますが、逆にすぐさま『これは将来の抜歯ケースでしょう』とも言えない程度です。

 

何よりも抜かないことが優先されると好ましくないことも起こり得ますが、無理なく抜かない治療で目標が達成できれば、それはそれで好ましいゴールのひとつです。

もちろん将来抜く治療、抜かないことを目指す治療、両者は過程も結果も異なりますから、どちらの方が『良い』とは一概には言えません。

この辺りが子どもの治療の難しいところでもあり、矯正医だけでなく患者さんや保護者の方の考えもとても大事になってくるところでしょう。

 

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6月23日(土

『裏側からの矯正は口元が引っ込みやすい?』

 

気付いたら今月のブログの内容は裏側矯正に関するものばかりでしたが、今回も裏側矯正についてです。

初診相談の際、複数の患者さんから同じような質問をいただくことがよくありますが、そのようなことがあるとすぐブログでも取り上げたくなってしまいます(笑)。

 

『裏側から矯正をすると、前歯が退がりやすいと聞きました。私の前歯も退がりやすくなりますか?』

質問された方は、インターネットの裏側矯正紹介サイトのようなページから情報を得てきたようです。

 

裏側矯正では前歯が退がりやすい、、、果たしてこれは本当なのでしょうか?

回答としては、合ってもいるし間違ってもいる、患者さんのイメージする『退がる』と実際の『退がりやすい』が同じではない、という感じになります。

 

まず原則として、前歯は後方にスペースがなければ後退できませんから、前歯が後ろに退がるのは『後方にスペースを獲得した時』ということになります。

なので裏側矯正をすれば小臼歯抜歯や遠心移動をしなくても、裏側矯正というだけで前歯が後退できるというわけではありません。

患者さんの考えとして『裏側矯正をすれば抜歯をしなくていいのかも、、、』ということがあるかもしれませんが、これは少し違うところです。

 

では前歯が『退がりやすい』とはどういうことなのかというと、これはむしろ施術する側が気にしなければいけない内容で、注意しなければいけない点です。

裏側矯正では抜歯スペースに前歯を引っ張ってくる際、歯の裏側にブラケットがついているという性質上、とても内側に倒れこみやすいです。前歯の移動距離が大きい(よりたくさんの量前歯を後退させる)人ほど、その倒れこむ引きしろは大きくなります。

なので『退がりやすい』というよりは『倒れこみやすい』という方が的確な表現ですが、この倒れこみは程度にもよりますが、治療上好ましくない現症であることが一般的です。

逆に倒れこみを起こさせずに後退させることが、理想的に求められる後退のさせ方だったりします。(もちろん計画的に倒れこませることもあります。この場合の倒れこみは必要な倒れこみと言えます。)

前歯の倒れこみが大きくなってしまうと、それは小臼歯のあたりまで別の影響が出てしまっていることが多く、治療中とはいえ好ましい状態ではありません。

 

ただ、やや前歯に凸凹があって、それを一列にするための小臼歯抜歯をしたりしない場合、表側に装置が付いていると『バンッ』と前歯が前に張り出して並びますが、裏からのアプローチだと前に出にくい、ということはあります。

なので患者さんが想像する『前歯の退がりやすさ』とは異なるとは思いますが、一列にした際の前歯が『出にくい』要素は持ち合わせているとは言えることにはなるでしょう。

 

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6月15日(金

『裏側からの矯正あるある』

 

つい先日、裏側からの矯正治療(リンガル)を終え、保定に移行した患者さんです。

 

裏側に限らず、マルチブラケット治療の終盤はディテーリングといって、細かい歯の位置や噛み合わせの調整をする期間に充てられます。

この段階までくれば抜歯した方でも隙間は閉じているし、パッと見キレイな歯並びは達成できているような状態になっています。

ですから、いざ装置を外すときの状態と、そこからさかのぼって3~4か月くらいの前の状態とでは、患者さんがご自身で自分の歯並びを鏡で見て、感じ取れる大きな違いはないかもしれません。

 

では表側矯正と裏側矯正の方で比べた時、治療終了となり実際に装置を外した時と、外す前(直前でも数ヶ月前でも)とでの患者さんの感じ方に違いはあるのでしょうか?

実はこれ、とても大きく違います。

 

まさに今、装置を外そうとしているような歯並びが一列になった段階でも、歯のおもて側にブラケット装置がついているといまいちその一列具合を実感できません。ブラケットの厚みの分、口元も少し張りが出ている場合もあるくらいです。

なのでブラケットオフの診療回でも、まだ装置のついている来院時と装置が外れた退院時とでは、ご本人の歯並びに対する見た目の感じ方はかなり大きく違ってきます。

 

一方で裏側、特に上下歯列ともに裏側から治療をしてきた方はどうでしょう。装置を外す数ヶ月前からはすでに歯並び・噛み合わせとも完成に近い状態です。

上下裏側からの場合、当然歯のおもてにブラケット装置は付いていませんから、外からの見た目で言えば、すでに装置は外れている状態と同じです。

ブラケットオフと言っても、見えない歯の裏に付いている装置を外すだけですから、外した後と前とで、外からの見た目は全く変わりません。

なので装置をオフし、鏡を見た時におもて側からの治療の方にある『うわぁ~!』という驚きが裏側の方にはほぼほぼありません。邪魔な位置にあったブラケットがなくなり、『あ~スッキリした!』と感じている方はたくさんいます。これはおもて側の方も一緒ですが。

 

治療期間中装置が見えない、見えない位置にあるから歯の移動の経過や結果をダイレクトに実感できる、これは裏側矯正のメリットでもあるんですが、オフ時にその並びを見てもあまり驚かない、、、むしろ『うん、知ってた』くらいのリアクションは、ブラケットオフの時に裏側矯正の方にあるあるな光景です。

 

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6月8日(金

『最初からフルリンガル(上下裏側からの矯正)を希望』

 

先日診断を終えた患者さんです。

 

裏側からの矯正を始める患者さんは、裏側から始めることを来院当初から決めていることが多い傾向にあります。

目立ちにくいホワイトにしようか、見えない裏側にしようかで迷って裏側にする、という方は意外に少ないです。

一方で、裏側からと決めている方でも、上下裏のフルリンガルにしようか上は裏下は表のハーフリンガルにしようかを迷う方は多くいらっしゃいます。

下顎の歯列は歯列そのものが下唇に隠れて見えにくいこと、下の裏に装置を付けた場合上の裏よりもやや違和感があること、ハーフリンガルの方が費用が抑えられること、等々の点からハーフリンガルという選択の魅力は大きいのだと思われます。

 

ところで実は、『下の歯列は見えいにくい』のは万人に共通な特徴ではありません。主に出っ歯さんで上の歯列が出ていて、相対的に下の歯列が引っ込んでいるようなタイプの方ではよく見られる特徴です。

逆に下顎前突や受け口とまではいかなくても、やや骨格的に下顎が出ているような方の場合、上よりもむしろ下の歯列の方がよく目立つなんていう場合もあります。

 

今回の患者さんはご自分の歯列の特徴をよく捉えていて、

『私は下の歯列の方がよく見えてしまうので、上はもちろん下も裏からやりたい』

と相談の時点でお話をしていました。

 

ただ診断の際も下の裏に装置を付けた場合の違和感を心配していましたが、表に付けた場合も少なからず違和感はありますし、上の裏に装置を付けてその違和感にびっくりしていた方が、『なんだこんなもんか』と下の裏に装置を付けた際には言っていた、なんてこともありますから、感じ方の個人差はありますがそこまで過敏になる必要もないのかもしれません。

 

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6月3日(日

『メール相談後に初診相談で来院した女性』

 

まず初めにメール相談をされてから、後ほど初診相談に来る方も多くいらっしゃいます。

先日はメールにて『裏側矯正が可能か?』のお問い合わせを頂いた方が、初診相談に来院しました。

この方は他医院にて『裏側からの矯正には向いてない』と説明を受けたとのことで、裏側から可能であれば裏側からしたいという希望を持っていました。

裏側からの矯正に向いていないと言われた理由は、

『噛み合わせが深く、上の裏側にブラケットを付けた場合、下の歯と当たるので装置がとれてしまう。表に装置を付けた方が良い』

とのことでした。

この説明を受けた際、患者さんはとある疑問を持ったそうで、続けて次のような考えを話してくれました。

『噛み合わせが深いから、表に装置を付けても、今度は下の歯の表側に付けた装置と上の前歯が当たってしまうのではないか?』

 

鋭いですね。

まったくその通りです。裏側からの矯正が出来ないと説明を受ける根拠に、上記のような説明を受けることが多いようですが、原則的に噛み合わせが深いというそれだけの理由で、裏側から矯正が出来ないということにはなりません。

この患者さんの言うように、裏側に装置が噛んで当たってしまうような方は、表に装置を付けても装置が当たってしまうことがほとんどです。
なのでその理由で裏側からの矯正が出来ないならば、表側からの矯正も出来ないことになりそうですが、、、

裏側からの治療を希望する方は、見えないことに強いこだわりを持っている方ですから、”向いていない”と初診相談の際などに説明を受けた際には、その他の医院でも別の意見などを聞いてみるのがいいかもしれません。

 

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5月27日(日

『当院が4軒目の初診相談』

 

先日当院で初診相談が4軒目という方が来院されました。比較的遠方からの来院です。当院の後にもあと2軒の矯正歯科医院を受診することになっているということでした。

これまで受けた初診相談の内容は歯科医院ごとで微妙に違いがあり、その少しの違いがこの方にとっては重要でした。

少しややこしいのですが、

A,B,Cの歯科医院で説明された方法がどれも少し違っている。自分としては、C矯正歯科で説明された方法がいいと思うが、検査の結果によってはその方法を選ぶことが出来ないこともあり、そうなれば、結局A,B矯正歯科で説明のあった方法とほぼ同じになってしまう。
じゃあC矯正歯科で検査を受けてみればいいということになるが、C矯正歯科は家から最も遠い(車で1時間弱かかることもあるそう)ことに加え、医院や先生の雰囲気・対応面で通いたいのはAやBの矯正歯科である。
なのでCで説明のあった方法が出来ないと分かれば、AかBで治療は受けていきたいが、そうと分かるにはCで5万円近くの矯正診断料を払わなければいけない。どうしたものか。

といった具合です。

 

ですからここまでくれば、C矯正歯科よりさらに遠方にある当院へ相談に来られた目的もおのずと判明します。精密検査を受けない段階で、Cで提案された方法が出来る、出来ないは判明しないものか、を聞きたいということです。

Cで説明のあった方法は技術の高い方法で、その提案をしたのは凄いなと感じました。ただやはりそれが実現可能であるには、骨の厚さや高さ、その他もろもろの条件が整っていることが必要ですから、やはりそれらを診査、検討しなければ、『出来る』とは判定できないでしょう。

その方法が出来る、出来ないの問題だけならいいのですが、他に派生している内容であるため、悩ましいことになっています。

ただ選択肢としては3つでしょう。Cで検査・診断を受け、内容にかかわらずそのままCで行う。Cで診断後AかBにて再び検査・診断を行う(治療もAかBでそのまま行う)。あるいは初めからCには行かず、AかBでの検査・診断からスタートする。

Cで説明のあった方法に絶対こだわるならCで検査診断まで進めるべきでしょうか。出来ないと言われれば諦めがつきますが、出来たかもしれないのに判定を聞かずにその方法を諦めるのは、もやもやした気持ちを持ったままになってしまうかもしれません。

ただ遠いというのもネックです。2年間通うなら医院の対応なども気持ちいほうがいいかもしれませんし。

このような判断、選択は何も矯正治療に限ったことではありませんが、、、難しいです。

 

当院の患者さんでもない方をいろいろと分析してしまいました。
今回の当院での初診相談でなにか得られるものがあれば幸いですが、その後どうされたのか気になるところです。

 

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5月21日(月

『1年半ぶりの”初診”相談』

 

”ぶり”ですから厳密には初診ではないですが、先日本当の初診相談から約1年半ぶりに再相談に来られた患者さんがいました。

矯正歯科では特に小児のお子さんで多い気もしますが、初診相談から1年と言わず、2年、3年経って再度相談に赴く、というケースが少なくありません。

ホームページのフォームからのご予約であったため、その後この患者さんのカルテを見返してみると、相談内容に、

『来年3月に転勤の可能性有。そこで転勤がなければそこからあと2~3年はないと思うとのこと。』

と記載がありました。となれば今回予約を取った理由の予想が付きます。

 

実際来院された際お話を聞いてみるとまさにその通りの理由で、治療も開始する運びとなりました。ただ、今度は再来年の3月には転勤がほぼ確定という見通しであり、また仮に一番近い支社への転勤となった場合でも当院へ通える距離ではありません。

なので矯正治療を今始めた場合、再来年3月に終わっていればそれでよし、終わっていなければ転院ということになります。

そこまでに、正味1年8~9か月の治療期間ということになりそうですが、幸いにも症例的に治療終了となることに無理のある期間ではなさそうです。回り道や行ったり来たりをしているとすぐに経過してしまう期間でもありますが。

 

もちろん保定期間はどうする?という問題もありますが、それを言っているとこの方は一生矯正治療を出来なくなってしまうかもしれませんから、当院でブラケット終了まで、保定は転居先にて、とういう形が生活面も治療費用的にも望ましい形態であることは間違いないでしょう。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』沼津、三島からもどうぞ

5月18日(土

『治療終了(ブラケットオフ)、続々と。』

 

当クリニックは2016年の7月開院ですので、現在開院から2年弱を経過したことになります。

矯正治療の経験者の方はご存知の通り、矯正治療は仮に治療する気まんまんで矯正歯科医院を受診しても、

初診相談

検査(後日)

診断(通常、検査から1~2週間後)

医院によっては歯磨きチェックの回など

用いる装置によっては装置準備のための歯型を採取

やっと装置装着、治療開始。

のような行程を進んでいただくことになるため、むし歯の治療のように来院日=治療開始日のようになることはありません。

患者さんによっては治すべきむし歯があったりすれば、装置装着はその虫歯を治してからになりますから、上記にさらに1行程プラスしてやっと治療開始になります。

いろいろな都合がうまくつけば、初診相談からひと月未満で治療開始となる場合もありますが、だいたいはひと月~ふた月後に始まる場合がほとんどです。

 

なので開院後、当院で一番早く装置を装着した方でも、8月終わり~10月ころとなっていました。

しかもこの時期にスタートした方たちは、開院というスタートラインが決まっていた状況だったので、『どどっと一斉スタート』という形で治療開始となった方たちでした。

 

そこから1年半ほど経過した現在、今度はどどっとブラケットオフの時期を迎えています。

本日だけで2組、今週もう1組、来週以降も予定あり、さらにブラケットオフのためのリテーナー印象のアポイントも何件か入っているため、今後続々とオフが続くことになるでしょう。

 

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5月7日(月

『メール相談~非抜歯矯正でのセカンドオピニオン』

 

GWの休診中にメール相談を何件かいただきました。うち2件がセカンドオピニオンに関するものだったので少し触れたいと思います。

 

さて『非抜歯矯正』という言葉を、主にはインターネット上でよく目にします。

『そちらでは非抜歯矯正はやっていますか?』

という問い合わせはこれまでにもあります。

 

マルチブラケット治療において抜歯か非抜歯かはその症例によります。『詳しく分析したり、患者さんの主訴をうかがったりして、必要なら抜歯、そうでなければ非抜歯』ということになりますから、当然非抜歯矯正やっていることになるわけです。これはどこの矯正歯科医院でも同じでしょう。

一方で上のお問い合わせは少しニュアンスが違います。どちらかというと『そちらは全ての矯正を非抜歯にて行う、非抜歯専門医院ですか?』というくらいの意味合いが含まれています。

実際ネット上で”非抜歯 矯正”と検索すると、非抜歯専門でやっている旨を紹介しているサイトも多々見受けます。

 

近年ではアンカースクリューの普及もありますから、並びの凸凹がある場合の抜歯の必要度は確かに下がっていると言えるでしょう。

しかしその程度が大きい場合や、口元の突出が主訴である場合などはやはり抜歯が必要となる場合も多いです。

 

そこで本題に戻ります。

相談の方は現在ブラケット治療後2年を経過した方です。当初より並びは一列に近くなったものの、犬歯の八重歯感がまだぬぐえない、上下の前歯が当たらなく出っ歯になった感じがする、奥歯で噛みにくいということを主訴としていました。

添付いただいた写真で判断すると、臨床的には、叢生、前歯部開咬、上顎前突、臼歯部鋏状咬合という診断名をつけることが出来る状態でした。

治療前には叢生だけだった悩みが、治療によって開咬や出っ歯、奥歯でものを噛みにくいなど、いくつにも増えてしまった現状です。

 

歯の移動は魔法ではなく、単純な物理の法則に従っている面も多々あります。はみ出している歯が歯列に戻るためには、戻るためのスペースが必要です。

スペースの獲得方法は、

1.前方への拡大(前歯を出して歯列の外周を広くする)

2.側方への拡大(歯列の幅を広げて歯列の外周を広くする)

3.後方への拡大(いわゆる遠心移動)

4.IPR(歯の側面を数歯に渡ってやすりがけをします)

5.抜歯

があります。

手っ取り早いのは1や2です。はみ出している歯にブラケットを付けてワイヤーを通せばおのずと1や2をしたことになるからです。つまり歯列は側方に大きく拡大し、前歯は出ます。

はみ出していた歯が歯列に入ったというよりは、はみ出した歯の位置まで他の歯が出てきて大きな外周を描いて並ぶようなイメージです。

一般的に前歯がもっと前に出るのは審美的にも好ましいとはされませんから、抜歯をしない場合のスペース獲得方法は、適度な側方への拡大とIPR、必要量の遠心移動が必須となるでしょう。

1や2はブラケットとワイヤーがあれば誰でも施術できますが、3の遠心移動には技術が必要です。つまり、鋏状咬合や開咬、さらには前歯が大きく出てしまう仕上がりに技術は必要ありませんが、そうはならずに非抜歯で重度の叢生を治すには技術のみならず患者さんの生体側の条件など他にもいろいろな要素がそろっていることが必要なのです。

 

非抜歯で治療可能という言葉の響きはとても良く聞こえますが、患者さんは治療前に、ご自分の治療がどういう方法で行われるのか、提案された方法だと仕上がりはどうなるのか、などなどをしっかり確認することが大事です。

またその医院で治療するしないは別として、初診相談の段階で数軒の専門医院を受診してみて広く専門家の意見を取り入れてみてもいいと思います。近々結婚式があるとか、就職活動が始まるといった事情は別として、矯正治療はその開始のタイミングが”一刻を争う”ことは稀です。開始が1か月2か月先、あるいは半年1年先になったとしても、『1年前だったらこの方法で治療出来たのに、時間が経っちゃったからもう出来ないよ』となることはほとんどありません。
子どもだったり、成人でも5年10年経過していれば話は変わりますが、、、

 

患者さんの側でも『本来抜歯のケースを非抜歯で治す試みは、治療の難易度を上げることが多い』ということを把握している場合が多いと思います。

受診した全ての歯科医院で『これは抜歯でしょう』と言われれば、どうしても抜歯が必要な症例んだと思うかもしれません。

一方で複数の歯科医院で抜歯と言われたが、一つの医院で非抜歯で出来ると言われたのであれば、抜歯での治療を提案された歯科医院で受けた”非抜歯では出来ない理由”をぶつけてみるのもいいでしょう。

 

今回メール相談を受けた患者さんを正常咬合まで治そうと思うと、上下小臼歯抜歯が必要で期間も2年以上はかかると思います。丸々一回分の矯正治療と同じです。このようなケースからも、非抜歯とすることで難易度が大きく上がるケースでは、そのくらい慎重であっていいのかもしれません。

 

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4月25日(水

『前歯を引っ込めたいだけなのに、下の歯列にもブラケットを付けなきゃいけないのは何故?』

 

さて前回の続きです。

上の前歯を後ろに退げるのに、なんで下の歯列にも装置を付ける必要があるのでしょう?

 

大きく括ってしまえば、理由は『噛み合わせ』にあります。
さらに『噛み合わせ』の中にも、いくつか別個の理由がありますが、文字で書いても比較的理解しやすいところを説明します。

また機会があれば図などを用いて、『スピーカーブ』や『前歯の後退量』などという点から書こうと思います。

 

なので今回は”奥歯の噛み合わせ”という点から説明します。

前回、『前歯を奥歯から引っ張ると前歯が後ろに後退するだけでなく、奥歯もつられて前に動いてしまう』ということを書きました。

実はこの”奥歯が前に動いてしまう”こと、この問題は単にその分前歯を後退させる量が減ってしまうことだけにとどまりません。

奥歯が動くということはイコール『噛み合わせが変化する』ということにもなるのです。

 

矯正治療だから奥歯も含めて歯が動いて当然では?と思う方もいるでしょう。もちろん動いていいのですが、”下の奥歯も動いていいならば”という条件が付きます。

虫歯治療の歯医者さんで、虫歯治療後に詰め物を入れたことがある方には分かりやすいかもしれませんが、入れた直後カチンと噛んでみると、そこだけ噛み合わせが高い、強く当たるなんていう経験をした方も多いと思います。

その際、その強く当たる部分の詰め物を少し削れば問題は解決します。

ではそもそも、”強く当たる”と感じた部分はどのくらいその詰め物が出っ張っていたのでしょう?それはおそらく”0.数ミリ”ほどです。決して1mmも出っ張っていることはありません。つまり歯は0.数ミリほどの違いをを違いとして感知できてしまうわけです。

 

歯の移動についても同様のことが言えます。

上の奥歯が前歯によって引っ張られれば、奥歯は前方に動きます。今度は0.数ミリというわけにはいきません。数ミリ単位で動きます。

それだけ動けば当然以前奥歯があった位置と大きく変わることになりますから、噛み合わせが変わってしまいます。

 

ところで、前歯に引っ張れてやってきた奥歯のこの位置、奥歯にとってはどのような位置になるのでしょう?

奥歯が今いる位置は、抜歯してできたスペースを埋めるために引っ張られて”しょうがなく”やってきた位置であり、良く噛める、いい噛み合わせになることを基準に動かされた位置ではありません。

噛み合わせはもちろん、上下の歯があっての噛み合わせです。スペースを閉じること優先で移動してきた上の奥歯のその位置が、下の奥歯との良い噛み合わせが達成される位置になっているとは限らないのです。

 

前歯はそこそこ後退したけど、噛み合わせが治療前と比べて悪くなった、噛みにくくなったということになれば、本末転倒のような気すらします。

一方で、上記のような状況で、下の奥歯にも装置が付いていたらどうでしょう?

すると下の奥歯も動かすことが出来るので、上の奥歯にとっての下の奥歯の良い位置、下の奥歯にとっても上の奥歯の良い位置にそれぞれを動かすことが出来ることになり、噛み合わせの問題が起こらないのです。

逆に言えば、奥歯を動かすような治療は(例外を除き)、上下の奥歯にブラケット装置を付けることが必要、つまりは全体矯正としてアプローチすることが必要ということになるのです。

 

これは、部分矯正が前歯にしかブラケットを付けない理由と同じ理由です。

このブログでもよく取り上げる、部分矯正が適応かどうかの問題ですが、その判断基準の一つにまさに『前歯を動かすことで奥歯の位置が変わってしまわないか』というものがあります。

前歯にしか装置を付けなくても、前歯を動かす量や程度が大きい場合、その反動で奥歯が動きうることがあります。部分矯正ではやはり前歯にしか装置を付けませんから、奥歯が動いてしまって噛み合わせに影響が出た場合、それを治す術がありません。

ですから、奥歯に影響が出ない範囲で対応できる前歯の程度かどうか、というのが部分矯正にとってはとても大事な要素になるのです。

 

でも確かに、新しい環境への適応というか単純に慣れもありますから、しょうがなく動いた奥歯の位置でなんの問題も起こらないこともあるでしょう。でも何かが起こった場合、そこから深刻な問題へ発展することもあるかもしれません。

体のこと、医療のことですから、イチかバチかでやるものでもないですしね。

 

ですので当院では、上の前歯を退げたい、口元をスッとさせたいことが主訴・ご希望の方にはもれなく全体矯正をお奨めしています。

 

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4月18日(水

『なぜ前歯を引っ込める治療は部分矯正では出来ないんですか?

 

初診相談や、メール相談、ブログへのコメントなど色々なところでいただく質問なので、いったんまとめてみようと思います。

 

まず原則として、『部分矯正でブラケットを付けるのは、前歯6本(犬歯含む)まで』というものがあります。

前歯を後退させるために通法では、犬歯の後ろの第1小臼歯という歯を抜きます。抜いてできたスペースに前歯6本を移動させることで前歯は後退します。

ではこの前歯6本は”誰”に引っ張ってもらうのでしょう?

というのも、抜歯したスペースに向かって前歯6本を移動させますから、抜歯した部分より後ろの歯から引っ張ってもらう必要があるのです。となれば後ろの歯にも装置を付ける必要が生じます。

ですから、この時点でもう部分矯正ではなくなります。

 

部分矯正で前歯を後退させる治療はありませんから、すでに架空の話ですが少し続けます。

後ろの歯から引っ張る場合、どの歯から引っ張りましょう?

主訴が”前歯を後退させたい”ですから、抜歯したスペースは丸々前歯の後退のために使いたいですよね。

なぜこんなことを言うかというと、前歯6本を奥歯から引っ張ってもらうとは言っても実際の図式は、『前歯VS奥歯の引っ張り合い』です。奥歯は前歯を引っ張りますが、同時に前歯から引っ張られる力を受けることにもなります。

そうなると、せっかく前歯を後退させるために歯を抜いてまでして作ったスペースが、奥歯が前に来ることで閉鎖してしまうことになるのです。これでは前歯は思ったほど後ろには退がってくれません。

ところで、抜歯したスペースの後ろには、順に『第2小臼歯』『第1大臼歯』『第2大臼歯』と3本の臼歯が続きます。

上記引っ張り合いで、なるべく前歯6本が後退する割合を多くしたいのであれば、引っ張る側も人員を増やす必要があります。

つまり、第2小臼歯から引っ張るよりは、一番後ろの第2大臼歯から引っ張ったほうが、前歯に引っ張られ(つられ)にくくなるわけです。

となれば、ブラケットは一番後ろの第2大臼歯まで装着する必要が出てきます。一方でこれは上の歯全部に装置が付くことを意味しますから、部分矯正の範囲を大きく超えてしまうことになります。

 

以上が歯を抜いて前歯を後退させる治療が、部分矯正ではない理由です。別の観点からの説明もありますが、上のような回答をすると理解いただけることが多いです。

 

そして類似のよくある質問に、

『前歯を引っ込めたいだけのに、上の歯列だけではなく下の歯列にもブラケットを付けなきゃいけないのは何故?』

というのもあります。

この答えはまた次回以降で書きたいと思います。

 

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4月13日(金

『矯正治療の必要性はだれが決める?~その1

 

4月も半ばに差し掛かりました。ゴールデンウィークともなるとどちらかというともう暑いイメージがありますから、寒い日もあったり暖かい日もある今が一番春らしい毎日でしょうね。

 

さて題名ですが、基本的に最終決定するのは患者さんです。

ただ患者さんだけでは当然、詳しい現状、治療したらどうなる、治療しなかったらどうなる、というところが分からないと思います。つまり治療が必要かどうかの判断材料が揃わない以上、必要かどうかの判断ができません。

そこでそれら材料を提供するのが私たち専門家の役割です。

 

しかしあくまで私たちの役割は、その材料を提供するところまでと考えます。
材料が出そろったところで、つまりは患者さんの側で判断できる状態になったところで、

『そうならないため』あるいは

『こうなりたいため』に、

それを実現する矯正治療が必要と考えるか、不必要と考えるかは患者さんの意思決定です。

 

もしかしたらこちらが、

”矯正治療をしないとこうなっちゃいますよ”

なんていう言い方をするかもしれません。もちろんそれは根拠や経験に基づいた情報の提供です。
しかしこうなっちゃう”こう”が、その患者さんにとって許容できる範囲のもの、つまり”こう”なってもいいのであれば、患者さんにとってこうならないためにする矯正治療は必要ないものになるはずです。矯正治療の必要性はこの患者さんにとってみれば”ない”わけです。

全く同じシチュエーションでも、治療をせずに”こう”なりたくない患者さんにとっては、矯正治療の必要性は”ある”ことになるわけです。

 

少し前ですが、実際に合った2組の例です。

初診時年齢10歳および11歳で二人とも口元の突出が大きく認められますが、口元の突出がある分叢生は軽度でした。つまり歯列の拡大等をすれば一列になりうる範囲です。

診断名は『軽度の叢生をともなう上下顎前突』

となります。

いわゆる出っ歯さんのように上の前歯と下の前歯が離れているわけではなく、上の前歯と下の前歯はしっかり噛み合うし、奥歯の関係も1級といって標準的である一方で、口元は突出しているという状態です。なので口元の突出は、前歯の傾斜や骨格的なところに原因を求めることができます。

Aさんは口元の突出をとても気にしている一方で、Bさんは歯の重なりを気にしています。似ている咬合状態ですが、主訴が異なるわけです。

Bさんには乳歯がまだ数本残っており、このタイミングで叢生を改善するために子どもの矯正治療(準備矯正)として拡大プレートを処方しました。

Aさんがもし上顎前突(出っ歯さん)で口元が突出しているのであれば、ヘッドギアなどを処方する手段があったかもしれませんが、上記咬合状態だったため口元の突出に関しては子どもの治療ではアプローチをしないことになりました。

また、Aさんにも軽度の歯列の凸凹がありその点だけは準備矯正で改善可能であることを説明したものの、凸凹は全く気にしているところではなかったため、あらゆる準備矯正は行わないことになりました。
現在中学生になったAさんは、小臼歯を4本抜歯して、マルチブラケット治療(本格矯正)を行っている最中です。

一方でBさんは治したい部分が改善できたため、準備矯正だけでいったん終了となっています。永久歯がすべて生えそろった際にも、口元の突出改善の希望がなかったためです。

こう見ると、

Aさんにとって、準備矯正は必要なく、本格矯正は必要だった。一方で、

Bさんにとって、準備矯正は必要であり、本格矯正は不必要だった。

ということが出来ます。

歯を抜いてマルチブラケット治療をすれば、口元がスッとする。Bさんにとって、そのことと、歯を抜くこと、あの煩わしそうな目立つ装置を2年も付けていなきゃいけないこと、の価値が見合わなかったのでしょう。逆にAさんは、一列になるけど口元が出ている状態、に価値を見出さなかったわけです。

どちらが正解というものではありません。大事なことは必要、不必要の判断を、治療した場合、しなかった場合の予想される変化をこちらが説明したうえで、患者さん(あるいはその保護者)自身がその決定をしているという点です。

 

以前、臼歯部の交叉咬合(大きな程度)がある小学生の保護者の方に、『このままだとおそらく顎がずれて、お顔が歪みますよ』『これは治療をした方がいいでしょう。』という言い方で治療を半ば勧めるように説明したケースがありました。
噛みにくい現状や今後お顔が歪むことが患者さんにとって好ましいことではないだろうと、(勝手に)判断したためです。
患者さんからは、『そうはならないこともあるし、なったとしても困るとは思えない。』のようなお答えをもらいました。

ではどこからがこの方にとって矯正治療が必要になるラインなのだろう?と疑問に思いましたが、このような例もあわけです。

 

逆に、矯正治療もやはり医療だから、という面があるたからかなのかは分かりませんが『医療のことはよく分からないから、必要かどうか決めてください』というスタンスの方もいらっしゃいます。

その場合、どうなりたいとか、こうなりたくないとかいっご希望がどこにあるのかをお伺いするようにしています。

 

しかし最近セカンドオピニオンという言葉の広まりもあり、矯正治療においても患者さんは幅広く意見を求めるようになっていると思います。

他医院で治療が必要と言われたが本当に今必要か診て欲しい、などは当院で初診相談数件目、という方のセカンドオピニオンの目的でも多いケースです。

 

初診相談だけでそこを判断できるかという別の問題もあるのですが、今回の内容との関連で、初診相談でお話しできることの範囲についても次回書きたいと思います。

 

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4月3日(火

『最近多い『診断で過剰歯の話』

 

いよいよ4月です。患者さんから進級や入学、就職の話を聞いたりすると新年度の実感もますます湧いてきます。

 

正中過剰埋伏歯
さてここ一か月に診断をした患者さんの中で、『正中過剰埋伏歯』の話をした患者さんが三名いました。

うち二人は初診相談の段階で撮影するパノラマX線にて、すでに過剰歯があることが判明していたのでその話を診断で詳しくした形になりました。

もう一人の方は、就学前ということで初診相談時にはパノラマX線は撮影しませんでした。症例としては反対咬合で、後日検査希望があり詳しくレントゲンを撮影したところその存在が判明した、といういきさつです。

 

先天欠損や過剰歯に対する保護者の方の反応は?
過剰歯や先天欠損などの話をした際の保護者(主にはお母さんですが)の方の反応は実に様々です。

先天欠損の場合本数にもよりますが、例えば永久歯が1本足りないことをお伝えするとショックを受けた様子になる方もいれば、『それは何か問題があるんですか?』ととくに意に介さない様子の方もいます。
さらには、すでに並びが凸凹で今後の生えかわりでさらにその程度が増すことが予想される方の中には『足りなくて良かったんゃないですか』とか『抜く手間が省けた』とおっしゃる方さえいます。

 

過剰歯への反応も様々です。ただこちらの場合、過剰歯を取り除こうと思うと多くの場合手術になります。全身麻酔下で行うこともありますから、意に介さない様子の方は少ないです。
ですが、今度はその中でさらに反応が分かれます。

正中埋伏過剰歯の場合、矯正治療をするのであればその過剰歯は抜歯が必須と考えます。しかし矯正治療をしないのであれば、過剰歯の位置や向き、大きさなどによっては無理に摘出しなくてもよいケースもあります(この判断は口腔外科の専門医が行います。)。

あったら矯正出来ないなら取ってきます、と即断の方もいます。一方で、手術、しかも全身麻酔しないと取れないなら、取らないと矯正できず逆に矯正しないなら取らなくていいのであれば取らない、と考える方もいます。

 

歯並びの話を聞きに来たのに、現実味のある範囲での手術の話になるわけですから、びっくりした、不意を突かれた、足元すくわれた、晴天の霹靂、、、と感じ方に違いはあれど戸惑う方がやはり多いです。

 

なぜ正中過剰埋伏歯があると矯正治療ができない?
ちなみに矯正治療をするなら過剰歯の摘出は必須、というのは以下の理由です。

例えば過剰歯と前歯の根っこが近い位置にあった場合、矯正治療で歯を動かした際、動かした歯の根っことその過剰歯がぶつかってしまい根っこが損傷を受ける、溶けてしまうなどということが起こり得るからです。
仮に損傷を受けなくても、目的の歯が過剰歯とぶつかって動かないなどということも起こるでしょう。

ぶつかって歯が動かなかった期間は取り戻せますが、ぶつかって損傷を受けてしまった根っこは取り戻せません。


正確な過剰歯の位置を知るためのCT検査〜まとめ
当院にも設置していますが、CT検査によって過剰歯の正確な位置が判明します。しかしそのような好ましくない事態が起こらない可能性に賭けて、過剰歯があるまま歯を動かしていくわけにはいきませんから、よほど過剰歯が辺鄙な位置にあるような場合、あるいは歯には力を加えないタイプの装置を使用する場合を除き、特に正中過剰埋伏歯では抜歯してからの装置開始が望ましいでしょう。

 

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3月27日(火

『ご予約の混雑状況につきまして

 

さて今回はお知らせですが、現在のアポイント状況をお伝えさせていただきます。

現在すでに通院中の患者さんで、次回ご予約をひと月以降で取得される場合・・・ご予約が取りづらい状況はでておりません。

初診相談で10日以内でのご予約をご希望の場合・・・平日の夕方以降、土曜、日曜でのご希望の場合、当院の直近1~2週間でのご予約枠に空きがなく、ご予約が少し先になってしまう状況です。

平日昼間では空きのある時間帯もありますので、ご都合が合う際はご利用いただければと思います。

 

ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

 

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3月24日(土

『裏側矯正は部分矯正が得意?!

 

さて3月も下旬です。たまに寒い日があるものの基本暖かくなってきました。

 

部分矯正は裏側からも可能です。最近部分矯正を裏側から行うことになった患者さんが何人かいましたので取り上げてみたいと思います。

 

可能ではありますが、表側矯正と同様に部分矯正としての適応症かどうかという判定がやはり必要になります。

これとは別にさらに裏側矯正特有の、部分矯正を裏からする場合に必要な判断基準というものもあります。

この点をクリアできた場合の、部分矯正を裏側から行うメリットは次のようなものが挙げられます。

・外から装置が見えない、周囲に気づかれない

・治療中でも並びの一列を比較的早期から実感できる

・前歯が前に出にくい

上2つは裏側の全体矯正でも同様なので、ここでは説明を省きます。

 

表側からの部分矯正との大きな違いは3つ目の『前歯が前に出にくい』という点です。

ところで全ての物体には抵抗中心というものが存在しています。その中心に対してどこに力を掛けるかで、その物体がどう動くかが決まります。

例えば、スカイツリーを巨人が押す姿をイメージしてください。

てっぺんのあたりを押せば、ツリーは倒れてしまうでしょう。一方で脚の部分を押せばツリーはズリズリと倒れずに平行移動するでしょう。同じ力をかけても押す場所の違いで、ツリーの動き方にも差が出ます。

 

歯の抵抗中心の詳しい話は省きますが、スカイツリーと同様のことが歯でも起こります。

装置を表に付けるか裏に付けるかで、歯に同じ力を同じ向きに掛けても歯が動く方向が異なるのです。

表からの部分矯正では物理的に避けられない『凸凹は一列になるが歯が前に出てしまう』という現象。これが裏側では起こりにくくなります。つまり、装置を歯の裏側に付けるということで、歯の頭は内側に入って一列になろうとするのです。

もちろんこれもいいことばかりではありませんし、程度が大きければ裏側でも歯は前に出ます。

 

ですがそのメカニズムをうまく利用できれば、部分矯正を裏側矯正で行うのは”向いている”治療ということが出来るでしょう。

 

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3月17日(土

『骨の中で犬歯の生えようとする向きがおかしかった症例の経過。治療法選択の根拠

 

さてこのブログでもたびたび紹介している、『骨の中でこれから生えようとする犬歯の向きがおかしい』という症状。

6歳臼歯と12歳臼歯を除く永久歯は、自分の代わりになっている乳歯をとかしながら生えてきます。犬歯で言えば、乳犬歯をとかしながら生えてきます。この場合、永久犬歯は乳犬歯をとかすことのできる位置、つまり乳犬歯の真上に位置していることになります。

 

ところが骨の中でこれから生えようとする犬歯が、乳犬歯の真上に存在してくれていないことがしばしばあります。例えば、すでに永久歯として生えている手前の前歯の方に向かって生えようとしている場合があるのです。

これは少し大ごとです。というのも今まさに犬歯がとかそうとしているのは永久歯(の根っこ)だからです。永久歯ですからもう替わりはありません。歯は根っこを張って植立している木と同じです。根っこがとかされれば、幹はグラグラし、程度が大きければ抜けてしまうこともあるでしょう。

 

こうならないようにするには、少なくとも早期発見がまず第一です。なんらかの兆候や症状、

・右の犬歯は生えてから1年経つのに左の犬歯が生えない。その時期には揺れているはずの左の乳犬歯がびくともしない。

・前歯の上の方に膨らみがある

・前歯がぐらぐらする

などが出た場合、すでに骨の中の犬歯が前歯の根っこをとかし始めていることもあるからです。

 

ただこの『早期発見』も実はとても難しいです。というのも、上記兆候や症状自体はもちろん、それに至るまでの過程においても痛みや目で見て気付ける変化なども一切ないからです。

なので、目で見て分かるほどの何らかの変化が起きる以前に、気付くことのできるパターンは『偶然』によるものが最も多いでしょう。

例えば矯正歯科における発見例で一番多いのは、

凸凹が気になる患者さんが治療を開始することになり、診断のためにレントゲンを撮ってみたら犬歯が好ましくない位置を向いていた

ことが分かった、という例です。

すると、一番気になっていた凸凹よりも緊急性の高い『犬歯』へのアプローチから治療が始まる、などということもまれではないことになります。

 

そこで題名の患者さんです。

小4の女子で、やはり並びの凸凹を主訴に来院されました。当院では初診相談の時点でパノラマレントゲン写真を撮影します。ですのでこの時点で、犬歯の向きが正常かどうかが判明します。

そのレントゲンにて右の犬歯の歯胚向きが大きく前傾していることが確認されました。骨の中で犬歯の頭が側切歯の根に突っ込んではいるものの、幸いにもとかしてはおらず、また頭の位置も側切歯中央の線より遠心(より重なりの浅い側)にある、という状態でした。

 

歯胚位置異常にある犬歯への対応方法は、状況に応じていくつもあります。たくさんあるので今回行わなかった方法の説明は省きますが、いずれにしても患者さんの置かれている環境などと併せて判断する必要があります。

今回は上記所見が得られていました。上記状態にある犬歯の場合、

『乳犬歯の抜歯をすることで、犬歯が骨の中で自然に正しい向きに方向転換してくれる』

確率は90%、ということがこれまでの報告から判明しています。ちなみに中央の線を越えている場合のこの確率は6割強にとどまります。この点からも早期発見はやはり有効ということが分かります。

また、歯列の拡大により犬歯が生えることのできるスペースを増やすことでも、骨の中の犬歯が正しい方向に向き直ってくれる率が高まることが、やはりこれもこれまでの報告から分かっています。

 

ですのでこの患者さんには当初、右側乳犬歯の抜歯と上顎拡大プレートによる歯列の拡大が治療方法として選択されました。

先日半年経過でのレントゲンを撮ってみると、犬歯が30度から40度ほど向きを変えてくれており、もう側切歯の根っこをとかさないだろうという位置まで移動してくれていました。

 

同じ人で治療をした場合、しなかった場合、の両者の結果を比較することはできませんからなんとも言えないところはありますが、より重大な症状を呈する可能性を低くすることが出来た、さらには0に出来た、という点ではやってよかった治療と言うことが出来るでしょう。

この犬歯の対応方法に限らず、矯正治療のほとんどがこれまでの論文などの報告をもとにして行われています。そこに個々の矯正医の経験も併さって的確、安全、ゴールまで最短距離の治療、などなどが実現されるのでしょう。

上のようなこの状態では9割、その状態では6割といった根拠ある数字で説明できれば、患者さんにも分かりやすいと思います。

 

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3月12日(月

『メール相談や初診相談などで最近多い質問から、、、

 

よくいただく質問は、その患者さんに特化した内容のものもあれば、広く患者さんに当てはまるものなど多岐に渡ります。

その患者さん特有の質問はその患者さん個々の背景などから生じたものであるため、その回答もその患者さんに即したものとなります。

一方で、一般的な質問に対しての回答は多くの患者さんにとって共通の答えとなることも多いです。

ということで、そのような種類の質問をまとめたページを設置しました。

『キョウセイって?どんなもの?』

では、

・治療開始前の

・矯正治療費用の

・子どもの矯正治療の

・マルチブラケット治療の

・裏側矯正の

それぞれのシチュエーションごと、患者さんが抱く疑問に回答しています。

矯正治療をこれから検討している方の、矯正治療に対しての漠然とした不安が薄れるようにと意図したものですが、矯正治療中の方にも参考にして頂ける部分もあるかと思います。

(※『当院での矯正治療』に特化した内容の回答もあるのでご注意ください。)

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』沼津、三島からもどうぞ

3月8日(木

『インシグニアで表側でもオーダーメイド矯正

 

さて矯正治療でも『オーダーメイド』という言葉が使われることがよくあります。

突き詰めれば矯正治療は全てその患者さんに即したオーダーメイド治療なんですが、使用する装置については、オーダーメイドかレディーメイドか区別することができます。

 

例えば子供の治療では、

型採りをして、その型を基にして作った装置(拡大プレート、バイオネーターなど)→オーダーメイドの装置

型採りが必要ではなく、既に存在する原型を調整して使用する装置(プレオルソなど)→レディーメイドの装置

と分けることが出来ます。

 

同じような基準でマルチブラケット装置も分類することが出来ます。

レディーメイド→通常の表側ブラケット装置

オーダーメイド→裏側のブラケット装置

マルチブラケット装置ではありませんが、インビザラインなどもオーダーメイド装置に分類できるでしょう。

要は、その装置を作製するために、そのための型採りが必要かそうでないかでオーダーかレディかが分類されるといえます。

(※通常の表側矯正でも、装置は既製のものであっても歯に付ける位置は患者さんごと異なりますし、使用するワイヤーの形態も患者さんごとで異なりますから、それを以てオーダーメイドといえばもちろんオーダーメイドです。)

 

通常表側のブラケット矯正は、そこに歯があり、さらにブラケットと接着剤さえあれば、臨床的に問題ない正確な歯の位置にブラケットを付けていくことが出来ます。ほとんどの矯正歯科医院で行われている方法です。

裏側矯正ではそうはいかないことはこれまでに触れたとおりです。

裏側矯正では必要性から端を発してオーダーメイドの装置を作製するため、好むと好まざるを選べません。でもその制作過程で『セットアップ模型』というものを制作しますが、これをもとにしてブラケット装置が作製されることで、得られるメリットはとても大きいものになります。

 

表側矯正にもそのメリットを活かそう、としたものが題名にもある『インシグニア』です。表側矯正では先に述べたように、歯と装置と接着剤があれば治療が問題なく開始できます。そこを敢えて、裏側矯正のようにセットアップ模型(デジタルですが)を作製しさらにそこからオーダーメイドのブラケット装置までも作成し治療を開始しようとするわけです。

ですからそのメリットが本当に大きくないと、このシステムも開発されていないと思いますし、矯正歯科医からも選ばれていないでしょう。そのメリットは患者さにも、医院にも、施術する側にも確かにあると考えられるので、当院でも今後導入していく予定です。

 

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3月4日(日

『裏側矯正での舌の違和感は人それぞれ

 

さて先日、同日に裏側矯正の装置装着となる患者さんが二組いました。

どちらもすでに上の裏には装置を装着していて、その日は下の歯列の裏にブラケット装置を付けるという回でした。

歯列の特徴などの詳細は省きますが、一方の方はブラケットから舌までの距離が比較的ある方、もう一方の方はその距離が短い(装置と舌が近くに位置する)方でした。

どちらにも以前から『下の裏側は違和感感じる方も多いですよ』というアナウンスをしていたものの、上の違和感がそれほどでもなかったという経緯から、患者さんも『大丈夫じゃない?』くらいの感じでした。

 

そして装置装着後。

『結構違和感ありますね、、、』と言ったのは”ブラケットから舌までの距離がある方”のほうでした。距離があるということは、ベロを動かしても動く範囲で装置には当たりにくいということを意味します。となれば違和感も少ないはずです。

一方で、後者の方は『こんなもんでしょうね、上と同じくらいです。すぐ慣れると思います。』とのこと。装置と舌が近いということは、ベロの動く範囲に装置があるということで、ベロが動けば装置に当たります。当然違和感も出るはずです。が、それほど感じていないのです。

 

なのでそ上記のような要素だけでは計ることのできないところが、違和感の感じ方としてはあるのでしょう。

 

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3月1日(木

『今年の目標が早くも達成?

 

さていよいよ今日から3月ということで、今年も2ヶ月が経過です。早いものです。

 

ところでこの2ヶ月という期間。矯正治療の平均的な期間が2年つまり24ヶ月とすると、その1/12ほどの期間です。また、ひと月に歯の動く距離が0.5mmほどと考えれば、ビフォーアフターの比較でもあまり目を見張るほどの変化量が現れない、と考えられる期間です。

ところが、このたった2ヶ月という短い期間でも大きな変化が起こりうる不正咬合の種類があります。

 

昨年末になりますが、とある取り外しタイプの装置の使用が始まった患者さんがいました。装着後のチェアサイドでの保護者の方への説明の際お母さんが、

『今の噛み合わせを治すことが来年の目標です』

とお話していました。

この小1の患者さんの噛み合わせは『反対咬合』です。反対咬合の中でも機能性の反対咬合と呼ばれているものです。

機能性などというと何か仰々しい感じがしますが、より重度の位置付けとなる骨格性の反対咬合に比べると、反対咬合の中でも”治りやすい”タイプに分類されます。

しかし機能性の反対咬合を放置すると、骨格性の反対咬合(骨が成長した結果としての反対咬合)に移行する可能性があるため、早期にアプローチすることが好ましいとされている不正咬合の一つでもあります。

 

先日2月末は、装置使用開始2ヶ月の来院でした。患者さん本人のお口の中を見る前にお母さんが、『先生、上の歯が前に来ました!』とのこと。

そして実際に診察すると、、、見事に反対咬合は改善していました。

先ほど書いたように、いくら子どもで歯が動きやすいとは言っても、やはり2ヶ月で動く距離は知れています。

でもこの機能性の反対咬合というのは、上下の前歯の些細な干渉が大きな下あごのずれを導いているというものですから、些細な距離を歯が動いてくれればその干渉がなくなり、結果下あごが本来の位置に収まるのです。

 

今年の目標が早くも達成されてしまったわけで、お母さんとしては少し拍子抜けな感じすらありました。ただもちろん、もう装置を使わなくていいというわけではないんですが、ひとまず目標達成、ひとまず安心というところでしょう。

放っておくと骨格性の反対咬合に移行する可能性のある噛み合わせが、数ヶ月で改善する(もちろん全員が同じ期間で同じ経過を辿るものではありませんが)わけですから、重症化する要素はやはり取り除いておいたほうが良いと言えるでしょう。

 

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2月24日(土

『マルチブラケット治療のみの一日

 

今日は朝から晩まで、息をつく間もなく(昼の休憩時間はありましたが。)診療のみでアポイントの枠が埋まった一日になりました。

”診療のみで”というのは、初診相談や、診断、途中経過の報告などといった相談室で患者さんに対応するアポイントではなく、診療室で患者さんを診療するアポイントのみで、という意味です。

でもこういう日は珍しいわけではありません。診療室に出ずっぱりで、診療終了後相談室に帰ってくるのが昼以来なんていうこともしばしばあります。

 

今日珍しかったのは、診療のみだったアポイントのその内容が、すべてマルチブラケット治療だったという点です。

つまり、検査や子どもの矯正治療、マウスピース矯正といったブラケット治療以外の診療が途中入ることはなく、最初から最後までマルチブラケット治療のみでした。

なので結構疲れました。

裏側矯正の方も数人、DBS(ブラケット装置装着)の方も何人かいて、さらにはもうすぐでブラケットのオフの患者さんもおり文字通り”微調整”をしたりして、頭も体もフル回転でした。

 

そして診療後。今日は土曜なので平日より1時間早く医院は閉まります。がしかし、ここ最近検査、診断がとても多く、期日の決まっている症例分析や治療計画の立案がたくさんあります。

とは言っても、この先一週間以内にある診断の準備は終わってますから、焦っているわけではありません。

しかしここ最近、少し先のアポイント表にある診療と診療の合間の時間を、何か別の仕事をする時間に充てるつもりでいても、気付いたら相談や検査などのアポイントで埋まっていることもよくあります。なので今出来るときに少し先の仕事までをしておく、、、と気持ちにも余裕が持てます。

ということで、この記事が書き終わったら症例分析と計画立案に移ります。

 

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2月17日(土

『メール相談で、マウスピース矯正についてのセカンドオピニオン

 

先日のメール相談です。

現在一般歯科でマウスピース矯正(インビザライン)を行っているとのこと。

噛み合わせがあっていないことを担当医に告げると、続きは矯正の専門医院でしてほしいと言われた、という経緯でした。

治療開始前と現在の写真を添付いただいていたので比較してみると、凸凹は比較的一列に近くなっているものの、奥歯の噛み合わせが反対になっています。つまり、上の歯列が下の歯列を覆えていない噛み合わせです。前歯は突き合せになっています。

臼歯部反対咬合と切端咬合

という不正咬合になるでしょうか。

 

回答としては、

まずは現在の担当医とお話をしていただくこと。治療の継続(現院あるいは他院での)はもちろん費用のこともうやむやになっている様子だったため、まずその辺りを整理することを勧めました。

そしてその後、仮に当院で治療の継続を希望する場合は、マウスピースではなくブラケット治療ですることになるだろう旨を伝えました。現在でそれなりの治療期間が経過していること、現在の状態では、取り外しのマウスピースよりも付けっぱなしのブラケットの方が確実で、かつ再開までの期間や再開後の進行も早いと考えられたためです。

恐らくこのケースは、これまでどういう治療をしてきたからここからはこうする、、、という治療計画を立てるよりも、現状としてこうである噛み合わせ、不正咬合である『初診の状態』として捉えないといけない症例でしょう。

 

以前、マウスピース矯正で好ましくない歯の動きをしてしまったという方のクリンチェック(インビザラインの設計図のようなもの)を見させていただく機会がありましたが、『どんな方法を使っても、歯はこんな動き方をしない』という魔法のような動き方が設定されていました。

歯の動き方には規則があります。これはブラケット治療でもマウスピース治療でも共通です。多くの矯正医はまずそれを学び、ブラケット治療をする中でその規則を自分のものにしていきます。

インビザラインはその過程を経ていない、矯正歯科学会の認定医等ではなくても、患者さんに施術が可能です。

さらにマウスピースにはマウスピース特有の歯の動き方がありますから、歯の移動の原則を知ったうえで、マウスピース特有の動き方も習得した医師でないと、安心、安全な治療は提供できないということになると思います。

個人的には、表側のブラケット矯正との比較で言えば、裏側のブラケット矯正よりもマウスピース矯正の方が違いが大きいと感じます。

 

マウスピース矯正での医院選びは、通常のブラケット治療を考えての医院選びよりも慎重であっていいと思います。

 

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2月10日(土

『デジャヴ

 

意味不明なタイトルですが。

 

マルチブラケット治療にはディテーリングといって、治療の後半に噛み合わせの最終調整を行うステージがあります。

ワイヤーを調整したり、ブラケットの歯に付ける位置を変えたりなどといったことを主にすることで、噛み合わせをより緊密にしていきます。

その際よく併用されるのが、ご存知の方もいると思いますが、あの『ゴム』です。

歯科医院で掛けるお口のなかにかけっぱなしのチェーンのようなゴムではなく、患者さんが自分で掛けはずしをするあの『ゴム』です。

必ずしも治療の終盤のみで使われるとは限りませんが、多くは後半で使用されます。

 

矯正治療で使う装置は、患者さん自身で取り外しのできる装置と出来ない装置に分類されますが、このゴムは取り外しのできる装置に分類されます。

マルチブラケット装置やワイヤーは患者さん自身では取り外しができませんが、ゴムは出来ます。

マルチブラケット装置やワイヤーは患者さん自身で取り外しが出来ない代わりに、患者さんが取り外しを頑張らなくても歯が動きます。一方で、ゴムは取り外しができてしまう代わりに、患者さんがその装着(と外し)を頑張らないと歯は動きません。

ワイヤーは24時間歯に付いていますから、24時間歯には動かす力がかかります。ゴムは付けている時間しか力を発揮しませんから、付けている時間=歯が動きうる時間ということになります。

なのでゴム(正式には顎間ゴムといいます)は、歯の動く動かない、もっといえば治療の上手くいくいかないを、患者さんに委ねる装置とも呼べるのです。

前置きが長くなりました。

 

先日もう少しでブラケット治療の終わりそうな患者さんの診療をしていました。高校生の女子です。この前の回にゴムの宿題を出していました。

ところでゴムは、上記のようにお口の中でつけっぱなしでいることが難しい装置です。

というのも大抵は上の歯と下の歯にまたがって掛ける必要があるため、掛けている間は口が開きにくかったり、しゃべりにくかったり、掛けてること自体が気になったりもします。当然何かを口にする際にはいったん外す必要がありますから、食べ終わった後に付けるのを忘れてしまう、、、なんてことも起こり得ます。

患者さんにも、

付ける時間が長いほど歯はよく動く=よく動くほど速く治療が進む=治療が進むほど早く治療も終わる

という図式は頭の中にあるものの、現実的なところで付けている時間の確保が難しい場合も大いにあるのです。

 

この患者さんは、下の奥歯を手前に寄せるゴムを掛けていました。付けることになってからの最初のひと月だし、学校や家庭では部活や勉強、塾も忙しそうだし、奥歯が動いていても少しだろうなぁ、という予想?でいました。

しかしいざお口の中を見てみると、、、なんと隙間がもうない!?

動きにくいとされている奥歯の、すぐ手前にあった2mmほどのスペースが、その奥歯が前に来ることで閉鎖されていました。

2mmというと『なんだ2mmか』と思われるかもしれませんが、お口の中のスペースで2mmはそこそこ大きいですし、下の奥歯を、ゴムという手段によって前に来させて閉鎖する距離としては、なかなかの量です。

それが閉じていたわけですから、『すごいゴム頑張ったんじゃない!?』となるわけです。

『何か食べてるとき以外はほぼ掛けてた』とのことでした。

 

そしてこの言葉を聞いた瞬間、いつかの一場面が頭をよぎりました。あれ、、、こんな場面でこの言葉を聞いたことがこれまでにもなかったっけ、、、

以前の職場で診療していた時のこと。治療の終盤、下の前歯の真ん中が右にずれている、やはり高校生女子の患者さんがいました。上下の歯列の正中が合えば治療も終わりです。仕上げに、その正中合わせをゴムで行うことになりました。

交叉ゴムといって、上下の前歯を横断(斜断?)して掛けるタイプです。前歯のど真ん中を横切りますからとても目立ちます。しゃべりにくく、口を閉じにくい点も奥歯にゴムをかけた場合以上です。なので、この交叉ゴムを一日中掛けておくというのは、実生活の中では難しいです。

ただ家にいる間、就寝時も併せ10~12時間ほど使用を確保できれば、十分効果は期待できますから、その中でやってもらうよう指示をしました。

 

そして次の回。

ゴム出来た?と聞くと『出来た!』とのこと。

ではいざお口拝見、、、

(あれ?あまり変わってないな、、、ずれたままだ、、、)

(?)

(?!)

(!!)

最初気づけませんでしたが、なんとずれている方向が”逆”になっていたのです。つまり、下の歯列の正中が右にずれていたのが、ゴムを頑張りすぎて効果が出すぎて、下の歯列の正中が上の歯列の正中に対し、ちょうどいいところを通り越してさらに左にずれるというところまで変化していたわけです。

『かなり頑張ったね』と聞くと、

『食事以外はだいたいしてた』

 

この場面でした。

患者さんが高校生の女子だったこと、予想以上の移動距離、予想以上の頑張り、そして特徴的なセリフと、色々な状況が類似していたため、思い出されたのでしょう。

 

余談ですが、顎間ゴムはアンカースクリューの普及で確かにその登場回数は減っていると思われますが、0になる、ということにはなっていません。

ところで、治療途中でゴムやスクリューが必要になることがあります。治療の最初からスクリューが絶対に必要な状況とは違って、この場合、

『ゴムでも治るだろうけど、スクリューならその確実性が高い』

という状況であることが多いです。

なので、患者さんには、

『ゴム頑張れば全然治る範囲の程度だから、まずはゴムでやってみようか』

と説明しゴムをスタートします。

ここでゴムを頑張ってくれる場合はいいんですが、中にはゴムの使用時間が確保できない患者さんも出てきます。

どうしても事情があって掛けられない人もいれば、単に面倒くさくてしない人もやはりいます。

前者の方はゴムをする”余力”がない方ですから、そのまま抵抗なく、諦めもありスクリューに転向していけることが多いです。

一方で後者の方、面倒くさくてしなかった方には余力がまだまだあります。やろうと思えばゴムの時間を確保できる方たちですから、やろうとさえ思ってもらえればゴムをしてもらえるはずです。でも皆さん口を揃えて『やる時間がない』と言いますが(笑)。

このゴムかけ、してくれない方に延々とゴムを指示しても、いたずらに時間を経過させてしまうだけです。なので、ゴムをスタートする際に期間を決めています。

ゴムかスクリューかの選択で、(スクリューが嫌で)ゴムを選んだ人たちです。そのゴム掛けを頑張れなかったり、効果が出なかったりすれば、必然と残された選択肢はスクリューのみということになってしまいますが、でもそれは嫌なわけです。

3ヶ月の期間が近づいた頃、

『ゴム本当にやってる?しなくてもいいけど次までやってこなかったり効果が出ていなかったりしたら”ネジ”打つよ』

とハッパ(?)をかけます。すると1ヶ月後、、、

『え?すごい治ってるじゃん!?やる時間ないって言ってたけど、実はあったってこと?』

『飯以外はだいたいしてた』(笑)

このパターンは中高生の男子に多いですね(笑)。分かる気がします。そして何やら誇らしげなのも微笑ましいです。

 

厳密に言えばゴムとネジの治り方は異なりますから、必ずしもネジの代わりにゴムがあるという位置づけではありません。

でも、代用の効く場面はたくさんあります。そういう意味でもゴムが使用されるシーンはまだまだなくならないでしょう。

 

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2月1日(木

『部分矯正の開始率は低い

 

今日から2月ですね。まだもう少し寒くなるようですから、みなさん体調にはお気をつけください。

 

さて、初診相談の方の主訴をひと月単位で俯瞰してみると、矯正歯科に来院される患者さんがよく持つお悩みや希望する治療法のほとんどが含まれるかたちになります。

前歯の並びが気になる、歯が出ていることが気になる、噛み合わせ全体が気になる、口元の突出が気になる、抜歯は避けたい、短期間で終わりたい、すぐに始めたい、部分矯正でしたい、目立たなくやりたい、装置が全く見えないようにしたい、、、

 

歯並びや噛み合わせ全体を気にしていてそれを治したい方は、全体矯正が必要になることがほとんどで、患者さんもそのつもりでいる場合が多いです。

また全体矯正での仕上がりには原則制限はありませんから、『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』が治療のゴールになります。ですから、患者さんの『治療後にこうなりたいという希望』と治療で出来ることのギャップがあまり生じないことになります。

それも全体矯正を希望される患者さんは開始率が高いという理由でもあるでしょう。

 

一方で部分矯正の場合はどうでしょう。

部分矯正が症例として適応となった場合でも、それがそのまま患者さんにとって”適応”となるかは分かりません。

よくあるというか、これがほとんどと言っても過言ではないケースを紹介します。

『上の凸凹が気になっていて、ここだけを治す部分矯正をしたい。部分矯正の適応ではあるが、凸凹の程度もそれなりに大きいため、前歯だけに装置をつけて一列にしようと思うと前歯が出てしまう。一列にはなるけど出っ歯になるのは嫌だ。とりあえず部分矯正をするという考えは棚に上げておこう』

というものです。

前歯の部分矯正を希望して来院される方の多くに共通しているのは、前歯の凸凹の程度は中程度にはある、というものです。

軽度だったらそもそも気にはなっておらず、なので矯正治療の希望もなく、来院もしていないでしょう。

重度だったら部分矯正ではなく初めから全体矯正を希望されているかもしれません。

中程度の叢生の中でも、軽度に近い場合はIPRなどを併用すれば前歯は出ずに一列も達成できますから、このカテゴリーにいる方が部分矯正として治療を開始するもっとも多い層になるでしょう。

中程度の叢生でも重度に近い方は、一列になっても前歯が出てしまう可能性が高いです。その場合部分矯正はしない決断をする方がほとんどです。そのまま当院で矯正治療自体をしないという方向に進む方もいれば、数ヶ月後にやはり全体矯正をしたいと言って来られる方もいます。

何れにしても後者の方は部分矯正を選択されない可能性が高いです。この辺りが部分矯正希望の方の開始率は低い理由でしょう。

 

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1月29日(月

『ハーフリンガルは矯正歯科医でも気づかない?!

 

先日、歯科関係ではない取引業者の方と打ち合わせをする機会がありました。

どちらも初対面で東京から来ていただいたのですが、一人は男性、もう一人は20代の女性の方です。女性の方には、職業柄そこに目が行くというか、”矯正治療済み”かな?と思うほど歯並びキレイだなという印象を持ちました。

ただ後付けの言い訳ではないですが、何か『あれ?』という感覚を持った、というのもありました。

 

30分ほどの短い時間でしたが、初めの15分ほどは主に男性の方と話をし、その間女性の方は相槌だったり、ごく簡単な補足説明をする程度でした。

後半から女性の方と主に話すようになりましたが、話し始めて少し経ちやや大笑いするような内容があった際、女性の方も少し大きく口をあけて笑う場面がありました。

すると、、、

もうとっくにお分かりかと思いますが、そうです、女性の方は下の前歯にブラケットを付けており、つまりは矯正治療中だったことが判明したのです。

※写真はサンプルです。上記の方のものではありません。

上の歯列は裏側、下は表、のハーフリンガルという方法での治療中でした。

逆の先入観というか、上の歯列の見えるところに装置が付いていないわけですから、下の歯列の”現物”が見えない限りは、矯正中だとは思いようがありません。

女性の方も、

『下の歯を故意には隠そうとはせず自然にお話をして、先生がいつ気づかれるかと窺がっていました』

とのこと。

上の歯列は小臼歯の抜歯をしているということですが、現在治療を開始して1年半を過ぎたところです。抜歯スペースもほぼ閉鎖、歯列は一列、口元の突出もない、そこに装置が見えないということも併されば気付きようがありません。

 

これまで自分の患者さんや知り合いなど、すでにハーフリンガルで治療をしているということを自分が知っていてその方と接することがほとんどでしたから、たとえ装置が見えていなくてもそのことに驚かされることはありませんでした。

なので今回の体験は施術する側としてもとても貴重です。

 

矯正治療中であることが判明するよりも先に、矯正治療が終わってキレイな歯並びが達成できた状態と矯正歯科医に思わせてしまう、、、

上下裏のフルリンガルならまだしも、下は表に装置が付いているにもかかわらずですから、ハーフリンガル恐るべし、、、

 

ただ、やられっぱなしではなく何か”あれ?”という感覚を持てたのが、矯正医として最後の砦を守ったというか、ちょっとは抵抗できたぞ、というところでしょうか。(笑)

 

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1月23日(火

『今日は初診相談が4組

 

昨日は来院患者さんが多く、うち初診相談の患者さんは4組でした。

成人男性、成人女性2組、小学生女児

という内訳でしたが、年齢や性別、環境や考え方(ゴール、どこに目標を設定するか)も違う方たちなので、話す内容も多岐に渡ります。

 

成人女性の方二人は、見えずにしたい→裏側から治療がしたいという点では共通でした。一人の方は口元を引っ込めたい、もう一人の方は前歯の並びを一列にしたい、という希望がありました。

話は逸れますが、裏側から矯正を希望される方の割合は最近多いです。丁度この日は、他の診療の中、フルリンガル(上下ともに裏側)の方の下のブラケット装着、ハーフリンガルの方の上のブラケット装着もあった日です。

 

男性の方は、下の前歯の凸凹が気になるということでした。下の前歯だけの部分矯正では注意すべきところがいくつかあります。

出っ歯の方で下の前歯の並びが気になる場合ならばいいんですが、出っ歯の方で下の前歯が上の前歯を差し置いて気になる、という方ほとんどいません。

両方気になっていて全体矯正を考えているか、下ではなく上の前歯が気になって上の前歯の部分矯正を検討している、ことが多いからです。

というのも出っ歯の方の下の前歯は、上の前歯に隠されていてあまり外から見えません。なので、外から見えないところは別に気にならない、ということになるだろうからです。

 

一方で、下の前歯の凸凹を気にされるのは、反対咬合ではないにしても、少なくとも出っ歯ではない、カチンと噛んで下の前歯もしっかりみえるタイプの噛み合わせを持つ方に多い気がします。

この男性の方もそうでした。

なので注意すべき点は、凸凹を一列にしたら歯列が膨れるという原則から、下の前歯の凸凹を上記タイプの方に行ってしまうと前歯の噛み合わせが反対になってしまう、というところにあります。

見立てとしてのこの方へは、下の前歯が一列になる、しかも前歯が前に出て反対にならない、方法として、下の前歯の歯を一本抜くという方法もあることに触れました。

その1本というのが、唇側に転位(一本だけ表にはみ出)していて、歯肉も大きく退縮していた、というのもその方法を説明した理由でもあります。

患者さんは『その方法があったか!』という感じでしたが、『でも歯を抜くのはなぁ、、、』という感じでもありました。

 

小学生の女児の患者さんは、治療開始のタイミングを知りたいとのことでの来院でした。

上の前歯4本が乳歯だったこともあり、パノラマレントゲン写真を一枚撮り、過剰歯や先天欠損歯、歯胚位置異常歯がないことをまず確認しました。

反対咬合でも、交叉咬合でもない、問題のメインは土台の大きさと歯の大きさの不調和というところでしたので、仮に治療が必要でも前歯4本永久歯に生えかわってからでいいのでは、と説明しました。

その時期も遠くない将来だと思われますが、その際に、詳しく歯型や他のレントゲンなどの検査を行い、凸凹を治す目的での治療の必要性や、必要ならそのタイミング(今から治すか、ずっとあと中学生で治すか)を検討していくことになるでしょう。

 

リンガルの診療も腰がやや疲労しますが、初診相談も初対面の方とその方の気にしていることについてを話す、という性質上相談が終わった後は、『ふ~』となります。

 

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1月18日(木

『違う乳歯を溶かしながら生えようとした6歳臼歯

 

つい先日大晦日、お正月だった気もしますが、もう1月も後半です。早いものです。

 

さて歯科には『異所萌出』という言葉、症状があります。

これは何かというと、

永久歯が生える際本来はえるべき所ではないところからから生えてしまった

状態のことを指します。

様々なパターンがありますが、症例としては比較的多い当院でも治療を行ったケースを取り上げてみたいと思います。

 

上あごの6歳臼歯が生える場所はどこでしょうか?

そうです、一番後ろです。

永久歯は乳歯の下から乳歯をグラつかせながら生えてきますが、6歳臼歯や12歳臼歯に限っては、一番後ろの乳歯のさらに奥の”歯茎”からいきなり生えてきます。

なので6歳臼歯は、乳歯と取って代わるように生えるわけではないため、生える最中にどの乳歯をグラつかせることもありません。

しかしまれに、間違えて一番後ろの乳歯である第2乳臼歯を溶かしながら生えてきてしまう、なんとことが起こります。

そうして本来と違うところに生えてきてしまった6歳臼歯の状況こそが、『異所萌出』している状態となります。

 

第2乳臼歯を溶かしながら生えてくるわけですから、6歳臼歯の萌出が進めば進むほど、第2乳臼歯のグラつき度は大きくなるということが出来るでしょう。

グラつきの大きくなった第2乳臼歯が自然と抜けてしまう、あるいは抜歯の適応になってしまうことも珍しいことではありません。

第2乳臼歯はその寿命を全うできれば、11~12歳まではお口の中で6歳臼歯とともに『立派な奥歯』として機能し続ける歯です。

その歯が、6歳臼歯の生えるタイミングである6~7歳くらいになくなってしまっては、向こう5~6年噛むのにもとても困ります。

 

早くに第2乳臼歯がなくなってしまうと、さらに困ることも出てきます。

本来第2乳臼歯は、上記11~12歳くらいに自身の後継者である第2小臼歯という永久歯によって取って代わられます。つまり第2小臼歯によって根っこを溶かされ、グラつかせられ、抜けてしまい、第2小臼歯に場所をゆずります。これが正しい生えかわりです。

一方で6歳臼歯の異所萌出が起こってしまうと、第2乳臼歯のあったところには6歳臼歯が陣取ってしまいますから、第2小臼歯は生えることができなくなってしまうのです。

 

では異所萌出は防げないのか、防げなくても被害を最小限には抑えられないのか、ということが次に気になることとして挙がってきます。

症例です。

この患者さんは全く別の箇所(前歯の凸凹)が気になるということで当院を受診しました。この時点で正常である左側の6歳臼歯もまだ生えていない段階ですから、右側がそのような状況になっているなんていうことは、少なくとも口の中を見ただけでは全く分かりません。

当院の初診相談では小学生(乳歯が残っている歯並び)の場合パノラマレントゲンを撮影し、その説明も行っています。

左の青丸で囲まれている状態が正常です。6歳臼歯は手前の第2乳臼歯に沿うように降りてきます。

一方で右の赤丸部分ではどうでしょう。6歳臼歯が手前の第2乳臼歯に引っかかって降りてこられない状況です。第2乳臼歯に視点を変えれば、6歳臼歯によってその一部を溶かされてしまっています。

さてこういう状態であることが判明しました。

この状態へのアプローチの方法、考え方はいろいろあると思います。

・経過観察

・第2乳臼歯の削合(6歳臼歯が引っかかっている部分を削る)

・第2乳臼歯の抜歯(とにかく6歳臼歯を優先して生やさせるため)

・6歳臼歯を後ろにずらし、引っかかっていない状態にする

それぞれの方法が無条件にどれが良い、悪いは言えません。

患者さんの年齢、6歳臼歯の引っかかり具合、第2乳臼歯の溶かされ具合(揺れ具合)、第2小臼歯の降り具合、、、

など諸々の条件を吟味して方法を選択する必要があるからです。

 

今回のこの患者さんでは、

・まだ小学校2年生(8歳)であること

・第2小臼歯が生えるまでにはあと2〜3年を要すること

・6歳臼歯の突っ込み具合、第2乳臼歯の溶かされ具合もまだ軽度である

・逆に経過観察とすると、さらに第2乳臼歯は溶かされ、比較的早期に抜け落ちてしまう危険性のあること

などを考え、矯正装置を用い6歳臼歯を後ろにずらし引っかかっていない状況を作り出すことを治療方法に選びました。

治療結果です。

右の青矢印、第2乳臼歯の後ろ部分は確かに溶かされた状態となっていますが、6歳臼歯にどいてもらった今、これ以上溶かされる心配はもうありません。正常に抜け落ちる10〜11歳までしっかり持ちこたえてくれるでしょう。

装置セットからこの改善まで約2ヶ月、そのあとの経過観察まで装置は付いたままですが、装置の付いているトータルの期間は4ヶ月ほどです。

6歳臼歯を生やすだけなら第2乳臼歯を抜いてもいいわけですが、上記に挙げた”その後”の問題が残ります。その問題が起きないように、抜いた部分に第2小臼歯が生えるまでの2〜3年間なんらかの装置を付けっぱなしにしておく必要があったでしょう。

 

子どもの矯正治療はいろいろな体の変化の中で行っていく治療です。

歯の生え変わりもあれば、顎の骨(土台)の成長もあります。しかし全ての患者さんが標準的な方向に向かって生え変わりや顎の成長が進むとは限りません。

子どもの矯正治療では、その主線からズレてしまった方向を元に戻す、元に戻ったら主線に沿って進んでもらう、添え木のような役割を果たせればいいと思います。

 

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1月15日(月

『アライナー(マウスピース)矯正のセカンドオピニオン

 

昨年末になりますが、他院にてインビザラインによる矯正中という患者さんが、セカンドオピニオンに来院されました。

開始から2年ほど経過しており、現状を診てもらいたいとのことでした。

お悩みは、

1年ほど前にご自分で撮影された写真と現状を比較してあまり変わっていない、アライナーが歯とフィットせず浮いてしまっており逆に目立つためマスクが手(口)放せない、このまま使っていて大丈夫か、

等でした。

アライナーに限らず、矯正治療では細かい調整の段階に入ると、変化は起きていても目に見える、患者さんが気付ける形では表れないこともありますからその旨説明しました。

フィットしていないことについて。アライナー矯正は完了までに50~60枚(ステージ)ほどのアライナーを必要とすることが多いですが、後半に進むほどフィットの程度は落ちてきます。早い段階で型の採り直しをしそこからフィットするアライナーの再作成を行うこともあれば、終盤にきて初めてフィットしなくなったのであれば、とりあえず最終アライナーまで突き進むということもまれではありません。フィットしている部分もあるでしょうから、その部分については目的に近い位置まで動かしておこうという考えです。

ただ見えにくく矯正をしたくてインビザラインをしているのに、それがインビザラインの仕様ではないところで目立ってしまってマスクで隠さざるを得ないのはなんとも言い難いですね、、、

 

担当医はもちろん歯科医院自体も違う当院にアドバイスを求めて来院された時点で少し訳ありなわけですが、矯正治療という性質上、やはり担当医とお話をして頂く以外の現状突破口はありません。

具体的なアドバイスは出来ませんでしたが、担当医としっかり話してつっかえを取り除くきっかけになればいいなと思います。

 

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1月13日(土

『色々な装置の”始まり(装着)”が重なった一日

 

さて今日は、年の始まりにふさわしく(?)装置の使用開始となる患者さんを多く診療した一日でした。

 

まずは子どものマウスピース矯正でもあるプレオルソのセット。頑張る意思満々の患者さんなので、良い結果を出してくれるでしょう。

次は表側ブラケットでの治療開始の患者さんです。この方は少し前に行った診断時、治す必要のあるう蝕がやや多くあることが判明していました。本日そのう蝕治療を終えて来られ、さぁいよいよ待ちに待った治療開始、といういきさつでした。

次はアンカースクリューセットの患者さん。口蓋に2本埋入でしたが麻酔から埋入完了まで30分ほどの処置で終了でした。スクリューセットに際し緊張した面持ちで来院されたため、終了時には『もう終わり?』と拍子抜けの様子でした。

まだ終わりません。

最後は裏側矯正のブラケット装着の患者さんです。この患者さんはハーフリンガル(上の歯列は裏側から、下の歯列は表側から)であるため、下の表側ブラケット装着は少し前に終えています。今日で上下両方に装置が付いたことになります。

患者さんにとって初めての装置です、最初のうちはお口の中での扱い方が定まらず不意に硬いものを噛んで装置がはずれてしまう、、、などというトラブルが起きかねません。

年末は年末休暇で医院が休診になってしまう付近の診療日に装置を付けてしまうと、お口の中で外れたままの装置がブラブラしていて気持ちよく新年を迎えられない、、、ということが起こる可能性があります。

なので、年始になるとそのタイミングで装置装着の予定だった方たちがどっと集まるため、装置装着の患者さんが多くなる、というカラクリ?があるわけです。

 

今日からスタートが多いと思いきや、今日で終了の患者さんもいました。ブラケット装置の撤去でした。でも終わりは新たな始まりです。ということで実はこの患者さんも”今日からスタート組”、保定装置(リテーナー)のスタートです。

 

今日は診断も1件ありました。装置のセットではないので試合開始ではないものの、”開会式”といった位置づけでしょうから、このシーンも始まりであることには変りないですね。

 

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1月5日(金

『新年最初の診療内容

 

当院は本日より新年の診療を開始しました。

今日の診療内容は、初診相談件、マルチブラケット調整、準備矯正治療の調整、上下拡大プレートのセット、、、

などそれぞれが複数件あるものもあるため、アポイントが朝から晩まで埋まった状態。

これらにプラスして年末年始にご家庭で生じた装置の不具合への緊急診療も重なったため、夕方以降診療室は少しバタバタとした感じでした。

 

マルチブラケット調整では、一人は1年経過、一人はもうすぐ1年経過、一人はもうすぐ半年経過、治療法では抜歯、非抜歯、使用装置では表側ブラケットあり審美ブラケットあり裏側ブラケットありの、これもバラエティーに富んだ内容でした。

1年経過した方の状態がそろそろブラケット除去(ブラケット治療終了)が見えてきた段階であるのは、序盤に下顎歯列の遠心移動といった”山”を乗り越えての現状があるだけに少しホッと出来ます。

 

明日以降も今日のようなアポイント状況がもう少し続きます。

 

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1月3日(水

『年始の予約状況につきまして

 

あけましておめでとうございます。

 

さて当クリニック年始最初の診療日は1月5日となっております。先月中にご連絡いただいた相談希望の方や検査希望の方、診断のご予約の方などが主となり、年始のご予約が埋まっている状況となっております。

そのため1月12日までのご予約枠に空きがない状態です。13日が休診日のため、現時点でご予約は14日から承ることが可能となっています。
(※通院中の患者さんで、装置が取れた、外れたなど急を要する場合はこの限りではありません。)

また既存予約のキャンセルなどで急遽、アポイントに空きが生じる場合もありますので、ご用の方はお問い合わせいただければと思います。

 

それでは、今年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

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12月27日(水

『今年1年の総括

 

本日が今年最後の診療日ということで、今年一年あれやこれやとあってなかなか総まとめとはいきませんが、本日の記事は昨年と違った点を挙げて一年のまとめとしたいと思います。

 

昨年と違った点は患者さんの来院動向です。

一つ目の変化は”裏側矯正”の患者さんです。

昨年も一定割合で裏側から矯正を始める患者さんはいましたが、今年はさらに多くの患者さんが裏側からの治療をスタートしました。

 

もう一つは”紹介患者さんの変化”です。

昨年は紹介といえば他歯科医院からの紹介が主だっていました。今年はその紹介の割合も増えつつ、『当院で矯正治療を開始されている患者さんからの紹介で来院する患者さん』が特に増えた一年でした。

”悪い”と評判を聞いて来る患者さんはいないと思いますから、”良い”という話がされてそれを聞いて来院し、治療開始に至っているのだと思います。

”良い”と言ってくれた患者さん、それを聞いて治療を始めた患者さん、両者の期待をこれはもう絶対裏切ってはいけない、、、と身が引き締まる思いです。

 

今年の反省点も踏まえ、来年はさらにもっと良い医療を提供できるよう、来年も日々努力していきたいと思います。

 

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12月25日(月

『歯を抜きたくないこと、装置が見えたくないことへの希望が強かった2級Ⅱ類の患者さん

 

一年半ほど前、上記希望を持った女性の患者さんの治療が始まりました。

不正咬合のタイプはⅡ級2類、過蓋咬合、叢生。

Ⅱ級2類というのは、いわゆる出っ歯さんで上顎が下顎よりも前に出てはいるんだけれど、前歯が内側に入っていて出っ歯さんのようには見えない、という噛み合わせです。

カチンと噛んだ際下の前歯は上の前歯によって頭の半分くらい隠れてしまいますが(これは正常です。)、過蓋咬合というのは、この時上の前歯によって下の前歯の頭全部が隠されてしまうような噛み合わせをいいます。

叢生とは並びでの凸凹のことです。

ちなみにⅡ級2類と過蓋咬合はほぼセットになっていることが多いです。

 

なのでⅡ級2類というのは『隠れ出っ歯』ということができます。上の前歯が内側に傾いているがために出っ歯のようには見えないだけで、歯の傾き(歯軸)を正常な角度に戻すと、隠れていた出っ歯が顕在してくる、というわけです。

正しい角度にしても出っ歯を表に出さないようにするには、、、歯列の中間〜後ろにかけて、前歯を収めておくためのスペースが必要ということになります。

この患者さんには実はもう一つ治療結果の希望がありました。それは、口元を退げたいというものです。

ですから、上記状態に対応でき諸々を改善可能な方法に、小臼歯抜歯によるスペース獲得というものが自然と候補に挙がります。

でもこの患者さんは抜歯はしたくないという姿勢。

 

ではどうするか。

残された方法は『歯列の遠心移動』という方法です。これは歯を抜かずに『後』にスペースを獲得する方法です。

これを行えば前歯が一列になった際出っ歯にならずに済みますが、中間の歯を抜いた場合ほど大きなスペースは得られません。

なので上記のように『前歯を出さない程度』のスペースは得られるものの、前歯を一列にしてさらに口元が退がるためのスペースまでは得られないため、口元はあまり退がりません。

この患者さんには『口元を退げたい』という希望があったものの、『抜歯は嫌』という希望もありました。これらの希望は相反するものです。

口元を退げたいなら抜歯が必要だし、抜歯をしないなら口元は退がりません。

となるとどこかで何かを妥協しなければいけません。

・口元を退げることを優先し、嫌な抜歯を行うか

・抜歯は絶対に行わず、口元を退げることを断念するか

、、、

 

患者さんはやはり抜歯は避けたいという考え、口元を後退させたいという希望はあるものの、分析上の数値の上では決して『出た口元』ではないという現状から、後者の非抜歯治療を選択されました。

また、装置についても治療期間中絶対に見えたくないという希望もあったため、上下裏側ブラケットの選択に至りました。

 

そして治療が始まりました。

骨格上は出っ歯さんの骨格ですから、スペースがなく凸凹を呈している状態にそのままブラケットを付けて一列にすると出っ歯になってしまいます。

なのでまず一番にすることは奥歯の遠心移動とIPRです。両者を行うことで前歯が一列になっても前に出てしまわないスペースを、あわよくば前歯が少し後退できるまでのスペースを作っていきます。

半年ほど遠心移動を行い、スペースが十分確保されたのち裏側ブラケットの装着となりました。

遠心移動を行っている最中にブラケットを付けない理由としては、遠心移動を行っている段階の奥歯の動きを歯列全体に伝達させないため、というものもあります。

 

ブラケットを装着し1年未満ですが、最初の状態と比較して口元は引っ込んではいないとしても決して出てはおらずキープ、噛み合わせた時に下の前歯もしっかり見えるようになりました。当然上下ともに一列です。臼歯関係という上下奥歯の前後関係も、出っ歯さん特有の状態が改善されています。

 

もう少し噛み合わせを緊密にすると治療終了が見えてくるでしょう。

 

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12月19日(火

『裏側矯正はなぜ難しい?

 

裏側矯正は表側矯正に比べ施術する側としての難易度が高い、とされています。

それが、裏側矯正を提供している医院が少ない理由でしょう。では裏側矯正はどこが難しいのでしょう。

 

操作のしにくさ

歯にブラケットを付け、ブラケットにあるスロットにワイヤーを通すと歯は動きます。

一本の歯における、歯、ブラケット、ワイヤー、この三者の位置関係を表と裏で比較しますと、手前から奥に向かって、

表側ブラケットでは、『ワイヤー → ブラケット → 歯 → 口腔内(喉方向)』

裏側ブラケットでは、『歯 → ブラケット → ワイヤー → 口腔内(喉方向)』

の順で装着されていることになります。

つまり表側ではワイヤーの下にはブラケット(とその下の歯)がありますが、裏側の場合はワイヤーの下にはブラケットはなく、口腔内、喉と”空間”が続きます。

矯正治療に限りませんが、何事も”支持”があると操作がしやすいです。

ワイヤーを操作する際表側矯正の場合、ワイヤーの下にはブラケットと歯がありますから、それらを支持に操作をすることが容易です。

しかし裏側矯正の場合、歯やブラケットが手前にあり、ワイヤーの下には支持になるものがありませんし、裏側ということで見えづらいという状況も重なり、施術がしにくくなります。

ただ実は操作に慣れてしまえばこれらはなんてことはない要素で、むしろ表側よりも操作しやりやすい要素も多々あるくらいですが、一歩踏み入っただけでは分からない表面的なところが、裏側は難しいというイメージに繋がっているのかもしれません。

 

歯の抵抗中心との関係

抵抗中心って?となります。

詳しくは省きますが、ブラケットが歯の表に付いた場合と、裏に付いた場合とでは、同じ種類やサイズのワイヤーで、同じ大きさ、同じ方向に力がかかったとしても歯の動く方向が異なるのです。

そうさせるのが、抵抗中心に対するブラケットの装着位置の違いです。

これがあるがために、そもそもの使用するブラケットを選択するところから注意しなければいけないほどです。

さらにワイヤーの種類やサイズ、ワイヤーを使う順番、ワイヤーの設計、どこから前歯を引っ張るか、前歯をどんな角度で位置付ける設計を組むか、、、、、、など、治療開始前の治療計画立案から治療の最初、治療の中盤、治療の最後までこれに影響を受けます。

表と一緒であれば問題ないのですが、ちょっと違う、あるいは180度違う、真逆、などという点も多々あるため、そこを注意して治療を進めていかないといけないわけです。

 

例えば、噛み合わせ上出っ歯(上顎前突)に分類されるが前歯2本が内に傾いていて(舌側傾斜)、出っ歯に見えないでも噛み合わせも深い、という噛み合わせがあります。2級Ⅱ類と呼ばれるものです。

表のブラケットなら、ワイヤーを上に向け前歯が持ち上がる力をかけていけば、歯も持ち上がるし舌側傾斜も改善します。ところが裏側で同じことをしてしまうと、前歯はさらに舌側傾斜をしてしまいます。あまりに倒れこみすぎると下あごの歯列への噛み合わせの影響や顎関節への影響すら出てきます。

 

もうひとつ、有名な落とし穴ですが、ボーウィングエフェクトといって、抜歯症例において抜歯したスペースを閉鎖していく段階で起こる副作用もあります。

これもやはり前歯が内側に倒れこみすぎてしまう、歯列が小臼歯辺りで幅が拡がってしまい、大臼歯辺りで狭くなってしまう現象です

 

起こって形となってしまった副作用は、そうなるまでにかかった時間の2~3倍をかけないと元の状態には戻りませんから大変です。

そうならないように注意して(こうしたらそうなる、ではそうならないようにするにはこうするという正しい捉え方をした上で)治療を進める必要があります。

 

まだまだ違いはたくさんありますが、別の機会で触れようと思います。

12月14日(木

『正中離開を閉じたい!~部分矯正?全体矯正?

 

今年も残すところあと2週間ちょっと。年末ならではのなんとなく忙しい雰囲気がどこに行っても味わえる貴重な時期です。

 

正中離開が気になることを主訴に、女性の方が来院されました。すでに他矯正歯科でも相談を受けているとのことでした。

”この隙間を閉じるには全体矯正が必要”との説明をうけ、他に方法はないのか、などのお話を聞きたく当院を受診されました。

 

さて、題名にもある正中離開というと”上の前歯2本の間にある隙間”のことを指します。

中学生以降でこの隙間が認められる場合、単に前歯の間にある隙間ではありますが、これも不正咬合に分類されます。

(※サンプル写真です。上記の初診相談にいらした患者さまの口腔内写真ではありません。)

 

これを主訴に来院される患者さんは、ものが隙間に詰まりやすい点もさることながら、やはりど真ん中にある隙間の見た目を最も気にされています。

ある隙間は閉じればいいんですが、ではどうやって閉じたらいいと思いますか?

 

前歯2本を寄せ合えば、さしあたってど真ん中の隙間は閉じてくれます。しかしどうでしょう。今度は前歯2本の両脇にスペースが出現してしまいます。それはそうですよね。隙間が移動しただけです。

ただそれでも、ど真ん中にあるよりは大分目立たなくなっているに違いありません。

ではその理屈で、隙間が出来た部位に隣(一つ奥)の歯を手前に寄せて、、、というのを一番後ろの歯までやっていくと、見事”歯と歯の間の隙間”は消失してくれることになります。

 

この方法が適切な方法かどうかはひとまず置いていて、適切な治療方法が立案される際に必要なことはまず現状を正しく把握することです。

ではそもそもなぜこの正中離開は生じるのでしょう?

①正中過剰埋伏歯の存在

②上唇小帯の肥大

③下の前歯からの突き上げ

④上の中切歯(真ん中の2本)あるいは隣の側切歯の歯のサイズ(幅)が小さい

などが原因として挙げられます。

 

今回の患者さんでは、明らかに②ではなく、①であるかどうかはレントゲンを撮っていないため不明、逆に明らかにこれである要素が大きいだろうものに④がありました。(上の前歯の歯軸が適正でありかつ下の前歯が舌側傾斜していたことから③でもないと暫定の判断をしました。)

 

つまり、前歯とくに一番前の2本である中切歯の横幅が標準より小さいため、もし標準的なサイズであればなかっただろう隙間が存在している、という状態です。

 

ですから、上の前歯のサイズが小さいことに端を発している問題を、どの範囲で解決するか?によって治療方法が変ってくるということになります。

 

1、前歯のサイズが小さいなら、サイズを大きくしてしまえばいい

という考えに立てば、中切歯の隙間を埋めるように歯の色のプラスチックを付けたせば、隙間も埋まりますし、歯のサイズも本来の大きさの歯になります。

これが一番手っ取り早いでしょう。

ただ、下の前歯と咬合時に当たる部分であるため、付けたプラスチックがポロっと不意に取れてしまう、なんてこともあるかもしれません。

またプラスチックは吸水し着色しますから、付けた当初は目立たなくても、時間がたつと”何かが付いている”感があらわになってしまうかもしれません。

でも、費用もかからず、期間もおそらく一度の通院で完了し、しかも歯を削らない方法でありますから、とりあえずやってみてもいいかもしれません。

やってみて上記の問題が生じれば、改めてそこから他の方法に移る、という姿勢でもいいと思います。

 

2、上の前歯のサイズが小さいから、下の前歯も少し小さくする

これは上の前歯の問題に下の前歯を付き合わせる、という方法です。

これは説明が必要かもしれません。

隙間がなく凸凹に並んでいる状態を一列にしようとすると、歯は前に出る(一列にはなるが前歯が前方に張り出してしまう)、ということをこれまでにも何度か書いてきました。

では逆に、隙間のある歯列にブラケット装置を付け、その隙間を閉じようとすると前歯の位置はどうなるでしょう。

今度は反対のことが起こります。つまり前歯は後ろに退がります。

前歯が後ろに退がるのは出っ歯の方には好ましい現象ですが、出っ歯ではない方の上の前歯が後ろに退がってしまうと、前歯の噛み合わせが反対になってしまいます。受け口です。

ではどうすれば?

上の前歯だけ退げるから反対になってしまうわです。ならば下の前歯も退げればそうはなりません。

下の歯にはIPRという方法を行い前歯のサイズをごくわずか小さくすることで敢えて隙間を作り、上の前歯の後退に備えるのです。

 

3、とにかく下の前歯が後ろに退がればいいわけだから、下の歯全体を後ろに退げてしまおう

隙間があると歯は後ろに退がります。上の前歯が退がるなら、どういう形にしろとにかく下の前歯も退がってくれさえすれば反対咬合にはならないわけです。

ただ下の前歯は後ろに退がろうにも、前歯の後ろには犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯と後ろに行くほど大きな歯が片側5本、親知らずもあれば6本と立ち憚っているわけです。

これでは前歯は後ろには動けません。

ということで、前歯だけ退げることが出来ないならば歯列全体を退げてしまえ、というのがこの方法です。

この方法には上あご下あごにまたがるゴムを掛けるやりかただったり、下あごの後ろの方の歯茎にスクリューを埋入する(こちらのほうが本命)やり方などがあります。

 

3は下の歯列全体を動かしますから、前歯だけでなく奥歯にもブラケットを付ける必要があります。つまり全体矯正です。

では2はどうでしょう。前歯を後ろに引っ張ることで前歯にあるスペースを閉じます。では前歯は誰に後ろへ引っ張ってもらうのか?そう、奥歯です。となるとやはり奥歯にも装置がついている必要が出てきます。やはりこれも全体矯正です。そう考えると、冒頭に出来てた奥歯を前方のスペース目がけてずらしくる方法も、全体矯正ということになります。

 

前歯も前歯、一番前にあるスペースを閉じるのに部分矯正ではなく全体矯正の適応になるわけですから、意外ですしちょっとびっくりもされるでしょう。

部分矯正ではどうしてもできないの?という声が聞こえてきそうです。

先に述べたど真ん中にある”隙間”を、二つほど隣の歯の後ろに移動させることは部分矯正でも可能です。一番目立つ位置から目立ちにくい位置へ隙間を移すくらいが、この症例を部分矯正で対応できる限界でしょう。

もちろんそれがいいか悪いかは別問題です。隙間が後ろに移動する隙間は目立ちにくくはなりますが、そこに物が詰まりやすくなり、歯周病の原因にもなってしまいます。

治療後の歯並びの安定という面からしても、歯列の中間に隙間がない方が安定にとって有利なことは言うまでもありません。

 

相談の患者さんも前医に引き続き、当院でも全体矯正の説明を受けたものの、プラスティックをつけ足す話は初めて聞いたということで、

『迷われているのであれば金銭的にも時間的にも肉体的にもほぼダメージなく、やり直すにしてもどの方向へも修正の効くその方法を試してみてもいいのでは?』

と説明しました。

 

矯正歯科に相談に来て、スペース閉鎖の方法を矯正歯科的な方法だけではなく一般歯科的な方法も提案されたため、患者さんもやや拍子抜けに感じたかもしれません。

でも歯が小さくてできたスペースですから、歯を大きくする(本来の大きさに戻す)方法は、理にかなっているというか、原因に対するアプローチになっているわけです。

 

ただ、ここで大事な””です。

正中離開であっても、もともとの咬合が『上顎前突(いわゆる出っ歯)』であれば部分矯正でもスペースを完全閉鎖できる可能性は高いです。

隙間を閉じて上の前歯が後退しても、もともと上の前歯が下の前歯よりだいぶ前にあるため、反対の噛み合わせには到底ならないからです。むしろ出っ歯さんを改善する方向に向かう場合すらあります。

ただしこの場合でも別の点で気をつけなければいけない問題が発生するのですが、そこをクリアできていれば部分矯正で正中離開は閉鎖できるでしょう。

 

ですから正中離開=全体矯正でもなければ=部分矯正と決まっているわけではないということになります。

やはり結局のところケースバーケースという結論に落ち着きます。

 

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12月12日(火

『裏側矯正が始められる年齢は?

 

先日の記事で最近裏側矯正についてのお問い合わせが多いことを書きましたが、実際にあった質問(今回は題名のもの)を紹介したいと思います。

 

通常の表側マルチブラケット矯正は、

『上下左右の12歳臼歯が生えそろったら(それ以降ならいつでも)』

が、推奨される治療開始の目安です。

 

裏側矯正も、基本的にはブラケットを表に付けるか裏に付けるかの違いだけですから、治療開始は同様に”12歳臼歯がはえそろったら”となりそうな気がします。

でも実は裏側矯正の場合、少し事情が異なります。

この写真は下の歯列の模型ですが、写真手前には歯の表の面が、写真奥には歯の裏面が映っています。

表面の平面にブラケットを付けるのが表側矯正ですし、裏の平面に付けるのが舌側矯正です。

 

さてここで注目していただきたいのが、表面、裏面の平面部分の面積の差です。表側の方が断然広いことに気づかれるかと思います。

特に左から3、4番目の小臼歯と呼ばれる2本の歯を手前と奥とで比較してみてください。歴然とした差が認められます。

 

永久歯は乳歯が抜けたあと歯茎から頭を出してきますが、頭を完全に出し切った(かにみえた)あとも、僅かずつながら見える頭の長さを増やしていきます。

12歳臼歯は12歳ころ生えるのでその名がついていますが、上の12際臼歯では13~14歳くらいで生え始めることも珍しくありません。

その後完全に頭を出し、さらに少しずつ伸びてくるとなると、本当の意味で歯冠の全貌が露わになるのは中学生の終わりか、高校生の初めくらいということになります。

 

歯の表面はブラケット装置が装着可能な平面がもともと広いため中学生くらいで装置装着となっても何も問題はありません。

しかしもともと平面部分が狭い歯の裏側においては、中学生くらいでまだ歯冠の全貌が出きっていない段階だと、ただでさえ狭いのにさらに狭い状態となっているわけです。

ですから、装置を付ける面積が足りない→装置をまだ付けることが出来ない、という状況も大いにありうるのです。

 

もちろん歯の生えかわりのスピードは個人差に拠るところも大きいですから、上記理由がすべての方に当てはまるわけではありません。もっと早い方、もう少し遅い方もいるでしょう。

ただ、裏側矯正における年齢や学年の下限の目安は、高校生くらいというのが通常となっています。

 

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12月11日(月

『『裏側矯正について知りたいこと』ページを追加』

 

最近やはり裏側矯正のお問い合わせが多いです。

メール相談しかり初診相談しかりです。

お問い合わせいただく方のうち、ほとんどの方が『裏側矯正のページ』をご覧いただいています。

中にはこのブログ記事の中から、裏側(舌側、リンガル)矯正に該当する記事を拾い読みしてらっしゃる方もいるようです。

 

確かに両者を読み返してみると該当のブログ記事は、『裏側矯正のページ』を補足するような内容になっていました。

ですので拾い読みをしなくても済むよう、ブログから裏側矯正に関するそれら記事を抜粋し加筆修正したものを、新たに『裏側矯正について知りたいこと』として別のページにまとめました。

裏側矯正を検討中の方はもちろん、現在裏側矯正中の方にも役に立つ情報も追加していきますので、よろしければご覧ください。

 

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12月7日(木

『ひととおりの診療内容がギュッと詰まった一日

 

昨日は平日でしたが、土日並みに診療内容盛りだくさんな一日でした。

診断2件、初診相談、精密検査、衛生士によるMFT指導、子どもの矯正治療、マルチブラケット治療、裏側のマルチブラケット治療、マウスピース矯正、矯正用スクリューセット、、、

と、大分類で言えば矯正歯科で行う一通りの診療が詰まった一日になっていました。

パワーチェーン(主にマルチブラケット治療で使う、歯を引っ張るゴム)が外れてしまったという急患もありましたから、本当に一式出そろったという感じです。

 

全ての診療について触れるのは難しいので、いくつかピックアップして書きます。

 

舌側矯正の診療

この日はフルリンガル(上下とも裏側ブラケット)の患者さんでした。この患者さんは上下凸凹でしたが、IPRと遠心移動を行って凸凹を解消するスペースを獲得しました。

ブラケットをつけてまだ半年ほどですが、『一列』はほぼ完全に達成されている状態です。

通常『マルチブラケット治療』と言うと、現在でも歯の表にブラケット装置を付けて行う治療のことを指すと思いますが、ブラケットが歯の表に付いていると、治療途中で歯並びが一列になってもなかなかその一列を実感しにくいです。

一方で裏側ブラケットでは、治療の途中でも歯の表面には何も装置は付いていませんから、『歯の表面にブラケット装置が付いていない状態』を『ブラケット治療が終わった状態』と仮定するならば、裏側矯正の場合は治療が継続しているものの、装置が歯の表に付いていないという点で、治療が終わっている状態とも捉えることができます。

並びの一列は、表から裏からに関わらず治療の早期の段階(半年ほど)で達成されることがほとんどですから、裏からの治療の場合

『ブラケットが付いていない一列になった状態を半年ほどでダイレクトに実感』

できるわけです。それが、この現在治療半年ほどとなった患者さんからその日に出た、

『先生、もう終わってもいいんじゃないですか?』

という言葉にも表れているでしょう。(もちろんまだ終われません、、、)

 

アンカースクリュー埋入

専門的な内容ですが、スクリューセットは多くの場合付着歯肉といって『動かない歯茎』に埋入することがほとんどです。

しかし付着歯肉の幅に個人差があったり(幅が広いこともあれば狭いことも)、歯槽骨の高さが低かったりすると、付着歯肉に埋入できないこともしばしばです。

付着歯肉に埋入したい確固たる理由が存在するのですが、付着歯肉に埋入することを何よりも優先してしまうと、スクリューが骨まで届かない、そもそも骨に埋まらないという本末転倒な事態になってしまいます。

ですからそうなってしまうことが予想される場合には、付着歯肉に埋入することを諦め、遊離歯肉といって『動く歯茎』からの埋入が選択されます。この歯肉の内側には厚い骨(皮質骨)が存在していることがほとんどですから、埋入したスクリューがしっかり骨に植わる、という点では埋入部位としては申し分はないわけです。

じゃぁ初めから遊離歯肉に埋入すればいいのでは、、、という声が聞こえてきそうですが、そういうことにもならないわけです。

この日の患者さんも遊離歯肉への埋入が必須だったため、移行部から5mmほどの部位に埋入しました。

骨を明示しての埋入であり、埋入トルクも適正値であったため骨へしっかり埋まっていることは確認済みですが、残るは遊離歯肉埋入時に特徴的に起こる『歯茎の腫れ』を今後フォローしていかなくてはなりません。

 

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12月2日(土

『リテーナーはいつまで使えばいいんですか?

 

さて本日12月2日と言えば、フランスルイ15世が親政を開始した日とのこと。親政とは摂政などではなく、自分か指揮をとることを言います。

しかし親政とはいっても、ルイ15世は寵姫ポンパドールに裏で操られていました。プロイセンのフリードリヒ2世は女性蔑視の傾向があり、自国を囲むロシアのエリザヴェータ女帝、オーストリアのマリア・テレジア女帝、ポンパドール夫人を『3枚のペチコート』と呼び忌み嫌っていましたが、それは女性側も同様。そのフリードリヒ2世とやりあうため、マリア・テレジアがポンパドールに『プロイセンを囲んじゃいましょう』とはたらきかけ、ルイ16世とマリーアントワネットとの政略結婚に至ります。

全く関係ない話でした。

 

さて当院にて治療が終了し、保定観察を継続している患者さんから、

『戻り止め装置(リテーナー)はいつまで使うんですか?』

との質問がありました。

 

当院では症例にもよりますが、戻り止めとして犬歯間フィックスリテーナー(前歯の裏につけっぱなしの”線”の装置)と取り外しタイプのものの併用をベースに処方しています。

目安の期間は2年です。内訳は、

最初の1年ー飲食、歯磨き、入浴、運動などの時間以外は使う終日使用

次の1年ー寝てる間のみ使用する就寝時使用

です。

もちろんフィックスリテーナーは2年間つけっぱなしです。

 

ブラケット治療終了後は『2年間のリテーナー使用は必須』であることを、治療の最初にお伝えしてあるため、2年間のうちの

『いつまで使うんでしたっけ?』

は、単純に

『期間どれくらいか忘れちゃったので教えてください』

的なニュアンスであるかと思われます。

 

しかし保定観察をすでに2年越えている患者さんから、

『戻り止めはいつまでするんですか?』と質問があった場合、それには

『もう外したい、使うの止めたいんですけど、、、』

というニュアンスが含まれていることが多いです。

 

この時点までくれば来院の頻度は多くても半年に1回、通常なら1年に1回ほどになっていますから(その頻度も任意ですが)、通院や通院費が負担になっていることはあまりないでしょう。

なので単純に『もうリテーナー使うのめんどくさい』というところが装置を止めたいことの核心ということになっているかと思われます。

 

ではいつまで使うのか?

結論から言うと、

『リテーナーの使用を続けているほど、その時点までの歯並びは保たれる確率が高い』

ということです。

なので、=『できるだけ長く使いましょう。』ということになるかと思います。

 

ブラケット装置を外した後に起こりうる歯並び・噛み合わせの変化としては、

・後戻り

・体の変化(老化など)の一部としての変化

が挙げられます。

大事なことは、後戻りとしての変化がもう起こらなくなったとしても、体(歯並び・噛み合わせを構成する歯や歯周組織)は常に変わり続けているということです。

 

体の中で一生変わらないところはない

歯はその根を土台である歯槽骨によって支えられて植わっています。例えば成人以降では加齢により、土台の高さは減ることはあっても増えることはありません。根を支える土台の高さが減ってしまえば、歯を支える力も減ります。

土台の上で成り立っている歯並びです。土台が動けば歯も動きます。

砂場で作った山に木の棒を一本立てて山から少しづつ砂を取り除いていき、棒を倒した人が負け、なんていうゲームをした覚えはないですか?
最後に倒れてしまう前にも、支える砂が減ってくると棒はグラグラし始めます。

土台の高さが経年的に下がっていくのは仕方がないことで、歯周病に罹患してそのスピードを速めないことはできますが、生理的に骨が減っていくのを食い止めることはなかなかできません。

先ほどの砂場の棒で言えば、砂を取られていっても、上から棒を手で押さえていれば棒はグラグラも倒れもしないわけで(ゲーム上では反則ですが)、土台が減っていくという環境の中、歯並びの(その歯がその位置を保っていてくれる)維持を継続したいのであれば、”外力”によって支えられるということは必要なのです。

 

ですから、2年経過した後もリテーナーを使用する理由は、

『後戻りはもう起きないかもしれないけど、体は自然に変化するものだから、その変化に抗うために引き続き使う』

ということになるでしょうか。

 

ただこれは理想的な面も含まれていますから、使い続けるにしても使用を止めるにしても、現実的なところで患者さんのライフスタイルに合わせて、という形にはなるかと思います。

 

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11月29日(水

『患者さんも知っている歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)とは?

 

さて題名にもなっている歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)。これが何かと言うと矯正装置の一つです。ただ、拡大装置とかブラケット装置とかいった装置の総称(分類)ではなく商品名です。

装置の分類としては、『機能型矯正装置』に分類されます。

百聞は一見に如かずということで、

と、こんな装置になります。

 

機能型矯正装置というとちょっと仰々しい感じがしますが、平べったく言うと、

『上下の顎のバランスを整える装置』です。

では顎のバランスって?ということになります。

 

上あご、下あごもそれぞれもちろん”骨”ですから、身長と同じように成長し(伸び)ます。

その成長の過程では、上あごがよく伸びる人もいれば、下あごが良く伸びる人もいます。下あごにについてはさらに、伸びる方向がまっすぐ前のこともあれば、右斜め前のような場合もあります。

例えば、上あごの方が大きく成長してしまうと『出っ歯』になりますし、下あごが上あごよりも前方に出るほど成長してしまうと『受け口』になってしまいます。

ですから、

標準としての『上あごの方が下あごより少し前方に位置する』

よう良いバランスを保ちながら伸びてくれた状態、これが小学生の間で目指したい成長パターンとなります。

 

機能型矯正装置とは、そのような上あごや下あごの成長の”ずれ”を是正する装置のことを指し、歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)は数ある機能型矯正装置の中のひとつということになります。

 

最近初診相談やメールでのお問い合わせで患者さんの方から歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)という言葉がよく出るということもあり、今回取り上げてみました。

歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)が世間を賑わせた(?)当時、患者さんからこの装置についての質問を受けるなんてこともよくありましたが、同じ機能型矯正装置という点も含め、比較的この状況によく似ているような気がします。

 

さてこの歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)、これまで機能型矯正装置の一種と書きましたが、実は顎の成長バランスのずれだけにしか対応できない装置、ではありません。

色々な不正咬合(出っ歯さんに凸凹が伴うとか)にとどまらず、舌や口唇の癖、口呼吸等に対しても幅広くその適応を拡げることのできる装置です。

オールインワン、とまではいかなくてもスリーインワンとかファイブインワンとは言ってもいいくらい、ひとつで色々できる装置です。

それだけに患者さんの側もその情報をインターネット等で見聞して『プレオルソ使って矯正がしたい!』と思われるのかもしれません。

 

ただどんな症状にも効く仙豆みたいな魔法の薬がないのと同じで、

『どんな不正咬合にもこれ一本』

のような矯正装置や治療方法はありません。ある人には良薬でも、適応症を見誤れば別の人には毒となることもあるように、歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)がとても良く奏功するだろう症例、奏功しないわけではないが他の装置の方がもっと効果があがるだろう症例、むしろ悪化してしまうだろう症例、、、等々ありますから、装置の適応症を見極めることが大事です。

 

ただ適応症として当てはまれば、先ほども書いた『色々なことが一度に出来る』装置です。

別の装置であれば、

まずこの装置を1年使用してここが治ったら次の装置であそこを治して、、、

ということが必要になる症状が一つの装置で治りますから、治療期間の短縮にもなり患者さんの負担減少にもつながります。

 

当院で使用している患者さんでも、目に見える効果を1~2か月の使用で出す患者さんもいれば、少し長めに使っている患者さんでは中学生以降の仕上げの治療は必要なくなったかなと判断できそうな患者さんもいます。

適切な処方によって最大の効果を享受してもらいたいと考えています。

 

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11月25日(土

『日本舌側矯正歯科学会・大阪大会に参加

 

先日23日祝日に大阪にて開催された、日本舌側矯正歯科学会に参加してきました。

前日入りではないため、当日朝5時の出発でしたが無事プログラムの最初から聴講してくることが出来ました。

しかしすんなり聴講に至ったわけではなく、、、

最近では参加費を、当日受付の際クレジットカードで支払うことが出来る学会も多くなっているため、ついその感覚で持ち合わせのないまま会場入りしましたが、受付にて

『カード払は扱っていません』

の一言。『いやいや、そんなバカな。』と思いつつも、そういうシステムでないならどうしようもありません。

どうしたかというと、同じく学会に参加していた友人、結果的には大学病院の矯正科医局時代の後輩を見つけ出し、足りない分を借りることで難局を乗り越えました。

なんの示し合わせをしていなくても、久しぶりの知り合いに会えるのも学会参加の醍醐味の一つです(笑)。

さて、アカデミックな内容に移ります。

表の矯正にしても裏の矯正にしても基本的には一緒です。

とはいっても、表でやるようにはやってはいけないところ、同じにやっていいけど注意を要するところなど、異なる点もたくさんあります。

”根本から違う”ようなところもあるため、舌側矯正の講演では、表からの矯正では当たり前すぎて講演にもならない題材が取り上げられることもよくあります。

歯の表側に装置を付けてワイヤーを通せば歯は前に傾斜しますが、裏側に装置を付けてワイヤーを通すと、一列になる過程で歯は後方に傾斜してきます。

並びを一列にする行程は、ブラケット治療の一連の行程の一番最初ですから、一番最初からもう違う。ということになります。

 

今回の講演でも、各演者が用意したスライドにはそのような注意事項が随所にちりばめられていましたが、基本的はどこかで聞いたことがある話が多かった気がします。

大きなテーマである『開咬の治療』についても、すでに自分でも行っている方法や理論についての確認が出来たこと、また世間で行われている通法のような考え方にちゃんと乗っかれていることの確認が出来たこと、これらが今回の収穫でしょう。

 

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11月19日(日

『現在小学校3年、治療1年経過、今後の治療方針は

 

今日は話がいろいろ飛びます。

 

先日当院にて治療1年を経過した患者さんのお母さんに、カウンセリングルームにて半年ごとの経過報告をしました。

 

この患者さんは当院初来院の2年生の時に、そもそも治療をすることになった経緯が大事ですので、まずそのあたりを説明します。

 

いわゆる出っ歯さんと、永久歯の萌出スペースが足りない、という状態を併せ持っていました。

乳歯の犬歯が早くに抜けてしまい、後ろにあるはずの別の乳歯が前に詰めてきてしまっているため、上顎では左右の犬歯がまるまる2本分、下顎では左下の犬歯が丸々1,5本分、生えるスペースがありません。

歯のサイズもそれぞれ大きく、口元もやや突出傾向があります。

ここまでで判断するならば、

『仮に拡大プレートやヘッドギアなど拡大し、はみ出した犬歯を歯列に入れ込むことができたとしても、口元がさらにもっと出てしまうとか、12歳臼歯が生えなくなってしまう』

などの好ましくない副作用がかなり大きく伴うことが予測されます。

さらにここまでのスペースの足りなさを子どもの治療で改善しようと思うと、小学校の間中ずっと何かしらの治療を続けなければならないほどで、さらには中学生以降の治療も必要となるでしょう。

そして得られる結果は『歯は抜かずに済んだが口元が突出した状態』

になってしまう可能性が大いにあるわけです。

なので、このようなケースでは、子どもの治療は原則的にはせずにとにかく全ての永久歯を生えるだけ生やしたのちに(恐らく凸凹の並びにはなってしまうが)、中学生になったら小臼歯を抜いてマルチブラケット治療を行う。

ことで対応することが多いのです。

後者なら、治療期間は中学生からの2年間でピシャッと終わります。

前者が『早く始めても早く終われない』のに対し、後者では『遅く始めても終わるタイミングは前者と同じ』

ということで、治療期間という面では患者さんの負担は減ります。仕上がりの口元の感じも良好となるはずです。

 

ではこの患者さんもそのような運びになったかというと、、、冒頭でもあった今現在『治療1年経過』している状態です。なぜ子どもの治療を行っているのでしょうか?

確かにこの患者さんは、

『子どもの治療はせずに、中学生になったらマルチブラケット治療で一気に解決』パターンのケースに該当します。

しかし、現状として見逃せない点が一つありました。それは、

『上の歯列の犬歯があまりにも生えるスペースがなさ過ぎて、すでに生えている永久歯の前歯の根っこに突っ込みかけている』

状態があったのです。

 

このブログでもたびたび症例を紹介していますが、上の犬歯はよくこういう状態になります。実際に、『右の犬歯だけなかなか生えてこない』と思って歯科を受診したら、

『犬歯が骨の中で大きくズレた位置にいて、前歯の根っこを溶かしてしまっている』

ことが判明した、なんていうことも珍しくはありません。

 

この患者さんの場合、犬歯が前歯の根っこに突っ込んでしまう『直前』でした。永久歯の犬歯は乳歯の犬歯を溶かしながら生えてきます。いわば乳歯を道しるべに正しい場所に生えてくるのです。

その乳歯が大分早く抜けてしまい何を道しるべに生えてきていいか分からない、しかも歯列がきつきつで自分(犬歯)が収まるスペースもない。という状況になっていました。

このような場合骨の中の犬歯はどうするか?

すると犬歯は永久歯の前歯の根っこを道しるべに自分が生えようとしてしまうのです。

 

犬歯がこのような状態、位置にあることが早期に判明すれば採れる方法はいろいろとあります。

その一つが歯列の拡大です。

歯列に生える隙間がないことも犬歯が”迷走”してしまう原因です。犬歯も『どこに生えたらいいんだろう?』と思ってしまうわけです。

そんなとき、歯列に”隙間”があればそこを目がけて生えようとしてくれます。その隙間を歯列の拡大により作るのです。

 

なのでこの患者さんは、小学生から拡大装置にて矯正は行うものの、それはさしあたっての”犬歯が前歯に突っ込んでしまう”という緊急事態を回避するためのもの。緊急事態が回避されたのちは、本格的な治療はやはり中学生になってからとなります。

ですからここで作る隙間とは、

『犬歯が2本丸々入ってしまうのに十分な隙間』

ではなく

『犬歯が丸々入りきる隙間では決してないが、とりあえず犬歯にそこに生えよう!と認識してもらえるだけの隙間』

ということになります。

 

拡大を始めてから、半年、一年とレントゲンを観察し、骨の中での犬歯の位置の経過を追いました。

半年時点で良い方向に進む傾向は確認できましたが、一年後の先日撮ったレントゲンでは、

拡大で新たにできたスペースに向かって犬歯が移動してくれていた、ことがほぼ判明し

『犬歯が前歯の根っこにぶつかってしまうことが回避できた』

という状態が獲得できていました。

 

これはこのためにやってきたことですから、良い結果になって良かったわけです。

ただ、半年や一年装置を使い続けてきました。保護者の方には当然次のような期待が生まれています。

『犬歯の向きも変わるぐらいのスペースも出来たんだし、このまま拡大を続ければ犬歯がはみ出さず歯列に入るのでは、、、?』

 

しかしそこはなかなかそういうわけにはいきません。最初に、『これは歯列の拡大でははみ出した(はみ出すだろう)犬歯はとても歯列に並びきらない。無理に並べようとするともっと出っ歯になってしまう』と判定されるようなスペース不足の程度は結構なものだったからです。

少し拡大して目処が立つくらいのスペース不足なら『今治療をせずに将来抜歯して治す』という最初の判定にはそもそもなっていません。

 

この患者さんの最新時点での判断でも、

『このまま拡大を続けて非抜歯を目指す』方針に転換することはやはりできず、

『緊急事態は回避できたので一旦子供の治療は終わりとし、残りの仕上げは(今まだ小3だけれども)中学生以降で行う』

計画が引き続き実行されることになります。

 

半年毎の現状報告、方針確認はカウンセリングルームで少ししっかりとした雰囲気で行いますが、この時以外にも当然毎回の診療でその日に行ったことの説明、現状の説明、次回の予定の説明は行っているので、折に触れて今後の見通しの確認も行っています。

ですから、半年間あるいは一年間期待が膨らみ続けて、カウンセリングルームでその期待が一気に萎んでしまう、、、という形にはなっていないとは思います。

 

この患者さんのお母さんにも、装置を使って一年の区切りに、上記の現状と今後の方針についての確認を行いました。

・犬歯が他の歯を傷つけることなく萌出可能になったこと

・しかし依然として犬歯が収まるスペースは大きく足りないこと

・ここから先も歯列の拡大を継続するとなると、それは犬歯を収めるための拡大ということになるが、それは無理のある拡大であり、歯根露出、口元の突出、良くない噛み合わせを生じさせる可能性の高いこと

・当初の予定通り、子どもの治療としてはここで一旦終わりにし、中学生以降で歯を抜いて行うマルチブラケット治療で仕上げを行う方法の確認

 

お母さんの考えとして、『当然歯を抜かないで済むなら抜かないに越したことはないが、抜かないことに拘り、好ましくない状態を引き起こしてしまうのであれば、仕上げを中学生以降で行う方針で進めたい』

とのことでした。

実はこのお母さんも医療従事者で、歯並び・噛み合わせといえど個人個人で症状やその程度が異ること、スタートラインが違ければ、ある人で奏功した方法が別のある人には必ずしも奏功するとは限らないこと、などもご存知でした。

 

『子どもの矯正治療は患者さんにとって好ましい結果となる可能性が低いからその治療はせず、中学生になってから抜歯してマルチブラケット治療で治す』

という決断はなかなか難しいと思います。

気になっていた歯並び・噛み合わせの根本的な改善は中学生まで行えず、中学生になったその際には抜歯が必要。

という方法を小学生の低学年の段階で選ぶからです。

 

それだけに、この方針で治療が進むことになった患者さんと保護者の方には、本格的な治療が始まるまでの数年間、フォローが必要になります。

中学生になるまで気になる凸凹はそのままなの?

本当にそれまで何もしなくていいの?

何かしなければいけないのでは?

いきなり中学生から初めてちゃんとキレイに治るの?

などなど心配、不安を抱えながらの生活になるかもしれないからです。

今は上記の説明や方針に納得した保護者の方でも、半年後、1年後にやはりこれら心配や不安が再度湧き上がってくるかもしれません。

その辺りも、例えば定期的なレントゲン撮影、歯型採得などから判明される科学的な根拠から得られる説明と、患者さんのお話を聴く場を設けることで、軽減していただければ考えています。

 

矯正専門医院として、最終的に『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』を達成するまでの応援を、しっかりしていきたいと思っています。

 

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11月13日(月

『子どもの矯正治療中の、半年ごとの経過報告

 

当院では特に第1期治療(子どもの矯正治療)の患者さんには、治療経過の報告と今後の治療計画の説明を半年ごと、カウセンリングルームにて行っています。

 

これは、特に子どもの治療には、

・子どもの治療の終わり=矯正治療の終了 とは限らない

・治療期間が1年や2年という”期間”で決まらない。12歳臼歯の生え終わりをもって子どもの治療の終了となる

・治療のゴールが個人個人によって異なる

のような特徴があるからです。

 

小学校2年生から子どもの治療を開始した場合、12歳臼歯が生え終わるまでその間ずっと装置を使用するわけでもなければ、月一回の来院を継続するわけでもありません。

装置を使用しない『経過観察』のみの期間もあれば、来院期間が半年に一回ほどになる時期も存在します。しかしあえてその期間も治療期間として含めるならば、治療期間はおよそ5年ということになります。

長いですよね。

 

期間が長いと、今自分がどこにいるのか、今どうなっているのか、どこに向かっているのか、あと何がどれくらい必要なのか、、、

ということが不鮮明になりがちです。長い治療期間です。『?』が多いと、患者さんにとっては不安になることも多いでしょう。

 

当院では患者さんをそのような『迷子』にはさせないため、半年ごとにレントゲンや歯型などの検査を行い、それをもとに治療の効果を確認し、上記の

『子どもの治療におけるゴールに対し、患者さんの歯並び噛み合わせが、今どこにあるのか、最初とどう変わったか、ゴールに向けてこれからどう進んでいくのか』

について、患者さんと保護者の方に説明をしています。

 

トータルの期間は長くても、今この装置はなんのためにやっている、期間はこのくらい使用する、こういう並びになるまで使う、などといったさしあたっての目標が鮮明になれば装置を使うご本人も頑張りを継続しやすくもなるでしょう。

 

子どもの治療に限らずですが、矯正治療はどうしても年単位の治療になります。そのなかで患者さんのモチベーションを保つ方法を今後も工夫して行きたいと思っています。

 

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11月8日(水

『補綴(白い被せ)か矯正か

 

今年もあと2か月を切りましたね。つい最近始まったとばかり思っていた2017年ももうすぐで終わりだなんて時間の流れって本当に早いですね。

 

さて矯正歯科医院の初診相談では、多くはないんだけれど昔から途切れることがない相談やお問合せ内容の種類がいくつかあります。

うちの子に矯正治療が必要?とか部分矯正は適応か?とか抜歯?非抜歯?とか日常的によくある内容のものとは異なり、

『頻繁にはない内容なんだけれど、でも年に何回かは必ずある』

といった類のものです。

 

どのような内容がそれにあたるかというと、

・一般歯科治療のお問合せ(電話やメールのお問い合わせにとどまることがほとんどです。)

・矯正専門だと何が違うのか(ドクターの所属学会の種類は参考になるのか)

・気になるところは全くないが、学校検診で紙をもらったので(意外にも少数派です)

・矯正がいいのか被せがいいのか

・セカンドオピニオン(他医院での相談後あるいは治療中のかた)

などなどでしょうか。まだ思い返せばあるかもしれませんが、たまにの内容なので取りこぼしもあるかもしれません。

こうみるとどれもこれまでにブログに書いているな、という気がします。

 

やはり先日、このなかの『被せか矯正か』で迷われている方が初診相談で来院しました。

患者さんいわく『職場で歯並びが私より悪い人はこの人くらい』と思っていた人が、気づいたら歯並びが良くなっていた、とのことです。

当時その方は、患者さんの言葉を借りれば『前歯がガチャガチャして、八重歯が前歯』だったそうですが、それがここ数か月?のうちに一列で白くなっていたというのです。

そこで今回初診相談に来た患者さんが『私が職場で一番歯並びが悪くなってしまった』のだそうです。

別にこのお二方は敵対関係にあるわけでは全くなく、そもそも会話などの面識すらないようです(笑)。

 

以前にも触れましたが、並びの一列ということに限って言えば、矯正でも被せでもそれは達成可能です。

ただ、そのためにしなければいけないこと、期間、費用、予後(処置後の経過)という点で両者は大きく異なります。(似ている点もあります。)

どちらを自分にとってメリットが多くデメリットが少ないと捉えるかは、それを選択する患者さんによって異なると思います。

すべての患者さんやそのシチュエーションに寄らず『正しい』選択肢というものはないでしょう。

ただ、『天然ものは強い』『人工物はそこからほころびが起こる』

という原則から考えた、処置後の『予後』を決断の要素に入れるということは、欠かすことのできない視点であると思います。

 

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11月2日(木

『小児のプレート矯正によるセカンドオピニオン

 

さて、先日の初診相談です。

患者さんは一般歯科医院にて現在矯正治療中の小6女子です。

『小2から拡大プレートにて矯正治療を行ってきて歯列は一列になったものの、1年ほど前から口元の突出が気になるようになった。今の治療では口唇の位置は変わらない(退がらない)との話だったので、口元が退がる治療がしたい。』

という主訴で来院されました。

 

この患者さんには、当時治療を始めた大きな理由に『(将来)永久歯を抜きたくないから』というものがありました。

将来というのは、マルチブラケット治療を行うことになるかもしれない将来のことを指しますが、そのマルチブラケット治療を行うことになっても小臼歯抜歯は避けたい、という当初の希望があったようです。

マルチブラケット治療の際抜歯が必要かの判断は幾つかありますが、ざっくり2つに絞りますと、

1 凸凹の要素

2 出っ歯さんの要素

があります。

1 歯の重なりを取り除いて一列にするために必要なスペースを、抜歯によって獲得します。歯の重なりの程度が軽度であれば、抜歯ではなく歯列の拡大で間に合う場合もあります。

2 凸凹がない出っ歯さんだとしても、凸凹を一列にするためにスペースは必要ありませんが、出てる前歯を後ろに退げるためには、後ろに前歯が退がってくるためのスペースが必要ですから、抜歯が必要になります。
気になるほどの口元の突出の場合、その改善方法は抜歯である場合が多いです。

ですから、凸凹はない一列の歯列でも、出っ歯さんで口元が出ていたら小臼歯抜歯の適応になる、というケースは日常臨床ではよくあります。

 

この患者さんの場合、これまでの治療の中で将来抜歯が必要になるという話は一切聞いていません。というのもそれは『凸凹を一列にする』ことだけを考えた場合、決して抜歯が必要なわけではなかったからです。

なので当院で、前歯を退げるためには抜歯が必要でしょう、と告げた際『歯を抜きたくないから小学生の間ずっと治療を続けてきたのに、、、』と患者さんとお母さんが落胆されたのも無理はありません。

『どうせ抜くんだったら、今まで頑張ってきたことって、、、』と少し絶句気味でした。しかしこれは視点を切り替えることが大事です。

この患者さんはもともとは前歯の凸凹がいやで当時矯正治療を開始しています。凸凹は1年〜1年半ほどで目立たなくなった、とのことですから、それから今までは『一列の歯列』を獲得できています。

一列でなかったら味わっていたかもしれないコンプレックスや虫歯のリスクを回避できてきたこれまでと今があるのかもしれません。

 

犬歯関係はフルクラス2でオーバジェットは8mmほど、口唇閉鎖困難ですから、治療方法としては抜歯を伴うマルチブラケット治療が通法でしょう。

現医からは今後の方針についても『抜歯』という言葉は出てこなかったとのことで、それも当院での話の際、患者さんがびっくりしていた理由の一つです。
当院にしてみればこの初診相談の日が患者さんとの初顔合わせですから、
『ニュートラルな立場でかつこれまでの経緯とは別に、今現状の歯並び・噛み合わせ、主訴を改善するにはどういう方法が考えられるか』
をお話することができます。現医にとってはこれまで上記1の凸凹の改善の目的のためとはいえ、抜歯をしなくてもいいという立ち位置で治療を行ってきましたから、ここにきて『抜歯』の2文字が言い出しにくかったのかもしれませんね。

 

治療のごく初期に先を見据えたお話をすると、どうしても否定的な内容までを盛り込まざるをえません。

ただそれでも、分析データなどから予測される『事態の可能性』ということになりますから、起こる、起こらないは別にしても当然お伝えしなければいけないことだと考えています。

 

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10月31日(火

『全体矯正にしました。

 

10月もいよいよ今日で終わり、今年も残すところあと2か月です。仕事上1~2週間に1回は郵便局を利用していますが、1週間ほど前には年賀状はがきのお知らせももらいました。

 

さて先日、半年ほど前に初診相談に来た患者さんから検査希望の連絡が入りました。

半年前の相談では、前歯の凸凹、八重歯が気になるということで、部分矯正にて並びを一列にしたいというご希望でした。

 

左右の犬歯がそれぞれほぼ丸々一本分歯列からはみ出している状態です。これを部分矯正でしようとした場合、そのはみ出している犬歯を基準に前歯が並ぶことになります。

なので予想される結果は『前歯は一列になるけれど、今よりもだいぶ前歯が前に出てしまう』だろうでした。キレイな出っ歯になってしまいます。

 

ご本人の『とにかく一列にしたい』という強い訴えはあったものの、

『絶対結果に満足できないと思いますから、部分矯正はやめたほうがいいですよ』

とお話ししました。

この患者さんは、部分矯正以外(つまり全体矯正)は考えていないということでした。なので、

やるなら部分矯正。

部分矯正じゃないなら矯正そのものをやらない。

というスタンスです。

なので、今回は矯正治療を見送ったほうがいいのではとお話しし、他矯正歯科での初診相談の受診も勧めました。

全体矯正の場合抜歯を伴うマルチブラケット治療が予想されますが、抜歯に対しての抵抗があるわけではなく、患者さんが部分矯正にこだわったのは、期間や費用の問題でした。

 

半年たって先日、検査希望で来院されたため、検査の前30分ほど時間をいただき、2回目の相談をさせてもらいました。

お話しを聞くと、全体矯正を行いたいとのこと。
当初一列になれば前歯が出てもいいとお話ししてましたが、今回までの間に、矯正治療で口元が突出してしまったような症例をインターネットの検索で多数見て、『どうせやるなら完璧に仕上げよう』と考えを変えたとのことでした。

 

この患者さんの噛み合わせの分類としては『2級叢生』です。下の歯列には凸凹はなく、上の歯列は左右の犬歯がそれぞれ丸々一本分はみ出しているわけです。

犬歯の後ろの第一小臼歯を抜いたスペースにそのまま八重歯の犬歯が入りこみます。それで歯列は一列になりしかもスペースの閉鎖も完了しますから、全体矯正でも期間はかからないタイプの症例です。

この方に関しては、間違いなく全体矯正のほうが良いと言えるでしょう。

 

患者さんが希望する方法でも、それを用いた際の結果、仕上がりは患者さん側ではなかなか予測しにくいものです。

前歯が出るといっても、少ししか出ない場合もあれば、たくさん出ることが予想される場合もあるわけです。

そのあたりを経験を生かして、適切なご提案をすることが大事であると考えています。

 

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10月28日(土

『最近特に需要の多い裏側(舌側)からの矯正治療

 

最近相談や、実際の治療開始で多いのが裏側からの矯正治療です。

中でも特に多いのがハーフリンガルといって、上の歯列には裏側からブラケット装置を付けて、下の歯列には表側に装置を付けて歯を動かしていくといった方法です。

 

なぜ上下の歯列両方裏に付けないの?と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、

下の歯列には表側につけることが選ばれる理由として、

 

・下の歯列は下唇に隠されてあまり見えない

というものがまずあります。

例えば、

ちょっと笑ったくらいでは下の歯列は全く見えませんね。

 

ここまで口を開けて笑っても下の歯列は前歯の頭が少し見えているくらいです。お二方とも上の歯は思いっきり見えていますね。

『女性 スマイル』のグーグル画像検索で引っ張ってきた画像ですが、その他の画像も大体こんな感じ(上の歯列が見えていて、下の歯列が隠れている)です。

 

下の歯列には表に装置が付きますが、

通常ブラケット装置は歯の高さの真ん中、中央に付くため、あの異国の女性が下の歯列に表側ブラケット装置がついていたとしても、ちょっと歯の頭が見えたそのくらいではまだ装置は見えませんね。

当院では、ハーフリンガルご希望の方の下の歯列に付く装置は自動的に『ホワイトブラケット+ホワイトワイヤー』になるため、仮にもっと大きく口を開けて下の装置が見えるほど笑う機会があっても、目立たないということになります。

ちなみに一番下、模型の写真の上の歯列の裏側には裏側のブラケット装置が付いています。

 

次の理由として、

・下の裏側装置は違和感が強い

ということが挙げられます。

下の歯列の裏側にブラケット装置を付けた場合、そのすぐ近くに存在するのが舌です。もちろんこの違和感は上の歯列の裏側にブラケット装置を付けた場合でも同じですが、一般的に下の裏側の方が多くの方にとって違和感が強い傾向があります。

 

もう一つの理由として、

・上も下も裏から、に比べ費用が抑えられる

という点もあります。

裏側矯正を提供している矯正歯科専門医院のほとんどがハーフリンガルも提供していますが、フルリンガルにくらべハーフリンガルは2割前後費用は低く設定されています。

 

とにかく少しでも見えるのは嫌だ、見える可能性のあるのも嫌だ、という方は上下裏からという方法を選択されます。

ただ当院では、上記理由で比率として多いのはハーフリンガルですね。比率としては1:3くらいでしょうか。

 

需要の多い裏側矯正ですが、部分矯正を裏側から、というご希望もあります。


全体矯正では基本的には症例を選ばず裏側に装置をつけて治療をすることは出来ますが、裏側の部分矯正では部分矯正の適応かどうかとはまた別に、『部分の裏側』からの治療が適応かどうかで判断しなければならない要素があります。

 

ただ、裏側からの治療というのはその目的はただ一つ『見えない』、ほぼこれだけです。

歯並びをキレイにしたい!というのがどの患者さんにも共通する主訴です。それは表の通常のブラケット装置で問題なく達成できることです。

しかし装置が見えてしまうのが嫌で矯正治療に踏み込めない、という方はとても多くいらっしゃいます。そのような患者さんにとって『見えずに、気づかれずに矯正ができる』裏側矯正は素晴らしい方法であるのは間違いありませんし、矯正治療を始める大きなはずみにもなるでしょう。

そのような患者さんの場合、患者さんの側から『見えずに矯正したい』とかもっとダイレクトに『裏側でしたい』という希望がある場合がほとんどです。ですのでそのようなご希望のある患者さんには裏側からの矯正は積極的にお勧めしています。

 

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10月23日(月

『今日は初診相談が5組

 

今日と言っても先週の土曜の話になりますが、初診相談5組に加え矯正診断、通院患者さん(特に子どもの矯正治療)の半年毎の経過報告があったりと、相談室でのお話がメインな一日でした。

この日の相談では4歳の方から40代の方までと幅広い年齢層の歯並び、噛み合わせのお悩みやご希望をうかがいました。

特徴的と思ったのが、5組の方のうち3人の方からほぼ同じ質問を受けました。それは、

『このくらいの程度で矯正治療って普通しないですか?』

『気にしてしまうのは変ですか?』

のような質問です。

 

噛み合わせが体の健康にかかわるという面もある一方で、噛み合わせが良くなくても、八重歯でも、出っ歯さんでも、凸凹でも不自由なく生活している方もたくさんいます。

その状態で矯正治療をしていないのは、現状として気になるところがないから、ということになるのでしょう。(もちろん気になっていても事情があって治療できない方もいらっしゃると思います。)

やはり、特に成人以降では矯正治療をするきっかけでは『自分が気になるから』というものが一番多いです。

僕らとしても、ある方がどんなに不正咬合があっても、それを気にして医院まで足を運んでくれた場合に対してしかアプローチはできないですからね。

でこぼこの程度がすさまじくても気にならない方もいれば、少しの重なりでも気になる方がいても当たり前と言えば当たり前です。

 

なので気にならないなら(そもそもその場合は矯正歯科に足を運んでないでしょうから)治療対象にならないし、やはり気になるなら治療対象になる、ということになるのではないでしょうか。

気になる、ならないの問題は僕らというよりは患者さんの側の大事な判断要素だと思います。

 

という相談内容もありつつ、この日は初診相談用に別途設けていたご予約枠の2枠が比較的早期に埋まってしまいました。

前々回の記事にも書きましたが、土曜、日曜に初診相談ご希望のかたはお日にちに余裕をもってご連絡ください。

 

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10月21日(土

『日本矯正歯科学会・札幌大会に参加

 

先日10月18日~20日と通常診療を休診にさせていただき、札幌で行われた日本矯正歯科学会に参加してきました。

さすが北海道、到着した午後4時くらいの気温が7℃、夜には4℃くらいになるという寒さ。当然吐く息も白い。夕方には帰宅途中の女子高生もマフラーをしてましたしね。

 

今年の学会テーマは写真にもあります『知の蓄積と技との連関』でした。そのテーマのもと熱い講演が多数催されました。ただ、『ためた知識を技術と絡め、よりいいものを作り上げましょう』という訴えかけは何も今に始まったことではなく、しかも矯正治療に限ったものでもないでしょう。

ようは初心に帰りましょうということになるのでしょうか。

従来から存在する治療法の考察や、新しい技術を紹介までと幅広い講演による多くの見解を吸収することができた数日間でした。

早速次の日の診療から生かした知識や実践もあれば、今後導入を検討することになった新技術も見聞できた、ということで、とても実り多い学会だったということができると思います。

 

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10月15日(日

『土曜・日曜日にご予約希望の患者さまはお早めにご連絡ください

 

通院患者さんの次回アポイントメントはひと月~ひと月半後になりますので、『全く予約が取れない』ということにはあまりなりません。

一方で、初診相談やこれから治療に入る検査、診断、歯磨き指導など前回予約からひと月を開ける必要のない患者さんで、土曜日曜のご予約を希望されるかたのご予約が取りにくくなっています。

 

つまりは、水曜に初診相談希望のお電話をいただき、その週の土曜あるいは次の週の土曜を希望されたものの予約枠に空きがなく、患者さんのご都合とのすり合わせの結果、来院がお電話からひと月くらい先になる、ということも少なくありません。

 

ご相談を希望される方は『思い立ったらその時に電話やメール』というのが一般的でしょうから、なかなか『まだ相談に行くか分からないけど、前もって予約だけ、、、』という心境にはなかなかならないでしょう。

難しいところがあると思いますが、当院でも土曜・日曜のご相談枠を1~2枠設けるなどの対応はさせていただいていますので、可能であればご利用いただければと思います。

 

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10月11日(水

『セファロ撮影と矯正診断はやっていますか?というお問合せ

 

10月も半ばに差し掛かろうとしていますが、ここにきて梅雨みたいに雨が続いています。月間気温も今後は下がっていく一方みたいですね。

 

さて先日、題名のようなメールでのお問い合わせがありました。

歯科関係者ではなく、矯正治療をこれから検討しようという方のなかに『セファロ』という言葉を知っている方がどのくらいいるでしょう。

たぶんものすごく少ないでしょう。なのでこの種のお問い合わせには少しびっくりしてしまいます。

 

この患者さんは後日初診相談に来られました。そこでお話を聞くと、

お子さまの虫歯治療でかかっている歯医者さんで『上の歯の並びが凸凹だから顎を拡げたほうがいい』と定期健診の際に言われたそうです。

これがきっかけで、お子さまの歯並び・噛み合わせや矯正治療のことを意識するようになったとのことでした。

そしてインターネットなどで情報収集していくと、矯正治療を行う医院を選ぶ要件として『セファロ撮影を行っていること』『その結果をもとに治療方針の説明を行っていること』というものがあったそうです。

 

セファロとは日本語の正式名称では『頭部X線規格写真』といい、矯正歯科特有のレントゲン写真のことです。これを虫歯治療のために撮影することはまずありません。

これは子どもや大人に限らず矯正治療を行うには必須のレントゲン写真です。正しい治療方針が導き出される大事なツールです。

そして矯正診断では、セファロの結果からだけではありませんが、一連の検査結果を踏まえた治療方針の提案、説明を行います。

セファロ撮影にしても診断にしてもどちらも矯正治療の開始までには欠かすことのできないステップですから、この患者さんがインターネットで収集した知識に当然誤りはありません。

 

しかし上記セファロ撮影や矯正診断は矯正歯科、とくに専門医院であれば100%の医院でその過程を踏んで治療開始となっているはずです。

そのため、もしかしたら矯正歯科医院の側にとってはこれらを行うことが当たり前すぎて『セファロ撮影を行っています』とホームページなどに記載していない医院も結構あるのかもしれません。

でもそうなってしまうと患者さんにとっては、やっているのかどうか確かに分からないかもしれないですね。

 

ご来院の際予備知識は基本的には必要ありませんが、お持ちの場合、相談全体の理解が進むような場合もあるのかもしれません。

 

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10月6日(金

『抜歯でも非抜歯でもどちらでも良好な結果が得られる症例~患者さんの考え方

 

最近寒いですね。朝晩の冷え込みは相当なものがあります。ただまだ暖かくなる日もちょこちょことあるみたいですが、、、

 

先日診断をした患者さんです。

主訴①として口元の突出感。

主訴①に来るだけあって、ご本人はとてもこれを気にしています。しかし分析の上では、骨格的にも軟組織(E-line)的にも口元はさほど出ていないという結果です。E-lineでは上唇下唇ともon lineという程度でした。

主訴に1も2もないのは承知ですが、あえてそういう書き方をすると次に気になるのが

主訴②として前歯の叢生。

上顎中切歯の翼状捻転で、前歯2本がやや飛び出て捻じれています。いわゆる出っ歯という感じはなく、犬歯も八重歯ではないものの、犬歯2級という出っ歯の位置づけとなる犬歯の噛み合わせでした。

 

下顎にはほぼ叢生はないため、一列にしても前方に前歯が張り出すことはなく、IPRなどを併用すれば少しは引っ込めることも可能でしょう。

上顎は犬歯2級であるものの程度は3~4mm程度、抜歯によらずとも大臼歯の遠心移動と下顎同様IPRを併用すれば、一列にしても少なくとも前歯が出ることはなく、むしろ前歯の位置は現状より少し退がることも期待できます。

 

上記方法で、前歯の位置が術後に現状より退がることは期待できますし、その結果の唇の位置も”少しは”退がることが期待できるでしょう。

張り出していた前歯2本が歯列に収まるわけですから、それに裏打ちされていた口唇も当然後ろに引っ込むことは予想できます。

 

ただここで問題があります。

そうやって退がったあとの口唇の位置が、果たして患者さんの満足のいく位置となっているのか、という点です。

主訴は口元の突出感ですから、口元を退げたいわけです。現状E-lineがon lineであってもご本人は『出てる』という認識ですから、治療によってもっと目に見えてすっきりさせたいという願望があることになります。

口元を大きく引っ込めるには抜歯が必要です。

 

この患者さんの場合、歯(一般的な小臼歯4本)を抜かなくても良好な歯並び噛み合わせは無理なく達成できます。数値上は口元も出てることにはならないでしょう。

抜歯をすれば上記に加え、口元がしっかりと退がります。

 

主訴①が凸凹だったら問題なく非抜歯(+遠心移動)でいいのですが、主訴①が口元の感じであると抜歯になる、という典型的な例だと思います。

ただこの患者さんを迷わせるのは、非抜歯だと前歯が出てしまうなら即座に抜歯を選択しているところを、非抜歯でも少し唇は退がるわけですから、

『ちょっと退がる or たくさん退がる』

で、ご自分の満足がどこで得られるかというところでしょう。

 

色々な要素がありますが、ボーダーラインケースというのは判断に悩むところがあるのも実際です。

 

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10月1日(日

『秋は学会シーズン

 

今日から10月秋本番です。そして今年もあと3か月、あっというまに年末になりそうです。

 

秋といえば学会シーズンです。

秋に限らず種々のセミナーや学会には一年を通して参加していますが、この時期にはぎゅっと凝縮されて開催されます。

当院でもこの時期だけで、併せて10前後の大小学会・セミナー・講演などに参加を予定しています。

 

学会に参加する目的に『新しい知識の見聞』がよく挙げられます。矯正歯科におけるここ最近での新しい知識や技術と言えば、アンカースクリュー、マウスピース矯正、舌側矯正といったところになるでしょうか。

表側からの通常のブラケット矯正がまだまだ主流である現在、上記新しい技術それぞれが実は数十年前から登場していたにもかかわらず、いまだ新しい技術として取り上げられます。(世間に普及しだしてからはまだ年数がそれほど経っていないということもあるでしょう。)

そのような現状ですから本当の意味で画期的な、真新しい見聞などはあまりないのが実際です。

 

ですがそれがイコール学会に参加しても新しいことを吸収できないということにはなりません。『自分にとって新しい』点はたくさんそこに存在しているからです。

今までにある道具や知識を使った一見すると新しさのない治療方法だけれど、それらをうまく組み合わせたことで新しい治療方法としたもの、

ももちろん”新しい報告”と言うことが出来るからです。

本当の意味で真新しい技術や機械・器具などの報告が仮にあったとしても、まだ普及には至ってなかったり、費用対効果で実際の臨床レベルに達していなかったりといった問題を抱えていることも少なくありません。

なので合わせ技一本みたいなすでにある知識や技術を用いて新しいもの(患者さんや医院にとってのメリットが大きくなるようなもの)にする工夫が大事なのでしょう。

それこそそういうものであれば、それら見聞をした次の日から早速臨床で役立てることも可能なわけですから。

 

ただ真新しい技術につながる”芽”のような発表がされているのも事実ですから、しっかりとアンテナを張りめぐらせてこようと思っています。

 

せっかくの実った秋を、食欲の秋で貪欲に吸収してこようと思います。

 

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9月19日(火

『前歯を被せで一列にする前に、『矯正』という選択肢も

 

すっかり秋ですね。今年の秋はどうやら読書の秋になりそうです。

 

先日いらした女性の患者さんです。

前歯6本(分)にセラミックの被せがある方で、その部分についての相談でした。セラミックの被せにしてからまだ3か月ということです。

以前の歯並びはいわゆる左右の八重歯(3番)と側切歯(2番)の舌側転位(一番前の前歯の横の歯が内側に入ってしまっている状態)で、かかりつけの歯科医院に相談したところ上のような処置になったとのことでした。

2番は抜歯となっており、1番と3番の連結冠(2番があった部分はダミーの歯)いわゆるブリッジとなっていました。左右の1番、3番は便宜的に歯の神経を取り除いたとのこと。

 

その結果、文字では伝わりにくいため詳しくは割愛しますが、本来の前歯6本が並ぶスペースがない領域に、一つ一つの大きさをだいぶ小さくした歯が6本連なっているという状態となっていました。

本人曰く『歯の大きさのバランスがあっていない気がするし、唇も少し張った感じがする』とのこと。

 

下顎にも大きな凸凹があるので、もし補綴前の最初の段階を矯正治療で治そうと思うと上下4本の小臼歯抜歯によるマルチブラケット治療ということになったでしょう。

 

患者さんが今回来院されたのは、今の結果を好ましい状態として捉えていないというところがあるからです。

問題なければ初診相談に来ていないと思われます。

 

被せで治すのが悪いわけでは決してありません。患者さんにも様々な都合や考え方があります。被せで治すことが患者さんの都合や考え方にしっかりと当てはまればそれで何の問題もないと思います。

 

ただこの患者さんは『矯正でも治る』という選択肢が、補綴をする前にはなかったとのことでした。矯正でも治ることを知らなかったわけです。

もし知っていたら、、、それでも補綴を選択していたかもしれませんが、知っていて選ばなかったことと、知らなくて選べなかったことでは意味合いが違いますし、知っていて選ばなかったならば、選んだ側のことで問題が生じてもまだ納得できることも多かったのではないでしょうか。

期間は根っこの治療まで入れて半年ほどだったとのこと。費用は全体矯正をした方が抑えられたでしょう。

必要な便宜的歯科処置(一列になるための健康な歯に対する侵襲)は、

補綴の場合2本抜歯で前歯4本抜髄(済み)、矯正なら4本抜歯(だっただろう)です。

 

当院の部分矯正の初診相談では『起こりうる好ましくないこと』をしっかりと説明しています。

なので患者さんから『しないほうがいいってことですか?』と言われることも少なくないくらいです。

上の患者さんも一列は達成できたわけですから、その点については満足なはずです。でもそれに付随してきた『好ましくないこと』に納得できていないのです。

『知っていたからと言って矯正を選んだかは分からないけど、被せをする前に知っていたかった。』はこの患者さんの言葉です。

 

まず選択肢がいくつか存在することを把握すること。そしてそれぞれの『違い』に加えて、それぞれで起こりうる『良いこと』と『良くないこと』をしっかり理解したうえで、選択することが大事です。

 

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9月15日(金

『子どもの矯正治療は”準備”の矯正?

 

最近めっっきりすずしくなった、、、と思っていても昼間はクーラーが必要な日も多く、体調管理が少し難しい毎日です。

 

さて、このブログでもたびたび登場する子どもの矯正治療の目的について、ここ最近の初診相談で保護者の方に話す機会が多かったので、また少し触れてみたいと思います。

子どもの矯正治療がその患者さんにとって必要かを考える際には、とても多くの面から検討する必要があります。

いくつかを挙げてみますと、

 

・現状が緊急性を要しているか

・歯の生えかわりの進行具合、学年、年齢

・噛み合わせの状態、凸凹、反対咬合(前後的、側方的)、上顎前突、開咬、深い噛み合わせ

・癖(爪を噛む癖、唇をかむ癖、舌の癖、頬杖、口呼吸、鼻閉、、、)

・骨格のタイプ

・不正咬合の程度(言葉は悪いですが重症度。つまりは子どもの治療でちゃんとした効果が出る範囲の程度か)

・子どもの治療(準備矯正治療)と中学生以降のマルチブラケット治療(本格矯正治療)の両者の捉え方(本人、保護者の側の)

・将来的な抜歯を伴う矯正治療の必要性と、その捉え方(本人、保護者の側の)

 

などなどこれだけでもたくさんあります。

この中から、本題にもあります”準備矯正”という言葉とその周辺ついて取り上げて説明したいと思います。

 

上にもありますように、子どもの矯正治療は別名『準備』矯正と呼ばれます。

準備は本番があっての準備です。本番があるからその準備をします。つまり、準備矯正とは本番の本格矯正を前提とした治療という位置づけなのです。

本番の本格矯正がうまくいくように備えておくための治療、それが子どもの治療の位置づけです。

ではなぜそのような位置づけなのでしょうか?

 

ここで突然服のはなしになりますが、中学生や高校生になった時の服を小学生のうちに買うことってありますか?あまり買うこともないですよね。

ではなぜ買わないんでしょう?

・これから体も大きくなる(しかもどれくらいまで大きくなるかもわからない)ので、買うべきサイズが5年も6年も前には決まらない

・世間や自分の中にも流行りや廃れがあるから、着たい服がその時になってみないと分からない

・親の好みで買っても、中学生、高校生になった本人が気に入るか分からない

そのような買い方をしないことが当たり前なので、なぜ買わないのかなんて考えたこともないくらいですよね。

子どもの体は大きくなりますから、変化が起こるものに対してはその変化が完了してから対応する、という考えが(考えていなくても)あるわけです。

 

じつは子どもの治療が『準備』である理由もこれと同じです。

中学生以降で行う矯正治療は『マルチブラケット治療』です。これは、歯並び・噛み合わせをキレイにキチンとする仕上げの治療のことです。これが『本番』にあたる治療です。

ここでまた少し話が逸れますが、そもそも歯はどこにあるでしょう?そうです、上の歯は上顎に、下の歯は下顎に植わって存在しています。

成長期にはその上顎、下顎といった『土台』が動きます。身長や体重がどこまで増えるのかが分からないのと同じく、上顎や下顎がどこまで伸びるのか、成長するのか、逆に成長しないのか、は推測はできるものの正確には言い当てることは出来ません。

土台がまだまだ動く最中(例えば小学校4年生の時点)に、土台の上に乗っかている歯並びや噛み合わせを整えて完成させても、その後土台が動いてしまえば(例えば下顎よりも上顎が大きく成長してしまえば)、小学校6年生の時点で上の歯列は一列、下の歯列も一列だけど噛み合わせは出っ歯さん、なんていうことが起こり得ます。

上の例で言えば、小学生の時に中学生になった際に着る服を買ったはいいものの、その時になった着てみたら大分大きかった、あるいは小さかったというような具合です。

 

じゃあ子どもの治療はなんのためにやるの?ということになってきます。

子どもでは土台が動くわけです。その土台は二つ、つまり上あごと下あごがあります。上下のあごがバランスよく成長してくれないと、出っ歯になったり受け口になったりします。

ですから、その上下のあごがバランスよく正しい成長をするようコントロールすることが子どもの治療の大きな目的の一つになるわけです。

上下の土台の大きなズレにならなければ、土台の上の歯を並び替える(マルチブラケット治療)だけでキレイにキチンと噛むようにもなれるのです。

 

以上をまとめると、

子どもの治療は、

・小学生では土台である顎がまだまだ成長する、動くこと

・子どもの治療主にはは土台のバランスが整える治療であること

・仕上げのマルチブラケット治療は土台が動かなくなってから、土台の上に乗っかっている個々の歯を動かしてキレイなキチンとした歯並び噛み合わせを整える治療であること

・なので子どもの治療ではマルチブラケット治療をすることが出来ない

から、仕上げの治療にはなれず、仕上げの前段階の(準備段階の)治療であるということになります。

 

ただマルチブラケット治療まで進まないと治療完了にならない、というわけでもありません。

たしかにマルチブラケット治療をしないと100点の歯並び、噛み合わせにはなりません。でも100点じゃないとだめということも全くありません。

子どもの治療だけでマルチブラケット治療をしなくても、もまあまあの並びでまあまあの噛み合わせになることももちろんあります。

治療の必要性(マルチブラケット治療でないと治らない症例)がある場合は別として、子どもの治療だけで治療終了となる・できる場合も珍しくありません。

 

子どもの治療、それ以降の治療の位置づけ、目的をしっかり理解して治療を行っていく、受けていくことが大事です。

 

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9月8日(金

『”歯のもち”にも直結する特に注意すべき不正咬合は?

 

いよいよ9月です。ここ裾野はめっきり寒くなりました。夜なんか羽毛布団がないと寒くて寝れないくらいです。結局夏らしい夏をそれほど味わうことなく秋になってしまいそうです。

 

矯正歯科の初診相談での主訴は、前歯の凸凹や出っ歯といったどちらかというと見た目の要素が多いのも事実です。

噛みにくい要素があっても、上記に加え(というか付随して)噛みにくさを訴える方のほうが多い気がします。

なので問診票の主訴欄には、

『八重歯が気になる』

『出っ歯が気になる』(出っ歯であるために前歯で噛みにくいなど)

『凸凹が気になる』

などと書かれている場合が多いです。

矯正歯科に来院する方は当然何らかの不正咬合を持っています。
ただ、乳歯が生え、永久歯に生えかわり、永久歯のみの歯並びとなって数年、十数年、数十年と持続している不正咬合です。その状態でこれまで生活してきているため、ことさら噛みにくいという実感が伴っていないことも多いのです。

つまり不正咬合があってもある範囲内であれば、その噛み合わせに”慣れる”ことが出来ているので、特に噛みにくいとも思っていないわけです。

 

一方で上記に比べ比率としては少ないですが、噛みにくいことを第一に訴える方も当然います。

上の例とは逆に、上下の歯の接触面積が少なすぎて”噛みにくい”状態に慣れることが出来ずにこれまで過ごしてきた方が”噛みにくい”ことを主訴に来院されます。

このような方は実際にお話を聞いてみると、『中学生くらいから(永久歯の生えかわりの完了の頃)ずっと噛みにくかった』という声を一様に聞きます。

 

では”慣れる”ことが難しかった噛み合わせ、不正咬合の種類とはどういうものでしょうか。その多くは、

『開咬』

と呼ばれる不正咬合です。
開咬とは、上下の歯が噛み合った時奥歯しか当たらず前歯が開いてしまう噛み合わせのことです。

これはサンプル写真になりますが、この写真の方はこれ以上口を(歯を)閉じることが出来ません。というのも、上下の前歯が噛み合うよりも先に上下の奥歯だけが当たってしまうので、前歯が閉じず前歯で物が噛めないのです。

細かい説明になりますが、この写真の方は上の一番奥、12歳臼歯が横に飛び出ているため上下の12歳臼歯と当たることが出来ず、実際はすべての歯の中で上下の6歳臼歯のみしか咬合していません。

本来ヒトは最大で上下の歯で28本(親知らずも入れれば32本)噛み合わせに参加できますから、それが左右で4本しか参加できないとなれば当然『慣れることが出来ない噛みにくさ』として表面化するでしょう。

 

以前にも少し触れましたが、奥歯しか当たらない噛み合わせはそのままにしておくと良くない変化を起こすことがあります。

噛むことのすべての役割を奥歯だけに負担させることになるので、文字通り奥歯の負担が増え、『奥歯のもち』が悪くなるという事態です。

奥歯を失うことになると『奥歯しか当たらない噛み合わせの”奥歯”が当たらなくなる』わけですから、実はここで自然と前歯が当たるようになります。

『前歯で物が噛めるようになるじゃん!』

と思われるかもしれませんが、硬いものを噛む本来の役割である奥歯がなくなっている状態でのことですから、噛む力のすべてが前歯(本来硬いものを噛むことを役割としていない)で負担されることになってしまいます。

何十年と硬いものはおろか噛む刺激自体を受けてこなかった前歯が、いきなり硬いものを噛む主役に命じられるわけです。当然準備が出来ていません。すると今度は前歯が奥歯以上に負担過剰となり、前歯のもちはかなり低下してしまいます。

 

ところで、骨は使わないと痩せます。

歯の周りの骨(歯槽骨)には、噛む力が歯から伝わってくるため、それが刺激となり『この刺激を受けるにはこのくらいの骨の量がないとだめだな』と骨が自ら認識し必要な骨の量を保ってくれます。

でも歯から刺激が伝わってこないと骨は『そんなに刺激が伝わってこないから、これくらいの刺激を支えるにはこれくらいの骨の量でいいだろう』と判断してしまい、作る骨の量を減らしてしまいます。

ですから開咬の方の前歯を支えるの骨は量が少なかったり、高さが低かったりすることがあります(必ずそうなるわけではありません)。

 

奥歯を失って、すでにそのような状態にある(かもしれない)前歯が、急に硬いものを噛まざるを得なくなったらどうなるでしょうか。

 

ということで話を最初に戻すと、奥歯が負担過剰となる噛み合わせを解決しておくことが大事だということにつながります。

『8020達成者の方の中には、受け口や開咬といった前歯が当たらない噛み合わせの方はいなかった』

という報告もあるので、80歳で20本の歯を残すには、前歯(に限らず上下全体)が当たる噛み合わせという状態が大事なんだなということがこのような実例からもよく分かります。

 

また幼少、学童期から認められる開咬は、噛み合わせのみならず正常な顎の発育に影響を及ぼすこともあるのでその点でも注意が必要です。(成長に伴い顔つきが面長で顎が退けたような感じになることがあります。)

 

奥歯でカチンと噛んだ際、前歯が噛み合わない場合は、仮に噛みにくさを実感していなくても一度矯正歯科を受診した方がいいかもしれません。

 

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8月25日(金

『マルチブラケット治療の期間の内訳〜一列になった、隙間も閉じた、でもまだ続くの?

 

8月も終盤ですが、ここにきて暑いですね。でも夜は未だにクーラー入らずです。

 

抜歯を伴うマルチブラケット治療の期間はおよそ2年と言われています。

もちろんこれは平均、ケースバイケースですので1年半で終わる方もいれば2年半、3年かかる方もいます。

 

では治療期間の内訳を見てみましょう。

①レベリング、アライメント

→まず凸凹を一列にします。半年〜1年

 

②スペース閉鎖

→凸凹を一列にして残ったスペースを閉じていきます。半年〜1年

 

③ディテーリング

→細かい噛み合わせの調整。半年〜1年

 

それぞれの行程の短い方をとれば半年x3で1年半、長い方をとれば1年x3で3年ということになります。

 

凸凹が主訴の方は一列になった段階で、その変化にとても驚かれます。早い方では半年足らずで長年悩まれていた凸凹が解消されますから、

『もっと早くにやっていればよかった!』

とおっしゃられる患者さんも実際にいるわけです。

 

しかしここで治療終了ということにはなりません。上の項目でいうとここから②がさらにはその後には③が控えていますから、まだ年単位の治療は続きます。

凸凹が一列になるためには、抜歯で生じたスペースが消費されます。ですから凸凹が一列になった際には歯を抜いてできた隙間の量は減少しています。

減少してはいても隙間が残っていますから、この隙間は当然閉じなければいけません。この点は患者さんも隙間があっては不都合というのは実感しますから、②の治療というのは①が終わった後でもすんなり入っていけます。出っ歯さんであれば、ここからが前歯が後退していく過程になりますから依然としてモチベーションは高いわけです。

 

そして一列にもなり、隙間も閉じてしまえば『やった終わりだ!』と思いたいところですが、まだ終われません。

ここから細かい噛み合わせの調整が始まります。この期間もそれなりの時間がかかります。ダイナミックな変化は①と②で終わっています。③で行う調整は『ディテーリング』と呼ばれ、文字通りの細かい調整ですから、患者さんの側では見た目の大きな変化としては感じられないこともしばしばです。

 

なのでこのあたりになってくると、『装置はいつ外せますか?』『そろそろ外したいです。』とおっしゃられる患者さんもいます。お気持ちは分かるんですが、この③の段階は大事です。

 

ブラケット装置が外れた後は『保定期間』に入ります。いわゆる後戻りを防ぐ期間です。後戻りを起こさないためには保定装置をしっかり使うことがもちろん大事ですが、治療後の歯列がもっとも安定するためには、終了時の歯並び・噛み合わせが『安定しやすいかたち』となっていることが前提条件です。隙間が閉じたばかりの歯列は、まだ安定しやすい形にななっていないのです。

 

治療期間は年単位ですからモチベーションの維持が難しいことも時にはあるかもしれません。ただここまできたら治療の段階としてはもちろん終盤です。あともう一息というところまできたということですから、患者さんの側としてのラストスパートの気持ちで乗り越えていただきたいと思います。

 

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8月18日(金

『小顔のひとと面長のひとで歯の動きやすさが違う?

 

お盆期間も含めここ最近パッとしない天気が続きますね。夜もだいぶ涼しいですし、未だに就寝時はクーラーなんていらないほどです。8月も後半に差し掛かりますが、もう一度夏らしくなるのでしょうか?

 

日々臨床をしていると、

『この患者さんなかなか歯が動かないなぁ~』

『この患者さんはスルスルと動くなぁ~』

などと感じることが多々あります。

これは僕に限らず、矯正治療をしているほとんどすべてのドクターが感じていることでしょう。

 

実際、歯の動きには個人差があります。その原因は様々あると思いますが、『骨格のタイプ』もまた歯の動きやすさ・にくさを決める大きな要素の一つです。

題名の書き方にはやや語弊がありますが、これらの骨格の違いで歯の動きやすさも違ってくるのです。

 

ところでみなさん、耳の少し下に顎がとがっている部分があるのをご存知でしょうか?ここを専門用語では『下顎角』といいます。

日常やテレビなどでよく耳にする『エラが張っている』などと言われる際のエラに当たる部分です。

そして上に書いた『骨格』のタイプの違いは、この『下顎角』の角度の大小によって決まってきます。

 

下顎角の角度と言ってもピンと来ないかもしれませんが、この角度が、

小さい・・・いわゆる小顔の顔立ち、いわゆるエラが張ることも

大きい・・・面長な顔立ち、顎が引けた感じになることも

になります。

イメージ湧きますか?

この角度の開きが大きいと、下顎はより下方に延びることになりますから面長になるわけです。一方開きが小さければ下あごは前方に位置することになりますから(下方には位置しませんから)小顔になる、というわけです。

 

そして本題ですが、通常、この角度が小さい方の噛む力は強く、角度が大きい方の噛む力は弱いとされています。

噛む力が強いとなかなか歯が動いてくれません。

矯正で歯に引っ張る力を掛けても噛む力が強い方では、その力が歯をそこにとどめてしまう力として作用するからです。

『平らな道をブレーキを強くかけながら自転車をこぐ』ようなイメージでしょうか。前には進むけれどとてもゆっくりです。

一方で噛む力が弱い人では『普通に自転車をこぐ』だけですからスイスイ進みます。

個人的には、『噛む力が強く(専門的にはlow angle typeなどと表現したりもします)て噛み合わせが深い(deep bite)』のケースはちょっと治療が大変そうだなぁと感じたりもします。

 

もちろん先ほども書きましたが、歯の動きやすさ・にくさは骨格タイプだけでは決まりません。

その他の要素とも相まって、実際に歯を動かしてみると『噛む力が弱くても歯は動きにくい』とか『噛む力は強いけど歯は動きやすい』なんていう場合も当然出てきます。

治療開始前に予想できる動きやすさと、実際に歯を動かしてみてそこで初めて分かる動きやすさというものもありますから、治療開始前に伝えられた治療期間と、治療途中で伝えられる治療期間(残りの治療期間)とに差(早くなったり遅くなったり)が出てくることがあるのも、その辺りが理由の一つになっているのかもしれませんね。

 

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8月7日(月

『抜歯が必要な治療は全て全体矯正?部分矯正は出来ない?

 

さて台風5号が日本上空を暴れていますが、この先の進路が気になるところです。

 

先日初診相談にいらした部分矯正希望の患者さんです。当院のホームページやブログの記事などをお読みいただいた上での来院で、

『自分の主訴が部分矯正で改善可能か、部分矯正の適応かを知りたい』

とのことでした。

 

主訴は下の前歯の凸凹。

前歯6本(犬歯~犬歯まで)の凸凹のため中切歯1本が歯列からはみ出され、この歯だけ反対の噛み合わせになっているという状態でした。

しかし骨格的に反対の噛み合わせではなく、強いて分類するならば『上下顎前突(上顎も下顎も前方位)』でした。

 

凸凹→一列

の考えからすると、凸凹の前歯にブラケットを付ければ一列になることは可能ですが、下の前歯が全体的に前方に膨れるかたちになります。

すると現状1本だけ反対の噛み合わせが、前歯4本ほど反対の噛み合わせになってしまうでしょう。

これは機能的にも見た目的にもよろしくありません。歯茎が下がってしまう問題も起こりえます。

 

スペースがないところに歯を並べようとすると、歯は自分が位置すべき外周を広くしようとして並ぶため上記のようなことが起こります。

一方歯列上にスペースがあればそういうことも起こりません。

スペースを作る方法としてまず考えられるのがIPRですが、下顎前歯の部分矯正の際にIPRで得られるスペースは精々2mm程度です。

ですから2mmを超える凸凹があると歯は前に出ます。この方の場合IPRをしたとしても、前歯4本反対になることは避けられるかもしれませんが、おそらく切端咬合にはなってしまいそうです。これもよろしくありません。

ではどうすれば。

 

そこで出てくるのが『抜歯』です。

部分矯正で抜歯?と思われる方もいるかもしれません。しかしこの場合の抜歯は部分矯正であっても行ってよい類の抜歯になります。

なぜでしょう。

結論から言ってしまうと、抜歯をしたとしても、

『その部分(前歯部の限定された部分)だけで話が収まるから』です。

 

抜歯をして『とある部分』だけで話が収まらないのが、前歯を引っ込めたい(出っ歯さん)ような場合に行う抜歯です。

例えば、

小臼歯を抜いて上の前歯を引っ込めるには、前歯は後ろの歯から引っ張ってもらう必要があります。そうなると当然後ろの歯にもブラケットを付ける必要があります。

後ろの歯から前の歯を引っ張れば、後ろの歯も反作用で動きます。上の奥歯が動くと下の奥歯との噛み合わせが変わってしまいます。

そうなると下にもブラケット装置を付ける必要が出てきます。

というように出っ歯さんで前歯を退げるためには、抜歯部位付近や気になる前歯の部分だけで話が収まらないため、全体矯正が必要になります。

 

この患者さんのように、はみ出ている前歯1本の横幅は6mmほどですから、このスペースを使って前歯の凸凹を(前歯をさらに前に出すことなく)一列に出来ます。

装置は下の前歯6本ほどに付くだけですから、奥歯の噛み合わせを変えてしまうことにもなりません。

前歯の問題を前歯だけで解決できるため、その範囲で行う抜歯も適応となるのです。

 

ただしこれを行うにあたってはいくつか注意点があります。

それは、

①上の前歯が4本に対し下の前歯が3本になるため、上の歯列の真ん中と下の歯列の真ん中は一致しない

②今回の抜歯部位が、初めから全体矯正をしようとした場合なら抜歯部位にはなっていない可能性があること

などが挙げられるでしょう。

 

①についてはもともとが一致していないかもしれませんので、注意点とはならないこともあります。患者さんも気にならないことがほとんどです。

大事なのは②です。

この方がもし口元をスッとさせたいことが主訴だとしたら、解決方法は上下左右の小臼歯を4本抜く全体矯正となるでしょう。

ですから、前歯の問題を前歯だけで片付けようと思うと候補に挙がる『前歯1本の抜歯』ですが、前歯の問題を全体から解決しようと思った場合には抜歯部位の候補には挙がらないことになるのです。

これは将来矯正治療をするかもしれない場合に、その際の治療方法がややイレギュラーな感じになることを意味しますが、仮にそうなったとしても『”治療上”どうにもならないほどの問題』というわけではないです。退げたい前歯も十分退げられます。

ただ抜いた前歯は帰ってきませんから、キレイに上4本、下4本の前歯を揃えたい(と将来的に思うかもしれない)と思う場合は、前歯を抜く部分矯正は患者さんの側として適応にはならないでしょう。

 

抜歯を伴う治療も部分矯正でできる範囲のものはありますが、今後を見据えた理解の上で行うことが必要ということですね。

 

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8月1日(火

『矯正治療での抜歯、その歯が選ばれる理由は?~前編

 

いよいよ8月です。そして今年も後半(?)に差し掛かりました。でも夏真っ盛りです。

 

さて矯正治療では治療に伴い歯を抜くことがあります。

もちろん抜かずに治せればそれが一番ベストではありますが、『抜かないで治す』ことが何よりも優先されてしまうと、

『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』

のどれかが達成できなくなることもあるからです。

抜かずに一列になったけれど、治療前より口元が出てモコッとしてしまった、、、となっては好ましくない場合もあります。

 

抜歯を伴う矯正治療の場合一番多く抜歯の適応になる歯は、

『第1小臼歯』いわゆる『4番』

と呼ばれる歯です。(上下の区別、親知らずは除きます。)

 

次に多いのが

『第2小臼歯』『5番』

と呼ばれる歯です。

 

4を抜いた場合、抜いた後のスペースが犬歯のすぐ後ろに出来ますから八重歯や前歯の凸凹が治りやすく、また出っ歯さんの場合前歯を引っ込めやすいことにもなります。

5を抜いた場合は、前歯の問題から遠いところにスペースが出来ることになる一方で、今度はスペースのすぐ後ろには第1大臼歯がいます。前歯の凸凹を治すかたわら、奥歯にもズレがあって大臼歯を前に移動させたい場合などはこの5番が抜かれたりします。

その他細かい選定要素はあると思いますが、4番5番の抜歯の優先度は主としてこのように決まります。

ただ根底として上記の基準はあるものの、アンカースクリューも全盛である現在、4番か5番かの選択は自由度が高まっています。

 

そして4番5番に限ったことではないのですが、『とある要素』によって『抜く歯がその歯に決まる』優先度が一気に高くなることがあります。

それは、通常ならこの歯を抜くという歯、以外の歯に

『虫歯』

『失活歯(神経を取ってしまっている歯)、根っこに病気のある歯』

『外傷歯』

などの問題がある場合です。

 

例えば前歯に凸凹がたくさんあって、その近くにスペースが出来れば凸凹も治しやすい場合、上のように4番抜歯が選択されます。

でもこのとき5番に大きな虫歯(もし治そうとしたら銀の被せになる)や、あるいは5番がすでに神経のない歯(しかも根っこに病巣がある、、、)であったとしたらどうでしょう。

健康な4番を抜いて不健康な5番を残すのか、という問題になります。治療で改善しやすいのは確かに4番を抜いた場合ですが、それで口の中に残るのが今後『もち』が良くないかもしれない5番、、、

 

このとき出てくるのが、

『どの道抜くのであれば、健康な歯は残してどうせなら調子の悪い歯を抜こう』

という考え方です。

上記の例で4番でなく5番を抜けば、矯正治療で抜く目的も得られる一方で、虫歯や根っこの病気もなくなる上、残った歯は健康な歯、ということになります。

 

なのですべてこの考え方が適用できればいいのですが、上記の

『どの道抜くのであれば~悪い歯を抜こう』という考え方には、

『代りがきくのであれば』

という※注がつきます。

 

またまた上の例でいえば、抜くのが4番でなくて5番であっても、4番と5番は形態が似ている、大きさもほぼ同じ、役割も似ている、位置も近い、という理由で『代りがきき』ます。
4でなく5を抜くことで生じる矯正治療上の不都合な点は、アンカースクリューで補うことが出来ます。

 

なので代りがきけば、抜くのは矯正治療上の第一選択の歯でなくてもいいんです。では代りがあまりきかない、さらには全くきかない場合はどうなるでしょう?

 

ということで後編に続きます。

 

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7月27日(木

『『学会』の種類についてのお問合せ

 

梅雨も終わってようやく夏らしい日々が続くと思いきや、スカッとした青空ではなくなんとなくジメジメした日が続いています。本来この時期に列島上空にあるはずの高気圧が今年はないのだとか。

 

さて同じようなお問合せや、症例として似たような初診相談が何故か同時期に続く例はこれまでに何回かありましたが、今回もその例です。

今回は初診相談にてとある患者さんからの質問と、その数日前に別の方からあったメール相談での質問内容が同じだったというものです。

中身に細かい違いはあるものの、要約すると、

『矯正歯科には色々な種類の学会があるようですが、その先生がどの学会に所属していたら安心して治療を受けられますか?』

という内容でした。

 

矯正歯科には確かにたくさんの学会があります。

矯正歯科治療の全般をカバーしている学会
→日本矯正歯科学会

専門開業医によって構成されている学会
→日本臨床矯正歯科医会

患者の対象年齢によって区分されている学会
→日本成人矯正歯科学会など

装置の種類によって区分されている学会・研究会
→日本舌側矯正歯科学会、日本アライナー矯正歯科研究会など

地方学会
→東京矯正歯科学会といった日本矯正歯科学会の地方学会など

 

などこれだけでも多数の学会や研究会があります。大小規模も様々ですし、上記以外にもたくさんあると思います。

それぞれの医院さんの院長プロフィールの”所属学会欄”には、その先生が所属している大小すべての学会が列挙されていますからそれを見た患者さんがやや混乱されるのもうなずけます。

 

日本臨床矯正歯科医会などは例外で入会自体に厳しい審査、基準のある学会もありますが、多くの学会は入会して会員になるだけなら比較的難なくなれてしまいます。学会も運営にあたっての年会費が欲しいですからね。

なので単にその学会会員ということだけでなく、学会の認定医、指導医、専門医といった症例審査をクリアしたうえでなれる学会認定の資格までを保持しているか、というところまでを確認する必要があるでしょう。

もちろんこのような認定資格を持っていなくても治療が上手な先生方はたくさんいらっしゃるでしょう。僕もそのような先生方は何名か存じ上げています。でも患者さんがその先生を見つけ出すのは至難の業です。

日本の矯正歯科団体で一番会員数が多くメジャーな団体が日本矯正歯科学会ということになりますし、所有している先生のほとんどはそれをホームページなどに掲載していますから、この学会での認定医以上の資格というのは受診の際の目安にはなると思われます。

 

話はかわりますが、『インビザライン認定ドクター』という表記もよく見受けられます。
ある歯科医師がインビザラインを治療として提供したいと思った際にはインビザライン社が規定する『導入コース』というセミナーを受講しなければいけません。
逆に言うとこの導入コースという一日のセミナーを受講すれば誰でも『インビザライン認定ドクター』としてインビザライン治療を提供できるため、これは治療の上手い下手をあらわすものとは異なります。

 

今回立て続けに二人の方からあった質問ですが、頻度は少ないもののこのような質問は年に何件かは必ずある質問です。言い方を変えれば、患者さんとしても矯正治療に対する専門志向が高いということになるのでしょう。

色々とややこしいところもありますが、受診時の目安にして頂ければと思います。

 

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7月20日(水

『当クリニックでの部分矯正の割合の実際

 

いよいよ夏本番ですね、毎日暑いです。

 

最近初診相談の分母が大きいことと相まって、部分矯正のお問い合わせも多いです。

にしても多いなぁ何でだろうと思っていました。というのも矯正開業医の友人に訪ねても初診相談で部分矯正希望の人はそんなにいない、とも聞くからです。

 

かねてから部分矯正のお問合せが多いことは何回かブログにも書きました。

そのためもあってか、かつて

『『裾野 部分矯正』でgoogle検索してみたらページ中ずら~っとここ(当院)の検索結果が出てきたので、部分矯正をさかんにやっているのかと思って』

という動機で来院された方もいました。時期によって検索結果の表示のされ方は違くなるようですが、確かにページ一面が当院の部分矯正についての記事で占められるという時期もあったようです。

 

それらを読み返してみると、どれも似たような内容であることにまず驚きます(笑)。どれも、

・部分矯正には適応症がありますよ

・一列は達成できるけど、歯は後ろには引っ込みませんよ

みたいなことが何回も書かれています(笑)。

 

なので部分矯正はいいですよ!というように重点を置いてやっているわけでは必ずしもないんですが、上記の理由で確かにそう見えるのだと思います。

そのあたりが部分矯正の相談が多い理由かなとも思うわけです。

 

じゃあ実際当院で部分矯正をしている患者さんの割合はどれくらいだろう?とざっと数えてみると、全体の6%ほどでした。

これは部分矯正希望で初診相談に来られる方の割合からすればだいぶ低い数値です。結構な差です。

この差は、

『患者さんのなりたい結果が部分矯正では得られない』とお話しした際に、

・(少なくとも当院における)部分矯正を見送る

・全体矯正をすることに考えを変える

ために生じることになると思われます。

 

部分矯正で一番多いご希望は、

『前歯の凸凹を治したい』

次に多いのは、

『前歯の傾斜を治したい、前歯を引っ込めたい』

です。

 

凸凹はどの程度でも単に一列にすることはできますが、凸凹の量が多いほど歯は前に出ます。一列になるけど出っ歯になります。

歯の重なり・凸凹の量が2~3mm未満ほどであれば、IPRという方法を併用し歯を前に出さずに(治療前のラインで)一列にすることが可能です。でも3~4mm以上の重なりがある場合、部分矯正では歯が前に出ます。

ですから『前歯の凸凹を治したい』方でも程度が後者の方は、説明後部分矯正を選択することはほとんどありません。

『前歯を引っ込めたい』方は部分矯正の適応には大抵の場合ならないため、部分矯正をすることにはなりません。

 

という風に分析をすると、大きな『差』が生まれるのも頷けます。この差は患者さんが部分矯正でなりたい理想と現実とのギャップとも言えるでしょう。

 

後半はまたいつもと同じようなことを書いてしまいました(笑)。

 

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7月16日(日

『叶えてあげるのが難しい願い、、、

 

今年は、梅雨らしい気候にあまりなることなく梅雨が終わろうとしています(裾野では)。あと一週間くらいのうちに梅雨らしくなるのでしょうか。

 

さてもうすぐ夏休みということもあり、初診相談の患者さんが多く来院されています。学生さんが圧倒的に多いと思いきや社会人の方も多いです。

 

みなさん矯正治療をしてキレイな歯並びになりたいと思って矯正治療を開始しますが、矯正治療のもどかしいところは、結果がすぐには得られない、という点です。

この『すぐ』を阻むのは、

時間(期間)

費用

手間(通院や装置の煩わしさなど)

という感じになるでしょう。

 

先日の初診相談の患者さんは、とにかく『早く』キレイになりたい、という要望がありました。

20代の女性で、今回当院が初めての矯正相談です。凸凹と口元の突出が主訴ですから、治療方法は全体矯正でおそらく抜歯が必要になるでしょう。期間も2年ほどはかかりそうです。

ただ患者さんもインターネットなどで詳しく調べて来ていたようで、上記旨を伝えたところ別段驚いた様子はなかったものの、『やっぱり、、、』とむしろ落胆した様子。

 

『通院は月に1回で期間は2年ほどなので、来院は20〜30回ほどです』

『・・・・・・その回数通えば終われるんですね』

『そうです』

『じゃあ1週間に1回頑張って通院すれば、、、、、、半年くらいで終わりますか?』

『・・・・・・終わらないです』

 

患者さんの早くキレイになりたいというのは切実なんだなぁと考えさせられました。

真面目に答えますと、歯の移動にはサイクルがあるため、掛けた分の力で歯が動き終わるのがちょうどひと月くらいですから、力の有効期限より前にまた新たな力を掛けても余分に歯が動くということにはならないのです。

ひと月で歯が1mmも動けばとてもよく動いているということになりますが、掛ける力の量をある大きさ以上に大きくしても、ひと月で動く距離は増えるわけでもないのです。むしろ動きが遅くなってしまうこともあるくらいです。

なので来院間隔を詰めても早くキレイになることはあまり望めません。

 

歯の動きやすさの個人差や症例としての複雑さなどもありますが、やはり1年半(それこそ症例によっては1年ほどの場合もありますが)くらいというのが期間としては『短い』限度ではないでしょうか。

機械ではなく人体のことですから、スピードよりも安全面が優先されたりすることも当然ありますしね。

 

矯正治療は材料や技術の進歩もあって、近年では前述の『期間、費用、手間』のどれもが抑えられてきています。

それでもやっぱり、そのどれもがそれなりにかかってしまうのは避けられないのが現状です。

 

患者さんがそのあたりと上手に付き合っていけるように、医院としても常にベストの治療や対応をしていきたいと感じた初診相談でした。

 

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7月6日(木

『母と娘で感じ方の異なる矯正治療の必要性

 

先月末ほどに初診相談に来院した女子中学生。

八重歯と出っ歯を含む歯並びで、口元の突出も見られます。お母さん曰く、

『私が歯並びで本当に苦労したんです。この子も私と同じ歯並びで、きっとこの先苦労することもあると思うので矯正治療をしてもらいたいんです。』

 

お母さんの歯並びをまじまじと見たわけではありませんが、確かに口元の印象はそっくりです。

さらにお母さんは続けます。

『私も高校生の時に歯列矯正をしたいと思ったんですが、当時の銀ギラの装置を何年も付けたままでいるとか、歯を抜くとかが嫌でしなかったんですよね、、、そのあともしたいと思ったことは何回かあったんですが、その時に限ってタイミングが悪くて、、、』

さらに続けます。

『あの時本当にやっておく必要があったなと思って。』

 

この患者さんの歯並びを一列にしかも口元までスッと後退させるとなると、通法通りの上下左右の小臼歯の4本抜歯を伴うマルチブラケット治療が必要になると思われます。

詳しい検査をしていない段階といえど、抜歯をしないとなかなか難しいだろう凸凹や出っ歯さんの程度であると見込まれます。

 

ここまでほぼお母さんのお話だけでしたので、患者さん本人の話ももちろん聞いてみるわけです。

ー○○さんは歯並びのどの辺が気になる?

『あまり気になるところはないです。』

ー凸凹とか、お母さんの言ってる口元の感じとかも?

『はい。』

 

するとお母さん、

『この子、そうなんですよ。こんな風に言うんですよ。先生からも治療が必要って言ってやってください。』

 

患者さんのお話を聞くと、装置が特別いやなわけででもないようです。さらには、ご自分の歯並びの状態だとそれを一列にかつ口元もスッとするには、抜歯もいたしかたないんだなというのも理解してもらえているようです。

ただ患者さん本人の考えにあるのが、

『気になってないから治したいとも思わない。なんで矯正しなきゃいけないの。』

ですから、そもそものところにその理由があるわけです。

 

患者さんが自分自身に『こうなりたい!』という希望がないと『矯正治療したい(必要だ)!』とはなかなかなりません。

矯正治療を始める方の大部分はこれを持っていますから、『こうなりたい』→『必要だ』と考えて治療を始めることになります。

 

一方で、『こうなりたくないから』という希望が治療の必要性になる場合もあります。
ただこれは患者さん本人がその可能性に気づけないこともしばしばです。
例えば、矯正治療を今しなかった場合に起こる良くない変化はなかなかご自分では予想がつきにくいからです。

なのでしなかった場合の予想される変化を専門的な立場から経験を踏まえてお話はしますが、『~したい』に比べモチベーションとしては大分弱いですから、このお話をしたからと言って患者さんは治療の必要性を感じるとは限りません。

 

この患者さんの場合、前者の『したい』ではない以上、後者の『しなかった場合どうなるか』をお話しすることになるわけです。

ここで先ほどのお母さんの話が出てきます。

このお母さんの話と照らし合わせ、今、中学生のうちに治療を開始するメリットってなんでしょう。

矯正治療は年単位の治療です。時間もかかれば費用もかかります。今後いつか『治療をしたい!歯並びをキレイにしたい!』と思う時期が来るかもしれません。でも今度はその時期がすんなりと矯正治療に入っていけるタイミングとは限りません。

お母さんの『タイミングが悪くて、、、』というのがきっとこれに当てはまります。

これから、大学(転居)、就職、社会人、結婚、出産、育児、、、といった人生の中のイベントを経験すると思いますが、年単位でしかもお金のかかる治療ですから、したいと思った時にいつでも治療ができないことだってあるのです。

育児にひと段落ついた方が『ずっと気になっていた歯並びをやっと治せる』と言って受診されるケースも決してめずらしくないですからね。

 

しなかったらどうなる、はいろいろな観点からお話しできるんですが、今回は上のような観点から過去の似たような相談例を交えてお話ししました。

今中学生なら時間も(出してもらえるという意味で)お金もあるわけですから、タイミングとしては向いている時期と言えます。

ただタイミングはいいとしても中学生・高校生ほど多感な時代もありませんから、その時期に見えてしまうブラケットをつけるというのはなかなかの抵抗なんでしょうね。

 

やりたくないときにやっても特に矯正治療の場合、良い結果になる可能性を下げてしまいますから、

必要条件が、

『したいと思った時』

であることには変わりはないんですけれどね。

 

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7月1日(土

『最近また需要の多いハーフリンガル

 

いよいよ7月です。ということで1年の半分が早くも終わってしまいました。お正月から今までがあっという間でしたから、これから年末までもあっという間なんでしょうね。

 

さてここ最近ハーフリンガルでのブラケット治療をご希望される方が多いです。以前にもそのような時期がありましたから、なにか周期的なものがあるのでしょうか。

それはさておき、裏側からのマルチブラケット治療を希望される方の一番の理由はやはり、

『装置が見えないから』

です。裏からやる理由でこれに勝るものはないでしょう。

 

絶対少しでも装置が見えたら嫌、という場合は上下ともに裏からの治療(フルリンガル)がそのご希望に応えられる方法ということになるでしょう。

一方で、大きく口を開けて笑えば別ですが、会話中の『にこっ』くらいの笑顔の場合、普通下の前歯は下唇に隠されて見えません。

ですから裏に付けるのは上だけで、下の装置は歯の表側に付けても『見えにくい』ということになるわけです。

 

でも、

『見えにくい』VS『見えない』

ならば、やはり完全に見えないほうが選ばれるはずでは?なんでハーフリンガルが選ばれるの?

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

選ばれる理由として挙げられるのがまず『費用』です。ハーフリンガルだとフルリンガルに比べ費用がやや抑えられます。

そして無視できないほど大きな理由として『違和感・痛み』があります。

下の歯列のすぐ内側には舌があります。下のリンガルブラケットは平常時でも舌と接触します(する方が多いです)し、会話ではもっと接触します。

ですからその違和感を避けようと思うと、下の装置は表に付けるという選択肢も確固たる理由として存在するわけです。

仕事柄見えないことが好ましくフルリンガルを選ばれようとする方でも、『お客さんと話す』ことが仕事内容のメインである場合は要注意といえるかもしれません。

 

下の裏側にブラケットを付けた方の中には装着後間もないうちに『外したい、やっぱり下は表にしたい』と訴える患者さんはこれまでにも何人かいらっしゃいました。でも。上の裏側にブ付けたブラケットについては、そのように訴える方はいらっしゃいません。

 

その点からも『下も裏』に付けた場合の違和感の強さは伺えます。

ただ下も裏につけてそのまま治療を継続している方のほうが圧倒的に多いですから、上記のようなお仕事で特に会話をする、、、ということでなければそこまで心配するものでもないとは思います。

 

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6月22日(木

『いままでに歯医者にかかったことがない小学生男子の初診相談

 

未だに梅雨らしい日になりませんね。そのためかジメッとした感じもせず、心地よい風が吹いて過ごしやすい毎日です。

 

さて先日、これまでに歯科を受診したことがないという小学校高学年の男子の患者さんが初診相談に来られました。

来院のきっかけは学校歯科検診にて『要注意乳歯』を指摘されたためです。乳歯の下から永久歯が生えてきているのに、まだその乳歯が残っている『その乳歯』のことを要注意乳歯と呼びます。

下から生えてくる永久歯は、この要注意乳歯を避けるように移動してしまうことがあるため、この永久歯が位置異常となってしまうことも稀ではありません。そのためこの要注意乳歯は抜歯の適応になるのです。

この患者さんはまさに要注意乳歯のため次の永久歯が位置異常を起こしかけている状態でした。

ただあくまでも『かけている』状態でしたので、これについては要注意乳歯の抜歯によって永久歯が自然に元の位置に戻ってくれるでしょう、と説明をしました。

 

ところが別のところに少し大きな問題が潜んでいました。それは、これから生えようとしている犬歯が『骨の中でのおかしな向きをむいている』という点です。

このブログでもたまに紹介していますが、犬歯は稀に生える方向を誤って、乳歯の犬歯ではなくすでに生え変わっている永久歯の前歯(中切歯や側切歯)の根っこを溶かしてしまうことがあります。

 

当院の初診相談ではパノラマレントゲン写真といって、今後生えてくる永久歯の位置がわかるレントゲンをご希望があれば撮影を行っています。『今後生えてくる、、、』情報が得られるため、これからの歯並び・噛み合わせの予想される変化のお話もしやすくなります。

初診相談に来られる小学生の患者さんの多くは撮影を希望されるため、そのあたりの『未来』のお話もさせていただいています。

ただこのパノラマレントゲン、何も矯正歯科で特有のレントゲンではありません。広く歯科で一般的なレントゲンですから、歯科にかかったことがある方なら一度は誰でも撮影するようなスクリーニング的な意味合いも持ったレントゲンです。多くがデジタル化されているため被爆量もほとんどありません。

 

今回お撮りしたこの患者さんのパノラマレントゲンの撮影結果を見てみると、骨の中の犬歯がすでに生えている永久歯の前歯2本の根っこをすでに溶かしてしまっている状態でした。
生え変わりの乳歯の根っこが溶かされてグラグラするように、この前歯2本の根っこも溶かされて、歯にもややグラグラが認められます。

虫歯になったことがこれまで一度もない、ということで歯科にかかったことが一度もなかった患者さんですが、そのためこのレントゲン自体も今回が初めてということになるわけです。

お母さんは、

『もし虫歯があれば歯科を受診していて、もっと早くこの状態がわかっていたんですかね、、、』

とおっしゃっていました。

 

確かに虫歯があれば歯科にかかっていたでしょうから、そう言えるのかもしれません。でも虫歯があれば良かったとは言えないでしょう。虫歯がない歯を保つことができているのは素晴らしいことです。

そうなると『歯科に予防的に受診する』という考えが患者さんの側に必要になるのかもしれません。

けれど、虫歯がないのに歯科を受診、、、という考えがやはりまだ世間的に浸透していないのが実情ですし、仮に虫歯がない状態で予防的に歯科を受診したとしても、その際にレントゲンまでとってもらえるのか?というところにも一つ壁があるかと思われます。

 

じゃあ歯並びで気になるところがない状態で、歯科ではなく矯正歯科を予防的に受診するか、、、というとそちらのほうにこそなかなか繋がらないかもしれません。

またもし受診したとしても初診相談でパノラマレントゲンの撮影を行わない矯正歯科の方が多いと思いますから、初診相談止まりでは『骨の中』の状態までは分からないことも多いでしょう。

となると、詳しい検査をして、診断にてより詳細な話を聞いて初めて『現状把握』が可能ということになるでしょうから、ここまでくると費用も3〜5万円ほどかかることにもなります。

でもそれはそれで初診相談だけでは得られないその分に見合う貴重な情報が患者さんには得られますから『お金がかかって損をした』ということにはならないとは思います。

詳しい検査によってもし異常が分かれば、その瞬間がその異常を把握できた一番早いタイミングということになり異常にアプローチしていくことができるわけですし、異常がなければ異常がないということを知った状態で安心して生活していけるわけですからね。

 

ただ今までに、

『歯並びで特に気になるところはないんですけど、骨の中の様子まで把握したいので、検査・診断までしてもらってもいいですか』

という主訴の患者さんは、勤務医の時代を通じても一人もいませんから、日常で何もおかしなところはない、、、とご本人やご家族が認識している段階でどこまで『予防』という考えを実践できるか、、、というのはなかなか難しいところもあるのかもしれません。

 

(※歯並びや噛み合わせが気になって来院された方でいえば、『治療をする、しないはまだ分からないがまずは現状を隅々まで把握しておきたい』、という理由で検査、診断まで進まれる方はいらっしゃいます。)

 

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6月14日(水

『平日の内容盛りだくさんな1日

 

6月も半ばです。今のところ梅雨らしい感じはないですね。こんな感じで梅雨明けまでいってくれればいいんですが、、、けれど雨が必要な方もいらっしゃいますからそうはいってもいられませんね。

 

今日は内容盛りだくさんな1日でした。

初診相談、検査、子どもの治療、成人の治療、プレート調整、マルチブラケット調整、リンガル(舌側・裏側矯正)調整

と、

平日にしては来院数も多く、その分診療内容の種類も多岐に渡った1日でした。

これに加え、診断の症例分析、矯正メーカーさんとの打ち合わせ、夜は歯科医師会の会合と診療以外にもギュッと詰まった1日でした。

 

毎月一定数の患者さんが治療開始となるため、全員が足並み揃えた治療段階にいることにはなりません。マルチブラケット治療ひとつをとっても、

装置装着したばかりの方、ワイヤーがだいぶたわんで装着されている方、ワイヤーが一列になったけど隙間のある方、終了間際の方、治療が終わった方

などその日1日の診療を切り取ってもいろいろ段階の方の治療があります。

 

診療をしていると当然のようによくあるシチュエーションですが、治療が終わりに近い方の診療を終わった直後に、装置装着(その瞬間から治療開始)の診療を行うのも、毎度ながら不思議な感覚です。

 

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6月11日(日

『拡大プレートで治療を開始した症例

 

6月も中盤、梅雨入りということもあってなんだかジメジメしてどっちつかずの天気が続いていますね。

 

さて、矯正治療には矯正装置がつきものです。

中学生以降であればほとんどの方に使用されるのが『マルチブラケット装置』です。この装置は原則的に永久歯につけて使う装置ですから、小学生の患者さんにはあまり使われない装置ということになります。

でも小学生とはいっても、全部の歯が乳歯なわけではありませんから、乳歯が混じった歯並び(混合歯列)でもすでに生え変わりの終わった永久歯に部分的にブラケット装置をつけて治療を行う、なんていうことはよくあります。

しかし小学生の患者さんでもっともよく使われる装置といえばやはり取り外し式の『プレート装置』ということになるでしょう。

 

この患者さんは『前歯のねじれ』と向かって右の『前歯の歯茎が高い』ことを主訴に来院されました。

右の中切歯と側切歯のねじれに加え、過剰歯(後ろの引っ込んだ位置にある歯)も認められます。

この過剰歯があるためにねじれや隙間ができていると考えられます。過剰歯はその名の通り余分な歯ですし、現在の不正咬合の原因でもありますから抜歯となります。

原因を取り除いたことでねじれや隙間が自然に治ってくれれば良いですが、なかなかそうはいきませんから、これらを改善するのにここから矯正装置を使った矯正治療を開始することになりました。

使った装置は拡大プレート(床拡大装置)です。

半年ほどの使用での改善です。ねじれや隙間が改善したことに加え、歯茎の高さも揃ってきました。

 

それぞれの装置には得意・不得意があります。

拡大プレート得意な点は、

・患者さんにとって使用が簡単

・歯の移動に伴う痛みが少ない(大まかにしか歯が動かないため)

・患者さん自身で取り外しができる→装置を外した状態で歯磨きができる→虫歯になりにくい

 

不得意な点は、

・取り外しができてしまうため使わない(外している時間が長いと)と治らない

・キチッとした一列な状態に歯を並べることができない

 

などが挙げられるでしょう。

 

この患者さんも拡大プレートの使用はここで一旦終わりになりますが、この患者さんはこの時点でまだ小学5年生です。

子どもの矯正治療で管理する学年は小6〜中1にかけてまで(12歳臼歯が生え終わるまで)です。今回のケースも患者さんの希望があれば子どもの矯正治療で管理できる期間のうちに、わずかに残った前歯の凸凹を治すこともできます。

ただそのためには前歯何本かにブラケット装置を装着する必要がありますから、見た目、はみがき、痛みなどの条件がクリアできれば短期間のブラケット治療に進んでも良いでしょう。期間は2〜3ヶ月です。

 

子どもの矯正治療は、上顎と下顎の骨としてのバランスを整えることを主な目的としますが、そのバランスが整いさえすれば、このケースのように細かな歯の位置に目を向けた治療も良い結果となってくれます。

 

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6月5日(月

『正中離開(上の前歯の隙間)が気になったら、、、

 

先日相談にこられた小学生の患者さんです。

上の前歯と前歯の隙間が閉じないことを主訴に来院されました。9歳の女子です。

 

上の一番前の歯2本の間に隙間があることを専門用語では『正中離開』と呼びます。この患者さんのものではありませんが、正中離開というと一般的にこの写真のようになります。

この正中離開、原因によって、

『心配しなくてもいいもの』と

『注意が必要なもの』

に分かれます。

 

○心配しなくていいもの

まず前歯は前から順に、中切歯、側切歯、そして3番目を犬歯と呼びます。

上の中切歯は6〜7歳くらいに生え始めますが、この際お互いが離れる方向に生えていきます。これにより左右の中切歯の間に隙間が生じます。

そして次に7〜8歳で側切歯が生えますが、この側切歯によって離れた中切歯が内に押されてくっつくことができます。

通常はこの段階で正中離開は閉じますから、側切歯が生え終わるまでに残っている正中離開は心配しなくていいものと捉えることができます。

 

○注意が必要なもの

逆に、側切歯が生え終わっても残っている正中離開にはなんらかの原因があると考えられます。

・側切歯が内側から生えてしまい、中切歯を押せない

・上唇小帯が太すぎて、中切歯が閉じるのを邪魔している

・中切歯の歯根の付近に過剰歯(余分な歯)がある

・顎と歯のバランスが合っていない(顎の方がだいぶ大きい場合、側切歯のサイズが小さい、側切歯がそもそも存在しない場合、など)

・下の前歯が上の前歯を突き上げるような噛み合わせになっている

 

上記原因が単独で存在している場合もあれば、複数で同時に存在している場合もあります。そしてそれらが、言葉はよくないかもしれませんが、どの程度の重症度で存在しているかということもあるので、どの原因だったら治療が必要?というのは一概には言えません。

お子さまでしたらおうちの方が目で見て気づくことのできる原因もあれば、原因究明にレントゲンなどの検査が必要な場合もあります。

ですので正中離開がいつまでも残っているような場合は、まずはかかりつけの歯科医院で相談してみるのが良いでしょう。

 

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6月1日(木

『部分矯正は裏側からでもできる?

 

いよいよ6月です。早いですね。

 

部分矯正は期間や費用、歯に装置を付ける範囲(本数)などが縮小される治療方法です。ですが、希望される方の多くは前歯の並びを改善したい方たちですから、短い期間や限定された装置の本数であっても、

『目立たない』あるいは『見えないほうがいい』

と考えられるようです。

 

そのような考えが患者さんにある場合、たいては患者さんのほうから『部分矯正でも裏側からできますか?』と質問があります。

 

詳しくは割愛しますが、

全体矯正の場合では基本的にはどの症例にも裏側からのアプローチは可能です。(不向きな症例はあります。)

しかし部分矯正となると話はやや変わってきます。部分でしかブラケットを付けない場合、裏側で行ってもいい症例とそうでない症例とに分かれるのです。

これは『部分矯正自体が適応か不適応か』とはまた違う話です。

この点については初診相談の際に判断することが出来るため、裏側から部分矯正をご希望の方にはその可、不可も含めてお話しています。

 

治療期間が短いのも部分矯正の魅力です。ただ患者さんのお話を聞いていると、正確には『早く始めて早く終わりたい』というのが実際のところだと気づかされます。

つまり、いつに何があるから、ここまでに治療を終わりたいという希望があるのです。

この場合は裏側からの治療はやや不向きです。よく言われる表現ですが、裏側からのブラケット装置はその患者さんの歯の形態にあわせて作られた『オーダーメイド装置』になります。

表側のブラケット装置のように、歯と接着剤があればその時点で装置を付けられるというものではありません。

そのオーダーメイド装置が出来上がるまでに、その型採りなどの準備期間もあわせると2か月ほど時間がかかります。なのでこれは表側でスタートする場合と比べ、治療開始が2か月ほど先になることを意味します。

このような『期間』も部分矯正を裏からするのか表からするのかの患者さん側としての大事な要素になるでしょう。

 

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5月27日(土

『矯正治療中のセカンドオピニオン~転院との関連

 

先日の初診相談の患者さんです。

元々は遠方より転居されてきた方で、患者さんは小学生の女子です。現在一般の歯科医院にて矯正治療を継続中とのことでした。

当院の初診相談には、現在と今後の治療について他の先生の意見も聞きたいということで来院されました。

 

患者さんの歯並びの特徴的な点として、下顎の2本の先天欠損(生まれつき永久歯がない)が挙げられます。

自分の子どもに永久歯がもともと2本ない、保護者の方は初めて聞くとびっくりされる方も多いです。

しかし実は下あごの側切歯や第二小臼歯といった永久歯は、左右どちらか1本または左右2本ともがもともとない、ということが起こりやすい歯とされており、歯科医師からすればめずらしいことではありません。

その場合の矯正治療としても、対応するパターンは何通りかあり『決まった対応法・治療法』というものが存在します。

ですので、お子さんの永久歯が少ないと分かっても慌てる必要はありません。

 

この患者さんも転居前の担当医から下の永久歯が2本足りないというお話は聞いていたとのことでした。

 

本数が少ない場合での矯正治療には決まった対応法があります。下の歯が2本ない場合の例を挙げますと、

上の歯列が2本足りない場合に比べ、下の歯列が2本足りない場合はやや対応が複雑になります。下の歯が2本足りない場合は、上下で歯の本数を合わせることが必要です。

つまり、下の歯が2本足りない場合は、

・下の歯列に2本分の歯を足すか(1本分の歯を足すという方法もあるにはあります)

・上の歯列から2本歯を引くか

ということが必要になります。

 

このような2本分のスペースを作る、あるいは2本減らす治療の仕上げは中学生以降のマルチブラケット治療で行うことになりますから、小学生で下の歯が2本足りないことが分かった場合の矯正治療は、中学生以降で行うどちらか二つの方法を見据えたものでなければなりません。

 

なんでもそうだとは思いますが、こういう目的・ゴールがあるから今何をするかが決まってくるものです。

こういうゴールを目指すなら今これをする必要はないし、あっちのゴールを目指すなら今からこれをしておかないといけないし、あるいは後々どちらも目指せるように今はこれをここまでするにとどめておく、といったようなゴールから逆算した今のアプローチが必要です。

そしてなによりも、立てたゴールと今のアプローチについて歯科医師と患者さんの双方に共通の理解や認識が共有されていなければなりません。

 

今回患者さんとお話しし、前医や現医とこの『共有』の部分がされていないことが分かりました。

当然矯正治療は何かしらの計画のもとで進められているはずですから、患者さんに今がどこに向かっているどのような治療なのかを現歯科医院に尋ねてみることを勧めました。

 

昔学生の頃、部活で外周(学校の敷地の周り)をよく走らされました。この外周(外周は単に敷地のことですが、当時は外周を走ることを意味してました)、距離が長いのでとても疲れるんです。

『外周5周』と言われれば、目標も決まって、走り終わるまでのペース配分も考えながら走ることが出来ます。

でもたまに『とりあえず外周』と言われることもありました。走っている最中は何週走ればいいか分からないので、なにやら絶望的な気分になるし、ペース配分も決まりません。

やはりどこに向かっているかが分からないと、不安にもなるし今がどうしたらいいかわからなくなってしまいます。

 

たびたび書いていますが、やはり治療目標の共有が大事だと実感した初診相談でした。

 

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5月25日(木

『土曜・日曜のご予約変更には注意してください

 

最近暑い日はだいぶ暑いですね。夜も寝付くころはまだ蒸し暑かったりしますが、夜中や明け方が冷え込んだりするので布団のコントロールが難しいです。

 

矯正治療の来院間隔はおよそひと月です。ですので診療終了後、患者さんが次回の予約を取られる際、それが土曜日曜であっても『全く取れない』ということはあまりありません。

しかし、予約していた診療日近くでのご予約変更にはご注意ください。

 

土曜日曜に来院される方の多くは、平日に来院されることはほとんどなく、ほぼ毎回土曜日曜で来院されます。

ご予約変更を次の週、あるいは次の次の週の土曜日曜でご希望される場合、すでにご予約の枠が埋まってしまっている場合があります。

特にブラケット装置を装着する、矯正用スクリューを埋入するといった診療時間が長めの処置を予定されている場合には要注意です。

 

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5月19日(金

『もう特別なことではない矯正用アンカースクリューの埋入

 

『矯正治療では歯茎に小さいねじを植えることがあります。』

なんていうとびっくりされる方がほとんどでしょう。

でも現在の矯正歯科治療、とくにマルチブラケット治療ではこの『歯科矯正用アンカースクリュー』と呼ばれる直径1.5mmほど、長さ6mmほどの小さいねじを併用することがごくごく一般的になっています。

その理由として、このネジを使用することにより、

・治療のメカニズムが簡単になる(複雑にならなくて済む)

・効果が確実になる

・なので結局は患者さんの負担が減る

から、ということが挙げられます。

 

当院でも毎週行っているこの処置、おそらく僕自身も数百本を超える本数埋入してきていますが、個々の患者さんにとってはほとんどが『初めて受ける処置』です。

歯茎にネジが埋まるというイメージの悪さ、その話自体が初耳、初見であることなどから、歯を抜くというお話より驚かれる患者さんもいます。

 

まだ今週と来週にも埋入が、来週には診断でスクリューの話になる患者さんも何人かいますから、ここだけでも『よくある処置』であることはお分かりいただけると思います。

ブラケットを装着する前に装着した初めての装置がスクリューだ、という患者さんもまれではありません。

それだけ全国的(全世界的)に普及している処置ですから、インターネットを見ると検索ヒット数もさることながら、ちょっと恐いことを書いてある記事も見かけてしまいます。

 

当院ではスクリューを埋入するすべての患者さんにはCTを撮影し、埋入にもっとも適切で安全な部位を検討したのちに施術を行っています。

 

安心してこの『効果の高い』治療を受けていただきたいと思います。

 

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5月17日(木

『子どもでは下あごが成長することで出っ歯が治ります

 

昨年の夏に出っ歯であることを主訴に当院に来院した男子です。

詳しい検査の結果ら、出っ歯の原因は、

・下あごが後退している(ために相対的に上あごが出ているかたちになっている)

・上の前歯が出ている

ことであると分かりました。

 

この患者さんのお母さんも同じような骨格をしていますから、遺伝的な出っ歯(の骨格)であるかもしれません。

オーバージェット(上の前歯と下の前歯が前後的に離れている距離)は10mmほどありますから、この患者さんがもし中学生以降の年齢であれば、上の歯を抜いて、抜いたスペースに前歯を後退させていきましょう、、、という治療方針になっているかと思われます。

10mmの出っ歯さんというのは実は相当です。

 

この患者さんは当時4年生です。身長の伸びがこれからであるのと同じく、下あごの成長もまだまだこれからピークを迎えていきます。

下あごの成長が旺盛な時期にその成長を手助けすることができれば、この10mmというオーバージェットが適正な値(2mmほど)まで減少することも難しい話ではありません。

幸いにも分析結果は、この患者さんの下あごが前方に成長しやすいタイプであることを示していました。

 

以上から、下あごの前方成長を助ける『機能的矯正装置』と呼ばれる装置を使用し、治療を進めていくこととなりました。

この装置は上でも触れていますが、本来その方が持っている成長力を引き延ばす装置になります。具体的な数値では言えませんが、成長期であれば、上記の相当量のオーバージェットが適正値にまで減少することも珍しいことではありません。

つまり成長期では相当量の出っ歯さんでも『歯を抜かずに治る』可能性が存在しています。

 

一方で成長期の終わった患者さん、中学生以降の患者さんではどうでしょう。

下あごの成長はもうほとんどありません。つまり、大きなオーバージェットは下あごの成長では小さくなってくれません。

そうなると方法は限られます。下の前歯が前に行ってくれないのであれば、上の前歯を後ろに後退させる必要が出てきます。

後退させる方法となると、どれだけの量後退させるかにもよりますが、『抜歯』もその方法の一つです。

顎の成長がないから=即抜歯、では必ずしもありませんが採用される手段の確率は高くなってくるのです。

 

この患者さんですが、半年間の『機能的矯正装置』の使用により、オーバジェットが適正な値まで減少してくれました。もう出っ歯さんの面影はありません。

ただこの装置の特徴上、前に出た下あごがまた後方に戻ってしまわないか、今後観察していく必要はあります。

 

抜歯をしない治療が『絶対的に良い治療』というわけではありません。小学生の患者さんでも無理に非抜歯を目指すよりは、成長の終わる中学生まで治療を待って中学生になってから抜歯して治療、という判断が望ましい場合もあります。

その治療方法によって、

『歯並びが一列になるか』

『ちゃんとした噛み合わせになるか』

『スッとした口元になるか』

の点から判断することが大事です。

 

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5月9日(火

『出っ歯や凸凹、八重歯はどこから来る?~部分矯正との関連』

 

部分矯正のご相談が多いことはこれまでにも何回か触れました。部分矯正では全体矯正に比べて適応症の幅が狭くなるのも前述のとおりです。

では部分矯正で何がどこまで治るんだろう?というのを『症例』の側から考えてみたいと思います。

 

〇部分矯正では、歯並び・噛み合わせの根本解決は難しい

 

部分矯正を希望されて来院される方の状態は大きく2つに分けられます。

気になる部分(主訴)の原因・根本が→

全体の噛み合わせにある場合①と、

気になる部分のみにある場合②です。

 

②の場合、他に問題がない、つまり他の部位が原因で気になる部分を気になる部分にさせてしまっているのではない、ということになります。

その場合気になる部分だけを治すことはおそらく出来るでしょう(部分矯正の適応)し、部分矯正をしてもよい仕上がりにもなるでしょう。

もしかしたら歯並び・噛み合わせの根本解決にもなってしまうかもしれません。

 

一方で①の場合は、気になる部分の原因がどこか別のところにあります。

例えば上の前歯の凸凹が気になるところだとしましょう。原因を探ってみると『上の奥歯』にあることが分かりました。奥歯が前にずれてきてしまっているために、前歯が一列に並ぶスペースが奪われてしまい、結果前歯が凸凹にしか並べなくなってしまった、、、というわけです。

この場合でも前歯の凸凹が軽度(正式には奥歯の前方へのズレが軽度)であれば部分矯正の適応になります。

ただ、前歯の原因が元をたどれば後ろ(つまりは噛み合わせ全体)にあるわけですから、部分矯正で前歯が一列になっても『根本がずれている前提で一列になった前歯』という状態になっているでしょう。

 

相談に来られる方はこの①の場合である方が圧倒的に多いです。

気になる前歯の原因が噛み合わせ全体にあります。

噛み合わせ全体のズレが軽度であれば、仕上がりも比較的良い状態になり部分矯正の適応にもなるでしょう。

一方で全体のズレが大きい場合、部分矯正は出来ることは出来ても好ましくない結果になることも大いに予想されます。一列にはなるけど前歯が大きく前に出てしまう・・・

難しいところです。

 

『何よりも凸凹が嫌!前歯が出てもいいから凸凹を治したい!』という方もいらっしゃいます。

もちろん全てを解決できる全体矯正を患者さんが選択されれば問題は一気に解決です。凸凹も治るし前歯も出ません。

ですので、部分矯正をご希望の方でも全員に『根本の解決は全体矯正』である旨を説明しています。その上で、部分矯正をご希望の方は様々な理由で部分矯正をご希望ですから、

無下に『全体矯正じゃないとダメですよ』という説明にならないよう、

部分矯正のメリット、デメリット(こちらが大切です)をしっかり説明した上で、患者さんがご自身で判断できる材料がある状態になっていただいた上で、ご本人にしっかり考えていただくようにしています。

もちろん適応症であると判断された場合にのみ上記のお話をします。適応症ではないと判断された場合は、部分矯正は出来ませんとお伝えすることももちろんあります。

 

びっくりされる方も多いですが、前歯の原因が奥歯や噛み合わせ全体にある、写真を見ながら説明をすると『なるほど』と言っていただける方がほとんどです。

そこからご自分にあった治療方法を考えるきっかけにしていただきたいと思っています。

 

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5月6日(土

『子どもの矯正治療のゴール』

 

世間のゴールデンウィークも残すところあとわずかとなりましたね。当院では本日よりゴールデンウィーク明けの診療を開始しております。

 

さて連休前の初診相談ですが、このような方が来院されました。

小学校5年生の女子ですが、お住まい近くのかかりつけ歯科医院にて、

『まだ治療を始めなくていいから、中学生になったらでいいのでは。』

との説明を受けた方です。

なぜ中学生か?の理由は特に聞かなかったそうです。

お父さま、お母さま、ご本人での来院でした。

 

歯並び・噛み合わせの状態としては、重度の凸凹で、萌出間近の犬歯のスペースが丸々1本分足りないという状況が、上下左右4本の犬歯(が生えるはず)の部分で認められました。

口元もやや突出しています。

特筆すべきところとして、上顎の側切歯が舌側に転位しているため萌出時中切歯を押すことが出来ず、そこそこ大きな正中離開が認められるという点がありました。

 

叢生量もなかなかで口元の突出も認められる、しかももう5年生、、、

詳しい検査前ですので確定ではないにしても、準備矯正(子どもの矯正)で拡大やらヘッドギアをしてもとても一列にはなりそうもないし、何より今よりもさらに口元が出てしまうという予想もつきます。

撮影したパノラマX線の結果からも、今は生えるだけ生やしてすべての歯が永久歯に生えかわったら、小臼歯を4本抜いてマルチブラケット治療、という流れが考えられる旨を説明しました。

恐らく前医の『中学生になってから』というのもそれを指していたのでは?と付け加えました。

 

これについてはご両親にも別の治療例などをご覧いただいたりして、なぜ今しないのか・あとでするのかなどをご理解いただけました。

一方でお父さまには一点気になるところがありました。

それは『正中離開』です。

 

笑った時に特に目立つ正中離開だけでも今は治してあげたい、と強く望まれていました。

この正中離開を治す(閉じる)からといって、中学生以降の治療が必要なくなるわけでは全くありません。

なので、今それをすることで確かに正中の隙間は閉じますが、中学生以降では全体的な治療を再度することになるため、今と後でで治療は2度に渡ってしまうことになります。

 

治療は2度になるが、中学生までの2年間前歯の隙間は閉じている

治療は一度で済むが、中学生までの2年間前歯の隙間が開いている

 

ということを考えた時にお父さまは前者を選びたいと思われたのでしょう。

 

前医も恐らく、治療が2度に渡ってしまうことになる患者さんの通院や期間的な負担を案じて、

『中学生以降(からスタートしてその1度で終了となる)』

を説明したのだと思われます。(通院や期間的な負担と書いたのは、上記のような治療パターンの場合、子どもの治療から始めても、中学生以降で始めても、治療費用は変わらない医院がほとんどだからです。)

 

子どもの治療で隙間を閉じるということのみをする、でもこれは根本の歯並びや噛み合わせの治療にはなっていないため、そこへのアプローチは中学生以降で行う。

この点を保護者のかたと矯正医との間で共有さえできていれば、前歯の隙間を閉じるということを子どもの治療で行うことにも大きな意義が見いだせるのだと思います。

 

患者さんの考え方は決して一様ではありません。通院回数や期間が負担になる方もいれば、それは意に介するところではなく、歯並びに隙間があることのほうが心理的な負担になるという方もいらっしゃいます。

患者さんの一番の心配事は何か?その改善を一緒に考えることが大事なのだと思います。

 

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5月1日(月

『矯正治療の費用にとても驚いていた母娘』

 

5月ですね。

ゴールデンウィーク真っ只中の方もいれば、連休の合間で今日と明日は学校、仕事という方もいらっしゃるでしょう。

5月といえば一年の1/3が終わったことになりますから、時間の過ぎる速さも毎度のことながら実感しています。

 

さて矯正治療といえば自費診療で保険が効かないことはご存知の方も多いかと思います。ですので来院される方の多くは、当院のものに限らずホームページやインターネットなりで費用の確認をされています。

ですから意外かもしれませんが、相談の際に費用を説明しても『高い』とそこで初めて思われる方は実はそんなに多くありません。

とは言っても『自費診療』と知っていて、調べてこられるからその場では『高い』と思わないというだけで、矯正治療自体はやはり『高額』な費用という位置付けとなっているでしょう。

 

ここで先日の相談の方です。お母さまと高校生女子の患者さんでのご来院でした。

費用の説明の際、患者さまから出た言葉は、

『こんなに安いんですか?!』

です。

僕にとっても初めてのパターンでしたので、僕も少し驚いちゃいました。

 

当院の治療費用は矯正治療の相場からすれば決して高くはありませんが、ことさら安く設定しているわけでもないため、患者さんから上記のお言葉が出るとは思ってもいなかったからです。

なのでなぜそう思われたのかを聞いてみると、お母さまのお友達が矯正治療をされて、

『矯正治療費用が200万円ほどかかった』

とお話を聞いていたため、治療費用はそのくらいと思っていたとの背景があったようでした。

 

通常ですと矯正治療費用に200万円はかかりません。

患者さんのお話からするとおそらく、そのお友達の方は裏側からの矯正治療と併せてインプラントや被せ(恐らく白いセラミックなど)の治療をされたのだと予想がついたため、『計200万円ではないでしょうか?』との解釈を説明しました。

それでもなお『安さ』に疑問を持たれていました。それはそうでしょう。200万円かかると考えていた治療費が70万円ほどになったわけですから、、、。

 

インターネットなどで他院での費用や一般的な相場などを検索されていないとのことでしたので、患者さんにはそれらや他矯正歯科の受診を勧めました。

 

矯正治療の費用だけに限りませんが、『最初に見聞きした情報』のその方への専有度は計り知れないなと思わされた初診相談でした。

 

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4月26日(水

『保護者の方も無意識に?分かっている子どもの歯並びの不安定さ・流動性』

 

矯正治療が必要ですか?

この質問は初診相談でよく患者さまから尋ねられる質問の一つです。

しかしどの年代層からも均等にいただく質問というわけではありません。この質問は主として、というかほとんどですが小学生のお子さんの相談にいらした保護者の方からいただきます。

逆にその他の学年、中学生、高校生、大学生の保護者の方からはこの質問をいただくことはほとんどありません。

なぜでしょう?

 

いくつか理由はあると思います。

子どもの自主性、自分のことは自分でわかるという度合いが高まってきたことなどもその理由の一つでしょう。

これとは別の理由として、保護者の方も中学生以降の歯並びではそこまで大きな変化が起こらないということを知っている、ということも理由としてあるのではないでしょうか。

逆に言えば小学生の保護者の方は、小学生の歯並びを『変わりうる、不安定、先行きが不透明だ』というように捉えている、ということになるでしょう。

どうなるか分からないから、不安だから、治療が必要か聞きたいと思われるわけです。

 

中学生以降の歯並びはある意味完成している状態です。何もしなくて良くなることはない反面これ以上悪くなることもあまりありません。

今後変わることのない現状が目の前に存在しているため、現状を治したいなら治療が必要だし、治したいと思わないなら必要でない、つまり中学生以降で矯正歯科に来院される方は治療が必要と思っているから来院したということになるわけです。ですから当然『治療が必要ですか?』との質問も出てこないのです。

 

ただ中学生以降の方でも稀にありますのが、本人は歯並びを気にしていないので治療の必要性を感じていないけれど、学校の歯科検診で『矯正歯科を受診』の紙を渡されたから来院したという状況です。

よっぽど放っておくと良くないことが起こる場合は別ですが、そうであることも稀です。ですのでその場合は、『患者さんご本人が治療の必要性を感じたら、歯並び噛み合わせをキレイにキチンとしたいと思うようになったらまた来院してください』と説明しています。

 

小学生の場合、本人が必要と思ってなくても治療が始まることがある、のに対し

中学生以降の場合、本人が必要と思っていないなら治療は始まらない(ことが多い)

のも小学生と中学生以降では違う点でしょう。

 

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4月24日(月

『補綴(被せ)で治すか、矯正治療で治すかの再相談』

 

先日相談にいらした方が再相談に来られました。

 

かかりつけの歯科医院にて前歯の凸凹を治す方法について相談したところ、補綴による改善を勧められたという方です。

矯正治療での改善が可能かどうかを知りたく、後日当院の初診相談に訪れていました。その際、矯正治療で行った場合の方法や費用、期間などをお話しし、被せでした場合のもう少し詳しいお話を担当医から話をしてもらうように勧めて相談終了となりました。

 

今回、かかりつけの担当医のお話を聞いてみた後ということで、もう一度矯正治療の話を聞きたいということで来院されました。

 

当初前歯の補綴治療との対比で部分矯正を考えられていた患者さまでしたが、前回の初診相談のあとインターネットなどでも詳しく調べられたようで、矯正治療をするなら全体矯正にするということで考えをかえていられました。

というのも、前歯6本にセラミックの被せの治療を完了するまでにかかる全ての費用と、全体矯正の費用がほぼ同じだったということで、費用面のてんびんはつりあったようでした。

 

また歯の問題としては、矯正治療ではおそらく2本抜歯になるでしょう。被せの場合は6本削って2本は根っこの治療が必要になるとのことですので、これを両者はかりにかけてどちらが良いか?

は患者さんの最終判断になるでしょう。

 

一方でつりあわないのが期間の問題です。矯正治療では1年半~2年ほどはかかりますし、被せの場合はかかっても数か月でしょう。

 

今回の患者さんの相談目的は少し漠然としていたところもありましたが、なかなかご自分での判断がつきにくかったようです。

 

矯正よりの意見にはなってしまいますが、患者さんは20代の前半です。矯正治療を終えられても20代の半ばです。

今回虫歯や根っこの病気で仕方なく歯を削ったり根っこの治療をしたりするなら話は別ですが、これから何十年も使っていく歯の半分をわざわざ人工のものに置き換えてしまうのはどうかなぁとは思います。

半年後を見れば矯正なら治療中、被せならすでにキレイな被せが入っていることでしょう。でも3年後10年後を見た時には、当然矯正治療もとっくに終わってキレイな歯並び、全体のキチンとした噛み合わせになっています。

仕上がりは、矯正治療では2本歯が少なくなってはいますが残っている歯はすべてご自分の歯です。一方で被せの場合歯の本数は減っていませんが、前歯6本が根っこ以外は人工のものに置き換えられているわけです。

天然のものより持ちのいいものはありません。手が入るとどうしてもそこから綻びが起こりえます。

結果が短期間で欲しいのは当然のことと思います。けれど治療期間が少し長くても大事なのはその後の時間の長さです。あたりまですが、治療後の前歯と付き合う時間のほうが圧倒的に長いわけです。

ですので、いつまでにこうなっていたいという制限がとくにあるのでなければ、5年、10年先を見据えて今最適な方法を選択するということが大事だなと思います。

 

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4月20日(木

『『裏側からの矯正には向いていない』と言われて来た初診相談』

 

先日の初診相談です。

20代の女性で、主訴は前歯の凸凹(軽度の八重歯)、裏側からの矯正治療のご希望がありました。当院が3軒目の初診相談でしたが、矯正専門医院での初診相談は初めてということでした。

 

上顎のみ裏側からのいわゆる『ハーフリンガル』を希望されていて、前2軒の矯正相談では、『噛み合わせ上、裏側からの矯正に向いていない』との説明をうけたそうです。

裏側からの矯正治療でよく『向いていない』と説明を受けるものには、”深い噛み合わせ”が挙げられます。

噛み合わせが深いとカチンと噛んだ際に、下の前歯と上の裏側にある装置が当たってしまい、装置が外れたり壊れたりすることがあるからです。

ただ、『噛み合わせが深くて下の前歯と上の装置が当たる=裏側に向いていない』わけではなく、その状態にも対応できる方法はあります。

 

ところが、この患者さんの場合特に深い噛み合わせというわけでもありません。おそらく特に工夫を施さなくても上の前歯の裏側には装置は付けけられるでしょう。

むしろ裏側からの適応症ど真ん中のような気すらしてきます。

前医にてCTなどのレントゲンを撮影していて、骨がとても薄いとかそういう問題が発見された上で『向いていない』ということであれば納得ですが、レントゲン撮影などは行っていないとのこと。

特に歯周病などに罹患しているのでなければ、この年齢で骨が原因で裏側から矯正治療が出来ないという判定になることは稀です。(部分的に骨が薄いなどで治療の進行に注意を要することはありますが。)

ですのでその旨説明し、歯並び・噛み合わせとしては特に問題のない適応症であることを説明しました。

 

以前にも似たような裏側矯正の初診相談があり似たような記事を書きましたが、その方はすでに治療開始となっています。

表側からの治療とは別に裏側からの矯正では注意すべきところがたくさんありまして、治療計画の段階から表側とは異なる点ばかりです。

 

患者さんは裏側からでないと治療はしたくないと言い切っていましたので、裏側から可能である見通しをお話できてよかったと思います。

 

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4月16日(日

『部分矯正か全体矯正か?

 

同日の複数件の初診相談に何故か同じような症例が続くことはこれまでに何回か書いてきました。

ここ最近であったのは、数件のメール相談のすべてが『部分矯正で治りますか?』という主旨のもの、という類似でした。

 

相談者のうちおひとかたは写真添付がなかったため詳細は不明ですが、どなたも概して、

『凸凹が気になる。出っ歯も治したい』

という主訴ですから、その改善に部分矯正で対応できるか?というところが相談者の皆さんが聞きたいポイントだったわけです。

 

写真添付のあったお二方はいずれも出っ歯を治す際に小臼歯の抜歯が必要になるほどと見て取れました。ですので治療を行う場合は全体矯正となり、抜歯を伴う可能性もある(詳しい検査をしていない段階なので決定ではありません)旨を伝えました。

 

ざっとですが、部分矯正が適応になるのは、

並びの凸凹、捻じれ

歯と歯の間の隙間 ※

部分的な(前歯1~2本の)反対の噛み合わせ

前歯に限局した軽度な開咬

などです。

 

逆によくお問い合わせにはあるが部分矯正の適応にはならない(なりにくい)のは、

口元を退げたい

噛み合わせを治したい

前歯の隙間を閉じたい ※

などがあります。

 

※の症例は適応になるものと適応にならないものがあります。前歯の真ん中の隙間は『深い噛み合わせ』が原因になっている場合も少なくありません。

その場合、前歯の隙間だけを閉じても深い噛み合わせがそのまま残存していれば、治療後すぐにまた隙間が開いてきてしまいます。

ですので、気になるのは前歯なのにこの場合は、全体矯正が必要の可能性があるということになるのです。

 

今回メール相談された方のうちの上記お二方はその後初診相談にも来院されました。部分矯正では、治るところ・治らないところ(手をつけないところ)、変わるところ・変わらないところ、仕上がりなどなかなかメールだけではどんな感じかお伝え切れないところがあるのも確かです。

お一人についてはやはり気になる一番は口元の突出感ということでしたので、全体矯正の適応であることを確認させていただきましたが、もうお一人については、話していくうちに一番気になるのは口元よりもむしろ凸凹ということが分かりましたので、部分矯正で前歯を並べる方法もありうることを提案させていただきました。

 

題名とまとめが違くなりますが、患者さんにはメール相談、実際の相談とをうまく活用していただければと思います。

 

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4月12日(水

『セカンドオピニオンでの来院

 

先日の初診相談の方です。

他医院にてお子さまが矯正治療を勧められたそうです。お子さまの歯並びは前々から気になってはいたものの、

現状として治療が必要なほどか?

必要だとしても今すぐでなくていいのではないか?

などという考えをお持ちだったためです。

そういったなか矯正治療が必要であると勧められたため、『本当?』と思われて当院の初診相談に来院したという経緯でした。

 

以前にも少し触れましたが、矯正歯科の初診相談にはセカンドオピニオンの相談が少なからずあります。

当院に訪れるセカンドオピニオンの多くは他院にて治療中の方というよりは、上記のような治療開始前、あるいは診断まで段階を進めたけれど他の治療法の可能性も聞いておきたい、という方たちです。

 

矯正治療のゴールは、

『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』

ですが、そこに至ることのできる方法は決して一つではありません。一つではないというよりはいくつもあります。治療方法は、治療方法を提案する矯正医の出身大学、影響を受けた先生、指導を仰いだ先生、勤務した矯正歯科医院、、、などからの影響を受けます。

ですから、その過程の分だけ治療方法は存在することになります。

つまり他院で提案された治療方法とセカンドオピニオンで伝えられた治療方法が異なっていても、それはどちらが正しいとか間違っているとかいうものではなく、単に『違うだけ』というものである場合も多いでしょう。

 

セカンドオピニオンに来られる方は全くのニュートラルな感覚ではないこともあります。来院された患者さんに余計な心配はかけぬよう、ニュートラルな観点からお話をするように心がけています。

 

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4月5日(水

『経過の説明をしっかりしていただけるのでとても安心です。

 

いよいよ4月ですね。

新学期、新生活のスタートです。当院の患者さんでもまだ春休み中の学生さんも多い中、すでに新生活の始まった方もいらっしゃり、新しい学校、職場なんかのお話を聞いていると『春だなぁ』と実感が湧いてきます。

 

さて矯正治療では、

『治療の効果の出方』

という点において虫歯などの治療と違う点がいくつかあります。

 

・治療期間が長い(年単位)

・来院した時だけが治療ではない(家で装置を使用する『治療時間』のほうが圧倒的に長い)

・効果の出方はゆっくり(すぐには変化が起こりにくい)

 

などといったことが挙げられるでしょう。

使用する装置においては、期間を通じて同じだったり似たものだったりします。

ですので、治療の途中では患者さんにとって効果の出方が見えにくかったり、いつまで装置を使うのかなとか、

『矯正治療中に特有の疑問や不安』

が生じることになります。

 

先日、子どもの矯正治療で装置を使い始めて半年ほど経った患者さんのお母さんから、題名のような言葉をいただきました。

この患者さんは装置を一生懸命頑張ってくれ、まだ半年ですが半年前とはガラリと違った歯並びにすでになってきています。

でも装置を使い始めまだ効果の目立っていない2~3か月の頃は特にお母さんに不安があったようです。

当時は確かに大きな変化はまだ起きていませんでしたので、患者さんやお母さんにとっては気づけない段階ではありましたが、矯正医からすると大きな変化につながる小さな変化が歯並びの随所に起き始めていることは確認できていたため、起こっている変化を診療ごとに説明させていただいていました。

 

特に子供の矯正治療では、経過が長くなる傾向もあるためこの『経過報告』を大事にしています。

装置使用開始から半年~1年経つ頃には、治療の小括的な意味合いで通常の診療とは別にお時間を30分ほどいただき『経過説明の回』を設け、

『これまでの治療経過と今後の治療方針の確認』

をさせていただいています。

そこで、

・装置使用による歯並びの変化

・今後の治療方法(同じか少し変えるのか)

・患者さん本人の治療へのモチベーション

などを確認しています。

 

矯正歯科専門クリニックなので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、矯正治療特有の疑問、不安、心配事にしっかり対応できる体制をもっと整えていきたいと考えています。

 

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3月27日(月

『治療後の歯並びを予測するセットアップ模型

 

矯正治療後の歯並びや噛み合わせ、さらには口元の状態がどんな感じになるか、これを言葉で説明するのは難しいです。

患者さんによっては、治療法の候補が複数ある場合があります。

その際、

治療法1ではこんなふうになって、、、

治療法2ではこんなふうで、、、

治療法3だとこんな感じになります。

さあ、どれにしましょう?

と言葉で説明をされてもイメージが湧きません。

矯正治療では見た目の変化も治療の大事な要素ですから、治療後の見た目がそれぞれの治療法で異なるのであれば、それぞれのイメージこそが当然大事だったりもします。

 

当院では、患者さんにとって治療後のイメージが付きにくかったり、逆に治療後のイメージが付けば治療法の選択をしやすかったりする場合、セットアップ模型というものを準備しています。

これは、

どこを仕上がりにするか

この歯を何mm動かす

動かす方向は前、後ろ

逆にこの歯は少しも動かさない

といった治療計画を模型(歯型)という形で視覚化したものです。

 

患者さんにとってもゴールの状態がイメージしやすいですし、矯正医にとってもこれを参考にしながら治療を進めていけますので非常に有用なツールです。

例えば治療開始から1年経った時(1年に限らずいつでもいいんですが)、セットアップ模型と比較をするわけです。

そうすると、あとどこをどこまで動かせばその模型のようになる、ということが一目瞭然になります。

 

このセットアップ模型はお口の中の歯並び噛み合わせを予測するツールですが、顔貌として口元の治療前後での変化を予測するツールもあります。

これは、頭部X線規格写真(という名前のレントゲン)や横顔の写真をもとに分析ソフトを用いて作成します。

例えば上の前歯を6mm後退させた場合、それにまつわるもろもろのデータを入力することで治療後の口元の状態がが計算され表示されます。

もちろんこれは過去の論文等による報告に基づいて(膨大な過去の論文データがソフトにデータベースとして入力されており)、

『歯をこのくらい後退させると口元の感じはこうなる』

というのを算出するものです。

しかしこれらは主に平均値で表示されますから、ソフトで治療後の状態がこんな感じで表示されていても実際はもっと後退した感じになったり、逆にそこまで後退した感じにはならなかったり、といったことも起こりえます。

なのであくまでこれに関しては『参考』としての扱いになります。絶対こうなる、というものではありません。

 

矯正歯科医院なら大抵は何らかの分析ソフトを使用していますので、興味のあるかたは相談や検査時に言っていただくと、診断時に横顔の予測イメージを用意してもらえるかもしれません。

セットアップと違ってこちらの顔貌予測は『参考』の意味合いが強いため、矯正医もあえて作成するということをしない場合も多いです。

 

その他にも矯正歯科では骨格や上顎、下顎の成長予測なるものもあります。これは主に成長期にある小学生、子どもの矯正治療で用いられるものですが、これについてはまた別の機会で紹介したいと思います。

 

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3月23日(木

『データベースの管理

 

今年度も残す所あと1週間になりました。

新学期、新入学、新生活の始まる方、今不安や期待で胸いっぱいの毎日を過ごしているのではないでしょうか。

懐かしいですね。

 

新年度だからというわけではないんですが、そもそも新年度に間に合いませんが、現在医院の新しいデーターベースを作成中です。

患者さんの増加に伴い、以前のデーターベースでは業務が追いつかず非効率な面が多く出てきたため思い切って変更、更新することにしました。

現在のものでは非効率とは言いつつも、あと半年ほどは致命的な不便さは感じずに利用できるかもしれませんが、現在のちょこちょことした不便さが向こう半年間積み重なって、そこから改善を試みようと思った場合対策が後手後手にまわってしまうことを懸念しての早めの取り組みです。

 

なので現在診療の合間や診療後に作成していますが、なんせその程度の時間のかけ具合ですので劇的には作業は進行していませんけどね。

かといってこの作業を外部に委託するほど膨大な量ではなく、データーベースの構築作業はかつてにも何回か手がけたこともあったため、

『今回も自分でできるだろ』

と思ってしまい、自ら取り組んでいる次第です。

 

でも診療の合間といっても、今の時期検査の分析やら何やらで合間の時間は使用されますから、事実上診療後にちょこちょこと進めています。

そもそもなぜこの春休みの時期に始めたんだ、ということにもなりそうですが忙しい時にこそ何かしなければならない他のことが気になってしまうものです。

春休みが終わったらもう少し時間はできるのと思うので、そこで一気に仕上げていきたいと思っています。

 

このデータベースの作業そのものや、旧システムとか新システムなのかなどなどで、患者さんにかける迷惑は一切ありませんのでご安心を。

 

仕事ではありますが、個人的な地道な作業です。

 

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3月19日(日

『春休みの矯正歯科医院

 

お気づきの方も多いと思いますが、

『~歯科医院』

いわゆる一般歯科とよばれる歯科医院は、日曜日は休診になることが多いかと思います。

 

一方で矯正歯科医院は日曜も診療していることが多いです。当院でも月に2回(月によっては3回)診療日に充てています。

矯正歯科は一般歯科に比べ比率(絶対数ではありません)としては、小中高大の学生さんが占める割合が多いです。

そのため、平日でも学校の終わった夕方以降や、学校が休みの土曜、日曜なんかが来院数のピークになります。

 

ところが春休みなどの長期休みになるとそれが一変します。

少なくとも学校がないという理由では、来院が夕方である必要も、土日である必要もなくなるため、来院数が時間、曜日に関わらず分散されます。

基本的にはほぼ均等に分散される傾向にあるんですが、きれいに分散、、、というよりは強いて言えば午前中のアポイントが埋まり易い傾向にあります。

矯正の通院は一日のうちで早い時間に終わらせてしまって、午後以降はフルで何か他のことに充てよう、という方が多いのでしょう。

患者さんに、『今日これからどこかいくの?』なんてことを尋ねると、午後から友達と買い物とか、部活とか、何かのイベントに行くとか、とそんな答えが返ってきます。

 

患者さんの来院は分散されるものの、この時期に集中するものもあります。

それは、治療をスタートする患者さんの検査結果の分析、診断です。

春休みに治療開始をお考えになって少し前に来院された患者さんの診断が、この時期にちょうど集中してきます。

さすがに精密検査を終えられてから即日診断というわけにはいかず、検査結果のご報告・診断までにやはり1週間お時間をいただいています。

症例によっては治療計画の立案に、参考になる文献を引っ張り出してきたり、これまで治した症例を参考にしたりと、多角度から検討する必要がありますからね。

 

ですので、一日が終わると体も頭もなかなか疲労することになりますが、春休みもまだまだ始まったばかり、これからです。

 

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3月16日(木

『最近多い裏側(舌側)矯正の相談・開始

 

もうこのままいくかと思っていたらまたまた寒い日がきましたね。

さすがにもう3月も下旬に差し掛かりますから、もうあったかい日が続いていくんではないでしょうか?

 

さて、部分矯正の相談が多いことはこれまで何度か書いてきました。

最近でもやっぱり多いです。

でも実は割合としてそれが多いのではなく、調べてみると一番多いのは子供の矯正治療の相談や、本格矯正治療の相談です。

本来あまり多くない(と思っている)部分矯正の相談が通常より多くなると、割合が少なくても『多いなぁ』と感じてしまいます。

 

部分矯正と同様の感覚かもしれませんが、やはり多いと感じるのが裏側矯正・舌側矯正の相談です。

ハーフリンガル、フルリンガル希望の人数はそれぞれ同じくらいです。

部分矯正では相談時に適応症かどうか、部分矯正で患者さんの主訴が改善されるのかをお伝えします。

その際適応症ではなかったり、主訴の改善が見込めないあるいは望まない反作用が大きく出てしまうような場合、治療が開始とならない場合も多々あります。

 

一方で裏側矯正・舌側矯正は本格矯正のカテゴリーの中の治療の一つですから、原則適応症に制限はありません。

ただし開始にあたっての検討項目はあります。

ここでとある問題が生じます。経験された方にはわかるかもしれませんが、通常

『裏側・舌側矯正の出来る、出来ないの判定は診断時になってしまう』

というものです。

 

例えば、裏側矯正希望の患者さんが相談に訪れたとします。患者さんとしてはリンガルで出来ないのであれば矯正治療はあまり考えないというくらいの姿勢です。

そこで矯正医から『裏側から出来るかどうかの判定は診断時になります』

と告げられたとしましょう。

診断に赴くと、そこで『裏側からの治療は難しいですね。表側からした方がいいでしょう。表側から行う方法としては、、、』

と興味のない表側矯正の話のみされてしまい、でも診断にはいらしているので診断費が発生してしまう、、、なんていうこともない話ではないでしょう。

 

当院では、そのような判定が必要な方の場合、レントゲンや歯型などの検査のみをさせていただき、まず『出来る・出来ない』の判定のみをさせてもらいます。その後判定結果をお電話やメールなどでご報告する、というシステムを採用しています。

ここまでに費用はかかりません。というのもこの時点で患者さんに報告するのはあくまで『出来る・出来ない』の判定のみで、治療方法や詳しい現状のご報告は行わないためです。

判定を聞いて『裏側から出来る』ということになれば、それから診断に来ていただき、より詳しい現状や治療方法を聞いていただくことになりますから、やる予定のない治療方法を聞いて診断費のみ払うことになる、というとにもならないと思います。

もちろん『出来る』という判定をしたのだから診断に来てください、なんていうこともないですので、その辺りはご心配なくこのシステムを利用していただければと思います。

 

とは言っても『検査後の判定』が必要となるケースも少ないですから、あえてお伝えすることでもないのかもしれませんけどね。

 

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3月10日(金

『最近のメール(オンライン)矯正相談の動向』

 

最近では子どもの矯正治療を始める患者さんが多く、床矯正装置の技工発注数がとんでもない数になっています。

 

ホームページ開設当初から行っている『メール矯正相談』についてです。

 

当初は、

・矯正治療で親知らずは抜かないとダメですか?

・戻り止めの装置は(マルチブラケット治療終了後)いつまで使用するんですか?

・〇〇という矯正装置は扱っていますか?

・矯正用のネジ(アンカースクリュー)は安全ですか?

この他にもまだありますが、質問者ご自身の症例についてというよりは、矯正治療に関する一般的なことについての質問が多めでした。

 

最近ではご自身の症例についての相談が多いです。

その際『相談フォーム』のみのご記入でももちろん質問にはお答えできますが、やはり見た目に気になる情報を言葉で正確に伝えるのには限界があります。

おそらく相談者の方もフォームに文章を記入している際にそれを感じられるのでしょう。ほとんどの方が歯並びの写真を添付してくれています。

中には矯正歯科医院で撮るようなフルカットの写真で送っていただく方もいます。専用の器具がないのにここまでの写真を、、、とちょっとびっくりです。

 

ただやはりそのような方はごくごく稀ですし、そのくらい撮れていても不鮮明な箇所があったり範囲が狭かったりといったことがあるでしょう。

そして何より直接お話を伺っていない段階でのやり取りでは、患者さんが本当に希望していることやその細かいニュアンスまでは聞き取れません。

ですのでよりご自身に即した内容を聞きたい、という方にはやはり初診相談で来院していただくことがベストではあるかと思います。

 

しかし当然メール相談の大きなメリットもあります。

クリニックまで足を運んで相談、、、というほどではないんだけども、大まかな現状や治療方法などを知りたい、という方には適した形態でしょう。

 

相談者の方のお考えに即した『相談』を選んでいただければと思います。

 

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3月8日(水

『部分矯正の二人の相談』

 

先日初診相談の多い一日がありましたが、うち2件は部分矯正の相談でした。

 

どちらの方も前歯の凸凹を気にしていますが、どちらも程度としては軽度です。側切歯が左右2本とも舌側転位をしており、相対的に真ん中の中切歯が出ている感じになっています。

 

ただ、程度としては軽度なので、IPRを併用してブラケットを装着すれば前歯はあまり出ることなく並ぶのではないかな、といった具合です。

 

もちろん厳密な意味での出る・出ないの判定は、歯型を採りセットアップ模型(予測模型)を作成したのちに行うことになりますから、相談で使った

『あまり出ることなく』

という言葉は、見立てでありまだ確定情報ではないことを付け加えました。

 

部分矯正後の前歯の位置について、

一人の方は、

『ちょっとくらいなら出ても構わない』

という考えだったのに対し、

もう一人の方は、

『少しも出ては嫌だ』

というお考えでした。

 

仮にここでお二方のセットアップ模型を作ったとしましょう。そして適度なIPRをしても現在の前歯の位置より1mm出てしまうことが判明したとします。

このことが口唇のと突出という形で表現されるかどうかはここでは考えないことにします。

このとき、二人の現在の歯並びはほぼ同程度、主訴や一列にしたいという希望は同じであり、治療として部分矯正をすること自体には特に問題はありません。適応症です。

しかし、患者さんの考えをもとに判定した場合、

前者の方 → 実際1mm出る → 少し出てもいい → 適応

後者の方 → 実際1mm出る → 少しも出ては嫌だ → 不適応

ということになります。

 

部分矯正は後者の方にとっては、ご希望を叶えることのできる治療ではないわけですから、不適応ということになります。

 

部分矯正が適応かどうかの判定は、

部分矯正をしたことで噛み合わせ上の問題が引き起こされないか

患者さんの希望が叶えられるか

の二つの面から行う必要があります。

 

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3月1日(水

『遠方からの初診相談』

 

いよいよ3月ですね。

まだ寒い日もありますが、『ほんとうはいい人なのに頑張って悪ぶってる』感が3月にはありますよね。

 

先日の初診相談です。

まれにすごく遠方から初診相談にいらしていただける場合があります。

 

ただしこの土地に縁もゆかりもない方が、インターネットを検索しホームページで当院を発見し来院する、というケースではありません。

先日来院された方は、職場は静岡県西部、実家がこちらという方でした。仕事で県西部にお住まいですが、月に2~3度はこちらに帰ってきているとのこと。

ですから、ベースとしては裾野近辺にはいらっしゃらない方ということになります。

現在矯正歯科を探している最中で、お住まいの地域でするか、実家のあるこちらの地域でするかを検討中とのことです。

 

お住まいと矯正歯科医院の距離が離れている場合、マルチブラケットブラケット治療を行うにあたって注意しなければいけないことがいくつかあります。

その最たることは、

『緊急時の対応』

です。

 

矯正治療での矯正歯科への通院は月に一度だから、遠方からの通院でも大丈夫と思われがちですが、、、原則はその通りです。

でも『例外』についても考えなくてはいけません。

めったに起こらないことではありますが、歯につけるブラケット装置は外れてしまうことがあります。

この装置、当然矯正治療が終わったら外しますから、絶対に取れなくなるような強度で歯につけてしまいますと、いざ外すときに困ります。

なので、強すぎる力がかかった際には無理なく外れるように歯につけています。

そうなると、硬いものを『上の歯と下の装置(下の歯ではなく)で噛んでしまって』装置が歯から外れてしまったなんていうことも起こりうるわけです。

このような『噛んで外れてしまった』

は予期せぬタイミングで起こるでしょう。あたりまえですが、何月何日の何時に外れるなんてことは分かりません。

 

外れるだけならまだしも、装置が外れてワイヤーが飛び出して歯茎に刺さって痛い、、、なんていうことも起こりえます。

 

その際近くにお通いの矯正歯科があれば、学校終わり、仕事終わりにちょっと寄って応急処置をといったことが可能です。

 

けれど遠方の場合はどうでしょう。

まず仕事終わりに行けません。仕事が終わってから向かっても恐らく医院は閉まってしまっています。

お仕事に遅刻しますから、出勤前に立ち寄ることも難しいでしょう。

一番近いご自身の休みの日まで待つか、あるいはお住まいのお近くの矯正歯科で応急処置をしてもらう、、、などという手段になるのかもしれません。

 

この辺りのことが、これから治療を始めようとする患者さんにとって想像がしにくいことのようで、重要視されないこともしばしばあります。

もちろんこの『ブラケット脱離』を一回も経験しないまま治療を終えられる方もたくさんいます。でもそれが、今から治療を始めようとしている方に絶対起こらないかと言えば、『起こらないかもしれないし、起こるかもしれない』としか言えない現実があります。

 

ですので今回の相談の方にも、

『そういうことが治療を通じて起こらない可能性は大いにあるけれども、起こることも当然あ

り得ます。それ自体は近くから通うこと、遠くから通うこととは関係ありません。でも○○さ

んにそれが起こった場合の大変さは、近くから通う人の比ではないです。』

ということをお伝えしました。

 

ある意味これは『起こる前提で考えてくださいね。』と言っているのと一緒ですから、なんだか、こちらがしっかりと装置を付けることが出来ないみたいで嫌ではありますが、もし起こった場合に一番困るのは患者さんですから、この辺のことはしっかりとお伝えしなきゃなぁと思っています。

 

条件が通常と異なる場合には、それをやり遂げるための覚悟が必要ということなんでしょうね。

 

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2月26日(日

『しきりに専門医院での受診を勧められたので』

 

『すごい寒い!』という日も無くなりましたね。もうすぐ3月ですし、このまま暖かくなってくれそうな感じです。

 

さて先日いらした初診相談の患者さんです。

小学校2年生の女児で、軽度の凸凹と出っ歯が認められます。主訴は凸凹です。

 

問診票の

『専門医院での受診を勧められた』

にチェックが入っています。

この項目にチェックが入る場合、勧めた方は大抵『歯科医師』です。かかりつけの歯科医師だったり、指定の校医だったりします。簡単に言えば他の歯科医師からの紹介ということです。

 

でも今回の場合勧めた方は、この患者さんの『ご友人』ということでした。

お話の際このことを尋ねてみると、

『矯正は専門がいいよ、というのをひたすら(その友人から)言われたんですよ』

とのこと。

『どういう点でそのように勧められたんですか?』

『いやもう、とにかく、、、

とにかく矯正は専門がいいよって。』

『、、、そうなんですね。。。』

 

結局そのご友人がなぜ専門推しだったのかは最後まで不明でしたが、何らかの理由で矯正歯科の専門性をご理解いただけているのでしょう。

 

当院も開院より多くの患者さんにご来院いただいていますが、その中で

『専門だから』

という理由できていただいている患者さんも増加しています。

 

今回の件で何となく、漠然と、

『専門のニーズに応えなければ』

と再認識しました(笑)。

 

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2月22日(水

『春休みには装置をつけて治療を始めたい!』

 

毎年2月から3月にかけては、小学生〜中学生の患者さんの初診相談が増加する傾向にあります。

4月からの新学期や入学を控え、前々から気になっていた歯並びについて、ちょっと話でも聞きに行ってみようかなと思う方が増えるからでしょうか。

もちろん3月には春休みもありますから、時間のある春休みのうちに、、、とお考えになる方もいらっしゃるのかもしれません。

確かに『春』というと何か新しいことがいろいろと始まるシーズンですから、その雰囲気に後押しされるというのもあるのでしょう。

 

実際、

兼ねてから矯正治療をしたいと考えていたけれどそのいいタイミングが見つからなかった、

という初診相談の方に、ではなぜ今始めようと思ったんですか?と尋ねたところ、

『春だから』

とお答えいただいたこともあったくらいです。

 

なので、全体的にどの層からの患者さんも増える傾向にはありますが、やはり学生さんが多い感じがします。

 

ただ、現実的なところでいうと、

『春休み中に装置をつけて治療をスタートしたい』

というご希望がもしあった場合、実は今からの初診相談ではそれに間に合わない可能性が大いにあります。

初診相談から治療のご希望があった場合の流れとしては、

初診相談 → 検査 → 診断 → 歯磨き指導の回 → 装置の型取りの回 → 装置セット

となるからです。

装置の型取りからセットまでの間だけでも1ヶ月かかってしまいます。

装置製作の準備が要らない場合のある、『表側のブラケット装置』ならば、症例によっては上下のどちらかの歯列にブラケット装置がついた状態にはなれるかもしれません。

 

学生さんは春休みはおうちに居る時間も長いと思いますから、その時間で装置に早く慣れたいというお気持ちがあるのもよくわかります。

 

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2月17日(金

『治療の見通しを最初に正しく伝えることはやっぱり必要』

 

近頃は寒い日もあり、春を思わせるような日もありますね。インフルエンザも流行ってますから、みなさん体調には是非気をつけていただきたいと思います。

 

さて先日の初診相談の患者さんです。

小学校5年生の女子(もうすぐ6年)で、他医院にて2年生の頃から床拡大装置(拡大プレート)で上顎を横に拡げる治療を行ってきたとのこと。

まだ凸凹は残っている(左右の八重歯)ものの、ここで治療終了とのお話をされたそうです。

 

お母さんは、

『今やっている治療で治る』

と思っていたため、

『治っていないのに終わり?』

と思ったわけです。

 

今回の初診相談に2年生の時の記録写真を持ってきていただいていましたので拝見したところ、当時は現症としても凸凹の程度はとても大きく、潜在的にもその後さらに凸凹が増すことが予想される歯並び、噛み合わせの状態でした。

 

先述の通り、この患者さんはこれまで拡大プレートによって歯列の横側への拡大を行っていました。

現在は前歯4本の並びは一列です。でも左右の犬歯が丸々1本分『八重歯』になっています。犬歯の収まるスペースは1mmもない状態です。

横側への拡大をもししてこなかったならば、おそらくこの4本の前歯すら一列に並んではいなかったでしょう。

患者さんもこの前歯4本が一列になっている状態についてはとても『よかった』と思っているご様子です。

患者さん(のお母さんの)は当時、

『前歯の重なりが大きくて歯磨きがしにくい、虫歯になりそう』

なことが主訴で矯正治療を始めたという経緯もあったため、現在ではその主訴もしっかり改善されているわけです。

 

それだけにお母さんを『治ってないのに終わり?』という状態にさせないためには何が必要だったかを考えると、

最初に治療の見通しをしっかり説明しておくこと

だったと思います。

最初に、

『子どもの治療だけでは取りきれない凸凹があるので、気になる前歯が一列になったら一旦終了し、中学生になったら仕上げの治療をしましょう。』

という一文を添えておくだけで現状は回避できたんじゃないかなと思います。

 

治療の経過が長いと、当初の拡大の目的(前歯4本を並べるためであって犬歯までを一列にするためではないこと)を忘れがちになってしまいます。

ですから折に触れて、現状と経過、今後の見通しをおうちの方に説明・確認しながら治療を進めていくこともとても大事です。

 

改善されている部分がちゃんとあっても、患者さんと歯科医師で目指すゴールが異なっていると今回のようなケースが起こることもあるわけです。

やはりゴールの共有はとても大事だと考えさせられます。

 

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2月14日(火

『程度と時間で考えると分かりやすい、子どもの矯正治療』

 

みなさん、今日はバレンタインデーですね。僕も学生の時はチョコをもらいすぎて、バレンタインデーの後の2〜3週間は『3食(朝、昼、晩ご飯)全部チョコ』みたいな時期もありましたが、それももう遠い昔の話です。

 

さて、

矯正治療には大きく分けて二つの治療があります。

それは、

『準備矯正(子どもの矯正)治療』

『本格矯正治療(仕上げの治療、多くはマルチブラケット治療)』

です。

 

小学生から矯正治療を始める方は準備矯正からスタートし、中学生以降で治療を始める方は本格矯正(マルチブラケット治療)を行うことになります。

治療の進み方としては、


小学生から治療がスタートした場合は、

準備矯正→治療終了

準備矯正→本格矯正→治療終了

 

中学生以降で治療がスタートした場合は、

本格矯正→治療終了

が考えられるパターンです。

 

ちなみに、準備矯正で合格点の状態になり治療終了となることも当然ありえますが、この時点では100点の状態ではありません。

『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』

これを達成しようと思うと、達成できる治療は、

『本格矯正治療』

ということになります。

 

これについては、誤解を恐れずにというかやや乱暴な書き方になりますが、

マルチブラケット治療=なんでもできる治療

子どもの矯正治療=できる範囲が限られた治療

と一応いうことができるかと思います。

 

子どもの治療では中学生以降の治療で行うマルチブラケット治療は行うことができません(つまり子どもの治療だけで仕上げはできないのです。)から、行える内容に色々な制限があります。

その制限の中で出来ることもあれば、出来ないことも当然出てきます。

 

その中で、

『何が出来て、何が出来ないか』

の判断は、患者さんの、

症例としての『程度』

子どもの治療をすることのできる『時間』

の2つの面から考えると分かりやすいかと思います。

まず上の図の①です。

これは症例としての難易度や程度が複雑ではなく、矯正歯科に来院した時期も比較的早い小1〜小2くらいの患者さんが該当するでしょう。

子どもの治療だけで合格点を目指せる可能性も大いにありますし、逆にその程度によっては、

『初診来院時=治療開始時期』とはならず、

そこから後1〜2年後の開始でもいいかもしれない、

といった場合もあるでしょう。

上顎下顎のバランスに問題なく、今後の生え変わりもうまくいきそうな、凸凹の程度も軽度な症例などがこれに当てはまります。

 

次に②です。

症例としては複雑ではありませんが、矯正歯科来院が小学校6年生(場合によっては5年生)で下の12歳臼歯がもうすぐ生えそう、、、というような患者さんが該当します。

時間の制約で子どもの治療でできることが限られてしまうため、子どもの治療で必要と思われることは行うものの、中学生以降で仕上げの治療が必要になることも多いでしょう。

 

次に③を飛ばして④です。

症例として様々な不正咬合の要素を含み、程度としても複雑でありかつ子どもの矯正治療として行える時間も少ない場合です。

口元が出ている、出っ歯さんの程度が大きい、凸凹の程度も大きい、、、12歳臼歯がもう生え始めている

ような患者さんが該当するでしょう。

このような場合は、初診来院時は小学校6年生でも、時間や程度の点から

『子どもの治療をしたとしても効果が出にくい』

と判断し、子どもの治療はせずに12歳臼歯が生え終わるのを待って(中学生になって)本格矯正(マルチブラケット治療)からスタートする

ことになるでしょう。

 

では最後に③です。

これは初診来院時が小1〜小2だけれども、症例としての程度が複雑、、、というような患者さに該当します。

例えば、

『凸凹の程度がとても大きい、しかも出っ歯さん』

『凸凹があり、下顎が左右どちらかにズレている噛み合わせ』

『放っておくと生えてこない、他の歯の根っこを溶かしてしまいそうな歯が骨の中にある、しかも凸凹もそこそこあり出っ歯さん』

のようなケースです。

このグループ③は実はこの中でもさらに場合分けをしなければならないほど、色々なパターンを含んでいます。

時間はたくさんありますから、その中でできるだけ改善を試みていくのか、

中学生以降でどちらにしろ仕上げの治療が必要になるなら、子どもの治療はしない、とか、

緊急性がある部位だけは子どもの治療で改善しておいて、残りは仕上げの治療で行う、とか、

時間があるのでその時間をどうにも使えてしまいますから、時間がない②や④のケースよりも取るべき対応の選択の自由が利く反面、正しく選択するのが難しいとも言えます。

 

『子どもの矯正治療をするのに仕上げの治療も必要なの?』

という、初診相談でよく尋ねられる質問ですが、

②や④では必要になることは理解に難くないかなぁと思います。

③はどうでしょう?必要になる可能性はケースバイケースといったところでしょうか。

①は?子どもの矯正治療後に100点を目指すならば必要、ということになるでしょう。

 

子どもの矯正治療がカバーできる範囲は時間的にも、症例の程度としても限られています。

狭い方もいれば、比較的広い方もいます。

患者さんによって異なる

『現状の把握とゴールまでの見通し』

を矯正医だけでなくおうちの方もしっかり把握した上で進めていくのがベストだと思います。

 

ちなみに冒頭のチョコのくだりは嘘です(笑)。

 

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2月12日(日

『先日の初診相談は先天欠如が4本の女性〜治療した方が良いだろう症例』

 

こちらも先日いらした初診相談の患者さんです。

主訴は口を開けると左の顎関節が痛いということでした。

過去に近医より、

『永久歯が4本足りない』

ことを説明されています。

今回の当院への来院は初診相談ということでレントゲンを撮っていないため、先天欠如の部位の確定はできませんが、現状の歯列から推測するにおそらく上下左右5番(第二小臼歯)の4本欠損です。

 

特筆すべきは、上顎右側の歯の数が足りなく右側での咬合があまり機能していないという点です。(右側で咬合する歯が足りない理由の詳細は省略します。)

それにより左側のみですべての咬合がなされるため、軒並み左側の負担過多、強いては左側顎関節への負担が増えてしまっていることが予想されます。

 

顎関節症は多因子性の疾患ですから、歯並び・噛み合わせはその原因の全てではなく、あくまでもいくつか原因・要因がある中の一つにすぎません。

とはいうものの、これは咬合が原因で顎関節症を起こしているのではないかなぁ、、、と断定できてしまいそうな状態が現症として認められました。

今は右側をかばっている左側にのみ症状が出ていますが、右側の安定しない噛み合わせは、右側の顎関節にも今後症状をもたらすかもしれません。

 

もちろん専用の詳しい検査をしていない段階ですので、いまある顎関節症については、

『今の状態が平行線のまま継続するかもしれない』

『一旦は症状がおさまる、、、なんていう時期が来るかもしれない』

『でもおさまった後また今度は症状がより大きくなって再度(あるいは新たに右側にも)現れるかもしれない』

と、可能性に終始したお話になってしまった感があります。

 

矯正治療による顎関節症の発症あるいは改善は現状のところ『関係ない』とされています。

これは矯正をしたからといって、顎関節症になるわけでもなければ、現在ある顎関節症が治るわけでもない、ということを表しています。

それでもこの方の場合は、

『矯正治療によって現在の噛み合わせをを改善すれば、顎関節症状もきっとなくなりますよ』

と言ってしまった方が患者さんにとって良いのでは?

とも思えましたが、上記の矯正治療と顎関節症の関係性の説明は最低限行いました。

 

今回の患者さんは現在発症している顎関節症とは切り離して、咬合の問題として捉えても、

5年、10年先を見据えた場合、今矯正治療をしたほうがいいと言えるかもしれません。

 

ですので、現状のしっかりとした把握と治療の必要性を感じていただきたいと思い、

現在の噛み合わせ→現在の顎関節症状

矯正治療→現在の顎関節症状の改善

の可能性はあるという形でお話を締めくくらせていただきました。

 

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2月9日(木

『当院の子どもと大人の治療の割合と内訳は?』

 

裾野や長泉は子どもが多い地域ということもあり開院前は、

患者さんに来院していただいた際の割合は

『子ども>大人』

 

になるかなぁと思っていました。

 

ところが実際は、

のような感じになりました。

これは矯正治療の種類による分類ですから、単純に未成年か成人かで分類するとちょうど半分半分になります。

 

子どもの治療では

プレート装置、拡大プレート装置、機能的矯正装置(バイオネーター、プレオルソ)、ヘッドギア、リンガルアーチ、クワド(バイ)ヘリックス(固定式の拡大装置)、部分的なブラケット装置、、、

など、取り外しタイプの装置をメインに固定式の装置まで行い、

 

大人の治療では

表側マルチブラケット治療(通常のもの、ホワイトワイヤー)、インビザライン、裏側(舌側)矯正、部分矯正、インプラント矯正、、、

などを現在通院中の患者さんに実際に行っています。

 

大人の矯正治療では専門性の高い裏側矯正なども提供していますから、その辺りの重要も多く結果、大人の治療の割合を高くしているのかもしれません。

 

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2月2日(木

『費用がとても心配、、、』

 

先日いらした初診相談の患者さんです。

中学生で、並びの凸凹を気にしての来院です。

現在高校生のお姉さんもやっぱり凸凹の歯並びで矯正治療をしていたようで、つい最近ブラケットオフ(矯正治療の終了)になったとのことでした。

 

お姉さんの元の歯並びが、現在の妹さんの歯並びとそっくりだったようで、

『姉のようにキレイな歯並びになりたい!!』

『私も矯正すればあんな風になれる!!』

と、治療に対してとても積極的な様子でした。

 

一方で、お母さんには少し不安があったようで、それは矯正費用についてです。

お姉さんも治療済みですので、矯正治療にかかるおおよその費用は当然ご存知です。では何が不安だったかというと、

『最終的に費用はどれくらいになるのかが最初にわからない』

という点でした。

 

というのも、お姉さんの治療では診療ごとに診察代がかかる費用体系だったとのことで、当初説明されていた治療期間よりも1年ほど期間が延びたため、その分トータルの治療費用が予測よりもだいぶ多くなってしまった、

という背景があったためです。

 

当院が総額制(毎回の診察代がかからないシステム)を採用していることをホームページで知ったものの、来院されるまでは、

『本当にそうなの?』

と思われていたようで、

『最初に提示した額より多く頂くことはありません』

と説明したところ、とても安心されたご様子でした。

 

矯正治療は期間の長い治療なだけに、開始前や治療中も色々と不安が多いですが、患者さんが感じられる不安が少しでも小さくなればと考えています。

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1月30日(月

『今までに自分で作った矯正装置の数』

 

少し前に年が明けたと思ったら1月ももうすぐ終わりますね。あっという間のひと月でした。

年が明けて、

冬休みのうちに矯正相談だけでも、、、

という学生の駆け込みの患者さんも多くいらっしゃいましたが、改めてこの地域の皆さんの歯並びへの意識の高さを1年の最初から実感しています。

 

歯学部に6年通って卒業、歯科医師免許を取得、、、しただけでは矯正治療は全くと言っていいほどできるようにはなりません。

矯正治療については、学生はもちろんや歯科医師免許を取得した研修医でさえも、患者さんに直接触れるという形では診療に参加することはほぼありません。

その理由はいくつかありまして、でもそれを書くと今日の本題からもっと外れてしまうのでここでは書きません。

ただそういうこともあって矯正治療ができるようになるには、歯学部卒業後、研修医を修了したのちに、通常大学病院の矯正歯科に入局して研鑽を積むなどといったことが必要になります。

町の診療所とは異なり、大学病院は臨床(診療)のほか、研究や医師の『教育』も担う機関でもあるため、大学病院の矯正歯科というところは、

『矯正医を育てる場』

でもあるわけです。

 

というわけで、町の診療所とは異なる部分がいくつもあります。

本題に戻っていきますが、

その一つが矯正装置の作成です。

 

大学病院の矯正歯科では(注:すべての大学ではないかもしれません)、よほど作製に手間がかかるものでければ、矯正装置を外注に出す(技工所に発注する)ということはしません。

なんでもそうかもしれませんが、とあるものを0から作ることができなければ(作ることができる知識や技術がなければ)そのものを上手に扱うことはできません。

さらに姿や形が単に矯正装置のようになればそれでいいかというと決してそうではありません。

 

矯正装置には、

どうやったらもっとも効果が出るか

好ましくない反作用を抑えることができるか

患者さんの装着感は悪くないか

いつまで使うことを前提にしているのか

次に使う装置はどのようなものになるのか(今作る装置にはどこまでの機能をつけるべきか)

などといった設計者・製作者の思惑がたくさん盛り込まれています。

 

ですので、そのような思惑の詰まったものを自らの手で作ることができないと、装置を使った治療そのものもできない、ということになってしまいます。

中には装置のプラスチックの高さや幅を数ミリ変えるだけで、患者さんの顔の骨格が変わるような場合もありますから、装置の設定はとても大事になってきます。

 

という背景があるため、矯正歯科に入局したドクターは自分の患者さんの装置はもちろん、自分のつく指導医の患者さんの装置も作製するということをして数をこなし、本当の意味で、

『装置を作ることができる』

ようになります。

 

ここでやっと本題に戻れます。

 

いくつくらい作ったかなぁと考えてみました。

僕の場合、当時大学病院のOBの先生が開業している矯正歯科医院の矯正装置を作るという仕事もしていたため、大学病院での作製数+矯正歯科医院での作製数+その他での作製数の合計ということになります。

1000は超えてるだろうけど2000まではいってないかなぁ

というところかと思います。

ただ、大学ごとでよく使う装置、あまり使わない装置がありますから作った装置に偏りは存分にあって、これだけ作っていても数ある矯正装置の種類の中ではまだ作ったことのない装置もあります。

当時はヒーヒー言いながら作っていましたが、今はあの時あれだけ作っておいてよかったなぁと心の底から思っています。仕事を与えてくれた患者さんや先生たちに感謝です。

 

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1月26日(木

『凸凹の歯並びは治したい!でも、出っ歯になるのは嫌だ!』

 

わかる方にはわかるタイトルかもしれませんが、

通常、歯並びの凸凹(叢生)を一列にしようとすると歯は前に出ることになります。

上顎の歯列を想定してください。水色の歯は犬歯ですが、①では犬歯が八重歯になっています。

このはみ出した八重歯を歯列の中に入れ込もうとすると、通常②のようになります。つまり、

『凸凹(八重歯)は治ったけど前歯が前に出てしまう』

結果になってしまいます。

 

初診相談に来られる方に最も多い主訴はやはり

『歯並びの凸凹(叢生)』

であり、それを、

『一列にしたい』

ことが一番の希望です。

しかし、

『ただ一列にしようとすると、出っ歯になっちゃうんです』

と説明すると、その仕組みはとてもよく理解していただけるんですが、とても驚かれます。

 

今回のように、歯列からはみ出した歯を歯列に戻すには、スペースが必要です。なのでスペースを作らないことには歯は歯列に戻れません。

そのスペースをどこに作るか?によって出っ歯になる、ならない、むしろ口元が引っ込むなどの結果が変わってきます。

出っ歯になってしまうのは、歯列の『前方』にスペースを作った場合です。つまり、前歯4本(緑色)をさらに前に出すことによって、犬歯の入るスペースを作った場合には出っ歯になってしまうのです。

 

では前歯を出さず、出っ歯さんにならずに凸凹を一列にするには、どうやってスペースを作ったらよいのでしょう?

そのためにはスペースを『中間』あるいは『後方』に作る必要があります。

 

まず歯列の『中間』にスペースを作った場合です。

『中間』にスペースを作る、ということはつまり、中間の歯を抜いてスペースを作ることを意味します。

①のオレンジの歯は第1小臼歯(上)、第2小臼歯(下)ですが、犬歯のすぐ下の第1小臼歯を抜いて、犬歯の入り込むスペースを作ります。

すると②のように、犬歯と第1小臼歯が入れ替わった形になります。今回は前歯を出す必要はありませんので、最終的に前歯の位置は変わらないかむしろ少し引っ込んだ位置になります。

 

次に歯列の『後方』にスペースを作った場合です。

『後方』にスペースを作るということは、犬歯を歯列に入れ込むために、犬歯より後ろにある歯(オレンジとピンクの歯)をさらに後ろに退げる(①→②)ことを意味します。(これを遠心移動と呼びます。)

退がって出来たスペースに犬歯を入れ込みますから(②)、やはり前歯を前に出す必要はないため、この方法でも出っ歯にはなりません。

 

左右の小臼歯の抜歯によっては計15mmほどのスペースが獲得できます。一方、遠心移動で得られるスペースは計0〜10mmほどでしょうか。

遠心移動に関しては患者さんの骨の状況によって、出来る人・出来ない人、多くのスペースが得られる人・少しのペースしか得られない人というように、得られるスペースには幅が生じます。

 

最初の凸凹の程度が大きければ大きいほど、それを一列にしようとするとその分出っ歯になります。

ですので凸凹の程度の大きいかたが、それを一列にし、かつ口元も出さない、さらには口元を引っ込めるということを望まれる場合は、多くの量のスペースを確実に獲得できる

『抜歯』

が選択されることが増えるのです。

 

スペース獲得を『前方』に求めて、口元がモコッとなってしまうのは皆さん望まれないと思いますから、いずれにしても『抜歯』や『遠心移動』といった『中間』から『後方』にスペースを求める方法が必要になってくるのです。

 

ではどちらが選択されるのか?

これについては、

・必要とされるスペースの量

・歯周組織(骨や歯茎、歯根)の状態

・患者さんの抜歯に対しての考え方

・期間

・仕上がりへの考え方

などが関係してきますから、慎重に検討する必要があります。

 

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1月23日(月

『子どもの矯正治療は『どこに向かって進んでいるのか』を確認することが大事です。』

 

大人の矯正治療では通常、

『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』

をゴールに治療が進められます。

 

子どもの治療も原則としては、このゴールに向かって治療が進められるべきと考えます。

しかし子どもの矯正治療では、様々な理由でこのゴールがぼやけがちに治療が進められてしまう傾向があります。

 

ですので子どもの矯正治療を開始する際には、その治療が、

どこを目的に、どれくらいの期間(サポート期間)の治療なのかを、

しっかり確認すべきでしょう。

 

どこを目的に

上記の『キレイな歯並び、、、』を目的としますが、症例によっては子どもの治療のみでは達成できない場合もあります。

その際は、中学生以降での治療により上記ゴールが達成されることになります。

大事なことは、その治療が、

『行き当たりばったりではなく、しっかりとしたゴールに向かって進められている治療』

でなければならない、ということです。

 

どれくらいの期間(サポート期間は)

子ども(小学生)には歯の生え替わりと顎の成長問いう変化があります。この変化が止まるまでは歯並び・噛み合わせは安定しません。

安定する目安としては12歳臼歯が生え終わる頃、中学校1年生くらいでしょう。

なので、『子どもの治療としてサポートがあるべき期間』は治療開始から上記までの期間であることが必要なはずです。

『治療の効果は出なくとも、装置を使用し始めて2年経過したらそこで治療終了』

は論外ですが、

『小学生2年生から治療を始めて、拡大床装置を2年使ったら治療終了』

でも、まだまだ歯の生え替わりも顎の成長も途中である、小学校4年生以降の歯並び・噛み合わせはサポートされないことになってしまいます。

 

矯正治療の開始に際しては『診断』と言って、精密検査の結果と今後の治療方針を患者さんに報告する場が必ずあります。

その場にて、上記の子どもの矯正治療の『ゴールと計画』をしっかり確認した上で治療を開始していただきたいと思います。

 

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1月21日(土

『国別!矯正治療中の患者さんによる患者さんのイメージ!』


一年のうちで2月が一番寒い(平均気温が低い)と思っていましたが、そうではないんですね。
全県調べたわけではないんですが、北海道、青森、東京、大阪、広島、鹿児島、沖縄と、すくなくともこれらの県はすべて1月が最寒なようです。

それにしても沖縄は過去30年の最低気温が14.6℃ということですから驚きです。

 

『矯正治療中のイメージは?』
(矯正治療をしている方に矯正治療をしている自分のイメージは?)

というアンケート調査によれば、

 

『だんだんと歯並びがキレイになっていくので嬉しい』

 

と答えた方が、

日本人37%、アメリカ人76%、中国人63.5%だったのに対し、

 

『矯正装置が不自由でつらい』

 

と答えた方が

日本人67%、アメリカ人24%、中国人36.5%だったとのことです。

 

日本人はとにかく矯正装置が見えるのが気になるようです。

 

日本人は、

『陰で頑張る、人知れず努力する』

のが美徳とされる国民性ですから、矯正治療もそれに当てはまるのかもしれません。

 

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1月13日(金

『矯正治療をしなくてもいいことを知るために『歯並び健康診断』?

 

突然ですがこの写真は、お口のレントゲン写真です。レントゲンですので、パッとお口の中を目で見ただけでは分からない『お口の中の中』の情報を知りたい時に撮影するものです。

小学生くらいのレントゲンですが、赤丸と青丸は『これから生えるはずの犬歯』です。まだ骨の中に埋まっています。

赤丸の犬歯が斜め前を向いてしまっていることに気づかれると思います。

 

ところでみなさん『健康診断』って受けますよね。


学校で、職場で、病院で、現在の自分の健康状態を把握するために、少なくとも年に一回は受けていたいものです。

内容としては、視診、触診、体重、身長、血圧、レントゲン、尿検査、血液検査、、、、など多岐にわたります。上の列挙では血圧までは体の外から(を)診る検査ですが、レントゲン以降は体の中を見る検査です。

この健康診断の目的は、

・現在の健康状態を把握する

・異変があれば、異変の部位を把握し、そこへのアプローチを開始する(きっかけとする)

ためです。

健康診断で、何もなければ

『何もないこと(健康であること)が判明して良かった』

となりますし、

何かあれば、

『このまま知らずに放っておいたら良くないことになっていただろうから、早いうちに知ることができて良かった』

となりますから、どちらにしても受けて損はないと思われます。

そしてこれらの検査から得られる正確性は、体の外だけよりも体の中まで探った場合の方が、より高くなります。

視診や触診、体重、身長、血圧だけを測って医師から『大丈夫、健康です』と言われても『本当に大丈夫ですか?』と思わず聞き返してしまうでしょう。それだけでは体の中の様子をあまり把握できていないことを患者としても知っているからです。

そもそも医師も、それだけの情報では『あなたは健康です。治療は何もしなくていいですよ。』とは言えないでしょう。

 

矯正治療でも同じです。

見た目(お口の中の視診)で問題ないような状態でも、それだけでは

『治療の必要はありません』

とはなかなか言えません。

このお口の写真はこのレントゲンの方のものですが、お口を見ただけでは『今後生えてくる左上の犬歯の向きが変』ということはちょっと想像できません。

ですからもし、お口のなかだけを見て歯科医師が『並びの凸凹も少ないし、治療はしなくていいですよ』と話してしまったら、より深い把握をしていれば見つかったはずの良くない状態が放置されてしまうことになりかねません。

患者さんが『おかしいな』と気づくのは、右の犬歯が生えてきてだいぶ経つのに左の犬歯が生えてこない、となった時です。上の写真から1〜2年経過した時です。

その時に赤丸の犬歯は前歯の根にぶつかって、前歯をグラグラにさせているかもしれません。


そのような状態を防ぐためにも、言葉としては決して浸透してはいませんが、

『歯並びの健康診断』

は早めに一度受診しておいたほうが良いでしょう。

 

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1月11日(水

『部分矯正で難しいこと』


毎日気温は低いですが、晴れていて風もない日は日差しをとても暖かく感じられて気持ちいです。富士山もとても大きく綺麗に見えますしね。

 

部分矯正についてはこれまで何度か触れてきました。

初診相談の時に、

『気になるとこはここだけだから、チャチャッとやっちゃってよ』

というノリで部分矯正を希望される方もいらっしゃいます。(笑)


けれど、意外と部分矯正は難しいんです。

 

部分矯正は装置を付ける範囲が限られますから、当然僕ら矯正医の手の届く範囲(治療でまかなえる範囲)も制限されるわけです。


平たく言えば、装置をつけた歯しかコントロールすることはできない、ということです。

 

一方で、歯を動かす際に矯正医が考えなければいけないのが『作用』と『反作用』です。

目的の歯を動かす(作用)のは簡単ですが、目的の歯が動く際には当然目的ではない歯にも力(反作用)がかかって動いてしまいます。

矯正治療ではこの反作用をいかに抑えながらやっていくかがとても大事であり、この反作用に対するケアをしっかりしたかどうかで、仕上がりや治療期間にも差が出るほどです。

 

部分矯正では、装置を付けるのが前歯2〜6本ほどにとどまる場合がほとんどです。

そのため、装置が付いている歯を動かしたその反作用が、装置をつけていない歯に生じて歯があらぬ位置に移動してしまった場合、それを治す術はありません。

なので部分矯正の適応症は、

気になる部分に装置をつけて歯を動かしても、良くない動きが装置をつけていない歯に起きない範囲でできる治療

と、比較的狭いものになってしまうのです。

とは言っても、動いて欲しくない歯に、歯を動きにくくする装置を付けることで、動きにくくする方法もありますから、実際にはそこまで適応症が狭いわけはありません。

 

もう一つ難しい要素としては、

『治療期間の制限』

です。

もともと部分矯正自体が半年〜一年程度で終わるような主訴の方に対して行うものです。

そのような方の場合、半年後に○○というイベントがあるからそれまでに治療を終わらせたい、という要望を持って部分矯正を選ばれている場合も多いです。

先ほどの話ではないですが、限られた治療期間に起きてしまった反作用なんかに時間を取られていると、期間内に終わらないわけです。

治療開始前から起きる反作用を全て洗い出して、それに対するアプローチを計画立てて行いながら、目的の歯のみを目的の位置まで動かす、という最短ルートでの治療が必要になるのです。

まだ他にもいくつかありますが、少し長くなりましたので今日はこの辺にしておきます。


以上、部分矯正は意外に難しい、というお話でした。

 

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1月4日(水

『あけましておめでとうございます』


皆さま、新年あけましておめでとうございます。

皆さま年末年始はどう過ごされましたか?僕は年末年始は宮崎県にある妻の実家にお邪魔していました。

次男が生まれた時からのご無沙汰だったためちょうど2年ぶりでしたが、なんか一週間ぶりくらいに帰ったような、不思議な感覚でした。

今思い出しても『あれ?これ(この出来事)2年前だっけ?今回だっけ?』のような感じです。

とてもくつろがしてもらえた4日間でした。

1月1日に飛行機(ANA)で宮崎を離れたんですが、搭乗中長男が

『今日誕生日』

とCAさんにアピールしたところ、プレゼントと手書きのメッセージカードをいただいちゃいました。

とても嬉しい心遣いで、長男も家に着くまでプレゼントを離しませんでした(と思います。)。

 

お話し変わりまして、
年末年始期間中ご予約のご連絡をいただきましてありがとうございます。また、休診日明けのお返事・ご連絡となってしまい大変ご迷惑をおかけ致しました。

一方で、休診期間中に救急対応が必要になる現在通院中の患者様は一人も出ず、安心しております。

さていよいよ2017年ですね。

今年も、安心安全な治療を心がけ、地域の皆さまの良い歯並びに貢献していきたいと思います。

どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

 

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12月28日(水

『本日で年内の診療は最後になります』


冬になると雲ひとつない青空の日がよく続きますね。そんな日は、裾野からの富士山はとても大きく綺麗に見えます。

さて、12/28(水)が当院の年内最終診療日となります。

現在治療中の患者さまには12月の来院時に、何か少しでも違和感を感じたら早めにご連絡をくださいとお伝えしていましたが、そのようなご連絡もなく安心しております。

新年は1月4日(水)からの診療開始となります。

 

今年は予想していた以上の方にご来院いただき、地域の皆さまの歯並び・噛み合わせへの意識の高さを実感できた一年でした。

来年も患者さまの、

『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ』

に貢献できるよう、より良い診療を提供していきたいと思います。

 

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12月26日(月

『早く終わりたいのでたくさん力をかけちゃってください(^ ^)』


先日の矯正の診断での話です。
 

高校生の女子とそのお母さんに、診断ということで現状と治療方法の説明をしました。患者さんは高校生の女子の方です。

現在3年生で、2019年の成人式までには治療を終わりたいとのこと。

歯の重なりの程度はなかなか大きいものの(重度の叢生)、症例としては決して難しいタイプではないです。

装置を付けるのが2017年の1〜2月として、2018年の12月までに治療を終えればいいわけですから、期間は2年弱あります。

しかもどちらかといえば、先日のブログでも紹介したいわゆる『治療期間のかからない』タイプであるため、順調に進めば『前撮り』のタイミングにも間に合う可能性も大いにあるくらいです。
 

当院に来られる患者さんから、


『やっぱり治療は3年くらいかかるんですよね?』


という言葉をよく耳にします。

先日の患者さんからもこの言葉を聞きましたし、この患者さんのお母さんも初診相談の時にそう話していました。

おそらく現在の凸凹の程度から『治療期間は長いだろうなぁ』ということを連想させるのだと思います。

さらに『成人式までには、、、』といった背景があることから診断中にお母さんから
 

『早く終わりたいのでたくさん力をかけてあげてください(^ ^)この子痛みには強いので(^ ^)』
 

という言葉をニコニコしながらいただきました。


僕も歯医者になった後も、矯正治療を大学病院で勉強するまでは、歯はたくさん(大きな)力をかければ早くたくさん動くのだと思っていました。

でも実際は違います。

大きすぎる力をかけてしまうと、歯が動くスピードを逆に下げてしまうのです。しかも痛みだけは力の強さに応じて強くなりますから、これでは『痛み損』です。

(矯正力をかけて歯が動く際の反応は一種の炎症反応ですから、歯に装置をつけて力をかけると痛みは個人差・程度の大小はあれ生じます。)


何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、『中庸』であることが大事です。医療の場合は、過ぎたるは及ばざるよりなお悪し、かもしれません。

そんな内容の話をお母さんとご本人にもさせていただき、納得してもらいました。

 

無理なく進めることで結果も付いてくると思います。

 

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12月23日(木

『転居が控えている場合、矯正治療はいつどこで始める?』


『矯正治療における転居』これは患者さんにとってはもちろん、矯正歯科医院にとってもとても悩ましい問題です。


矯正治療『中』に転居することとなった場合、これはもうその時の状況に従うしかありません。

患者さんは転居先の新たな矯正歯科でスムーズに治療が開始できるよう、治療内容や費用の引き継ぎを現矯正歯科にしてもらうことになります。


では治療開始前から転居がわかっている場合、これはどうしたらいいのでしょうか。

結論だけ見れば至ってシンプルです。

1、転居前に矯正治療を開始する

2、転居先で矯正治療を開始する


1を選ぶ方は、

・転居までが比較的長く(2年くらいはある)、転居前に治療が終わる可能性がある

・転居先が現住まいから近いため、転居後もこれまでの矯正歯科に通える

・とにかく早く治療をスタートさせたい

というようなことが理由にあると思います。
 

2を選ぶ方は、

1の理由の逆の方ということになるかと思います。


患者さんのライフスタイル、環境、考え方などいろいろですから、1と2どちらがいいとは一概には言えません。

転居を2ヶ月後に控えた患者さんが、転居前の矯正歯科医院で治療を開始したケースもあるくらいです。
なぜ転居前に治療を始めようと思ったか?その理由は『聞けば納得』と言ったものでした。

まさにライフスタイル、環境、考え方はいろいろなんだなぁと実感させられた例でした。


矯正治療は年単位の治療ですから、治療には転居の問題はつきものです。転居とどう付き合うか?これも矯正治療計画に組み込まれるべき大事な要素の一つになります。

 

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12月20日(火

『2回目の矯正相談~お父さんもまじえて』


いよいよ12月も20日に突入です。今年も残すところあと10日あまりになりましたね。裾野の街(?)からもこころなしか歳の瀬を感じる今日このごろです。

 

未成年の方の矯正相談にはおうちの方が一緒にいらっしゃることがほとんどですが、そのほとんどがお母さんです。
 

もちろんお父さん、お母さんが一緒に来られる場合もありますが、比較的少ないです。
 

お母さんだけがいらっしゃる場合、治療の概略はもちろんお母さんに説明することになりますが、多くの場合その説明内容をご家庭に持ち帰り、お母さんからお父さんに説明されるかたちになるかと思います。
 

その際、もしうまく説明することが難しかったりまたご希望があれば、後日お父さまにもご来院いただき説明させていただくこともできます。
 

矯正治療、とくに子どもの矯正治療ではご家族全員の協力があってはじめてうまくいくことが多いです。ですので、お子さんの歯並び・噛み合わせの現状をお父さん、お母さんの両者に把握していただくのはとても大事なことだと考えています。
 

題名には『2回目の』とありますが、経過の観察ではなく矯正相談の場合、必要であれば何度でも行いますので、ご用の際はお気軽におっしゃっていただければと思います。

 

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12月19日(月)

『矯正歯科治療と医療費控除について』


当院で矯正歯科治療を開始する患者さんには、治療開始前のオリエンテーションで説明させていただいています、

『矯正治療と医療費控除』ですが、

矯正歯科治療も一定の条件を満たせば、医療費控除の対象になります。

 

お住いの地域の担当税務署によることもありますが、矯正治療はほとんどの場合、見た目だけでなく噛み合わせといった機能面の改善を伴っています。

つまり、

『噛み合わせが悪く、機能的な問題があるために矯正治療が必要』

という診断で矯正治療を行っているので、医療費控除の対象になるわけです。

 

申請にあたり診断書が必要な方はお申し出ください。上記旨を記載した診断書を発行いたします。

 

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12月14日(水)

『舌側矯正には表側矯正にはない『準備』がたくさんあります』

 

たくさんあります。

たくさんありますので、その全てをここで紹介することはできませんが、代表的な部分をひとつご紹介したいと思います。

それは、『歯に装置(ブラケット)をつける』際の準備です。

表側の矯正の場合、ブラケット装置(粒々の装置)を直接歯に付けることができます。そして付けた位置も正確です。

舌側の矯正の場合、もちろん表側のように接着剤さえあれば装置を直接歯に付けることはできます。しかし正確な位置に付けることが絶対できません。

ピンとこない説明になりますが、

表側にブラケットをつける場合2次元でブラケットをつければよく、

裏側にブラケットをつける場合3次元にブラケットをつけなければならない

からです。裏側の正しい位置に直接ブラケットをつけることができる人間は恐らくいないでしょう。
 

そのため裏側の正しい位置にブラケットをつけるには、患者さんの歯型を用いて

『正しい位置にブラケットをつけることを可能にするもの』

をあらかじめ準備作成しておく必要があります。

それが写真のようなものになります。

金属の部分がブラケットです。(当然ですが金属であっても裏側なので見えません。)

ピンクの輪っかの部分をガイドにして、下写真のように歯にはめます。輪っかはぴったりと歯にはまるので、結果ブラケットは歯の裏側の『ここ』という場所に正確にセットされます。

セット後ピンクの輪っかは外します。

以前のブログとも関連しますが、表側のブラケットのセットにはこの過程はないため、ご希望により診断後比較的早期に治療を開始することも可能です。

しかし裏側の場合、上記の準備が必要になるため、診断から装着まで1月半〜2ヶ月(装置作成のための精密な歯型を診断後いつ採得するかにもよります)ほどはかかることになります。


今回のブログは、初診相談の際、表側のホワイトブラケット(目立ちにくい面側のブラケット)にするか、裏側からするかを迷われていた患者様に、この『準備』について説明したところ装置装着までの期間の差に少し驚かれていたので書いてみました。

ただこの長く思える準備期間も、治療が始まれば矯正歯科への通院間隔はだいたい1月半ほどですから、それが最初から始まっていると思っていただければいいのかもしれません。

 

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12月10日(土)

『8020を達成できた人はどんな歯並びだった?』

 

みなさん『8020(はちまるにまる)』をご存知でしょうか?

80歳で20本の自分の歯が残っている状態のことです。

病的に歯を失う原因は虫歯や歯周病が主ですから、8020を達成できた方というのは、予防や早期の治療、治療後の管理をしっかり行っていて、虫歯や歯周病への罹患が少なかった方々であるということができると思います。

もう10年くらいになりますが、それ以外の共通の特徴はないだろうか?ということを調べるため、

『8020達成者の歯並び・噛み合わせを調べる』

という研究が行われ、その結果が報告されました。

すると8020達成者の歯並び・噛み合わせには、

開咬

反対咬合(受け口)

の方はいらっしゃらなかったということが判明しました。

逆を言えば、歯並び・噛み合わせの状態が開咬と反対咬合では80歳で20本の歯を残せないということになります。

ちなみに、開咬も反対咬合も上下の奥歯のみが咬合し、上下の前歯は機能時に接触が起こらない噛み合わせですから、全ての歯が咬合に参加する、つまりは噛み合わせがちゃんとしていることが『もちのいい歯』であるためには大事であるということになるのでしょう。

 

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12月9日(金)

『セミナー受講につきまして、診療日のご確認をお願いします』


来週、2週続けてになりますが東京にセミナー受講してきます。

そのため、12/12(月)をご予約・お電話対応のみとさせていただきます。

 

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12月6日(火)

『精密検査から診断までに『1週間』分析のお時間をいただいています』

 

先日沼津に行ってきました。沼津からの富士山は愛鷹山に遮られ、山頂に近い部分のみが見えます(どこから見るかにもよると思いますが)。一方で裾野からの富士山は遮るものがあまりなく、ほぼ全貌が見て取れます。
景色としては良いですが、遮るものが何もないというのも何か怖い気もします。


矯正治療を始めるにあたり、何も考えずに当てずっぽうで

『えいっ!』

と歯を動かすわけにはいきません。

歯型を採ったり、より詳しい矯正専用のレントゲン(セファロ)、CTを撮影したりなどして、精密に、詳細に現状の把握と将来の予測を行います。

それにより、安全に、効率的に、的確に歯を動かしていく計画を立てることができます。いわば、

『キレイな歯並び、きちんとした噛み合わせ、スッとした口元』

になるまでの地図、航路とでもいいましょうか、設計図のようなものを作りそれに基づき治療を進めていきます。

その設計図を作成するのに検査から診断までには1週間のお時間をいただいています。

診断では検査から判明した、現状、治療計画、治療に際し起こりうること、予想されるゴール、期間などをご説明します。
 

矯正治療は何かと不安がつきものです。その不安を0に、とはなかなかいかないのかもしれませんが、患者さまの感じうる不安がなるべく少ない状態で納得して治療を開始していただけるよう準備するのが『診断』の役割であると考えています。

 

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12月4日(日)

『マウスピース矯正(アライナー矯正)学会へ参加』

 

少し前のブログで秋〜冬にかけて参加する学会・セミナーが山ほどあります、と書きましたが、今ままさにその真っ最中です。

先日は『第3回 日本アライナー矯正歯科研究会』に参加してきました。

会場は東大です。

初めて赤門をくぐり、頭が良くなったような気になり聴講してきました(笑)。

 

世間一般ではマウスピース矯正という呼び名で知れ渡っていますが、専門的にはアライナー矯正と呼びます。

マウスピース矯正というと、患者さまの方からも挙がる『インビザライン』が有名ですが、実は現在アライン社(インビザラインのメーカー)以外の多くのメーカーからも『アライナー』は提供されています。
しかしやはりインビザラインがいろいろな面で一歩二歩と先を走っているでしょう。

今回各国から20名ほどの著名な臨床医がプレゼンターとして集まり講演を行っていましたが、インビザラインを用いた症例発表や臨床知見の報告がほとんどでした。

さて当院でも治療を行っているこのインビザラインですが、今回の講演を聞いて改めてその適応症の広さや、マルチブラケット装置での治療にはない(できない)利便性、優位性などを実感してきました。

今後ますますアライナー矯正の需要は増えると思われます。その需要にしっかりと応えていきたいと思います。

 

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12月2日(金)

『今月のブラックボードです』

 

いよいよ12月になりました。
街もクリスマス一色ですね。ということで、今月のブラックボードもクリスマスです。

12月はセミナー参加や連休などで、診療日と休診日がやや変則的になっています。医院カレンダーにてご確認ください。

年内診療は28日までとなっております。

 

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11月28日(月)

『乳歯が抜けた後、永久歯がなかなか生えてこない時は、、、』

 

このブログでも度々報告しています、『似たような主訴の初診相談が何件か続く』ことがまた最近ありました。3人も続いたため、学校歯科検診的なものがあったのかと思えるほどですが、それぞれの方で小学校も異なっていたためやはり偶然でしょう。それにしても不思議です。

内容は、

『乳歯が抜けた後に永久歯がなかなか生えてこない』

というものです。

2人が前歯、1人が奥歯の永久歯がなかなか生えてこないということを気にされての来院でした。

乳歯が抜けた後、なかなか永久歯が生えてこない理由はいくつかあります。
 

1何の異常もないが単純に生えるスピードがゆっくりな場合(生えるスピードの個人差)

2永久歯が生えようとしているところの歯茎の厚みが厚い

3乳歯の時に根っこにまで及ぶ虫歯があった(該当乳歯あるいは周囲の乳歯に)

4乳歯の時にその乳歯を強くぶつけた

5その永久歯がそもそも存在していない

6生えようとしている永久歯の近くに余分な歯(過剰歯)があって邪魔をしている

7永久歯の生えようとしている方向・場所がおかしい

8生える隙間がなくて生えてこられない


などなど理由はたくさんあります。

原因が1や2であれば様子を見ていていいことがほとんどですが、1や2が原因であると決定できるには、『3〜8が原因ではない』と決定できなければなりません。

乳歯が抜けてから(自然に抜けてから)、半年以内には永久歯が生え始める場合がほとんどです。

青丸の犬歯は今後自然に生えてくれますが、赤丸の犬歯はいくら待っても自然には生えてくれません。これはあくまで一例ですが、骨の中でこのようになっている様子はお口の中を見ただけではなかなかわかりません。

乳歯が抜けてから半年経っても永久歯が生えてこない場合は、レントゲンで骨の中の様子を見た方が良いでしょう。

 

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11月22日(火)

『初診相談でお話しすること』

 

裾野では晴れると富士山がとても綺麗に見えます。以前住んでいた横浜の自宅からも見えましたが、裾野から見えるあのサイズで雲ひとつかかっていない富士山はまさに壮観です。

 

矯正歯科の初診相談に来られる方のそれまでのバックグラウンドは様々です。

・学校検診で指摘を受けた方

・かかりつけの歯科医院で矯正治療を勧められた方

・保護者の方が気になって受診される方

・ご本人が気にされて受診される方

・当院が初めての初診相談の方

・これまでに複数の医院の初診相談を受けられている方

・他院さんにて検査、診断までを済まされていてセカンドオピニオンとして来院される方

・他院にて治療中の方

 

などなど様々です。

様々ですが、矯正歯科に初診相談に来られる方は2つに大別されると思います。

ひとつは、情報が少なくて(まだ無くて)情報を求めて来られる場合

もうひとつは、情報が多くて正解はどれかを求めて来られる場合

です。

歯並び・噛み合わせについて不安ごとや問題ごとを何もお抱えでない方は当院には来院されませんから、皆さん何らかの心配事や不明点などをお持ちで初診相談を受けに来られます。


矯正治療には好ましいゴールというものが存在しますが、これは必ずしも矯正治療を受ける全ての方に当てはまるもの、あるいは当てはめていいものであるわけではありません。

ですので、現状からゴールにに向かう道筋は一本だけではなく何本も存在することになるでしょう。
ひとつのゴールに向かう道ですら何本もあるのに、別のゴールが存在するとなると、ゴールまでの道筋の本数の多さは計り知れ(ないかもしれ)ません。

ですので、

情報のまだない方には、こういうゴールがあってその道のりにはこのようなコースがあって、、、などというお話しをさせていただき、

情報が多くやや今後について混乱している方には、その絡まった何本かの道筋を解きはぐすことができるようなお話しをさせていただくことを、当院の初診相談では心がけております。

相談後、すっきりとした状態で再度ご家庭でご検討されてみてはと思います。

 

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11月16日(水)

『口元がモコッとしていることがコンプレックスだった』

 

最近雨が続きます。ちょっと出る用があるときに外が雨でしかも寒いと、億劫になって『明日でもいっか』と用事を後回しにしがちです。
 

先日の学会の際、友人何人かと食事をする機会がありました。


メンバーは矯正歯科医、歯科技工士、その他業界関係者でした。業界関係者というのはわかりやすく言えば、矯正歯科の材料メーカーの方々です。
 

そのメーカーの方のうちの一人が20代の女性の方だったんですが、彼女は10代後半でマルチブラケット治療による矯正治療を終えています。
そしてそれを機に『矯正』に興味を持ち、結果今の会社での勤務に至っています。(歯科衛生士になることも考えたそうです。)
 

当時彼女は口元がモコッとした状態がとてもコンプレックスだったとのことです。彼女曰く、
『お猿さんのような口元』だったため、一部男子からはそのようなあだ名で呼ばれたこともあったとか。
 

治せるものなら治したいと思っていたものの、自分の母親も(もっと言えば母のお姉さんも)自分と同じ口元だったし、『骨』とか『骨格』を治さないことにはもうどうにもしようがない、そんなものが治せるはずがない、と(自分で勝手に)思い込んでしまっていたようです。


 

ところがとある年のお正月、親戚一同が集まった際、自分と同じ口元だったはずのいとこの口元が『スッ』としていたそうです。彼女がそのいとこに持っていたイメージからすると『まるで別人』に映ったとのことで、当時の『え?!』という衝撃は今でも忘れられないとのこと。
 

お正月明けにすぐ矯正歯科に行き、2月にはもう矯正治療を開始していたといいますから、まさに『善は急げ』です。
 

業界関係者でしたので、治療はどこでしたの?と聞いてみたところ、僕の大学の先輩のクリニックでした。やはり狭い業界です。

 

一つ後悔しているのは、当時『治せる方法なんてない』と思い込んでしまって、インターネットなり人に聞くなりといった『調査』をしなかったこと、何か積極的に調べるということをしていれば、もっと早いうち(そこに何があったのかは話してもらえませんでしたが、希望としては高2の夏までにだったようです)に『スッ』とした状態になれていたのになぁと残念そうに言っていたので、
 

『今がもうキレイなんだからいいんじゃない?』と言っておきました。

 

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11月14日(月)

『誰にも気付かれない矯正治療なら、舌側(裏側)からの見えない矯正治療』

 

矯正治療をほぼ完全に見えない、気付かれないようにやろうと思うと、方法は一つに限られます。それはご存知の方も多いと思いますが、『舌側矯正』です。

ホワイトブラケットとホワイトワイヤーは歯の色に近くすることで目立たなくなります。インビザラインはマウスピース(アライナー)が薄い透明な材質であることで、やはり目立たなくなっています。

しかし両者は歯の表に装置が位置するという点において、どうしても『表から見えない』ということはにはなりません。

上の写真のように見えない舌側(裏側)矯正ですが、メリットばかりではありません。

 

まず費用が高くなります。表側で行う場合の2倍ほどになります。

チェアタイム(一回の診療時間)が長くなります。これは表側で行った場合の1.5倍ほどの時間がかかります。(必ずしもトータルの治療期間が長くなるということではありません。)

舌感が悪くなります。特に下の歯列に裏側から装置を装着した場合は、すぐ近くに舌が収まる(方が多い)ため、違和感は大きいと言われます。

噛み合わせの深い方は、奥歯にプラスチックを盛り噛み合わせを浅くします。これによりご飯が食べにくくなります。

 

『見えない』以外のメリットとしては、

虫歯になりにくい。歯の裏側は唾液の流れと舌による自浄作用を受けることができるため、虫歯のリスクは歯の表側に装置をつけた場合に比べ下がります。ただ、裏側の歯磨きをしなくていいわけではありません。

 

こう見るとデメリットの方が多いようですが、裏側を選択される方はこれにひるみません。『見えない』ことがすべてのデメリットを凌駕するのでしょう。

しかしその前に舌側矯正はより専門性の高い治療方法となります。施術を受ける医院の選択は慎重に行いましょう。

 

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11月12日(土)

『ホワイトワイヤーとホワイトブラケット』

 

裾野市の中心部?から見える山々も少しずつ黄色くなってきました。冬並みの寒さの日もたまにありますが、裾野での本当の冬はもっと寒いんでしょうね。

 

矯正装置というと、写真左のような少し『ギラギラ』した装置を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
でも左側の装置、一昔前に比べればだいぶ目立たないものになっています。というのもこれまでは歯に付けるボタンのような装置(ブラケット)は金属が主流だったからです。(ワイヤーだけでなくブラケットも金属でした。)

写真左はプラスティックブラケットにコーティングなしの金属ワイヤーの組み合わせです。

写真右のブラケットはセラミックブラケットを使用しています。
上あごのワイヤーは金属ワイヤーにホワイトコーティングをしたもの、
下あごのワイヤーは特殊なコーティングをして金属色を抑えたものとなっています。ホワイトコーティングとは異なります。

歯はブラケットを介してモノレールのようにワイヤー上を動きます。そうするとブラケットとワイヤーの間には摩擦が生まれるため、ワイヤーが擦れます。擦れるとホワーイトコーティングが施されているようなワイヤーの場合、コーティングが剥げることがあります。

コーティングを剥がそうとする外力はそれだけではありません。日々の歯磨きによる歯ブラシの摩擦であっても、擦られる回数が積み重なることで剥げることがあります。

矯正歯科材料の現状で、剥げにくいホワイトワイヤーの開発は進んではいるものの、まだ『剥げない』ホワイトコーティングワイヤーは開発されていません。

 

写真右の『特殊なコーティングにより金属色を抑えたワイヤー』は、剥げませんが、ホワイトコーティングではないため白さが劣ります。

またホワイトコーティングワイヤーにも、歯の移動による摩擦でコーティングが剥げない工夫も施されています。患者さまがご家庭で実践する、コーティングが剥げにくい歯磨き方法というものもあります。

 

では使用する患者さまにとってどちらがいいのでしょうか?

 

当院では写真右の上下両方のタイプのワイヤーを揃えています。ワイヤーは細くて柔らかいものから、治療が進むにつれ太くて硬いワイヤーに交換していきます。交換のタイミングは何回かありますので、そのタイミングで両者を試してみてもいいかもしれません。

 

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11月10日(木)

『日本矯正歯科学会 徳島大会に参加してきました』

 

11月7日、8日、9日と日本矯正歯科学会参加のため、徳島に行ってきました。8日の朝方はあいにくの雨だったものの、期間を通じて晴れ間も多く比較的過ごし易い3日間でした。

徳島は大学病院の矯正歯科に在籍していた6年間を過ごした場所です。今回2年半ぶりに訪れました。

『あ、この店無くなってる!』とか『ここにこんなのできてる!』なんていう小さい変化はところどころにあったものの、基本的にはまだ僕の知っている徳島のままでした。

学会参加には、その土地の美味しいものが食べられる、会場から近ければ観光名所に行ける(可能性がある)、こういう場でなければなかなか会えない知り合い・友人に会うことができるなどの主目的以外の醍醐味もあります。今回の学会でもそれなりにその醍醐味を堪能してきました。

主目的の方もしっかりと果たしてきました。
今学会のテーマ『治療後の安定性』のもと、たくさんの講演・ディスカッションが繰り広げられました。

当院でもよく使用している矯正用アンカースクリューですが、このスクリューを用いてキレイに治った症例のその後を追跡し、キレイな状態を維持するための要件をそこから見出そうという主旨のシンポジウムでは、僕の大学院時代の同期がシンポジストの一人として素晴らしい講演を行っていました。

ざっくりと、

・下顎の臼歯の遠心移動では、歯の頭(歯冠)が歯茎からたくさん見えているほど動きやすい

・遠心移動を行った後の新しい位置で少なくとも1年装置をつけたまま保っておくと、装置を外した後もその位置が保たれやすい(後戻りがしにくい)

という内容でした。その他学会で得た知識・見識・見解などは早速明日からの診療に取り入れようと考えています。

もう一つの目的である発表でも、意見をいただいたりアドバイスができたりと、中身のある内容で締めくくることができたと思います。

ところで、写真は宿泊した『かんぽの宿』のベランダから朝撮影したものです。

知っている方は知っていると思いますが、このかんぽの宿、眉山の頂上付近にあります。アクセス方法としてはタクシー、ロープウェイ、送迎バス、徒歩(?)などがあります。

ロープウェイと送迎バスは利用時間が朝9、10時頃から夕方4、5時くらいまでですから、朝早く下山したい時や夜遅くに帰ってきたい時などは選択できない手段です。

徒歩だと山を登るだけ降りるだけで2時間くらいかかるのではないでしょうか?紅葉の季節なので歩く事を目的に訪れている場合には徒歩での登山・下山もいいのかもしれませんが、、、

となると実際的な方法はタクシーです。

今回実際に利用した方法としては、

登山→ロープウェイ(初日チェックイン時)、タクシー
下山→ロープウェイ、送迎バス
下山後学会会場までのアクセス→バスまたはタクシー

でした。

かんぽの宿は温泉も気持ちよく、食事も美味しく、スタッフの方の対応もよく、宿泊してとてもよかった宿ではありますが、アスティ徳島で行われた学会参加を目的とするならば、アクセス面だけちょっと難がありますね(笑)。

 

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11月3日(木)

『最近は前歯の部分矯正の相談が多いです』

 

11月になりましたね。今までの『この時期の服装』では裾野だと寒いということを最近感じています。

 

以前のブログでも書いたことがあるんですが、2~3日の間に初診相談に訪れる何人かの患者さんの主訴(不正咬合の種類)が似る傾向があります。

小児の反対咬合の患者さんが何人も続いたり、リンガル(舌側矯正)希望の患者さんが何人も続いたり、、、などです。

ここ最近は『部分矯正』の患者さんが短い期間に集中して初診相談に来院されました。

部分矯正のページ』でも書きましたが、部分矯正には適応・不適応があります。どどっと来院された部分矯正希望の患者さんのうち、部分矯正の適応だった患者さんは半分ほどだったでしょうか。

例えば『出っ歯』で『前歯の並びが凹凸』の2名の方が部分矯正を希望されて来院したとします。出っ歯の程度と凸凹の程度はおふたりとも同程度です。

Aさんは『出っ歯』を治したい

Bさんは『前歯の凹凸』を治したい(出っ歯は治さなくていい)

というのが主訴です。

この場合、Aさんは部分矯正が不適応ですが、Bさんは適応になります。

症例の中身としての適応・不適応もあれば、部分矯正の範囲でできることで患者さんの主訴を改善できるかどうか、というのも適応・不適応の重要な判断要素です。患者さんの一番治したいところが治療の前後で変わらないのであれば、治療をする意味はありません。

全体矯正によって並びだけでなく、噛み合わせ、口元の状態も良好にできるのであればそれが理想ですし、治療を提供する僕たち矯正歯科医も完璧を目指したいとは思いますが、患者さんも個々それぞれの事情があって部分矯正をご希望されています。

医療行為として、部分矯正をお勧めできない方にはキッパリとお勧めできませんとお話しさせていただいていますが、一方で部分矯正は費用、期間、装置を付ける範囲などを少なくできる治療方法ですから、適応と判断された方には部分矯正のメリットを享受していただきたいと思っています。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月31日(月)

『矯正治療はしっかりとした検査、計画のもと行いましょう

 

裾野から見た富士山も頭がほんのり白くなってきましたね。これからは紅葉もシーズンになってきますから、裾野では周囲の山々の変化を見るのも日々の楽しみの一つです。

 

歯科や矯正歯科に限ったことではありませんが、治療を開始する前に必ずしなければいけないことがあります。それは、

『しっかりとした現状把握と治療計画』

です。

Aというウイルスに感染しているのに、ちゃんとした検査をせずにBというウイルスに感染していると判断し、Bにしか効果のない薬や方法を用いて治療する→治らない

ということにならないように、現状をキチンと把握することが必要です。遊園地やショッピングモールでも、店内地図で現在位置を把握してから目的地に向かいますよね。

現在位置が把握できれば、目的地までの道筋や最短距離、あるいは途中で立ち寄った方が良い場所なんかも正確に決まってきます。

矯正歯科治療は年単位の経過の長い治療です。これは現在地から目的地までの距離が長いということを意味します。その分しっかりとした現状把握とゴールまでの道筋が明確でないとすぐに『迷子』になってしまうでしょう。

矯正歯科において現状把握のために必須な検査として、

『パノラマレントゲン』『セファロ(頭部X線規格写真)』『CT(場合によって)』『歯型』

などがあります。

これらによって現在位置を把握し、じゃあゴールに到達するにはどういう道筋、行程をたどっていくのが理想的かを計画します。

無計画で自由奔放な生き方はうまくいっていればカッコイイように見えますが、それが治療となると自分がしてほしい治療とは思えません。

医師と患者さまが目的を共有し、同じゴールに向かっていける治療が好ましいと思います。

 

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10月27日(木)

『今回のブラックボード』

 

裾野も秋真っ盛り?ということでブラックボードも秋仕様になりました。

 

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月24日(月)

『秋は学会・セミナーシーズン

 

今日は暑かったですね。裾野でこれくらい気温が上がっていると、他の地域・都市ではそれなりの暑さだったんではないでしょうか。明日以降でまた寒くなるといいますから、気温の上がり下がりで体調を崩したりしないよう注意をしたいものです。

 

毎年10月〜11月(〜12月前半)にかけて矯正歯科では一番大きな団体の学会である『日本矯正歯科学会』の学術大会があります。

それらに加えこの時期は勉強会やセミナーも豊富に開催されます。

当院でもこの時期はこれら学会・セミナーの多くに参加します。もともとの休診日を利用しての参加ですが、日程の都合によっては新たに休診日を設定することもございます。ご迷惑をおかけしますが、得られた知識・技術を今後のより良い診療という形で還元していきたいと考えています。

また、日本矯正歯科学会への参加ですが、参加に加え今回は発表も行ってきます。また学会報告もできればと思っています。

 

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10月21日(金)

『矯正歯科専門医院の認知度は?』

 

最近の裾野は寒かったり暑かったり、雨だったり晴れだったりと、はっきりしない日が続きますね。

 

少し前になりますが、日本臨床矯正歯科医会という矯正歯科の専門団体が、

『矯正歯科治療を専門に行なう医院があるのをご存知ですか?』

という質問を一般市民の方に行いました。

結果は、

のようになりました。

これまでに一度もご自身の歯並びを気にしたことのない方なども対象には含まれているでしょうから、上記のような数字も妥当なものかもしれません。

 

次に、矯正歯科治療には専門医制度や矯正歯科専門医院があることなどを説明したのちにこのような質問をしました。

当院においても、初診相談に来られた患者さまのなかには

『専門医院だから』『学会の専門医がいるから』

を来院理由にされる方も少なからずいらっしゃいます。

専門医院の認知が広まっているのかもしれません。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月17日(月)

『矯正治療費用は高い?』

 

最近寒いですね、、、裾野もさらに気温が下がってきています。御殿場はもっと寒くなっているようですね。日が差せばまだいいんですが、雨ともなると10月のこの時期に昼間でも吐息が白くなることがあるから驚きです。

 

皆さまご存知のように矯正歯科治療は自費治療です。つまり保険診療ではないため、治療費用の全てを患者さまご自身が負担することになります。

ですので、『矯正治療は費用が高い』というイメージをどなたも持たれるかもしれません。

矯正治療費用は主として、数年間の歯並びを治す治療に支払われる対価ですが、患者さまがそのお金を払って購入しているものは『矯正治療』ではなく数年後に得られる『キレイな歯並び』の方です。キレイな歯並びを手に入れるために矯正治療をしています。

つまり、治療が終わり歯から装置が外れキレイな歯並びになった状態、そこからが購入した商品を実際に使用する期間になります。ですので、キレイな歯並びをその後50年間維持することができたのならば、その方は50年間使い続けることのできる商品を購入したことになります。

例えば、

15歳で矯正治療を始め、2年後にキレイな歯並びになり、その後ちゃんと後戻りを防ぐ装置を使用し、65歳までキレイな歯並びが維持できたとします。(それ以上の維持も可能だと思いますが、区切りがいいので50年間としています。)そしてかかった矯正治療費用は仮に75万円とします。

単純に計算しますと、年間1万5000円の出費ということになります。

皆さまの年間の支出の中で、この費用は何と同じくらいでしょうか?ついつい使ってしまっている色々なモノと比較してみると、矯正治療費用も意外に大きな費用にはなっていないのかもしれません。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月14日(金)

『『近かったから』? 今通っている歯科医院に通うことにした理由』

 

長かった雨の時期も終え、最近は晴れの日が続いていますね。裾野も気温がだいぶ下がってきて朝の空気もひんやり冷たくなり、いよいよ秋本番といった感じです。

皆さんは歯科医院にかかる時どのような基準でその歯科医院を選びますか?

とあるコンサルティング会社の統計によりますと、

『近かったから』

というのが全体の7割弱の方が選んだ理由になっているとのことです。

『歯科医院の数が多い』ことをよく『コンビニよりも多い』と表現することもあるくらいですから、わざわざ遠くに行かなくても近くの歯医者で、、、という方が多いのでしょう。

矯正歯科はどうなのでしょうか。矯正歯科を提供する歯科医院はたくさんありますので、お住まいからお近くの歯科医院が矯正歯科を提供する医院であれば、一般の歯科治療と併せて矯正歯科治療をそのまま行う患者さまも多いでしょう。

一方で、全国に『歯科医院』の数は7万軒弱ある中で『矯正専門の歯科医院』は2千軒弱ですから、矯正歯科治療は矯正歯科専門医院で受けようとする患者さまにとっては『近くにない』歯科医院ということになります。

当院でも現在数十km離れたご自宅から通われている方もいますから、一概に『近い』ことがその歯科医院に通う理由とは言えないケースもあるかと思います。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月10日(月)

『患者さまごとに作成し、お渡ししているファイル』

 

今日の裾野は久しぶりに雨の降らない1日となりました。一昨日に予定されていた運動会が昨日に延期となり、昨日も延期で今日開催となったため、午前中は長男の運動会に参加してきました。
一昨日と昨日は診療だったため、この雨は僕にとっては恵みの雨だったのかもしれません(笑)

当院では写真のようなファイルを患者さま全員にお渡ししています。

このファイルには、治療経過の写真や、歯磨きチェック表、矯正治療のQ&Aや種々の装置や治療内容の説明書などが収められています。

もちろん、治療の前後には患者さまに直接内容の説明を行っています。

でも、説明を受けたその瞬間には理解していていることでも、家に帰ってみると『あれ?これってどうするんだっけ?』のようなことも少なからずあります。その際にファイルを読み返していただいて、お話を思い出してもらうこともこのファイルの狙いの一つでもあります。

矯正歯科治療は年単位の治療ですから、経過が長いとこれまでの過程を忘れてしまったり、これからどんな行程になるんだろう?などと、わからないことが増えがちです。

このファイルとしっかりとした説明で、患者さまを『迷子にしない』のも、当院の矯正歯科治療の特徴とするところです。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月8日(土)

『矯正治療を始めるのに適したタイミング?』

 

世間では3連休真っ只中ですね。裾野や裾野近隣の市町村でもこの連休で運動会が予定されている幼稚園、保育園、小学校、、、もあるようですがあいにくの雨、、、
久しぶりにスカッとした晴れ間を見たいものです。

 

治療開始の最適なタイミングは、小学生の患者さまと中学生以降の患者さまでその判断の基準が異なります。

小学生では、顎の成長や歯の生え変わり、不正咬合としての程度、改善の緊急性、、、などタイミングが『症例としての中身』に左右されることが多いです。

ですから患者さまのおうちの方も『治療が必要かどうか』や『必要ならいつからか』を知りたいから矯正歯科に来院した、という方が多いです。

 

一方中学生以降では、開始のタイミングが症例としての中身に左右されることはほとんどなく、患者様も『必要(したい)と思っているから』や『早く始めたい』から来院した、という方が多いです。

ですので、中学生以降の方の開始のタイミングは『したいと思った時』ということになりますが、一方で中学生以降の方では小学生の方にはない、開始のタイミングを左右する要素が生まれてきます。

それは『ライフスタイル』との兼ね合いです。こちらのページ(年代別の矯正歯科治療について)で少しまとめてあるのでご覧ください。

とは言ってもやはり、中学生以降の方ではご本人が『歯並びをキレイにしたい!!』と思った時が、治療開始のベストなタイミングであることには変わりはないと思います。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月4日(火)

『子どもの矯正相談でおうちの方からよくある質問』

 

今日は全国的に暑かったみたいですね。裾野もそれなりに気温が上がってました。台風の影響らしいですが、明日以降の台風の進路も気にかかるところです。

子どもの初診相談で、おうちの方からかなり高い確率で出る質問がいくつかあります。
 

・治療が必要ですか?

・いつから治療が必要ですか?

・今から始めれば将来抜歯をしなくて済みますか?

・早く始めれば子どもの治療だけで終われますか?(早く始めれば早く終われますか?)


などなどです。

答えは、、、症例によります。

症例によって、その場で即答できるも場合あれば、詳しい検査が必要な場合(こちらの場合の方が多いですが)もあります。

早く始めても早く終わらない症例もあります。

始まるのが早くても将来抜歯をする症例もあります。(早くに始まる理由と、将来抜歯となる理由が別のところにあるということです。)

一概には言えませんし、すべてのパターンを網羅しようとすると話がとても長くなってしまいます。詳しくはこちらのページをご覧ください。

これらの質問はどちらの矯正歯科でも共通してよくある質問のようです。どの地域でも、お子さまの歯並びに対する保護者の方の心配事は共通しているということですね。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

10月2日(日)

『どういう治療方針なのかを担当医師にしっかり確認しましょう』

 

矯正歯科治療全般、特に子どもの矯正治療で当てはまるかもしれませんが、

患者さまは、今から行おうとしている治療の『ゴール(目的や目標)』を、治療開始前にしっかり担当医師に確認しましょう。

この治療で、何がどこまで改善されるのか・されないのか、期間はどのくらいか、期間の中でどのくらい装置を使用するのか、提示された費用でどこ(いつ)まで診てもらえるのか、メリットとデメリットは、、、

 

基本的な矯正治療の好ましいゴールは、

『キレイな歯並び、きちんとした噛み合わせ、スッとした口元』

ですから、それに向けて行われる治療かというのがまず大事です。

子どもの治療では、子ども(小学生)のうちに上記目標が完全な意味で達成できることは少ないですが、少なくとも、

『その目標を意識してそこに向かって』

治療が進むということは、子どもの矯正治療、中学生以降の矯正治療に関係なく行われるべきことです。

矯正治療を施す側はもちろん、受ける側も『ゴール』をしっかり確認し不明な点を取り除いた後に治療を開始すべきだと思います。
 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月25日(日)

『歯茎が痩せてしまったその原因は歯並び・噛み合わせにあるかもしれません』

 

最近雨続きでしたがようやく晴れ間の見える一日になりました。裾野でも朝は青々とした富士山がはっきりと見えていました。もちろん秋晴れとまではいきませんが、、、

 

先日の初診相談に20代の女性の方が来院されました。

主訴は歯並び全体を改善したいとのことでしたが、ここ最近下の前歯の歯茎が退がってきたことも気になっている、とのことでした。矯正歯科の受診は初めてでした。

お口を拝見しますと、当該の部分の噛み合わせが反対になっていました。それにより、上の前歯よって下の前歯が土台の外へ押し出されてしまい、下の前歯の歯茎が退がっているという現状でした。

患者さまは、歯周病で歯茎が退がる、という知識を持たれていましたので、

『この歯だけ歯周病なんでしょうか?』

と心配されていました。

 

この患者さまに限らず、この

『前歯が1本だけ反対の噛み合わせになっていて、下の前歯も歯茎が痩せている』

状態は比較的よく見られる不正咬合です。

小学校低学年で前歯の生え替わりがうまくいかなかった方が、よくその部分を主訴に矯正歯科に来院されます。

これは放っておくと、下の前歯がどんどん前に押し出され、どんどん歯茎も痩せていってしまいます。
押し出されすぎると、いざ治療をしても元の高さまで歯茎が戻らないこともあるので要注意です。

しかし適切なタイミングで、適切な治療をすれば、

歯は土台の中央にしっかり中に戻ってくれます。

『1本だけ歯茎が痩せている歯がある、、、』

と気づいたら、それは噛み合わせが原因かもしれません。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月23日(金)

『こういう”紹介”もあるんだなぁと思った先日の紹介患者さん〜後編』

 

前回の続きです。

数週間経って『あの患者さんどうしたかなぁ』と思っていたところ、またとある女性の方が初診相談に来院されました。

ご来院のきっかけは、

『姉からの紹介』

とのことでした。

問診にご記入いただいた住所も苗字も違っていたので全く気がつきませんでしたが、お話を伺っていると、姉というのは前編に登場した女性の方であることがわかりました。

お姉さまのその後をお尋ねしたところ、相談後一般歯科を受診し、矯正ではない方法で一応の改善が得られ、結果にも満足されているとのことでした。

前回の相談の印象を妹さん(今回の相談患者さん)に、

『医院の利益ではなく自分(患者さんご本人)にとって利益になるような提案をしてもらえ嬉しかった』

と話していたようです。その話を受けて予てから矯正治療を考えていた妹さんが当院を受診した、という経緯でした。

矯正治療は審美的要素はあるものの、れっきとした医療行為ですので根拠に基づいた説明をしただけですが、患者さんは上記のように受け取ってくれていたようです。

ちなみに妹さんは、噛み合わせ全体と見た目が気になるとのことで、全体矯正をする気満々で来院されましたので、後日治療開始となりました。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月19日(月)

『こういう”紹介”もあるんだなぁと思った先日の紹介患者さん〜前編』

 

以前、前歯の部分矯正を希望されて、とある女性の方が初診相談に来られました。

現状を確認したところ、部分矯正により患者さまの望む部位の改善は可能と見込みましたが、問題は改善後にあると考えました。

それは、

『部分矯正としてできる範囲の治療で主訴は一旦は改善するものの、原因の除去まではできないため、改善後比較的早期にまた元に戻ってしまう』

ということが予想できたためです。元に戻ってしまわないよう治すには、原因の除去をしっかりと行うことのできる全体矯正が必要になります。

ですので患者さまには上記理由から、部分矯正は勧めることができない旨を説明させていただき、とても良く理解をしていいただけました。

しかし患者さまには全体矯正を行う意向はありません。

そうなると患者さまは、気になるところが気になるままとなってしまいます。

一方で上記考えはあくまで『僕』の見解ですので、別の矯正歯科に行けば『部分矯正できますよ』と言わるかもしれません。
また、患者さまの気になる部分はそれこそ一時的であれば、歯が欠けた際に用いるプラスチックを用いたやり方でも(歯を動かす方法ではなく)現状よりは良い状態にすることが可能とも考えられたため、

以下の二つを提案しました。

他の矯正歯科の初診相談を受診していただく。

一般歯科にて、矯正治療としてではない方法での改善を図る。(これはお金も時間も、歯への負担もかからない方法なので、もし満足がいかなくてもやり直しが効く。)

すると患者さまは後者をやってみるとのことでしたので、その治療を受ける際に受診した先の先生に話しておいた方が良い事項を伝え、その日は相談終了となりました。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月14日(水)

『就学前の前歯部反対咬合

 

最近めっぽう寒いですね。ここ裾野では夜だけでなくいよいよ昼間も寒くなってまいりました。秋ですね。プロ野球ペナントレースの優勝チームが決まったことも、秋を感じさせる要素ですね。

 

先日の初診相談では立て続けに似た症例が続きました。

4〜5歳の前歯部反対咬合です。まだ乳歯だけの歯並びですが、前歯数本が反対の噛み合わせになっていました。

反対咬合には2種類あります。

上あごが後ろ、下あごが前、のように土台から反対の位置取りをしている場合と、

土台は上あごが前にある正しい位置取りだが、上の前歯が後ろ、下の前歯が前、

の位置取りをしている場合です。

前者を骨格性反対咬合、後者を歯性反対咬合と言います。実はもう一つ機能性反対咬合などというパターンもあります。

下あごは身長の伸びが活発な時期(小学校高学年から中学、高校)にかけて一緒に成長しますから、就学前のお子さまが『骨格性反対咬合』の様相を呈していることは稀です。

だいたいが機能性か歯性の反対咬合に分類されます。

しかし、これを放っておくと骨格性の反対咬合に移行してしまうこともあるので要注意です。

治療としては、装置が使えるようになる4〜5歳くらいに取り外しの装置(写真:歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシルド))を使用し、まずは上の前歯が下の前歯を覆うようにします。

いったんの改善を見た後は経過観察となります(それ以外に改善を必要とする箇所がない場合です)。

先ほど書きましたように、反対の噛み合わせの傾向にある方は、身長がぐっと伸びる時期に顎もぐっと伸びることがありますので、経過をしっかりフォローしていく必要があるのです。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月10日(土)

『ブラックボードリニューアル!!』

 

東京ディズニーランドでは今週金曜日からハロウィンイベントが始まっていますね。

ということで、ブラックボードもハロウィン仕様になりました。

写真ではHappy hall◯weenの『o』が抜けていますが、すでに修正済みのものが設置されております(笑)。ご安心ください。

裾野、長泉、三島、御殿場で歯並び・噛み合わせでお悩みの方、気になるところがある方、是非一度ご相談ください。初診相談は全て無料となっております。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月8日(木)

『目立ちにくい表側のマルチブラケット治療ーホワイトワイヤーとホワイトブラケット』

 

最近パッとしない天気が続きますね。朝から降りそうなのに結局一日降らなかったり、買い物を終えて建物から出ようとしたらいつの間にか降っていたり、、、こんな天気裾野だけかと思いきや、ニュースなんかで見ると全国的にこんな感じみたいですね。

台風シーズンですので、当院に来院される患者さまも気をつけていただきたいと思います。

 

中学生以降の矯正治療ではマルチブラケット治療といって、『それぞれの歯の表面にボタンを着けてワイヤーをそのボタンに通して歯を動かす治療』が矯正治療の主流です。
(詳しくはマルチブラケット治療についてをご覧ください。)

当院でも行っているマウスピース矯正やブラケット装置を歯の裏面につけて行う裏側矯正も近年需要のある治療方法ですが、適応症の幅や費用の面からやはり患者さまに最も選ばれているのは表側からのブラケット装置による方法です。

昔はこの歯の表面につくボタンはどこの矯正歯科でも、前歯も含め全て『金属』のボタンが使用されていました。白い歯に銀色のボタンですからこれは目立ちます。

当院では通常提供させていただくブラケット装置は『透明』なものを使用しております。これだけでも以前の金属ブラケットに比べれば格段に目立ちにくくなっていると思われます。

一方で、もっと目立ちにくくしたい!

という方には下の写真にあります、『ホワイトブラケットおよびホワイトワイヤー』を用いた矯正治療を提供させていただくこともできます。

ホワイトワイヤーもこれまでの『ホワイトコーティングが剥げる』という課題をクリアしたワイヤーを用いていますので、ホワイトワイヤーを使っても結局コーティングが剥げてその下の金属色(銀色)が見えてきてしまう、、、ということにもなりません。

ブラケットそのものも着色しにくい材質ですので、ホワイトの審美性も治療期間で保たれます。

目立つのは嫌だけど、費用が高くなってしまうのも嫌だ、、、という方に多く選ばれている装置です。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月5日(月)

『子どもの噛み合わせに複数の改善すべき点があっても一度に全てにアプローチしないのは何故?』

 

先日小学生低学年の患者さまが初診相談に来院されました。主訴(患者さまのお母さまが気になるところ)は上の前歯4本のねじれです。

 

口腔内写真と顔貌写真からわかる状態として、

1上下顎前歯のねじれ・凸凹(永久歯の萌出余地不足)

2上顎前突(上顎前方位か下顎後退位かは不明)

が認められました。

パノラマレントゲン写真からは、

3上顎犬歯の歯胚向きの近心傾斜

が認められました。

 

このような現状に対し、今アプローチしたほうが良いことと、後でもいいことを区別して患者さまに説明しました。

子どもには大人にはない、『歯の生え変わり』と『顎の成長』があります。そしてこのどちらも期間を通して平坦に、平均的に起こるのではなく、ある時には大量にある時には少しだけ、というように起こり方にも波があります。

そのような『変化』のある子どもの時期(主には小学生)での治療が時期としては適しているのは当然ですが、さらにその小学生という期間の中にも、治療をする(装置を使用する)最適なタイミングとそうでないタイミングが存在します。

矯正歯科に来院される患者さまの歯並び・噛み合わせのいわゆる『不正(咬合)』と呼ばれる箇所が、1点のみにとどまっていることはむしろ少なく、上記の患者さまのように改善すべき点が複数あることの方が多いです。

となると一人の患者さんの中でも、これにはすぐアプローチするがこれは1年後(この歯とこの歯が生え変わってから)などという計画にもなるわけです。

大事なことは、

『ゴールから逆算した治療をすること』

です。

こういう結果を目指すならば、今何をすることが必要か、いつ何が必要になるかを現在の状態をしっかりと把握し、そこから予測・計画を立てて実行に移すこと

これが大事です。

詳しくは『子どもの矯正治療ガイド』をご覧ください。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

9月1日(木)

『矯正専門医院ということで選んでいただいています』

 

今週は全国的に暑いみたいですね。さすがの裾野も今週は例外でなく、日中の日差しの強さはなかなか厳しいものがあります。
でも就寝時(深夜?)は相変わらず羽毛ぶとんをかけることが必須なぐらい涼しくなっています。
この分だと、昼間が涼しくなり始めるくらいの夜の気温はだいぶ落ち込むんでしょうね。

本題に入ります。

当院の初診時にご記入いただく問診票には、

『当院へのご来院のきっかけ』

のような項目があります。

『インターネットでの検索、口コミ、通りすがり、看板、タウン誌、チラシ、、、』

などといった選択肢から選んでいただいているんですが、選択肢の一番後ろに、

その他(     )

という項目があります。

最近この『その他(    )』欄に、

『矯正専門ということで』『専門医院だから』

などと書いていただく方がよくいらっしゃいます。

また、矯正歯科の専門医院に来院される方はそれまでの経緯が複雑である方もいらっしゃいます。
他医院で何回か初診相談を経験している、すでに診断まで進んだが、あるいはさらにはすでに治療を開始しているがセカンドオピニオンで来院した、などといった方も決して少なくありません。

ですので、ご相談の際には当院にご来院されるまでのきっかけ、経緯などをお話しの最初にお伺いしています。その際にもご来院の理由を、

『専門だから』や『専門医がいつもいる(常勤だ)から』

などとお話しいただくこともしばしばあります。

矯正歯科専門医院としての当院の認知の高まりと役割が、少しずつですが地域の皆様に浸透してきたことを実感しています。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月30日(火)

『矯正治療は何歳までできる?』

 

先日の初診相談の患者さまです。

成人の女性の方で、歯並びを治したいが矯正治療が年齢的に適応かどうか知りたい、ということで来院されました。

どの矯正歯科のホームページなどにも記載がありますように、矯正治療に年齢そのものによる制限(上限)はありません。ですので上は何歳でも矯正治療は可能です。

しかし、年齢に関連する項目から受ける制約はあります。その主なものとしては、『歯周組織(歯を支える骨や歯茎)や歯そのもの』の状態がどうかというものです。

歯は骨と歯茎によって支えられてその位置を保っています。年齢とともに骨は痩せていく傾向にありますから、その骨が歯の移動に耐えうる状態で健全に存在していることが歯を動かすためには必要なのです。

そして治療が可能となった場合でも、注意する点はあります。つまり、歯周組織そのものは健康であっても、例えば小学生、中高生の方のそれとは状態が異なるという点です。

その結果、採るべき治療方針、治療方法、治療期間などにも違いが出てくることもあります。

ご年齢のことで矯正治療を迷われている方いましたら、是非一度ご相談いただければと思います。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月26日(金)

『虫歯などで乳歯が本来より早く抜けてしまった場合は要注意です』

 

まだまだ日中は暑い日が続きますが、夜は結構涼しいですよね。僕も裾野に来てからというもの、クーラーをかけながら寝たのは数えるほどです。むしろ何か上に一枚掛けずに寝たら寒いくらいです。実家のある沼津でもそうはなりませんから、さすが裾野です。

話は変わりますが、乳歯の役割ってご存知ですか?

まず真っ先に挙がるのは『噛むこと』ですよね。

でもそれ以外にも大きな役割があります。それは、

『次に生えてくる永久歯のための場所取り』

です。

下の左右の写真の違いを見ていただくと分かりやすいかと思います。

別々の方の下あごの歯列の写真です。どちらの方も年齢は7-8歳です。

右の写真が正常(に近い)状態です。7-8歳ですと皆さんおおよそこの写真の状態です。つまり、前歯4本と一番後ろの歯(第1大臼歯)が永久歯で、永久歯に挟まれた中間の乳歯が左右で3本づつある状態です。

写真右の青丸で囲った部分に注目してください。この歯は乳歯の犬歯(乳犬歯)と言って、標準ですとおよそ9-10歳くらいに抜ける歯です。このくらいの年齢で抜けるということは、正常な抜ける過程(永久歯が乳歯の根っこを溶かしながら上に上がってきて、乳歯が抜けたすぐ後に永久歯がもう見えている)をたどっていると考えられます。

左の写真はどうでしょう。あるべき位置に乳犬歯がありません。その代わりにあるのは、第1乳臼歯と言って乳犬歯の一つ後ろに位置するはずの歯です。

つまり、

『永久歯の犬歯が生えるのはまだ大分先なのに乳犬歯が抜けてしまったため、後ろの歯が抜けたスペースめがけて全て移動してきてしまい、永久歯の犬歯の生えるスペースを塞いでしまった』

状態になっています。

この状態では当然永久歯の犬歯が入り込むスペースはありませんから、犬歯が生えたときにはいわゆる『八重歯』の状態になります。

しかも稀にあまりに生えるスペースがない状態だと、犬歯が『そもそも生えてきてくれない』とか、なんとか生えようとはしてくれているが『おかしな方向に向かって生えようとしている』というようなことも起こりえますので注意が必要です。

後ろの歯が前に詰めてきてしまう。このことは上の写真のように、乳歯が『早くに抜けてしまった』ような極端な場合だけではなく、『虫歯になって欠けてしまい歯が小さくなった』場合にも起こりうることです。

乳歯は永久歯が生えるまでの一時的な歯ではありますが、果たす役目はとても大きいです。できれば本来の役目を全て全うして永久歯とバトンタッチをしたいものです。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月23日(火)

『矯正治療で偏頭痛が治った?』

 

先日の初診相談に、

『姉が矯正治療をして偏頭痛が治った』

ので私も矯正治療をして肩こりを治したい、という方が来院されました。

この方は20代の女性の方です。当院に来院される患者様の多くは当院が位置している裾野、または裾野市近隣などからの方が多いですが、この方は少し離れた地域からの来院でした。

実際に、肩こりや顎の関節が疲れるから歯並び・噛み合わせを治したいということで矯正歯科に来院される方は多いです。

この方の歯並び・噛み合わせとしては、前歯の凸凹と奥歯の噛み合わせがすれ違っている状態でした。

確かに噛み合わせのズレがあるので、そこから来る肩こりかもしれません。でもそうでないかもしれません。

この方の現在の肩こりの原因が噛み合わせであるのであれば、噛み合わせを治すことで肩こりも治るのでしょうが、原因は噛み合わせではないかもしれません。

肩こりの原因には、全身のバランス、姿勢(普段時、仕事時、就寝時)、ストレス、運動不足、、、などがありますから、歯並び・噛み合わせを治してもそれ以外が原因であれば肩こりは治りません。

などといったところを患者さまには説明しました。

話を聞きますと、お姉さんも偏頭痛を治したくて矯正治療を始めたのではないとのこと。偏頭痛の治療もされていた(もちろん矯正歯科でではなく)とのことですので、治療の効果が出てきたのと、歯並び・噛み合わせが治っていくタイミングが同じだっただけなのかもしれません。

この患者さまも歯並びは歯並びとして気になっており、肩こりに関わらずキレイにしたいというご希望がありましたので、矯正治療を始めることになりました。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月21日(日)

『矯正用インプラント(小さいネジ)の費用が治療費用に含まれている理由は?』

 

当院での矯正歯科用インプラントを埋入するための費用は、最初に提示する治療費用に含まれています。仮に治療当初に使用する予定がなく、治療途中に使用することになったとしても追加の費用はもちろん頂きません。

そもそも矯正用インプラントとはなんでしょう?

簡潔に言うと『歯茎(とその下の骨)に打つ小さいネジ』のことです。直径は1.5mm〜2mm、長さは6mmほどです。

矯正歯科ではこのネジにより、歯を抜かない矯正治療の幅が広がったり、歯を抜いた際の治療の仕上がりが綺麗になったりと矯正治療において様々な恩恵を与えてくれる装置です。術者にとっても患者さまにとっても様々なメリットの多い装置です。

下図は当院にて使用しているメーカーのネジになります。

しかしデメリットもあります。それは簡単ながらも外科処置であるという点です。ネジを埋める処置はもちろん麻酔をしますし、麻酔が効いた後、ネジを打ち始めてから打ち終わるまでの所要時間は10分ほどの簡単な外科処置です。でも患者さまにとっては『歯茎にネジが埋まる』わけですから『怖い』と思います。

先ほども書きましたが、使用にあたっては結局のところ患者さまにとってメリットの多い装置です。最初の『埋める』段階さえクリアしていただければ、あとはこの装置に関しては患者さまに頑張っていただくことは特にありません。

メリットの多い装置ですから、使用に際しクリアしなければならないハードルの数はできるだけ少なくしたいと考えています。ハードルがいくつもあり、かつそれぞれが高いハードルでは患者さまも使用を躊躇されてしまうでしょう。

考えられるハードルとしては、『怖さ』『費用』『手間』の3つでしょう。

『怖さ』については、なるべく安心していただけるようその安全性をしっかり説明します。

『費用』について。このスクリューは現在、非抜歯・抜歯治療にかかわらず多くの症例で用いられています。別途費用がかかるとなると、実質的には治療費用の底上げという形になりかねません。

『手間』について、もし他医院さんでスクリューを打つ処置をしていただく場合、他医院さんに行っていただく手間と費用がかかることになります。

当院ではスクリュー費用が別途かかることはなく、また当院にて処置が行えますので他医院さんへ行っていただくこともありません。

当院ではこの費用と手間にかかる負担は0ですので、当院の患者さまが乗り越えていただくハードルは『怖さ』のハードルのみということになります。提案させていただいた方は皆さま、この処置を選択していただけています。

良い処置はできるだけ良い(取り入れやすい)条件で提供させていただきたいと考えています。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月18日(木)

『矯正治療の必要性は誰が判断する?』

 

『矯正治療が必要ですか?』

これは、小学生のお子さまの矯正相談にいらした保護者の方から、かなりの高確率でいただく質問のひとつです。

ところが、中学生以降で初診相談に来られる方(ご本人にしろ保護者の方にしろ)からは、ほとんどこの質問はされません。

というのも、

小学生の方の場合は、『治療が必要かわからないからそれを知りたくて来院した』と考えられているのに対し、

中学生以降の方は、『治療が必要だ(と感じている)から来院した(のだから『必要か?』と質問する必要がない)』と考えられている、

いうのが背景にあるからです。

 

子どもの矯正治療では

保護者が『したい』または『わからない』の姿勢であるのに対し、

矯正医は『しましょう』または『待ちましょう』の答えを出します。

 

一方中学生以降の矯正治療では、

本人の『したい(治療が必要と考えている)』の姿勢に対し

矯正医は『しましょう(治療を必要と考えているならばそれに応えましょう)』と答えます。

 

しかし稀に、中学生以降の患者さま(の保護者の方)から『治療が必要ですか』と質問をいただくこともあります。

子どもには顎の成長や歯の生え変わりがあります。放っておいたら顎がズレたり、生えるべき歯が生えなかったりと年齢を重ねるにつれ『不可逆的な好ましくない状態』になることがあります。そうならないようにすることを基準にすれば、治療が『必要である』という判断をすることが出来、それを矯正医がすることになります。

一方で中学生以降には顎の成長も歯の生え変わりもありません。つまり、その状態で放っておいても現状と大きく歯並び・噛み合わせが変わることも少ないです。そうなると、子どもの治療での判断基準が、中学生以降の治療の必要性の判断基準に用いられることはなくなります。

つまり矯正医の方が『あなたは治療が必要です』と治療の必要性を判断するという形態ではなくなってきます。(もちろん例外はあります)

ご本人が歯並び・噛み合わせに、『気になるところがあるか』『それを改善したいと思うか』『どうなりたいか(どうしたいか)』という思い、考えが治療の必要性を決定する大きな要素であると思います。

中学生以降の矯正治療は一般的にマルチブラケット装置という、始めたら原則2年くらいは外すことのできない装置で治療を行っていきます。痛みもあれば煩わしさもあります。虫歯にもなりやすくなります。患者さまご本人による歯と装置のメンテナンスがとてもとても大事になります。ご自身が治療の必要性を感じていないと、2年間の治療期間を乗りきることは難しいです。

治療中、患者さまご自身のモチベーションが低くなってしまう時期もあるでしょう。それに対してはなるべくモチベーションが低くならないサポートを医院としてはさせていただきます。けれど、治療を始めるその時は患者さまが高いモチベーションを持たれていることが、治療を成功させる前提条件です。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月14日(日)

『当院で行う処置・行わない処置』

 

初診相談の際、『当院で行う処置と行わない処置(とその費用)』について説明させていただいています。

当院は矯正歯科の専門医院です。歯を動かすことに特化した医院ですので、歯を動かすことと、歯を動かすための準備的な処置しか行っておりません。

以下に当院で行っている処置と行っていない処置について、『これはどっちだろう?』となりそうな内容を挙げてみたいと思います。

行っていないこと

・抜歯全て(矯正治療が目的であるかに関わらず小臼歯抜歯や親知らずの抜歯、乳歯の抜歯)

・虫歯や歯周病の治療(矯正治療の前、最中、後にかかわらず)

・開窓処置(歯茎と骨の中に埋まっている歯を歯茎から出す処置)

 

行っていること

・予防処置(ブラッシング指導や歯の専門的クリーニング、フッ素洗口)

・矯正用アンカースクリューを歯茎に埋める処置

 

行っていない処置については、もともとのかかりつけの歯科医院に行って頂く(当院から処置内容を記載した依頼書を発行いたします)か、処置内容に即した歯科医院(場合によっては口腔外科(裾野市以外では長泉、沼津の口腔外科))をご紹介させていただいています。

費用についても、当院にて行っている処置については矯正治療費用に含まれていますが、行っていない処置については、行っていただいた先の歯科医院さんでの患者さま負担となります。

矯正歯科の専門医院では、来院される患者さまは全て矯正治療の患者さまです。ですので医院に、虫歯や歯周病治療の患者さまの合間に矯正治療の患者さまが来院される、、、ということはありません。

そのため治療を行う医師やスタッフも、抜歯や虫歯の治療などといった矯正治療以外の処置に頭を奪われることなく ”矯正治療” に専念できます。

いつも矯正治療のことばかり考え、実践することができますので、それだけ専門性も高くなります。結果患者さまに専門治療として還元できることの質も高まると考えています。

しかしその中で、他の処置を行っていないことで患者さまが不便を感じないよう、他医院としっかり連携を取っていきたいと考えています。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月12日(金)

『子どもの初診相談でのレントゲン』

 

子どもの矯正治療は必要性とタイミングの判断が大事であることはこれまでにも触れました。何でもかんでも必要でありしかも早い方が良いというわけでは決してなく、症例に応じた適切なタイミングというものがあります。

矯正歯科学会も今治療が必要な症例には今アプローチするが、そうでない症例には適切なタイミングを見極めて開始しましょうと提言しています。

学会の提案している『早期に治療が必要なケース』に僕の臨床上の経験を加味して治療の必要性とそのタイミングを判断しています。

大まかに書きますと、早期にアプローチすべきポイントが

1、目で直接見える範囲に認められるか

2、目で直接見えない範囲(骨の中)に認められるか

をもとに判断しています。

1については当然お口の中やお顔を(またはその写真を)見ればその有無が分かりますが、2についてはレントゲンによる情報がないとその有無が分かりません。

つまりお口の写真をもとに行う初診相談の際、

噛み合わせの異常など目に見える範囲で異常個所があれば『治療の必要性有り』とその時点で判断できますが、

目に見える範囲で異常個所が無かった場合は、それだけで『治療の必要性無し』とは判断できない

のです。これだけでは目に見えない範囲の異常個所の有無が不明だからです。

目で見える範囲で異常個所が無く、さらにレントゲンで見える範囲でも異常個所が無ければそこで初めて『早期の』治療の必要性はないと判断できます。(今後にわたって治療の必要性がない、というものではありません。)

当院では、乳歯から永久歯への生え変わりが残っている方に対し、初診相談時にお口・お顔の写真と併せレントゲン1枚(パノラマレントゲン)の撮影を提案しています。

スクリーニング的な意味を含めた簡単なレントゲンではありますが、わずかとはいえ放射線被ばくをすることになります。患者さまの中には他矯正歯科での初診相談や他医院(歯科医院に限らず)にて最近レントゲン撮影をしたという方もいらっしゃいますし、レントゲンは治療を始めると決めてからでいい、という方もいらっしゃるでしょう。ですので撮影は決して義務ではありません。

ご来院時にお伺いしますので、希望をおっしゃっていただければと思います。もちろんレントゲンを1枚撮ったからといって、その後より深い検査をセットで強要するなどということはありません。

初診相談の一回が、患者さまにとってできるだけ意義あるものになれば、と考えています。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月10日(水)

『ブラックボードを設置しています』

 

先日のことです。

初診相談のご予約を直接来院(電話やメールではなく)にてお取りに来られた患者さまがいました。
オープンしてまだ日が浅いことがあったためかそうでない他の理由のためか、

『矯正歯科さんですよね、、、? もうやっているんですよねぇ?(開業前ではないですよねぇ?)』

というお言葉を頂戴いたしました。

はい、もう営業しています。(笑)

お話しをお聞きするとこの患者さまは、近くにある歯科医院さんからのご紹介でいらしたとのことでした。その歯科医院さんから当院の開院前に『もうすぐ近くに矯正歯科医院が開院するのでそちらに行ってみては?』と説明を受けたとのこと。

説明を受けてから当院に来院するまでに少し間が空いたため、その間に『オープンしていた』のかの確認をする意味での質問だったのでしょう。

外から見て、やっているのかやっていないのか分からない感じだった、のではないと信じていますが、もしそうであっても良くないですので(というのは冗談ですが)、ブラックボードを設置しました。

当院に初診相談に来られる方や矯正治療を始められる患者さまも増えてきましたので、少しでも入りやすい、通いやすい雰囲気を作っていきたいと思います。

今後、矯正歯科らしく矯正治療で役立つ情報やその他お知らせなども発信できるように更新していきたいと思います。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月6日(土)

『目で見える範囲と見えない範囲』

 

ここ最近、子どもの矯正治療の診断(初診相談→検査の次に行う治療方針をお話しする場です。)が何件か続きましたが、偶然似たような内容が重なりました。

子どもの矯正治療のための初診相談で矯正歯科に来られる方の主訴は様々ですが、多くは並びの凸凹に関するものが多いです。

正確には、凸凹よりももっと治療の優先度の高い状態があったとしても目に見えて標準と異なるとわかる部分が『並びの凸凹』であるため、それを心配されて来院される方が多いということと思われます。

先日相談に来られた方も主訴は『並びの凹凸』や『出っ歯』でした。現状の説明や患者さまに即した大まかな今後の治療の流れなどを説明し、後日詳しい検査を行いました。つまりレントゲンによる直接目では見えない範囲の検査を行いました。

下にありますパノラマレントゲンと呼ばれる顔の開きようなレントゲン写真があるのですが、その患者さんのパノラマレントゲンには、骨の中の犬歯の位置、生えようとする方向が標準からずれている状態が写っていました。

こうなりますと、改善すべきはひとまず出っ歯だったり凸凹ではなく、その犬歯の生えようとする向きということになってきます。

上記患者さんのレントゲン写真ではありませんが、骨の中で今後生えてくる犬歯がおかしな向きを向いてしまっている例です。

写真左

赤丸をつけた部分の犬歯が斜め前を向いていてひとつ前の歯にぶつかりそうです。この方は、反対側の犬歯が生えてからだいぶ経つのに右側が生えてこない、ことを主訴に来院された方です。

患者さまも『おかしい』と思われて来院されたかたちです。(この症例の経過は『子どもの矯正治療のページ』にありますのでご覧ください。)

写真右

やはり赤丸をつけた歯が、反対側の歯と比べだいぶ斜め前を向いています。お口の写真の赤丸に相当する部分に犬歯があることになります。お口の写真を見ただけでは、骨の中でそのようなことが起きているとは想像もできません。

この患者さまはかかりつけの歯医者さんから『この時期にはそれぞれの歯と歯の間にもっと隙間があってもいいのに隙間があまりないから、将来凸凹になるよ』と言われ来院されたかたちです。

でもどうでしょうか?この状態は一見して歯並びが良い状態に見えます。目立った凸凹は現状ではほぼありません。患者さまが普段生活をしていて『歯並びが気になるから矯正歯科に行こう』とはなかなか思えないレベルではないでしょうか。

しかしここまで犬歯が斜め前を向いているともう自力で方向転換をしてくれる可能性は低く、そのままにしておくと近くにある永久歯の根っことぶつかり根っこを溶かしてしまうことが懸念されるため、外科的な方法で方向転換をすることになります。

この方場合、写真左の方のように『反対の犬歯が生えてきたのに、、、』の段階になって矯正歯科を来院した際には、犬歯によって前歯の根っこが溶かされ前歯がぐらぐらになっていたでしょう。

話を最初に戻しますが、今回の診断の際お子さまのこれから生えてくる歯の向きがずれた位置にいることを知ったお母さまは、最初少し動揺されていたものの『早くに知れて良かった』とおっしゃっていました。

矯正治療に限ったことではありませんが、一見『何ともない』と思えるときこそ実は注意をしなければいけないときなのかもしれません。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月4日(木)

『先日の子どもの矯正治療の相談』

 

先日、小学生低学年の女の子の矯正相談がありました。出っ歯と並びの凹凸が気になるということで来院されました。お母様が気にされており、ご本人はよく分からないとのことでした。

症例としては叢生を伴う上下顎前突でした。下顎では永久歯の前歯4本に凹凸が見られ、その後ろには本来あるべき乳歯の犬歯はなく、代わりに第一乳臼歯が位置しているというような状態でした。

矯正相談はこれまでにもされており、前医では『土台が狭く歯も大きいため早く歯列を拡大しないと歯が並ばない』と説明を受けたとのことで、いわばセカンドオピニオン目的での来院でした。

お母様としては、お子さまの凸凹の程度などから治療が必要だろうという認識はあるものの、『こんなに早いうちから治療をしなくてはいけないの?』という点が引っかかる点としてあったようです。

僕がこのお子さまのお口の中を見て、させていただいた説明は、小学生のうちは生え変わりが問題なく進むことを観察していき(装置等を使用した積極的な治療をせず)、永久歯が生え揃ったら中間の歯を間引き(抜歯して)治療を開始するという考え方もある、というものです。

というのも現状として、

・拡大しても並び切ることが難しい(歯の大きさと土台の狭さ)

・無理に拡大していくと、歯根露出や歯肉退縮などの組織への悪影響が出る可能性

・現状でも口元が出ているため、これ以上の拡大でもっと口元が出てしまう可能性

・上記治療を行った場合、残りの小学生の間治療が継続ししかも中学生になってからも仕上げの治療が必要になる(小学生のうちに頑張っても小学生のうちには終わらない

・それだけ長く治療をしていても、仕上げの治療で口元の突出を改善したい場合は抜歯が必要になってしまう(今はご本人がよく分からず気にしていなくても、中学生くらいになったら口元の突出感を改善したいと思うかもしれない)

ということが考えられたためです。

ただ最後に、

『見える範囲での歯の重なりが大きい場合、骨の中で次に生えてくる歯が正しい向きを向いていない可能性がある』ことを説明し、『その場合はその部分に焦点を当てた治療を行うかもしれません』と付け足しました。

お母さまとしてはあっちでは『今すぐ』と言われたり、こっちでは『もう少し後(だいぶ後)』と言われたりとお話の途中ではやや混乱の様子がありつつも、最後には上記考えに納得していただけたご様子でした。

少し話は逸れますが『ゴールが明確になっていない拡大(特に床拡大装置での拡大)』と『明確でも無理のある拡大』は患者さまに利益をもたらすことは少ないです。

この患者さまは今後検査を行いレントゲンや歯型などを採り、歯の生え変わり等に問題なさそうであれば、小学生の間は半年ごとの経過観察、中学生から治療を開始し、マルチブラケット治療を行うかたちになりそうです。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月30日(日)

『矯正相談会を開催しました』

 

先日矯正相談会を開催しました。

夏休みということもあり、開催期間に裾野だけでなく、御殿場、長泉と広範囲から述べ9組の方に来院いただき、年齢についても学生の方から成人の方までと幅広くお話を伺いました。

矯正治療を始めるにあたり今回の皆様に比較的共通した悩みとしまして、

抜歯

見た目

費用

の面が挙げられると感じました。

一人の方は、他医院さんで矯正相談を受けたのち、セカンドオピニオンで来院されました。『抜歯』と『費用』『見た目』について当院の対応を聞いた上で、これまでの初診相談の内容と比較検討をしたいとのことでした。

費用と見た目に関しては、医院により決まっている(固定されている)面もありますので、単純な比較ということになるかと思います。

この患者様の一番の関心は『抜歯』が必要かという点についてでした。前医の相談で抜歯が必要と言われたとのことでしたが、僕が見てもやはり抜歯が必要という判断でした。

というのも、凸凹の程度も中程度あり出っ歯さんの要素も含んでいました。そのまま装置を付けると、一列にはなっても出っ歯さんの程度は増し噛み合わせも整いません。加えて患者様には口元を引っ込めたいという希望もあります。

その辺りを説明し、『抜歯』という点には納得していただきました。

 

別の方は、『費用』と『見た目』について悩まれていました。

矯正治療において費用と装置の目立ちは反比例します。装置が目立つ要素を減らす(見えにくくする、見えなくする)ほど費用は高くなります。

表側でも通常のブラケット装置よりも見えにくいホワイトブラケット、ホワイトブラケットにしてもそもそも表から歯に装置を付けるという点では変わらないため、ホワイトブラケットよりも取り外しのできる透明なマウスピース型装置、マウスピースよりも裏側矯正、といった具合で、見えにくさを追求すると治療費用も大きくなっていきます。

この患者さまは、完全に見えない形でしたい(裏側でしたい)けれど費用が、、、ということをお悩みでした。

当院にも設定した費用がありますので、お悩みだから設定を低くする、ということはできませんが、分割払いにする、その回数を多くする、ということには対応させて頂けます。

しかし矯正治療の費用には『医院ごとに設定した費用』があります。その患者さまは当院が初めての矯正相談でしたので、インターネットでの費用や治療方法の検索、他医院さんでの矯正相談をして、その上で比較検討していただくことを促しました。費用だけがその医院での治療を開始する決定要素ではありませんが、大事な要素であることには違いありません。

様々な点をしっかり比較検討した上で、納得して治療を開始していただきたいと思います。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月24日(日)

『矯正治療では口元の変化が起こります』

 

矯正治療の前後では、当たり前ですが歯並びと噛み合わせが変わります。

意外と知られていませんが、それら二つに併せて口元も変わります。上の写真は同じ患者さまの治療前後の歯並び・噛み合わせと口元の変化の写真です。(左が治療前、右が治療後です。)

上唇、下唇のすぐ後ろには前歯があります。ですので、上唇、下唇の位置(張り出し具合、引っこみ具合)は前歯が出ているか、引っ込んでいるかに左右されることになります。

矯正治療では前歯の位置を変えますから、結果として上唇、下唇の位置も変わるわけです。

 

『抜歯が必要ですか?』

と初診相談の際患者さまから質問をお受けすることがよくあります。抜歯をするしないの基準は、

『凸凹の程度』『前歯の出かたの程度』『口元の出かたの程度』

など幾つかあります。

しかしやはり、一番肝心なのは『患者さまが治療後にどうなっていたいと考えるか』です。

『凸凹を一列にしたい』場合、歯を抜かずともご希望を達成できる場合も多いです。しかし、

『口元を引っ込めたい』というご希望があった場合、上の写真の患者さまのようにちゃんとした効果を得るには抜歯が必要になることが多いです。

口元を引っ込めるには、前歯を引っ込める必要があり、前歯を引っ込めるには、前歯の後ろにスペースが必要だからです。

ただし、抜歯の判断には実はもっと詳しい精査が必要です。年齢、骨の量・厚み(薄さ)、歯根の状態、う蝕等の処置の有無、、、などなど多くの要素を検討する必要があります。

ですので治療方針は、

患者さまの考える治療目標

患者さまの治療方法に関するご要望

上記が実現可能かのありとあらゆる検討(検査結果から)

により決まることになります。

口元の突出感が気になる方、矯正治療によって『キレイな歯並び・キチンとした噛み合わせ』とともに『スッとした口元』も達成してみませんか?

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月21日(木)

『部分矯正のメリット・デメリット』

 

僕が以前勤務していた矯正歯科医院であったお話です。

地域の患者さまからとても支持されている医院で日々たくさんの患者さまが初診相談に訪れていました。

時期がら?季節がら?かはわかりませんが、僕が退社する前の1〜3月くらいでしょうか、治療希望の患者さまで『部分矯正』を希望される方がとても多くいらっしゃいました。

部分矯正とは、すべての歯にブラケット装置を付ける全体矯正とは異なり、気になる部分にだけ装置を付け気になる部分のみの改善を試みる方法です。

部分矯正のメリットは、

・期間が短い

・費用が全体矯正比べ少ない

・煩わしさの程度が少ない

などが挙げられます。

当時、部分矯正希望の患者さまに、

『なぜ部分矯正をご希望ですか?』と尋ねたところ、

『そこだけが気になるから、そこだけ直して欲しい』

とごくごく順当な答えをいただきました。それはそうですよね。

上記メリットもありご希望の多い部分矯正ですが、部分であることのデメリットもあります。部分矯正をご希望の方はこのデメリットの方もしっかりと理解し納得した上で始めることが必要です。

部分矯正について少し詳しく書いてありますので、お考えの方は参考にしていただければと思います。

部分矯正について

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月18日(月)

『矯正治療費用の決まり方』

 

本日も、初診相談でよく患者さまから質問を受けることをピックアップして紹介したいと思います。

矯正治療は一部を除き保険診療の適応外です。いわゆる自由診療、自費診療などと呼ばれます。保険診療の処置ごとにかかる費用は国が決めています。そのため、同じ処置を受けるのであれば、北海道で治療しようと、東京、沖縄で治療しようと原則同じ費用がかかります。(大学病院で治療するか、開業医で治療するかなどで若干の費用に違いはあります)

一方で、矯正治療を含む、インプラント、セラミックの被せなどをする治療には国が定める費用というものはありません。自由診療ですので、その医院、診療所が自由に治療に対する価格を決定できます。

患者さまから、

『どうして医院ごとでこんなに価格の幅があるんですか?』

とよく尋ねられます。

医院ごとで価格が異なるのは上記理由となります。

では医院ごとで価格に幅があるのはなぜでしょうか?

矯正治療に限ったことではありませんが、商品の価格にはいろいろな要素が反映されています。以下はネットで検索した、『美容院のカット代を決める要素』の抜粋です。

・店舗、テナントの家賃

・人件費(人数、有資格者、受賞歴のある者などにより異なる)

・材料・機材費、電気代、水道代、ガス代、、、等諸々の経費

・店舗開設にかかった費用

・その地域の相場価格

・代表者の気分

大まかなところでは、この辺りが価格に反映されているようです。

矯正治療は美容的な要素も含みますがれっきとした医療です。そのため上記に加え、医療を高い質で保つためにはコストがかかります。医療の進歩に合わせた最新の治療方法の習得、スタッフの教育、安心・性格・快適な治療を提供するための設備・材料などのための費用です。

これらを考えてみると、矯正治療においても医院ごとで価格に幅があるのも理解できます。

矯正相談ではこのような内容を深く話すことはありませんので、この場を借りて大まかに説明させていただきました。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月11日(月)

『矯正治療を始めるタイミングについて』

 

連日初診相談や検査の患者さまに来院いただいており、矯正治療の需要の多さを改めて実感しています。

先日の初診相談の際にあったお話です。

小さいお子さまをお連れの女性の方が来院されました。この方が相談希望のご本人です。上下の前歯の凸凹と噛み合わせをキチンとしたいということが主訴でした。

中学生の終わりくらいからずっと矯正をしたいと思っていたが、要所でイベントが重なりそのタイミングを逸してきたとのこと。

高校では歯並びのことは頭にありつつも部活や勉強が忙しく、そのまま大学受験に突入。大学生で再び矯正をしたいと思ったが、留学との兼ね合いで断念(矯正相談のため2医院受診したが)。就職後はバタバタと過ごしているうちに結婚、退社後は家庭に入り出産、育児に専念。現在下の子が幼稚園に入園し、昼間の時間が出来、矯正したかったことを思い出したため来院したとのことでした。

基本的には矯正治療に年齢制限はありませんので、いつでも治療は出来ますが、ライフスタイルとの兼ね合いが大事です。

歯並びを治したいと思う気持ちが強くても、

なんらかの理由で装置を付けたくないタイミングかもしれません。

通院できる時間がなかなか確保できない時期かもしれません。

半年後留学、転勤、引越しなどを控えているかもしれません。

ですので、永久歯の生え揃った後の矯正治療の開始のタイミングとしては、あまり大きなライフスタイルの変化がない(可能性の高い)中学生〜高校1年生くらいまでが概ね治療をしやすい時期ということになるのではないでしょうか。

またそれとは別に『いつまでにキレイな歯並びになっていたいか』から逆算し、そこにはライフスタイルの変化があるかどうかを見定め、治療をする時期を見つけていくのもいいかもしれません。

ただ上に挙げましたタイミングにいる患者さまが治療ができないかというと決してそんなことはありません。

装置をつけたくない理由が、『目立ちたくないから』、『煩わしいのは嫌だから』ということであれば、目立たない色の装置にする、裏から矯正する、マウスピースで矯正する、などの解決方法があります。

通院のための時間がないことが問題とお考えでしたら、その方がどういう状況に居られるかにもよりますが、矯正治療の通院は1月〜1月半に1回の来院頻度ということをご理解いただければ、通院は可能と思われるかもしれません。

住む場所が近い将来変わるのでしたら、すぐには治療を始めず、新しく住む土地で治療を始めるのが良いかもしれません。

矯正したいけど、まずどういう行動を起こしたらいいか分からない、、、とお思いの方は多いです。当院の初診相談では、患者さまの頭の中にあるモヤっとした霧が、晴れるようなお話をさせていただくことを心がけております。

タイミングの点で治療を迷われている方がいましたらぜひご相談ください。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月7日(木)

『矯正歯科治療とCTの関係』

 

本日は矯正治療とCTについて書こうと思います。

歯科でCT撮影というと一番多いのが、『インプラント』を顎骨に植える手術の際に用いられるものでしょう。最近では歯周治療や複雑な親知らずの抜歯の際にも撮影されることも多いです。

一方で近年、矯正歯科でもCTを導入する医院が増えてきています。矯正歯科に限らず、そもそもCTを導入する理由の最たる部分は治療の『安全性を求めて』であると考えられます。もちろん正確性ということもありますが、それも安全性につながります。

歯科で最もよく用いられるレントゲンにパノラマX線というものがありますが、3次元である被写体の情報を2次元に落とし込んだ画像になるため、情報量はどうしても少なくなります。

ですのでCTが用いられるシチュエーションは、矯正歯科治療においても2次元ではなく3次元のままの情報を得たい時、ということになります。

どんな場合かと言いますと、

1、歯根(歯の根っこ)の周囲にどれだけ骨があるか

2、骨の厚みがどれくらいあるか

3、隣り合った歯の根と根の正確な距離はどれくらいか

4、埋まってしまっている歯の、骨の中での正確な位置

のような情報を得たい場合です。

1について。歯の根っこは周囲の骨に支えられて植立していますが、不正咬合の方の場合、根っこの周囲に骨が少なくなってしまっているような歯が多々存在します。そのような歯(の骨の薄い部分)が存在することを認識できれば、その方向に根を動かさないように工夫した(骨から根を出してしまわないような)動かし方が可能になります。

2、3について。この情報は主として矯正用のアンカースクリューを骨に埋める際に必要です。歯根の損傷を防止したり、埋めたスクリューの脱落率の低下に寄与します。

4について。埋伏歯と呼ばれる生えてこれない歯の骨の中での正確な位置を把握できます。これにより、開窓時の骨切削量を低下できたり、牽引時に他の歯の根にぶつからないように移動させることができたりします。

どれも正確性が高まることで処置の安全性が高まっている例だと思います。

すべての患者さまにスクリーニングのように行う検査ではありませんが、必要な患者さまにとってはより安全・安心な治療の提供を可能にしてくれる検査の一つであると考えています。

 

パノラマX線

隣り合った歯の根同士の関係性や距離などは把握できますが、○で囲まれた歯の根の表側(前面)にどれだけ骨があるのかは把握できません。

CT

CTでは歯の根の前面にどのくらいの骨があるのかを把握できます。この患者さんでは一層の骨があるかないかくらいの厚さしかないことがわかります。この方向への歯の動きが要注意であることを把握できます。

7月3日(日)

『本日の初診相談』

 

本日の矯正相談。昨日は7人、本日も7人の方に初診相談に来ていただき、とても幅広い層の方々のお話を聞かせていただきました。

相談された方の半分くらいは、お子さまの歯並び・かみ合わせについて、矯正治療が必要か、必要ならいつから始めればいいか、などを気にされているお父さま・お母さまからのご相談でした。

治療の必要性や開始するタイミングなどは「子どもの矯正治療ガイド」にまとめてありますのでご覧ください。

大まかな治療開始のタイミングとしては、

下あごの前後的、左右的なズレが生じている場合・・・就学前後

上記のような骨格のズレがない場合・・・就学後の適宜の時期

となります。

この時期のお子さまに骨格のズレが色濃く出ていることはまれです。しかしその兆候が出ている場合は要注意です。気を付けなければいけないのは、その兆候が出ていることに日常生活の中では気づけない場合があるということです。

「兆候」がそのままにされると、成長につれ見た目に分かる骨格のズレとして出てきます。伸びた身長を短くすることができないように、伸びてしまった後の顎の長さ、位置を変えることは成長が進むほど難しくなります。

治療の必要性、開始のタイミング、治療内容(期間、用いる装置など)などはご兄弟によっても異なる場合も多々あるくらいですから、個人個人で差があるのは当然です。

大事なのは現状の状態をしっかりと把握し、その上で必要かどうかの判断、必要の場合はいつからいつまで、などを適したタイミングで行っていくことだと考えています。

 

裾野、長泉、御殿場の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』