裾野駅徒歩3分の矯正歯科専門医院です。キレイな歯並び・キチンとした噛み合わせのための矯正治療を行います。近隣の沼津市や長泉町からもどうぞ。

わたなべ歯列矯正クリニック

〒410-1127 静岡県裾野市平松456-1 1F

JR御殿場線「裾野駅」より徒歩3分

診療時間(休診日:木曜、隔週月曜・日曜)

[月火水金] 10:30~13:00 / 15:00~19:30
[土日] 10:00~13:00 / 14:30~18:30

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矯正相談

11月3日(日

『子どもの歯並びが羨ましくなって・・・というお母さんの初診相談

 

少し前になりますが、現在小学6年生で子どもの矯正治療がほぼほぼ終わり、経過観察に入った患者さんのお母さんから、

『今度私の歯並びを診てもらえますか?娘の歯ならびがキレイになったからって、私もっていうのも変ですよね、、、?』

との申し出が。

さかのぼってみれば、この患者さん(お子さんの方)の初診相談の際、

『私が歯並びガタガタで苦労したので、娘の歯並びはよくしてあげたい』

というのが、矯正治療が始まるきっかけでした。

お子さんの歯並びがひと段落付いたため、昔から気になっていた自分の歯並びを治したいと思い始めたとのこと。

 

実はよく似たシチュエーションは他にもあります。

例えば、

職場や学校の友人が矯正治療を始めて、歯並びがキレイになっていく様子を間近で見て自分も矯正をしたいと思うようになった方や、

一人のひとのなかでも、部分矯正で上の前歯をキレイにした結果、下の歯列や全体的にもキレイにしたいと思い始め、その後全体矯正に進んだ患者さん、さらには

海外留学で向こうの歯ならびキレイ率がとても高いことに衝撃を受け、帰国後間も無く矯正歯科の初診相談に訪れる方、

年に1回お正月に会う同年代のいとこが矯正治療を始めていたと言う方、

、、、などなどがこの例でしょう。

 

矯正治療は噛み合わせをを治すという、機能が改善される面を持つ一方で、並びを治すという『見た目』をよくする面も持っています。

噛み合わせをよくするというとしっかり健康面にアプローチをしているような感があります。

一方で並びはどうでしょう。

見た目なら結局は美容目的でしょう?

と思われてしまうかもしれません。そしてなんとなく美容目的で形が変わることを良しとしない雰囲気もあります。

 

矯正治療を美容目的でやるのは悪いこと?

堅い内容ですが、『健康』を辞書で引いてみると、

健康とは、単に病気ではないとか、弱っていないとかいうだけでなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態であること

とあります。

噛み合わがいいことは肉体的に満たされた状態でしょう。

歯ならびにコンプレックスを抱いている方の並びが一列になれば、精神状態もとても満たされたレベルになるでしょう。

さらには地域、学校、職場、、、みなさんなんらかの社会生活を営んでいます。その中では周囲と比較する、されることもあれば、その環境にはある種の価値観がすでに作られているかもしれません。その社会の価値観に合うようになることは、社会的に満たされた状態になることに他なりません。

つまり、見た目の改善もまたれっきとした『健康』目的に行うことであり、並びの改善を目的として矯正治療を行うことももちろん悪いことでも変なことでもないわけです。

 

『周りの人たちの歯ならびがキレイになったから自分も始めたい』という動機は、自分が健康になるための素晴らしい動機だと思います。

 

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10月30日(水

『小学生の矯正治療開始のタイミングは?

 

初診相談の際、小学生の患者さんの保護者の方から、

『治療を開始するタイミングはいつがいいですか?』

という質問をよく受けます。

少し前のブログでも触れましたが、大まかには、

①2年生くらい

②4年生くらい

という2つのタイミングがあります。

本当にざっくり言えば、

やることは多めにある(程度がそこそこ大きい)場合は①、

やることが少なめの場合は②、

ということに一応はなります。

 

いわゆる子どもの矯正治療は、

『ご本人の本来持っている顎の幅の成長力』

や、

『歯の生え替わり』

を上手く利用して進めていく治療ですから、顎の成長や歯の生え替わりがほぼほぼ終わってしまう『6年生』くらいが子どもの矯正治療のタイムリミットと言えます。

矯正治療では、治療を始めてから効果が出るまでにはやはり年単位の期間が必要です。

そこを逆算すると、程度の軽い症例でも4年生くらいからは治療を開始しいる必要があるわけです。

 

するとこんな疑問も湧いてきます。

程度の重い症例の方が4年生で初診相談に訪れたら?

この場合、程度が重くタイムリミットまでの時間も少ないという点から、子どもの治療だけではおそらくその不正咬合を解決できないため、

子どもの矯正治療+中学生以降の矯正治療(ブラケット治療)

かあるいは、

子どもの治療はせずに、中学生まで待ってそこからブラケット治療を行う、

というような選択肢が考えられます。

 

このあたりのことから、治療開始のタイミングを早い段階から知っておくことにメリットが多くあると考えられます。

1~2年生くらいのうちに一度矯正歯科を受診し、タイミングのお話などを聞いて①にも②にもどちらにも対応できるという体制にしておく、というのがベストかもしれません。

 

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7月24日(水

『中学1年生の八重歯の相談

 

さて夏休みに入り、このタイミングで矯正治療を始めようか検討されている方も多いと思います。

先日中学1年生の女子の患者さんが初診相談に来院されました。主訴は八重歯です。矯正相談は通算2度目で、1度目は小学4年生のころにやはり矯正歯科の専門医院で受けていました。

当時説明を受けた内容はあまり覚えていないとのことでしたが、その矯正歯科でもらったという歯並び噛み合わせの記録写真を持参されていました。

そこにおそらく当時先生が相談時説明で用いたメモ書きが残されており、

『ヘッドギア→前歯にブラケット』『そのあと再判定』

とありました。

ヘッドギアというのは子どもの矯正で八重歯を治すために行う装置の一つですが、当時の写真に見る八重歯になりかけ、八重歯になる位置に生えようとしている犬歯の時期に使うと効果が出やすいです。

当時はやったほうがいいとは分かっていたものの、日常生活に矯正治療(通院のこと、装置使用のこと、期間のことなどなど)が入ってくることの抵抗感があったようで、開始には至らなかったとのことでした。

 

さて現在の状態としては、12歳臼歯まで生えそろっていて、犬歯の八重歯はほぼ1本分まるまるはみ出している程度です。

現状として口元の突出もなく下顎に凸凹はないため、上の小臼歯を2本抜いて八重歯の犬歯を入れ込む治療となりそうな見立てでした。

当時と今の写真を比べてみると、八重歯の程度は大きくなっていることが一目瞭然だったこともあり、お母さんから、

『当時始めていれば今歯を抜かずに済みましたか?』

と質問を受けたため、難しい判断ではありますが、当時の程度であればヘッドギアを使って非抜歯を目指せていた可能性はあったことを説明しました。

 

やはりそう考えると、矯正治療は症例の程度だけで開始のタイミングが『今でしょ』とは言い切れない治療であることを実感しました。

 

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5月18日(土

『中学生、混合歯列の反対咬合』

 

反対咬合といえばいわゆる受け口のことです。

受け口の治療はステージや程度により異なり、

小学生(就学前や小学生の期間)・・・顎の成長をコントロールする治療 ←土台が動くので、動く土台を好ましい位置に導く治療

中学生~成人(程度が小さいもの)・・・マルチブラケット治療 ←土台がもう動かないので、土台の上の歯を並べていく治療

中学生~成人(程度が大きいもの)・・・手術を伴う矯正治療
※中学生~高校生で程度が大きい場合は、10代後半からブラケット治療を始めます。

おおよそこんな感じになります。

 

中学生で、程度が小さいものはマルチブラケット治療を始めてもいいでしょう。

注としまして、

中学生→12歳臼歯まで生えている

程度が小さい→反対咬合でも骨格性の要因が小さく、身内に反対咬合の方がいない、など

等が付きます。

 

先日の相談の方は中学1年生の女子で、少なくともご両親は反対咬合ではなく、程度も切端咬合あるいは2~3歯に反対の歯がみられるくらいでした。

ただ歯列の発育段階として、12~3歳の方で見られうる永久歯列ではなく乳歯(第2乳臼歯)が混じった混合歯列の状態でした。当然12歳臼歯もまだ生えていません。

そうなると、上の記述に当てはめ中学生で程度は小さいものの、即マルチブラケット治療の適応というわけにはいきません。

単純には、

『マルチブラケット装置の適応が12歳臼歯まで生えそろった永久歯列からだから』

ということがそその理由に挙げられます。

一方で反対咬合で混合歯列(体全体としては成長期)の場合、まだ下顎自体が伸びる可能性も秘めています。つまり歯が植わっている土台が動くということです。

なので、現時点で土台の上の歯一本一本をきれいに並べていく、という治療つまりマルチブラケット治療を行うことはありません。

というよりも、現状で反対咬合かつ土台が動きうるのであれば、さらなる好ましくない動きを抑えることをしなければなりません。つまりは、さらに顎が前に出てしまうということを防がなくてはいけないわけです。

 

中学生とくに中学1年生くらいですと、生えかわりの個人差からまだ乳歯が残っているという状況は特別珍しくはないかと思います。他方で12歳臼歯まで生えて永久歯列が完成していてももちろん珍しくはありません。

これに症例としての中身が併されば、治療の内容に差が出ることも然るべきということになるのでしょう。

 

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5月7日(火

『顎を切る手術で治したい、、、でも矯正治療は裏側からしたい』

 

さて矯正治療は自費診療といって健康保険が効かないことは世間でも広く知れているかと思います。

一方で保険の効く矯正治療もあります。不正咬合の程度が著しく、その改善に手術(顎の骨切りなど)が必要とされる場合、顎変形症と病名が付く場合ですが、矯正治療に保険が効くようになります。

顎変形症の矯正治療には決められた流れがありまして、大まかには、

矯正歯科医院で顎変形症との診断を受ける → 術前矯正治療(手術を行う前の矯正:1年ほど)→ 手術(提携病院への入院:1週間ほど)→ 術後矯正治療(手術後の矯正:1年ほど)→保定(治療終了)

の流れになります。

上記の流れを厳密に踏まないと、保険適応になりません。

つまり、手術ありきの矯正治療ですし、矯正治療ありきの手術ということになります。

 

先日の初診相談の方は当院が初めての相談でしたが、インターネットなどでいろいろと調べてきていて、『手術で治したい』という希望をすでに持っていました。また、手術を伴う矯正治療の場合は、矯正治療が保険の適応になることもご存知でした。

症状としては受け口で、奥歯がのみが咬合、横顔の印象も受け口の方特有の側貌になっており、顎変形症の病名を付けられる程度でした。また、矯正治療は裏側からしたいという希望も持っていました。

 

結果としては、患者さんの希望を叶えてあげられない相談となってしまったんですが、理由としては、

・当院が保険適応の矯正治療を行っていない点

・保険適応になる矯正治療を行おうとすると、表側からのブラケットにしなければいけない点

でした。

 

矯正歯科の専門医院のなかでも、保険治療も行う医院と自費診療のみを行う医院があります。もちろん保険治療というのは虫歯や歯周病の治療のことではなく、上述した顎変形症などの方の矯正治療のことです。
なかなか患者さんもここまで知っている方は少なく、相談で来院しその旨を相談時に伝えられる場合が多いようです。

ですので、顎変形症で手術を伴う矯正治療が適応になると思われる方は、該当の矯正歯科医院で初診相談を受ける必要があります。

 

なので治療そのものに関してはそれでいいのですが、解決できない問題として、

顎変形症(矯正治療が保険適応になりうる症状)であっても、裏側からの装置(裏側矯正)で治療を行ってしまうと保険が効かなくなってしまう

ということが挙げられます。

 

虫歯治療は保険が効くが、矯正治療は保険が効かない。健康保険なので国が治療費の一部を負担してくれるわけですが、虫歯は国が疾患と認めてくれているからこその適応なわけです。
一方で歯並び・噛み合わせの改善は、治療というより美容、という捉えられ方であるため

『国はその費用を負担しませんよ』

となっているのです。

でも不正咬合としての歯並び・噛み合わせが重篤化すれば機能面や日常生活にも支障が出ますから、そうなると疾患として認められるようになりその改善は、美容というより治療、という捉えられ方にもなり、

『国が費用を一部負担します』

となるわけです。

 

一方で歯並び・噛み合わせを改善する際、見えにくい装置として最近では裏側矯正がありますが、裏側矯正が存在している理由のすべては『見た目』です。それ以外の理由はありません。

なので歯並び・噛み合わせを治すだけならば裏側からである必要は全くありません。表側からですべてが治せます。

ですから、顎変形症の矯正治療であっても、

『国が負担する(保険が効く)のは、表側からした場合だけですよ。噛み合わせを治すのだから裏側からでなくても治りますよ。』

という条件が付いてくるのです。

ですので、裏側から見えない装置を使って手術もしたい、となると治療費用から手術費用まですべてが自費診療、つまり患者さん自身の負担となってしまうわけです。

 

でもどうでしょう。

例えば受け口の方が顎変形症の手術で出ている下顎を引っ込めたとします。すると口元の印象というよりは、それを通り越して顔全体の印象がとても大きく変わります。

矯正治療の一環としてのそのような治療があるということを知らない人からすれば(ほとんどの一般の方は知らないと思いますが)、いわゆる、

『整形した』

と思われる程度で変わります。

もしブラケットが歯についているのが表ではなく裏であれば、周りの人は矯正治療であることをさらに知りえませんから、何日間か会社を休んだと思ったら顔が変ってた、顎の骨を切るまでの整形をしたんじゃないか、と捉えてしまうかもしれません。

 

一方で、歯の表にブラケットが付いていて、手術までに1年間の矯正治療をしていたとしたらどうでしょう。今度は国が認めた疾患であり保険治療でもあるわけなので、美容ではなく疾患の治療をするなかで、結果的に見た目も変わるという位置づけになります。

周囲も、手術をしなければいけないほどの深刻な噛み合わせの問題だったんだね、と捉えるかもしれません。何よりも1年も前からブラケットを付けています。それが手術を前提とした矯正治療であることを周りにも告知しやすいと思います。

 

以前の職場で手術を伴う矯正治療を担当していた際、手術を終えた患者さんから、

『顎を後ろに退げただけでここまで顔の印象って変わるんですね。びっくりです。』

と、ここまでは手術をした患者さん全員がおっしゃることなんですが、加えて、

『ブラケットが付いていて良かったです。矯正治療で顎を後退させた、と周りに説明しやすいですから。』

とのこと。

 

裏側からの矯正治療で費用を抜きにすれば、やはり見えずに、矯正治療と気づかれずに結果を得られることは大きなメリットだと思います。

ただそれが手術を伴う矯正治療となった場合には、逆に装置が表に付いていることがメリットと捉えられる一面もあることを、患者さんのお話から知らされました。

 

今回の初診相談の患者さんがどのタイプで手術に臨まれるかはわかりませんが、一応上記のような説明もさせていただきました。

ただ患者さんの側で自費診療になってしまうことを良しとしても、裏側からの矯正治療で手術を行える施設が限られていることも確かです。

まず医院探しが大変かもしれません。

 

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4月19日(金

『『裏側矯正 裾野』の検索で』

 

先日の初診相談の患者さんです。

以前も書きました、

裏側矯正希望の患者さんは、裏側矯正をやると決めて来院することが多い

法則?ですが、

今回の相談の方もそうでした。

通常の装置か見えにくい白い装置かで迷われる方は多くいらっしゃいますが、やはり裏でやると決めている方はそもそも医院探しから『裏側矯正を行っている』かどうかの基準で探していますから、上のような法則があてはまるのも納得です。

 

このかたはgoogleで『裏側矯正 裾野』で検索して当院を知ったとのことです。

もともと他県にお住いの方で、高校生の時に中学生の妹さんと一緒に治療を始めるタイミングがあったとのことですが、当時さまざまな事情で表側からしか治療ができず、やはり装置が見えてしまうのが嫌でその時は治療開始になりませんでした。

とはいいつつも歯並びが気にならなくなることはなく、先日当院受診となりました。

 

やはり『装置が見える』ことが足かせになり、治療を思いとどまっている方は多いんだなと改めて実感しました。

 

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4月14日(日

『矯正治療はすぐ始まらない?』

 

先日の初診相談の患者さんです。小学校2年生の女子が患者さんで、お母さんが来院されました。

並びの凸凹と出っ歯さんが組み合わさった歯並びで、治療開始のタイミングとしては今ぐらいがちょうどいい頃合いです。

 

ご本人も装置珍しさ、友達もしている等々あり治療をしたそうです。しかしそれにも増して治療に前向きなのがお母さんでした。

それはこの一言によく表れています。

『この後その装置を付けてもらえるんですか?』

 

矯正治療と一般歯科治療、とくにむし歯の応急処置的な治療とで最も大きく異なるのが、治療開始となるまでの期間でしょう。

『痛い!どうにかして!』

という患者さんを、治療計画を1週間かけて綿密に立てないと処置ができないのであれば、患者さんは痛みを抱えて何日も我慢しなければなりません。なので、痛くて歯科医院に行けばその場で処置をしてもらえます。

 

一方で矯正治療はというと、来院した患者さんの症状が、一分一秒を争う緊急症状であることはまずありません。それは患者さんの方も実はちゃんと分っていて、患者さんが取る初診相談のご予約は数日~1週間後くらいを希望される場合がほとんどです。

逆に、例えば午前にお電話があってその日の午後の初診相談希望という方は稀です。

 

ところで矯正治療は年単位の治療です。

今日何をするという計画ならともかく、何年もかかる治療の計画となれば瞬間的に立ててしまうわけにもいきません。

患者さんも、大事な数年を治療に費やすわけですから『そんなすぐに簡単に、やることを決めてしまっていいの?』と思われるでしょう。

 

ちなみに矯正治療は、

初診相談の回

検査の回

診断の回(検査結果と検査から導き出された今後の方針が決まる回)

歯磨き状況をチェックする回

装置準備の回

装置使用を始める回

 

の順に進みますが(医院によって差はあります。)、どうでしょう、初診相談からこれだけの行程を経て装置の使用が始まります。

初めて目にする、耳にする方はびっくりするかもしれません。ですが、矯正治療の特殊性上どれも省略できない行程です。

冒頭の保護者の方も納得はしていただいたもののやはりびっくりした様子でした。

 

今回は矯正治療の特殊性を『期間』に特化してお話ししましたが、他にも特殊な要素はたくさんあります。

だからこそしっかりとした準備を経て治療開始となることが必要です。

 

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4月9日(火

『検査多めの1日』

 

春休みなどの長期休みが終わった後の1ヶ月ほどは、休み中に相談を行った方の検査や、休み中に検査まで行った方の診断が多めに予約表に記入されます。

休みごとおよそそのような傾向があるため、長期休みの最終週の数日は、相談、検査、診断の枠を予約表にあらかじめ設けるようにしています。

夕方以降は毎月の患者さんの予約ですでに埋まっていますが、朝〜昼〜午後の時間にかけては、まだ学校が始まっていない患者さんにとっては取得可能なお時間帯になります。

 

先日春休み終了前、この時間帯に検査の患者さんが6組と、1日の検査数としては多めになった1日がありました。

この日検査をした方の中には、春休み中に治療を開始したいという方も何人かいらっしゃいましたが、装置にも依りますが使用開始はゴールデンウィーク明けくらいにはなるでしょう。

 

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4月3日(水

『矯正治療の費用の合計って、結局いくらになるの?

 

矯正治療を検討中の方にとって、関心のあることのひとつに『費用』があると思います。

すでに矯正治療をしているお友達などから費用の話を聞くと、ある人はこう言って、別の人はそう言って、この人はあー言って、、、

聞けば聞くほどどうなってるの?とより分からなくなってしまった、、、などという経験をした方も多いと思います。

 

それは矯正治療が保険の効かない自由(自費)診療であることに理由があります。保険治療の費用体系は国が決めますから、同じ治療内容であれば、東京のA歯科医院で受けても大阪のB歯科医院で受けても費用は一緒です。

一方で自由診療の場合、それぞれの医院が治療費用を独自に設定することができるため、十院十色の費用体系が存在することになります。

それも矯正治療の費用って分かりにくいと思われてしまう原因の一つでしょう。

 

さらに矯正治療費用を分かりにくくする要素に、処置料制を採用している医院と総額制を採用している医院がある、ということも挙げられると思います。

 

ところで、矯正治療の治療費用の合計は以下の式で説明できます。

治療にかかる費用の合計 = 基本施術料(管理料) + 治療期間の毎回の診察代

です。

 

処置料制とは?

処置料制とは、基本施術料に加え、毎回の診察代がかかるシステムのことです。
毎回の診察代として、3000~5000円に通院回数を掛けた費用が加算されます。

 

総額制とは?

総額制とは、基本施術料=かかる費用の総額であり、毎回の診察代を必要としないシステムのことです。
上述の式において、毎回の診察代に0円を代入したものになります。

 

ではどちらがいい?

トータル費用の大小に関しては、どちらも一長一短あります。

処置料制では、当然治療期間が短ければ通院回数も減るので、支払う額は少なくなります。一方で、治療期間が予想よりも長くなってしまえば、払う額も増えてしまいます。

逆に総額制ではどうでしょう。もし治療があっという間に終わってしまっても、極端には2年の治療が6か月で終わっても(もちろん満足のいく結果で)、費用は同じです。早く終わったからといって一部帰ってはきません。一方で、2年の治療が4年かかってしまっても、余分に払うこともありません。

患者さんにとってどちらがいいでしょうか?

処置料制の医院、総額制の医院、あるいは症例によって総額制と処置料制を分けている医院、様々です。

 

しかし患者さんの側で、『私の症例としての程度はそんなにひどくないから期間もかからないだろう。じゃぁ処置料制の医院で矯正しよう』とはなかなか至らないと思います。

矯正医としても治療前から『あなたの症例としての難易度は低いですから、治療期間は必ず1年未満ですよ』ともなかなか言えませんから、患者さんの側で治療期間が短くて済むだろうと判断しての決定はやはり難しいと思われます。

 

となれば、少なくとも費用だけを考えるのであれば、一般的な治療期間である2年〜2年半ほどをかかる期間と設定して、費用を算出し、処置料制で行った場合と総額制で行った場合の費用を比較するのがいいでしょう。

 

当院はと言うと、総額制を採用しています。

理由としては、治療中少なくともお金の面で、患者さんが不安や心配に思うことがなくなるからです。

総額制ですと、最初の治療をするかしないかを判断するタイミングで、すでに費用の総額も決まっていますから、『その額に納得しなければ治療を始めない』という選択ができます。

一方で治療を始めることになった場合は、その額に納得をしてでのこととなりますし、総額制なので今後治療費用がさらにかかることもありません。

つまり、患者さんは治療終了となるまで、仮に治療期間が延びることがあっても費用の心配をしなくて済むことになります。

 

矯正治療は年単位の期間がかかる治療です。

期間が長いということは、『いろいろ』なことが起こる確率も上がる、ということです。

もちろんいろいろとは治療と関係することに限ったことではありません。私生活における様々なイベントと、治療期間が重なる確率も高くなるのです。

そんな時、治療に関する心配事は一つでも少ない方が良いでしょう。

 

もちろん、施術を受ける医院を選ぶ基準は費用だけでは全くありませんが、費用を考える際に、処置料制・総額制の考えが参考になればと思います。

 

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3月20日(水

『春休みのご予約につきまして』

 

だいぶ暖かくなってきました。もうほとんど春ですね。

 

さて世間での春休み期間中(3/20~4/10ほど)、当院のアポイントに関しましても少し混み入った状況となっております。

通院中の患者さまのひと月後のご予約がとりにくいことはありませんが、

初診相談、検査、診断などをご希望の患者さまは直近でのご予約が取りずらくなり少し先となってしまう場合もあります。

特に初診相談ご希望の方は、ご希望の日時から余裕をお持ちいただいてのご連絡をお勧めいたします。

また、現在通院中の患者さまにおきましても、ご予約日時間近でのご変更は、その近日での再取得が難しいこともありますのでご注意ください。

 

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2月26日(火

『前回のブログの反応』

 

前回のブログを読んだ通院中の患者さん数名から、

『あのブログの患者さん結局どうなったんですか?』

『治療をすることになったんですか?』

などなどと質問をされましたので、追記したいと思います。

 

矯正の患者さん同士、やはり矯正治療を始めるまでに至るきっかけや考え、いきさつには違う点もあれど共通点も多々あります。

患者さんのなかには、まさしく

『私も今になって治療をするまでは中学生の頃にやっておけばよかったと思っていたうちの一人。でも結局は今でよかったとも思う。』

という方がいました。この方はすでにブラケット治療は終わり、現在リテーナー(戻り止め装置)を使用中です。

 

確かに中高生の頃にやっておけば、今キレイな歯並びだった可能性はあります。

『だった可能性?』

『だったでしょう。』

ではないの?

と鋭い方は思われるかもしれません。

前回書いた”治療へのモチベーション”は、実は治療中だけでなく、治療終了後にまでも保っておく必要があるのです。

なぜなら矯正治療には治療後の”後戻り”の可能性があるからです。2年間の治療後には、2年間以上の保定期間という、今度はキレイな歯並びを保つ期間が続きます。

今度はつけっぱなしの装置ではなく、患者さん自身で付けたり外したりができる装置です。付けっぱなしではないので一見楽に思えますが、逆に『維持』の管理が患者さん自身に委ねられることになるので、付けっぱなしの装置とは別の大変さが生まれます。

サボって付けなければせっかくの並びが崩れてしまうし、しっかり管理して装着を続ければ歯並びは維持されます。

保定装置の継続使用、これこそ高いモチベーションのなせる業でしょう。

 

上の患者さんの言葉ですが、

『あの頃なんとか矯正していても、絶対リテーナー(戻り止め装置)は真面目に使わなかったと思う。』

今やりたくてやって、やっと手に入ったものだから、ずっとそれを持っていたいと思う。

ここまでの気持ちがあってやっと維持までうまくいく。矯正治療はなかなか大変です。

 

前回のブログの患者さんですが、もちろん治療開始にはなっていません。やはりご本人が治療をしたい、治療の必要性がある、という気持ちに至っていないのが大きいでしょう。

海外に行くなら歯並びはキレイな方がいい、頭では分かっているものの周囲から言われる言葉よりも、自分の中から湧き上がる感覚や理解であった方が行動にもつながりやすいということだと思います。

実際に、中高生の頃に矯正を終わらして、その後保定装置の使用が甘く後戻りをしてしまい、再治療をしたく当院に来られる方もいらっしゃいますから、キレイな歯並びでずっといたい、という気持ちを、他の色々なことに消されてしまわずいつまで持ち続けていられるか、が歯並びの末長い維持には大事な要素だと思われます。

 

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2月2日(土

『反対咬合の改善~早いパターンと遅いパターン』

 

小児の反対咬合で来院される方も多いです。

反対咬合には色々なパターンがあります。

成り立ちとしては、難しい言葉で言えば環境要因と遺伝要因というものがあります。

環境要因とは、その子が生活していく中で歯の外部から影響を受けて成り立つものです。たとえば、口呼吸とかベロの癖、爪噛み、むし歯、乳歯が早く抜けてしまう、、、といったものです。

遺伝要因とは、お父さん、お母さん(やおじいちゃんおばあちゃん)が反対咬合だと、お子さんも反対咬合といったようなものです。お父さんの背が高いとお子さんも背が高い、という現象に似ています。(これらの要因があれば必ず反対咬合になるというわけではありません。)

 

様態としては、骨格性、機能性、歯性、

程度としては、噛み合わせの深いものと浅いもの、上下の前歯の距離が近いものと遠いもの

等があります。

 

さてこれらの要素を縦割りで見た時の組み合わせによって、治療を開始した際の改善までのスピードに差が生まれます。

改善が早いものは、

環境要因で、歯性(機能性)、噛み合わせは浅く上下の前歯の距離が近いもの

です。

逆に改善が遅いものは、

遺伝要因で、骨格性、噛み合わせが深く上下の前歯の距離が遠いもの

です。

これは分かりやすい組み合わせかなと思います。

お父さんの背が高い子は放っておいても背が高くなりますし(背が高くなるのをなかなか止めることはできません。伸びてしまいます。)、下あご(の骨)が伸びてしまった結果下あごが前に出てしまったのであれば、伸びてしまった顎を短くすることはできません(身長180cmのひとを170cmに出来ないのと一緒です。)。

なので後者はスピードが遅いこともさることながら、改善の難易度が高いケースともされています。

 

小学校低学年で、いわゆる早いタイプであれば、装置を使ってひと月で反対咬合の改善をみる患者さんも少なくありません。

数年間悩んでいたお子さんの反対咬合が僅か1か月で改善したわけですから、保護者の方もびっくりです。

もちろん改善といってもこの時点ではがっちりとした改善ではないですし、また戻ってしまうこともありますから、この後もまだもう少し装置は使い続ける必要はあります。

 

ただこの『早い』パターンであっても、放っておくと、『遅い』『難しい』方向へ”要素”が変化してしまうこともあります。

『早い』方のケースを放っておくと、

環境要因→環境要因のままです。

歯だけが反対咬合→顎ごと、骨ごとの反対咬合へ変化

浅い噛み合わせ→浅いままである可能性が高いです。

上下の前歯の距離が近い→遠くなってしまう(反対の程度が大きくなる)

のような変化が起きて、つまり骨が伸びてしまったタイプである骨格性の反対咬合に移行してしまうことがあるので注意が必要です。

 

今日の内容は、当院で治療をしている『早い』タイプの患者さんが、1~2か月で反対が改善したことを保護者のお友達に話したところ、そのお友達が反対咬合のお子さんを連れて初診相談にいらした、ということがあったため、書いたものです。

ただその患者さんは小学校高学年、お父さんが反対咬合と、もう一つの方のタイプでした。

 

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1月30日(水

『いろいろな不安を持っていたセカンドオピニオン』

 

昨年夏くらいから、ひと月の初診相談のうち1〜2件ほどセカンドオピニオンの方がいらっしゃいます。

本日来院した患者さんは高校生女子、マルチブラケット装置が装着されており、すでに治療期間は3年を超えているという現状でした。

 

3年前の治療開始時の主訴は凸凹と出っ歯でした。患者さんの強い希望で非抜歯の方針で治療を進めてきましたが、凸凹は改善したものの、口元の突出は以前よりも増えた気がするという現状です。

なので患者さんとしてはまだ『出っ歯が治っていない』という認識でいたところ、4月から矯正担当医がその歯科医院に来れなくなるということで、治療終了の申し出を受けたため、どうしたらいいか分からなくなり、当院のセカンドオピニオンを受診したという経緯でした。

 

多くの不安を抱えられていましたが、

一つは、治療の継続のことです。

やはりこの現状で治療終了としたくはないとのことで、なんとか出っ歯を治して終わりたい。なので治療の継続をしてほしいが、やはり歯は抜きたくない。

一つは、費用面です。

前院では通院毎で診察代が発生する費用体系だったとのことで、3年通院したことで一般的な矯正治療にかかるお金をすでに費やしている現状であるため、続きを他院でするにしても0からの費用をかけることが難しい。

一つは、期間です。

すでにマルチブラケットをつけて3年を経過しています。今後”真”の治療終了となるまでの期間さらに装置をつけ続け(つまりは歯に力を掛け続け)、歯は大丈夫か。虫歯や歯周病も心配とのこと。

さらに一つは、進学です。

4月から高校3年生、大学受験をするため夏には受験勉強が本格化しますから、治療が勉強の負担になるかもしれないという点、さらには来年の3月で治療が終わらず遠方に転居となった場合、さらにまた転院ということになってしまう。

などの不安を挙げられました。文章での事実の列挙だけですとなかなか伝えられませんが、お母さんの切迫感はなかなかでした。

どの不安も、解決にあたっては一筋縄ではいかないものばかりです。

 

患者さんも、患者さん側の要素として治療終了や中断、転医などとなる分にはある程度踏ん切りがつくかと思いますが、矯正医が突然来れなくなるから、では諦めもつきません。

矯正治療は長丁場です。子どもの治療では、6〜7歳から治療が始まる場合、13歳で達成されるべき良い歯並び・噛み合わせを逆算して、担当医が治療計画を立案します。

13歳でここを目指すから11歳ではこの装置を使う、11歳でこういう状態でその装置を使うなら9歳ではこう、9歳がそうなら7歳は、、、と言った具合に、全ての行程には連続性があります。

矯正装置はその種類が山ほどあります。なので担当医ごとで、よく使う装置や全く使わない装置もあれば、使用して多くの効果を認めている装置やほとんど使用しない装置で有効性を確認できていない装置などもあります。これは子どもの治療にとどまらず、マルチブラケット治療でも同様です。

なので、装置の転医先で前医の治療計画が全く引き継がれないということも往々にしてあります。

となると治療計画がガラリと変わりますから、患者さんにとっては新たな担当医から思いもよらない提案をされたり、、、などということもありえます。よくあるケースとしては、実は今回もそのケースに含まれますが、前医では抜かない方針だったのに、転医先では抜歯をしないとできないと言われた、、、等です。

 

このような治療計画の一貫性ということはもちろんですが、医院が変わると費用もまた振り出しに、、、ということさえもありえます。

矯正治療はこのような特徴を持ったある意味”特殊”な治療です。避けられない状況もありますが、出来るだけ『治療終了まで』を見通せる医院で治療を開始できるのがベストだと思います。

 

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12月25日(火

『どれも緊急性がある不正咬合だった初診相談

 

子どもの矯正治療では、このサイトやブログでも何度かお伝えしていますように、

初診来院時=ベストな治療開始時期のタイミング

とは限りません。

例えば軽度な凸凹や、4本の前歯にまだ乳歯が混じっている場合は、適切な時期になるまで待ってそこから装置を使って治療が始まる、なんて言う場合も少なくありません。

 

一方で、不正咬合は種類や程度も様々です。中には、緊急性を要する、つまりすぐ始めた方が良い不正咬合も少なからず存在します。

先日来院した患者さんがまさにその状態でした。

10歳女子、主訴は『前歯の凸凹、犬歯の生えるスペースがない』です。

パノラマX線を希望していましたので撮影し、併せて状況把握を行いました。

 

ではどんな不正咬合が認められたかというと、

・受け口

・下顎の左方向への変位(シフト)→左の臼歯が交叉咬合

・上下前歯の凸凹。特に側切歯の舌側転位が顕著

・下顎の側切歯が大きく唇側にはみ出された形になっており、同歯の歯肉退縮が著しい。

・レントゲンにて、骨の中の左上の犬歯が左上の側切歯の根っこを溶かしかかっている。

等でした。

 

凸凹以外はお母さんも初めて聞く不正咬合で、これまではその存在自体も把握していないものでした。

しかし、把握していなかったことの方がすべて緊急性があるもので、早急のアプローチが必要です。

これだけ不正咬合が揃っていると、一度にすべてにアプローチとはなかなかいきません。優先順位を付けて、緊急度のより高いものからアプローチしていくことが重要です。

 

といった内容を説明しました。

 

治療のタイミングは、特に小児であれば様々です。初診相談=開始のタイミングでは決してありませんが、=の場合も決して珍しくはありません。

 

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9月3日(月

『主訴は右上の八重歯。でも、、、

 

ここ3〜4日の間で同じようなパターンで似たような症例の初診相談がいくつかありました。

 

まずは小学生の女子です。

右上の犬歯が八重歯として生えてきたことを主訴に来院しました。

当院の小学生の初診相談では、ご希望のある方にパノラマレントゲンの撮影を行っていることはこれまでにも書いた通りです。

永久歯は骨の中から生えてきます。その骨の中をレントゲンで見るということは、『この先』生えてくる歯の『現在』の様子を知ることができる、ということです。

つまり、まだ骨の中にあるとある永久歯が、

ちゃんとまっすぐ自分が溶かすべき乳歯の方向に向かって進んでいるか

他の歯に自分が生えることを邪魔されていないか

そもそもその『とある永久歯』がちゃんと存在しているか

などを知ることができます。

現状が把握できれば将来の予測が可能になりますから、将来の噛み合わせの予測もある程度はできることになります。

 

この女子は主訴は八重歯でしたが、レントゲンを撮ってみると下顎の両側の第2乳臼歯の下に永久歯がないことが分かりました。

永久歯が何本かないなんていうと大変なことにも聞こえますが、日々矯正の臨床をしていると割とよく遭遇する症状です。上顎の側切歯や上下第2小臼歯は先天欠損の好発部位でもあります。

初診相談などでこのことが判明すると慌ててしまうお母さんもいます。一方で欠損の本数にもよりますが、対応法はある程度決まったものがあるので、そうと分かっても心配し過ぎなくても大丈夫です。

 

次もやはり小学生です。

上顎の側切歯が内側に入っていることが主訴でした。気になるのは『並び』です。

レントゲン希望でしたので撮影してみると、この方も下の奥から2番目の乳歯の下に永久歯がありませんでした。さらにそれに加え、左上奥の乳歯の上にも永久歯がありませんでした。

なので合計3本の永久歯がありません。

さらにこれらに加え、上顎正中に過剰歯らしきものも存在していました。

 

最後もやはり小学生です。

この方は初診相談の際にレントゲンは撮らず、後日検査をした際にレントゲンにてやはり下の第2乳臼歯欠損が判明しました。現在診断前なので、ご本人や保護者の方はおそらく欠損の事実を知りません。

診断の際に欠損の旨を伝え、それらを踏まえた治療方法を提案することになります。

 

偶然が重なっているわけですが、少ない率で生じるはずの先天欠損の症例が続くとその率が上がっているかのような錯覚を覚えます。

 

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8月10日(金

『反対咬合の診療が多かった一日

 

一日の中で同じような診療内容や症例が重なることはよくあります。

この日は反対咬合の患者さんが多い一日でした。

 

その日の朝の時点で判明している反対咬合の診療は4件。

午前中の診断で1名。

午後の診療で3名。

うち一人はプレオルソ、一人はムーシールドを使っての治療でした。舌癖の除去に加え、プレオルソの方が下顎の位置づけをする分、治りが早い気がします。

午後の反対咬合のもう一人は治療途中での経過報告を相談室にて行いました。本日はお話のみの回です。

子どもの歯並び噛み合わせは、土台となる顎の成長や、土台の上の歯の生え替わりなど変化が目まぐるしいため、治療の効果や経過、進捗などと併せ、半年に1回ほどこれらを保護者の方に報告する場を設けています。

子どもの治療はどうしても経過が長い治療になります。

毎回の診察の後には必ず、その日に行ったこと、現状での起きている変化や効果などは説明していますが、患者さんやその保護者の方にとっては、症状が最初と比べてどう変わったのか、これからどのタイミングで何をしていくのか、いつまで治療が続くのか、などなど治療中にはいろいろな不安が付いて回ります。

なので定期的にこちらが経過をお話しするというよりは、定期的にお話をお聞きする場を設けることで、長い治療期間と上手にお付き合いいただくことだ出来るような環境を作るようにしています。

 

これだけでも全ての診療に占める反対咬合の割合は多めな一日と言えます。

一方でこの日は初診相談が4件入っていました。4件ともお電話での予約の方だったため、どのような主訴(気になるところや症状)での相談かは当日朝の時点では分かりません。それぞれ来院されたところ、

午前の1件の相談は成人で開咬の患者さんでした。

そして午後の3件は全て反対咬合の相談でした。

反対咬合の診療が多めに入っている日に、初めて来院された方の咬合もこの日に集めたかのように反対咬合が多い、という偶然。

このことに気付いたのはその日の診療がすべて終わってからで、『あれ、そういえば今日反対咬合多かったな』と調べてみたらこうでした。

 

ただひとえに反対咬合と言っても、子どもなのか、子どもでも就学前か低学年か、高学年か中学生以上か、男子なのか女子なのか、成人の反対咬合でも程度が大きいのか小さいのか、親知らずはあるのかないのか、主訴で気にしているのは歯並び噛み合わせだけなのか、下顔面の形態も気にしているのか、、、

などなどバックグラウンドが異なると、症状に対してのアプローチの仕方も異なるため、話す内容もそれに合わせて変化してきます。

なのでそれぞれの相談の方で、あまり似たような内容になっていないのも不思議な感じがします。

 

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7月29日(日

『治療開始のタイミング~高校2年生の夏編~次々と押し寄せるイベント

 

なんのタイトルでしょう?(笑)

 

さて、永久歯への生え替わりがすべて終わった中学生以降であれば、矯正治療としてはマルチブラケット治療の対象になります。

さらにマルチブラケット治療は、上記中学生以降であればいつでも始めることが出来ます。開始のベストなタイミングは、

『治療をしたいと思ったその時』

ということが出来るでしょう。

 

ただこれはあくまで、生体の都合上でのタイミングです。

矯正治療を実際に始めるにあたってはそれにプラスして、生活の都合上でのタイミングもはかる必要があります。

 

先日相談に来た高校2年生の女子の患者さんです。

再来年の4月に大学進学を控え、それに伴い県外へ転居する可能性もある、という現状です。

症状としては、上顎左側の丸々一本分の八重歯、下顎前歯の並びが凸凹です。裏側からのブラケット治療を希望しています。

現状で予想される治療期間は1年半~2年というところでした。

 

現在7月下旬です。治療を始める場合、初診相談後に検査、診断、装置装着の準備を経て装置装着になりますから、歯にブラケットが着くのは早くても9月でしょう。

となれば、再来年の3月までに残されている治療期間は1年半です。

なので、転居前にブラケットオフになることも十分考えられます。一方で通常通りの2年という期間がかかれば、治療途中での転院ということもまた十分にあり得ます。

治療途中で転院となった場合、患者さんにとって色々な負担があります。

1つは費用における面、もう一つは治療方法の一貫性における面です。

なので、転院の負担を無くそうと思えば解決方法は簡単で、転居前には治療を始めずに転居先で0からスタートすればいいのです。

これで、転居というイベントから発生する転院という問題を避けることが可能になります。

 

一方で特に女性の方が大学進学後に矯正治療を開始した場合、治療期間に別の考慮すべきイベントが重なってくることになります。

それは、成人式です。

大学進学(転居)後のバタバタが落ち着いてから矯正歯科を受診すると、やはり上記の一連の流れの後に治療開始になりますから、7~8月くらいに治療開始になるでしょう。

すると今度は1年半後に成人式が待っています。多くの方が前の年の10~11月に前撮りをするでしょうから、前撮りまでには1年とちょっと、ということになります。

一般的に、相談の方や治療中の患者さんの反応としては、転居に伴う新生活開始の場面よりも、成人式の場面でのほうが装置が歯に付いていることへの抵抗を持っている方が多い気がします。

さらにその先には就活や就職が待ち構えています。

 

一難去ってまた一難のあとにまた一難とでもいいましょうか。

大学進学や成人式、就職は人生にとっての素晴らしいイベントです。ですが、そのタイミングに矯正治療がかかわってくると、少しややこしくなってしまいます。

 

今回の患者さんに戻ります。

今治療を始めればもし治療が終わらなかったとしても、再来年の3月には概ねキレイな完成に近い状態にはなっているはずです。その後転院のバタバタがあるかもしれませんが、その年の夏~秋にかけては遅くとも治療終了になっていることでしょう。

つまり『転院』を考えに入れなければ、一番早く治療が終わるのは、一番早く治療を始める『今』ということになります。

キレイな状態になることを人生の一番早いタイミングで獲得できます。人生のうちでキレイな歯並びの状態で過ごせる期間が1年半増えるわけです。

 

高校生の矯正治療で転院が絡んでくる場合、どのタイミングで、あるいはどこで治療を始めるかは患者さんもそうですが、保護者の方の考え方によるところも大きいでしょう。

通院圏外への転居を、半年以内に控えているような場合は、それが部分矯正であったとしても転居後に始めた方が良いと思います。

一方で治療期間として1年半の確保が出来る場合は、転居前に始めてもいいのではと考えています。今回のケースのように、大学進学で転居を予定しているような方の場合は特にそう思います。

もちろん現医院でブラケットオフまで進まないかもしれませんし、保定観察はどうする?といった問題はあります。というところを差し引いても、上述のようなメリットの方が大きいと考えるからです。

 

極端な話に聞こえるかもしえませんが、人生では何が起こるか分かりません。2年後に始めようと思っている何かが、別の事情が重なりそのタイミングで始められなくなることもよくある話です。

初診相談で相談者のかたが『あの時治療をやっていれば、、、』と話しをされるのもしばしばです。

 

いくつかの要素が絡んだ問題を考えるときに、まとめて考えることももちろん大事ですが、ひとつひとつの要素をばらして考えることも大事です。

矯正治療ではミクロでもマクロでも優先順位を決めて行うことが大切です。

 

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7月10日(火

『この時期に多い小学生の方のメール相談

 

もちろんメールが来るのはその保護者の方ですが、歯科検診の結果が返ってきた6月~夏休み前のこの時期にかけて、初診相談やメール相談でのお問い合わせが多くなります。

 

内容によっては電話や実際に医院へ足を運ばなくても済むこともありますから、ぜひ活用してもらえればと思います。

 

一方で、メールでの回答が難しい類の質問もあります。それは、小学生の保護者の方から最も多い、

『治療の必要性はありますか?』『いつから必要ですか?』

というような内容の質問です。

 

最近ではお写真を添付しての質問も多く、中には奥歯までとても良く写っているものや、他医院の相談でもらった写真を添付してくれる方もいます。

ですが、そうだとしても実際にお口の中を拝見していない、レントゲンなどを撮影していない段階では、なかなか『必要性はないですよ』や『あと1年後にスタートでもいいでしょう』とは言えません。

 

小学生の患者さんの治療の必要性や開始のタイミングの判定は、決して大げさではない話として、患者さんの今後一生の歯並び・噛み合わせを左右するものであることもまれではありません。

そのような大事な判定は、詳しい現状把握がなされていないことには出来ません。

逆に患者さんの側でも、メールだけでその答えが返ってきてしまった場合、『そんな大事な判定、実際に診てもいないのにメールだけでしていいの?』と思うべきでしょう。

 

ですので、必要性やタイミングに関してのご質問に関しては、質問を頂いた方に即した内容を回答する一方、少なくとも判定には医院まで足を運んでいただく必要がある旨を付け加えています。

 

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5月7日(月

『メール相談~非抜歯矯正でのセカンドオピニオン』

 

GWの休診中にメール相談を何件かいただきました。うち2件がセカンドオピニオンに関するものだったので少し触れたいと思います。

 

さて『非抜歯矯正』という言葉を、主にはインターネット上でよく目にします。

『そちらでは非抜歯矯正はやっていますか?』

という問い合わせはこれまでにもあります。

 

マルチブラケット治療において抜歯か非抜歯かはその症例によります。『詳しく分析したり、患者さんの主訴をうかがったりして、必要なら抜歯、そうでなければ非抜歯』ということになりますから、当然非抜歯矯正やっていることになるわけです。これはどこの矯正歯科医院でも同じでしょう。

一方で上のお問い合わせは少しニュアンスが違います。どちらかというと『そちらは全ての矯正を非抜歯にて行う、非抜歯専門医院ですか?』というくらいの意味合いが含まれています。

実際ネット上で”非抜歯 矯正”と検索すると、非抜歯専門でやっている旨を紹介しているサイトも多々見受けます。

 

近年ではアンカースクリューの普及もありますから、並びの凸凹がある場合の抜歯の必要度は確かに下がっていると言えるでしょう。

しかしその程度が大きい場合や、口元の突出が主訴である場合などはやはり抜歯が必要となる場合も多いです。

 

そこで本題に戻ります。

相談の方は現在ブラケット治療後2年を経過した方です。当初より並びは一列に近くなったものの、犬歯の八重歯感がまだぬぐえない、上下の前歯が当たらなく出っ歯になった感じがする、奥歯で噛みにくいということを主訴としていました。

添付いただいた写真で判断すると、臨床的には、叢生、前歯部開咬、上顎前突、臼歯部鋏状咬合という診断名をつけることが出来る状態でした。

治療前には叢生だけだった悩みが、治療によって開咬や出っ歯、奥歯でものを噛みにくいなど、いくつにも増えてしまった現状です。

 

歯の移動は魔法ではなく、単純な物理の法則に従っている面も多々あります。はみ出している歯が歯列に戻るためには、戻るためのスペースが必要です。

スペースの獲得方法は、

1.前方への拡大(前歯を出して歯列の外周を広くする)

2.側方への拡大(歯列の幅を広げて歯列の外周を広くする)

3.後方への拡大(いわゆる遠心移動)

4.IPR(歯の側面を数歯に渡ってやすりがけをします)

5.抜歯

があります。

手っ取り早いのは1や2です。はみ出している歯にブラケットを付けてワイヤーを通せばおのずと1や2をしたことになるからです。つまり歯列は側方に大きく拡大し、前歯は出ます。

はみ出していた歯が歯列に入ったというよりは、はみ出した歯の位置まで他の歯が出てきて大きな外周を描いて並ぶようなイメージです。

一般的に前歯がもっと前に出るのは審美的にも好ましいとはされませんから、抜歯をしない場合のスペース獲得方法は、適度な側方への拡大とIPR、必要量の遠心移動が必須となるでしょう。

1や2はブラケットとワイヤーがあれば誰でも施術できますが、3の遠心移動には技術が必要です。つまり、鋏状咬合や開咬、さらには前歯が大きく出てしまう仕上がりに技術は必要ありませんが、そうはならずに非抜歯で重度の叢生を治すには技術のみならず患者さんの生体側の条件など他にもいろいろな要素がそろっていることが必要なのです。

 

非抜歯で治療可能という言葉の響きはとても良く聞こえますが、患者さんは治療前に、ご自分の治療がどういう方法で行われるのか、提案された方法だと仕上がりはどうなるのか、などなどをしっかり確認することが大事です。

またその医院で治療するしないは別として、初診相談の段階で数軒の専門医院を受診してみて広く専門家の意見を取り入れてみてもいいと思います。近々結婚式があるとか、就職活動が始まるといった事情は別として、矯正治療はその開始のタイミングが”一刻を争う”ことは稀です。開始が1か月2か月先、あるいは半年1年先になったとしても、『1年前だったらこの方法で治療出来たのに、時間が経っちゃったからもう出来ないよ』となることはほとんどありません。
子どもだったり、成人でも5年10年経過していれば話は変わりますが、、、

 

患者さんの側でも『本来抜歯のケースを非抜歯で治す試みは、治療の難易度を上げることが多い』ということを把握している場合が多いと思います。

受診した全ての歯科医院で『これは抜歯でしょう』と言われれば、どうしても抜歯が必要な症例んだと思うかもしれません。

一方で複数の歯科医院で抜歯と言われたが、一つの医院で非抜歯で出来ると言われたのであれば、抜歯での治療を提案された歯科医院で受けた”非抜歯では出来ない理由”をぶつけてみるのもいいでしょう。

 

今回メール相談を受けた患者さんを正常咬合まで治そうと思うと、上下小臼歯抜歯が必要で期間も2年以上はかかると思います。丸々一回分の矯正治療と同じです。このようなケースからも、非抜歯とすることで難易度が大きく上がるケースでは、そのくらい慎重であっていいのかもしれません。

 

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4月25日(水

『前歯を引っ込めたいだけなのに、下の歯列にもブラケットを付けなきゃいけないのは何故?』

 

さて前回の続きです。

上の前歯を後ろに退げるのに、なんで下の歯列にも装置を付ける必要があるのでしょう?

 

大きく括ってしまえば、理由は『噛み合わせ』にあります。
さらに『噛み合わせ』の中にも、いくつか別個の理由がありますが、文字で書いても比較的理解しやすいところを説明します。

また機会があれば図などを用いて、『スピーカーブ』や『前歯の後退量』などという点から書こうと思います。

 

なので今回は”奥歯の噛み合わせ”という点から説明します。

前回、『前歯を奥歯から引っ張ると前歯が後ろに後退するだけでなく、奥歯もつられて前に動いてしまう』ということを書きました。

実はこの”奥歯が前に動いてしまう”こと、この問題は単にその分前歯を後退させる量が減ってしまうことだけにとどまりません。

奥歯が動くということはイコール『噛み合わせが変化する』ということにもなるのです。

 

矯正治療だから奥歯も含めて歯が動いて当然では?と思う方もいるでしょう。もちろん動いていいのですが、”下の奥歯も動いていいならば”という条件が付きます。

虫歯治療の歯医者さんで、虫歯治療後に詰め物を入れたことがある方には分かりやすいかもしれませんが、入れた直後カチンと噛んでみると、そこだけ噛み合わせが高い、強く当たるなんていう経験をした方も多いと思います。

その際、その強く当たる部分の詰め物を少し削れば問題は解決します。

ではそもそも、”強く当たる”と感じた部分はどのくらいその詰め物が出っ張っていたのでしょう?それはおそらく”0.数ミリ”ほどです。決して1mmも出っ張っていることはありません。つまり歯は0.数ミリほどの違いをを違いとして感知できてしまうわけです。

 

歯の移動についても同様のことが言えます。

上の奥歯が前歯によって引っ張られれば、奥歯は前方に動きます。今度は0.数ミリというわけにはいきません。数ミリ単位で動きます。

それだけ動けば当然以前奥歯があった位置と大きく変わることになりますから、噛み合わせが変わってしまいます。

 

ところで、前歯に引っ張れてやってきた奥歯のこの位置、奥歯にとってはどのような位置になるのでしょう?

奥歯が今いる位置は、抜歯してできたスペースを埋めるために引っ張られて”しょうがなく”やってきた位置であり、良く噛める、いい噛み合わせになることを基準に動かされた位置ではありません。

噛み合わせはもちろん、上下の歯があっての噛み合わせです。スペースを閉じること優先で移動してきた上の奥歯のその位置が、下の奥歯との良い噛み合わせが達成される位置になっているとは限らないのです。

 

前歯はそこそこ後退したけど、噛み合わせが治療前と比べて悪くなった、噛みにくくなったということになれば、本末転倒のような気すらします。

一方で、上記のような状況で、下の奥歯にも装置が付いていたらどうでしょう?

すると下の奥歯も動かすことが出来るので、上の奥歯にとっての下の奥歯の良い位置、下の奥歯にとっても上の奥歯の良い位置にそれぞれを動かすことが出来ることになり、噛み合わせの問題が起こらないのです。

逆に言えば、奥歯を動かすような治療は(例外を除き)、上下の奥歯にブラケット装置を付けることが必要、つまりは全体矯正としてアプローチすることが必要ということになるのです。

 

これは、部分矯正が前歯にしかブラケットを付けない理由と同じ理由です。

このブログでもよく取り上げる、部分矯正が適応かどうかの問題ですが、その判断基準の一つにまさに『前歯を動かすことで奥歯の位置が変わってしまわないか』というものがあります。

前歯にしか装置を付けなくても、前歯を動かす量や程度が大きい場合、その反動で奥歯が動きうることがあります。部分矯正ではやはり前歯にしか装置を付けませんから、奥歯が動いてしまって噛み合わせに影響が出た場合、それを治す術がありません。

ですから、奥歯に影響が出ない範囲で対応できる前歯の程度かどうか、というのが部分矯正にとってはとても大事な要素になるのです。

 

でも確かに、新しい環境への適応というか単純に慣れもありますから、しょうがなく動いた奥歯の位置でなんの問題も起こらないこともあるでしょう。でも何かが起こった場合、そこから深刻な問題へ発展することもあるかもしれません。

体のこと、医療のことですから、イチかバチかでやるものでもないですしね。

 

ですので当院では、上の前歯を退げたい、口元をスッとさせたいことが主訴・ご希望の方にはもれなく全体矯正をお奨めしています。

 

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4月18日(水

『なぜ前歯を引っ込める治療は部分矯正では出来ないんですか?という質問

 

初診相談や、メール相談、ブログへのコメントなど色々なところでいただく質問なので、いったんまとめてみようと思います。

 

まず原則として、『部分矯正でブラケットを付けるのは、前歯6本(犬歯含む)まで』というものがあります。

前歯を後退させるために通法では、犬歯の後ろの第1小臼歯という歯を抜きます。抜いてできたスペースに前歯6本を移動させることで前歯は後退します。

ではこの前歯6本は”誰”に引っ張ってもらうのでしょう?

というのも、抜歯したスペースに向かって前歯6本を移動させますから、抜歯した部分より後ろの歯から引っ張ってもらう必要があるのです。となれば後ろの歯にも装置を付ける必要が生じます。

ですから、この時点でもう部分矯正ではなくなります。

 

部分矯正で前歯を後退させる治療はありませんから、すでに架空の話ですが少し続けます。

後ろの歯から引っ張る場合、どの歯から引っ張りましょう?

主訴が”前歯を後退させたい”ですから、抜歯したスペースは丸々前歯の後退のために使いたいですよね。

なぜこんなことを言うかというと、前歯6本を奥歯から引っ張ってもらうとは言っても実際の図式は、『前歯VS奥歯の引っ張り合い』です。奥歯は前歯を引っ張りますが、同時に前歯から引っ張られる力を受けることにもなります。

そうなると、せっかく前歯を後退させるために歯を抜いてまでして作ったスペースが、奥歯が前に来ることで閉鎖してしまうことになるのです。これでは前歯は思ったほど後ろには退がってくれません。

ところで、抜歯したスペースの後ろには、順に『第2小臼歯』『第1大臼歯』『第2大臼歯』と3本の臼歯が続きます。

上記引っ張り合いで、なるべく前歯6本が後退する割合を多くしたいのであれば、引っ張る側も人員を増やす必要があります。

つまり、第2小臼歯から引っ張るよりは、一番後ろの第2大臼歯から引っ張ったほうが、前歯に引っ張られ(つられ)にくくなるわけです。

となれば、ブラケットは一番後ろの第2大臼歯まで装着する必要が出てきます。一方でこれは上の歯全部に装置が付くことを意味しますから、部分矯正の範囲を大きく超えてしまうことになります。

 

以上が歯を抜いて前歯を後退させる治療が、部分矯正ではない理由です。別の観点からの説明もありますが、上のような回答をすると理解いただけることが多いです。

 

そして類似のよくある質問に、

『前歯を引っ込めたいだけのに、上の歯列だけではなく下の歯列にもブラケットを付けなきゃいけないのは何故?』

というのもあります。

この答えはまた次回以降で書きたいと思います。

 

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4月13日(金

『矯正治療の必要性はだれが決める?~その1

 

4月も半ばに差し掛かりました。ゴールデンウィークともなるとどちらかというともう暑いイメージがありますから、寒い日もあったり暖かい日もある今が一番春らしい毎日でしょうね。

 

さて題名ですが、基本的に最終決定するのは患者さんです。

ただ患者さんだけでは当然、詳しい現状、治療したらどうなる、治療しなかったらどうなる、というところが分からないと思います。つまり治療が必要かどうかの判断材料が揃わない以上、必要かどうかの判断ができません。

そこでそれら材料を提供するのが私たち専門家の役割です。

 

しかしあくまで私たちの役割は、その材料を提供するところまでと考えます。
材料が出そろったところで、つまりは患者さんの側で判断できる状態になったところで、

『そうならないため』あるいは

『こうなりたいため』に、

それを実現する矯正治療が必要と考えるか、不必要と考えるかは患者さんの意思決定です。

 

もしかしたらこちらが、

”矯正治療をしないとこうなっちゃいますよ”

なんていう言い方をするかもしれません。もちろんそれは根拠や経験に基づいた情報の提供です。
しかしこうなっちゃう”こう”が、その患者さんにとって許容できる範囲のもの、つまり”こう”なってもいいのであれば、患者さんにとってこうならないためにする矯正治療は必要ないものになるはずです。矯正治療の必要性はこの患者さんにとってみれば”ない”わけです。

全く同じシチュエーションでも、治療をせずに”こう”なりたくない患者さんにとっては、矯正治療の必要性は”ある”ことになるわけです。

 

少し前ですが、実際に合った2組の例です。

初診時年齢10歳および11歳で二人とも口元の突出が大きく認められますが、口元の突出がある分叢生は軽度でした。つまり歯列の拡大等をすれば一列になりうる範囲です。

診断名は『軽度の叢生をともなう上下顎前突』

となります。

いわゆる出っ歯さんのように上の前歯と下の前歯が離れているわけではなく、上の前歯と下の前歯はしっかり噛み合うし、奥歯の関係も1級といって標準的である一方で、口元は突出しているという状態です。なので口元の突出は、前歯の傾斜や骨格的なところに原因を求めることができます。

Aさんは口元の突出をとても気にしている一方で、Bさんは歯の重なりを気にしています。似ている咬合状態ですが、主訴が異なるわけです。

Bさんには乳歯がまだ数本残っており、このタイミングで叢生を改善するために子どもの矯正治療(準備矯正)として拡大プレートを処方しました。

Aさんがもし上顎前突(出っ歯さん)で口元が突出しているのであれば、ヘッドギアなどを処方する手段があったかもしれませんが、上記咬合状態だったため口元の突出に関しては子どもの治療ではアプローチをしないことになりました。

また、Aさんにも軽度の歯列の凸凹がありその点だけは準備矯正で改善可能であることを説明したものの、凸凹は全く気にしているところではなかったため、あらゆる準備矯正は行わないことになりました。
現在中学生になったAさんは、小臼歯を4本抜歯して、マルチブラケット治療(本格矯正)を行っている最中です。

一方でBさんは治したい部分が改善できたため、準備矯正だけでいったん終了となっています。永久歯がすべて生えそろった際にも、口元の突出改善の希望がなかったためです。

こう見ると、

Aさんにとって、準備矯正は必要なく、本格矯正は必要だった。一方で、

Bさんにとって、準備矯正は必要であり、本格矯正は不必要だった。

ということが出来ます。

歯を抜いてマルチブラケット治療をすれば、口元がスッとする。Bさんにとって、そのことと、歯を抜くこと、あの煩わしそうな目立つ装置を2年も付けていなきゃいけないこと、の価値が見合わなかったのでしょう。逆にAさんは、一列になるけど口元が出ている状態、に価値を見出さなかったわけです。

どちらが正解というものではありません。大事なことは必要、不必要の判断を、治療した場合、しなかった場合の予想される変化をこちらが説明したうえで、患者さん(あるいはその保護者)自身がその決定をしているという点です。

 

以前、臼歯部の交叉咬合(大きな程度)がある小学生の保護者の方に、『このままだとおそらく顎がずれて、お顔が歪みますよ』『これは治療をした方がいいでしょう。』という言い方で治療を半ば勧めるように説明したケースがありました。
噛みにくい現状や今後お顔が歪むことが患者さんにとって好ましいことではないだろうと、(勝手に)判断したためです。
患者さんからは、『そうはならないこともあるし、なったとしても困るとは思えない。』のようなお答えをもらいました。

ではどこからがこの方にとって矯正治療が必要になるラインなのだろう?と疑問に思いましたが、このような例もあります。

 

逆に、矯正治療もやはり医療だから、という面があるたからかなのかは分かりませんが『医療のことはよく分からないから、必要かどうか決めてください』というスタンスの方もいらっしゃいます。

その場合、どうなりたいとか、こうなりたくないとかいっご希望がどこにあるのかをお伺いするようにしています。

 

しかし最近セカンドオピニオンという言葉の広まりもあり、矯正治療においても患者さんは幅広く意見を求めるようになっていると思います。

他医院で治療が必要と言われたが本当に今必要か診て欲しい、などは当院で初診相談数件目、という方のセカンドオピニオンの目的でも多いケースです。

 

初診相談だけでそこを判断できるかという別の問題もあるのですが、今回の内容との関連で、初診相談でお話しできることの範囲についても次回書きたいと思います。

 

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2月17日(土

『メール相談で、マウスピース矯正についてのセカンドオピニオン

 

先日のメール相談です。

現在一般歯科でマウスピース矯正(インビザライン)を行っているとのこと。

噛み合わせがあっていないことを担当医に告げると、続きは矯正の専門医院でしてほしいと言われた、という経緯でした。

治療開始前と現在の写真を添付いただいていたので比較してみると、凸凹は比較的一列に近くなっているものの、奥歯の噛み合わせが反対になっています。つまり、上の歯列が下の歯列を覆えていない噛み合わせです。前歯は突き合せになっています。

臼歯部反対咬合と切端咬合

という不正咬合になるでしょうか。

 

回答としては、

まずは現在の担当医とお話をしていただくこと。治療の継続(現院あるいは他院での)はもちろん費用のこともうやむやになっている様子だったため、まずその辺りを整理することを勧めました。

そしてその後、仮に当院で治療の継続を希望する場合は、マウスピースではなくブラケット治療ですることになるだろう旨を伝えました。現在でそれなりの治療期間が経過していること、現在の状態では、取り外しのマウスピースよりも付けっぱなしのブラケットの方が確実で、かつ再開までの期間や再開後の進行も早いと考えられたためです。

恐らくこのケースは、これまでどういう治療をしてきたからここからはこうする、、、という治療計画を立てるよりも、現状としてこうである噛み合わせ、不正咬合である『初診の状態』として捉えないといけない症例でしょう。

 

以前、マウスピース矯正で好ましくない歯の動きをしてしまったという方のクリンチェック(インビザラインの設計図のようなもの)を見させていただく機会がありましたが、『どんな方法を使っても、歯はこんな動き方をしない』という魔法のような動き方が設定されていました。

歯の動き方には規則があります。これはブラケット治療でもマウスピース治療でも共通です。多くの矯正医はまずそれを学び、ブラケット治療をする中でその規則を自分のものにしていきます。

インビザラインはその過程を経ていない、矯正歯科学会の認定医等ではなくても、患者さんに施術が可能です。

さらにマウスピースにはマウスピース特有の歯の動き方がありますから、歯の移動の原則を知ったうえで、マウスピース特有の動き方も習得した医師でないと、安心、安全な治療は提供できないということになると思います。

個人的には、表側のブラケット矯正との比較で言えば、裏側のブラケット矯正よりもマウスピース矯正の方が違いが大きいと感じます。

 

マウスピース矯正での医院選びは、通常のブラケット治療を考えての医院選びよりも慎重であっていいと思います。

 

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2月1日(木

『部分矯正の開始率は低い

 

今日から2月ですね。まだもう少し寒くなるようですから、みなさん体調にはお気をつけください。

 

さて、初診相談の方の主訴をひと月単位で俯瞰してみると、矯正歯科に来院される患者さんがよく持つお悩みや希望する治療法のほとんどが含まれるかたちになります。

前歯の並びが気になる、歯が出ていることが気になる、噛み合わせ全体が気になる、口元の突出が気になる、抜歯は避けたい、短期間で終わりたい、すぐに始めたい、部分矯正でしたい、目立たなくやりたい、装置が全く見えないようにしたい、、、

 

歯並びや噛み合わせ全体を気にしていてそれを治したい方は、全体矯正が必要になることがほとんどで、患者さんもそのつもりでいる場合が多いです。

また全体矯正での仕上がりには原則制限はありませんから、『キレイな歯並び、キチンとした噛み合わせ、スッとした口元』が治療のゴールになります。ですから、患者さんの『治療後にこうなりたいという希望』と治療で出来ることのギャップがあまり生じないことになります。

それも全体矯正を希望される患者さんは開始率が高いという理由でもあるでしょう。

 

一方で部分矯正の場合はどうでしょう。

部分矯正が症例として適応となった場合でも、それがそのまま患者さんにとって”適応”となるかは分かりません。

よくあるというか、これがほとんどと言っても過言ではないケースを紹介します。

『上の凸凹が気になっていて、ここだけを治す部分矯正をしたい。部分矯正の適応ではあるが、凸凹の程度もそれなりに大きいため、前歯だけに装置をつけて一列にしようと思うと前歯が出てしまう。一列にはなるけど出っ歯になるのは嫌だ。とりあえず部分矯正をするという考えは棚に上げておこう』

というものです。

前歯の部分矯正を希望して来院される方の多くに共通しているのは、前歯の凸凹の程度は中程度にはある、というものです。

軽度だったらそもそも気にはなっておらず、なので矯正治療の希望もなく、来院もしていないでしょう。

重度だったら部分矯正ではなく初めから全体矯正を希望されているかもしれません。

中程度の叢生の中でも、軽度に近い場合はIPRなどを併用すれば前歯は出ずに一列も達成できますから、このカテゴリーにいる方が部分矯正として治療を開始するもっとも多い層になるでしょう。

中程度の叢生でも重度に近い方は、一列になっても前歯が出てしまう可能性が高いです。その場合部分矯正はしない決断をする方がほとんどです。そのまま当院で矯正治療自体をしないという方向に進む方もいれば、数ヶ月後にやはり全体矯正をしたいと言って来られる方もいます。

何れにしても後者の方は部分矯正を選択されない可能性が高いです。この辺りが部分矯正希望の方の開始率は低い理由でしょう。

 

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1月23日(火

『今日は初診相談が4組

 

昨日は来院患者さんが多く、うち初診相談の患者さんは4組でした。

成人男性、成人女性2組、小学生女児

という内訳でしたが、年齢や性別、環境や考え方(ゴール、どこに目標を設定するか)も違う方たちなので、話す内容も多岐に渡ります。

 

成人女性の方二人は、見えずにしたい→裏側から治療がしたいという点では共通でした。一人の方は口元を引っ込めたい、もう一人の方は前歯の並びを一列にしたい、という希望がありました。

話は逸れますが、裏側から矯正を希望される方の割合は最近多いです。丁度この日は、他の診療の中、フルリンガル(上下ともに裏側)の方の下のブラケット装着、ハーフリンガルの方の上のブラケット装着もあった日です。

 

男性の方は、下の前歯の凸凹が気になるということでした。下の前歯だけの部分矯正では注意すべきところがいくつかあります。

出っ歯の方で下の前歯の並びが気になる場合ならばいいんですが、出っ歯の方で下の前歯が上の前歯を差し置いて気になる、という方ほとんどいません。

両方気になっていて全体矯正を考えているか、下ではなく上の前歯が気になって上の前歯の部分矯正を検討している、ことが多いからです。

というのも出っ歯の方の下の前歯は、上の前歯に隠されていてあまり外から見えません。なので、外から見えないところは別に気にならない、ということになるだろうからです。

 

一方で、下の前歯の凸凹を気にされるのは、反対咬合ではないにしても、少なくとも出っ歯ではない、カチンと噛んで下の前歯もしっかりみえるタイプの噛み合わせを持つ方に多い気がします。

この男性の方もそうでした。

なので注意すべき点は、凸凹を一列にしたら歯列が膨れるという原則から、下の前歯の凸凹を上記タイプの方に行ってしまうと前歯の噛み合わせが反対になってしまう、というところにあります。

見立てとしてのこの方へは、下の前歯が一列になる、しかも前歯が前に出て反対にならない、方法として、下の前歯の歯を一本抜くという方法もあることに触れました。

その1本というのが、唇側に転位(一本だけ表にはみ出)していて、歯肉も大きく退縮していた、というのもその方法を説明した理由でもあります。

患者さんは『その方法があったか!』という感じでしたが、『でも歯を抜くのはなぁ、、、』という感じでもありました。

 

小学生の女児の患者さんは、治療開始のタイミングを知りたいとのことでの来院でした。

上の前歯4本が乳歯だったこともあり、パノラマレントゲン写真を一枚撮り、過剰歯や先天欠損歯、歯胚位置異常歯がないことをまず確認しました。

反対咬合でも、交叉咬合でもない、問題のメインは土台の大きさと歯の大きさの不調和というところでしたので、仮に治療が必要でも前歯4本永久歯に生えかわってからでいいのでは、と説明しました。

その時期も遠くない将来だと思われますが、その際に、詳しく歯型や他のレントゲンなどの検査を行い、凸凹を治す目的での治療の必要性や、必要ならそのタイミング(今から治すか、ずっとあと中学生で治すか)を検討していくことになるでしょう。

 

リンガルの診療も腰がやや疲労しますが、初診相談も初対面の方とその方の気にしていることについてを話す、という性質上相談が終わった後は、『ふ~』となります。

 

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11月8日(水

『補綴(白い被せ)か矯正か

 

今年もあと2か月を切りましたね。つい最近始まったとばかり思っていた2017年ももうすぐで終わりだなんて時間の流れって本当に早いですね。

 

さて矯正歯科医院の初診相談では、多くはないんだけれど昔から途切れることがない相談やお問合せ内容の種類がいくつかあります。

うちの子に矯正治療が必要?とか部分矯正は適応か?とか抜歯?非抜歯?とか日常的によくある内容のものとは異なり、

『頻繁にはない内容なんだけれど、でも年に何回かは必ずある』

といった類のものです。

 

どのような内容がそれにあたるかというと、

・一般歯科治療のお問合せ(電話やメールのお問い合わせにとどまることがほとんどです。)

・矯正専門だと何が違うのか(ドクターの所属学会の種類は参考になるのか)

・気になるところは全くないが、学校検診で紙をもらったので(意外にも少数派です)

・矯正がいいのか被せがいいのか

・セカンドオピニオン(他医院での相談後あるいは治療中のかた)

などなどでしょうか。まだ思い返せばあるかもしれませんが、たまにの内容なので取りこぼしもあるかもしれません。

こうみるとどれもこれまでにブログに書いているな、という気がします。

 

やはり先日、このなかの『被せか矯正か』で迷われている方が初診相談で来院しました。

患者さんいわく『職場で歯並びが私より悪い人はこの人くらい』と思っていた人が、気づいたら歯並びが良くなっていた、とのことです。

当時その方は、患者さんの言葉を借りれば『前歯がガチャガチャして、八重歯が前歯』だったそうですが、それがここ数か月?のうちに一列で白くなっていたというのです。

そこで今回初診相談に来た患者さんが『私が職場で一番歯並びが悪くなってしまった』のだそうです。

別にこのお二方は敵対関係にあるわけでは全くなく、そもそも会話などの面識すらないようです(笑)。

 

以前にも触れましたが、並びの一列ということに限って言えば、矯正でも被せでもそれは達成可能です。

ただ、そのためにしなければいけないこと、期間、費用、予後(処置後の経過)という点で両者は大きく異なります。(似ている点もあります。)

どちらを自分にとってメリットが多くデメリットが少ないと捉えるかは、それを選択する患者さんによって異なると思います。

すべての患者さんやそのシチュエーションに寄らず『正しい』選択肢というものはないでしょう。

ただ、『天然ものは強い』『人工物はそこからほころびが起こる』

という原則から考えた、処置後の『予後』を決断の要素に入れるということは、欠かすことのできない視点であると思います。

 

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11月2日(木

『小児のプレート矯正によるセカンドオピニオン

 

さて、先日の初診相談です。

患者さんは一般歯科医院にて現在矯正治療中の小6女子です。

『小2から拡大プレートにて矯正治療を行ってきて歯列は一列になったものの、1年ほど前から口元の突出が気になるようになった。今の治療では口唇の位置は変わらない(退がらない)との話だったので、口元が退がる治療がしたい。』

という主訴で来院されました。

 

この患者さんには、当時治療を始めた大きな理由に『(将来)永久歯を抜きたくないから』というものがありました。

将来というのは、マルチブラケット治療を行うことになるかもしれない将来のことを指しますが、そのマルチブラケット治療を行うことになっても小臼歯抜歯は避けたい、という当初の希望があったようです。

マルチブラケット治療の際抜歯が必要かの判断は幾つかありますが、ざっくり2つに絞りますと、

1 凸凹の要素

2 出っ歯さんの要素

があります。

1 歯の重なりを取り除いて一列にするために必要なスペースを、抜歯によって獲得します。歯の重なりの程度が軽度であれば、抜歯ではなく歯列の拡大で間に合う場合もあります。

2 凸凹がない出っ歯さんだとしても、凸凹を一列にするためにスペースは必要ありませんが、出てる前歯を後ろに退げるためには、後ろに前歯が退がってくるためのスペースが必要ですから、抜歯が必要になります。
気になるほどの口元の突出の場合、その改善方法は抜歯である場合が多いです。

ですから、凸凹はない一列の歯列でも、出っ歯さんで口元が出ていたら小臼歯抜歯の適応になる、というケースは日常臨床ではよくあります。

 

この患者さんの場合、これまでの治療の中で将来抜歯が必要になるという話は一切聞いていません。というのもそれは『凸凹を一列にする』ことだけを考えた場合、決して抜歯が必要なわけではなかったからです。

なので当院で、前歯を退げるためには抜歯が必要でしょう、と告げた際『歯を抜きたくないから小学生の間ずっと治療を続けてきたのに、、、』と患者さんとお母さんが落胆されたのも無理はありません。

『どうせ抜くんだったら、今まで頑張ってきたことって、、、』と少し絶句気味でした。しかしこれは視点を切り替えることが大事です。

この患者さんはもともとは前歯の凸凹がいやで当時矯正治療を開始しています。凸凹は1年〜1年半ほどで目立たなくなった、とのことですから、それから今までは『一列の歯列』を獲得できています。

一列でなかったら味わっていたかもしれないコンプレックスや虫歯のリスクを回避できてきたこれまでと今があるのかもしれません。

 

犬歯関係はフルクラス2でオーバジェットは8mmほど、口唇閉鎖困難ですから、治療方法としては抜歯を伴うマルチブラケット治療が通法でしょう。

現医からは今後の方針についても『抜歯』という言葉は出てこなかったとのことで、それも当院での話の際、患者さんがびっくりしていた理由の一つです。
当院にしてみればこの初診相談の日が患者さんとの初顔合わせですから、
『ニュートラルな立場でかつこれまでの経緯とは別に、今現状の歯並び・噛み合わせ、主訴を改善するにはどういう方法が考えられるか』
をお話することができます。現医にとってはこれまで上記1の凸凹の改善の目的のためとはいえ、抜歯をしなくてもいいという立ち位置で治療を行ってきましたから、ここにきて『抜歯』の2文字が言い出しにくかったのかもしれませんね。

 

治療のごく初期に先を見据えたお話をすると、どうしても否定的な内容までを盛り込まざるをえません。

ただそれでも、分析データなどから予測される『事態の可能性』ということになりますから、起こる、起こらないは別にしても当然お伝えしなければいけないことだと考えています。

 

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10月27日(金

『今日は初診相談が5組

 

今日と言っても先週の土曜の話になりますが、初診相談5組に加え矯正診断、通院患者さん(特に子どもの矯正治療)の半年毎の経過報告があったりと、相談室でのお話がメインな一日でした。

この日の相談では4歳の方から40代の方までと幅広い年齢層の歯並び、噛み合わせのお悩みやご希望をうかがいました。

特徴的と思ったのが、5組の方のうち3人の方からほぼ同じ質問を受けました。それは、

『このくらいの程度で矯正治療って普通しないですか?』

『気にしてしまうのは変ですか?』

のような質問です。

 

噛み合わせが体の健康にかかわるという面もある一方で、噛み合わせが良くなくても、八重歯でも、出っ歯さんでも、凸凹でも不自由なく生活している方もたくさんいます。

その状態で矯正治療をしていないのは、現状として気になるところがないから、ということになるのでしょう。(もちろん気になっていても事情があって治療できない方もいらっしゃると思います。)

やはり、特に成人以降では矯正治療をするきっかけでは『自分が気になるから』というものが一番多いです。

僕らとしても、ある方がどんなに不正咬合があっても、それを気にして医院まで足を運んでくれた場合に対してしかアプローチはできないですからね。

でこぼこの程度がすさまじくても気にならない方もいれば、少しの重なりでも気になる方がいても当たり前と言えば当たり前です。

 

なので気にならないなら(そもそもその場合は矯正歯科に足を運んでないでしょうから)治療対象にならないし、やはり気になるなら治療対象になる、ということになるのではないでしょうか。

気になる、ならないの問題は僕らというよりは患者さんの側の大事な判断要素だと思います。

 

という相談内容もありつつ、この日は初診相談ように別途設けていたご予約枠の2枠が比較的早期に埋まってしまいました。

前々回の記事にも書きましたが、土曜。日曜に初診相談ご希望のかたはお日にちに余裕をもってご連絡ください。

 

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10月11日(水

『セファロ撮影と矯正診断はやっていますか?というお問合せ

 

10月も半ばに差し掛かろうとしていますが、ここにきて梅雨みたいに雨が続いています。月間気温も今後は下がっていく一方みたいですね。

 

さて先日、題名のようなメールでのお問い合わせがありました。

歯科関係者ではなく、矯正治療をこれから検討しようという方のなかに『セファロ』という言葉を知っている方がどのくらいいるでしょう。

たぶんものすごく少ないでしょう。なのでこの種のお問い合わせには少しびっくりしてしまいます。

 

この患者さんは後日初診相談に来られました。そこでお話を聞くと、

お子さまの虫歯治療でかかっている歯医者さんで『上の歯の並びが凸凹だから顎を拡げたほうがいい』と定期健診の際に言われたそうです。

これがきっかけで、お子さまの歯並び・噛み合わせや矯正治療のことを意識するようになったとのことでした。

そしてインターネットなどで情報収集していくと、矯正治療を行う医院を選ぶ要件として『セファロ撮影を行っていること』『その結果をもとに治療方針の説明を行っていること』というものがあったそうです。

 

セファロとは日本語の正式名称では『頭部X線規格写真』といい、矯正歯科特有のレントゲン写真のことです。これを虫歯治療のために撮影することはまずありません。

これは子どもや大人に限らず矯正治療を行うには必須のレントゲン写真です。正しい治療方針が導き出される大事なツールです。

そして矯正診断では、セファロの結果からだけではありませんが、一連の検査結果を踏まえた治療方針の提案、説明を行います。

セファロ撮影にしても診断にしてもどちらも矯正治療の開始までには欠かすことのできないステップですから、この患者さんがインターネットで収集した知識に当然誤りはありません。

 

しかし上記セファロ撮影や矯正診断は矯正歯科、とくに専門医院であれば100%の医院でその過程を踏んで治療開始となっているはずです。

そのため、もしかしたら矯正歯科医院の側にとってはこれらを行うことが当たり前すぎて『セファロ撮影を行っています』とホームページなどに記載していない医院も結構あるのかもしれません。

でもそうなってしまうと患者さんにとっては、やっているのかどうか確かに分からないかもしれないですね。

 

ご来院の際予備知識は基本的には必要ありませんが、お持ちの場合、相談全体の理解が進むような場合もあるのかもしれません。

 

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9月19日(火

『前歯を被せで一列にする前に、『矯正』という選択肢も

 

すっかり秋ですね。今年の秋はどうやら読書の秋になりそうです。

 

先日いらした女性の患者さんです。

前歯6本(分)にセラミックの被せがある方で、その部分についての相談でした。セラミックの被せにしてからまだ3か月ということです。

以前の歯並びはいわゆる左右の八重歯(3番)と側切歯(2番)の舌側転位(一番前の前歯の横の歯が内側に入ってしまっている状態)で、かかりつけの歯科医院に相談したところ上のような処置になったとのことでした。

2番は抜歯となっており、1番と3番の連結冠(2番があった部分はダミーの歯)いわゆるブリッジとなっていました。左右の1番、3番は便宜的に歯の神経を取り除いたとのこと。

 

その結果、文字では伝わりにくいため詳しくは割愛しますが、本来の前歯6本が並ぶスペースがない領域に、一つ一つの大きさをだいぶ小さくした歯が6本連なっているという状態となっていました。

本人曰く『歯の大きさのバランスがあっていない気がするし、唇も少し張った感じがする』とのこと。

 

下顎にも大きな凸凹があるので、もし補綴前の最初の段階を矯正治療で治そうと思うと上下4本の小臼歯抜歯によるマルチブラケット治療ということになったでしょう。

 

患者さんが今回来院されたのは、今の結果を好ましい状態として捉えていないというところがあるからです。

問題なければ初診相談に来ていないと思われます。

 

被せで治すのが悪いわけでは決してありません。患者さんにも様々な都合や考え方があります。被せで治すことが患者さんの都合や考え方にしっかりと当てはまればそれで何の問題もないと思います。

 

ただこの患者さんは『矯正でも治る』という選択肢が、補綴をする前にはなかったとのことでした。矯正でも治ることを知らなかったわけです。

もし知っていたら、、、それでも補綴を選択していたかもしれませんが、知っていて選ばなかったことと、知らなくて選べなかったことでは意味合いが違いますし、知っていて選ばなかったならば、選んだ側のことで問題が生じてもまだ納得できることも多かったのではないでしょうか。

期間は根っこの治療まで入れて半年ほどだったとのこと。費用は全体矯正をした方が抑えられたでしょう。

必要な便宜的歯科処置(一列になるための健康な歯に対する侵襲)は、

補綴の場合2本抜歯で前歯4本抜髄(済み)、矯正なら4本抜歯(だっただろう)です。

 

当院の部分矯正の初診相談では『起こりうる好ましくないこと』をしっかりと説明しています。

なので患者さんから『しないほうがいいってことですか?』と言われることも少なくないくらいです。

上の患者さんも一列は達成できたわけですから、その点については満足なはずです。でもそれに付随してきた『好ましくないこと』に納得できていないのです。

『知っていたからと言って矯正を選んだかは分からないけど、被せをする前に知っていたかった。』はこの患者さんの言葉です。

 

まず選択肢がいくつか存在することを把握すること。そしてそれぞれの『違い』に加えて、それぞれで起こりうる『良いこと』と『良くないこと』をしっかり理解したうえで、選択することが大事です。

 

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7月16日(日

『叶えてあげるのが難しい願い、、、

 

今年は、梅雨らしい気候にあまりなることなく梅雨が終わろうとしています(裾野では)。あと一週間くらいのうちに梅雨らしくなるのでしょうか。

 

さてもうすぐ夏休みということもあり、初診相談の患者さんが多く来院されています。学生さんが圧倒的に多いと思いきや社会人の方も多いです。

 

みなさん矯正治療をしてキレイな歯並びになりたいと思って矯正治療を開始しますが、矯正治療のもどかしいところは、結果がすぐには得られない、という点です。

この『すぐ』を阻むのは、

時間(期間)

費用

手間(通院や装置の煩わしさなど)

という感じになるでしょう。

 

先日の初診相談の患者さんは、とにかく『早く』キレイになりたい、という要望がありました。

20代の女性で、今回当院が初めての矯正相談です。凸凹と口元の突出が主訴ですから、治療方法は全体矯正でおそらく抜歯が必要になるでしょう。期間も2年ほどはかかりそうです。

ただ患者さんもインターネットなどで詳しく調べて来ていたようで、上記旨を伝えたところ別段驚いた様子はなかったものの、『やっぱり、、、』とむしろ落胆した様子。

 

『通院は月に1回で期間は2年ほどなので、来院は20〜30回ほどです』

『・・・・・・その回数通えば終われるんですね』

『そうです』

『じゃあ1週間に1回頑張って通院すれば、、、、、、半年くらいで終わりますか?』

『・・・・・・終わらないです』

 

患者さんの早くキレイになりたいというのは切実なんだなぁと考えさせられました。

真面目に答えますと、歯の移動にはサイクルがあるため、掛けた分の力で歯が動き終わるのがちょうどひと月くらいですから、力の有効期限より前にまた新たな力を掛けても余分に歯が動くということにはならないのです。

ひと月で歯が1mmも動けばとてもよく動いているということになりますが、掛ける力の量をある大きさ以上に大きくしても、ひと月で動く距離は増えるわけでもないのです。むしろ動きが遅くなってしまうこともあるくらいです。

なので来院間隔を詰めても早くキレイになることはあまり望めません。

 

歯の動きやすさの個人差や症例としての複雑さなどもありますが、やはり1年半(それこそ症例によっては1年ほどの場合もありますが)くらいというのが期間としては『短い』限度ではないでしょうか。

機械ではなく人体のことですから、スピードよりも安全面が優先されたりすることも当然ありますしね。

 

矯正治療は材料や技術の進歩もあって、近年では前述の『期間、費用、手間』のどれもが抑えられてきています。

それでもやっぱり、そのどれもがそれなりにかかってしまうのは避けられないのが現状です。

 

患者さんがそのあたりと上手に付き合っていけるように、医院としても常にベストの治療や対応をしていきたいと感じた初診相談でした。

 

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7月6日(木

『母と娘で感じ方の異なる矯正治療の必要性

 

先月末ほどに初診相談に来院した女子中学生。

八重歯と出っ歯を含む歯並びで、口元の突出も見られます。お母さん曰く、

『私が歯並びで本当に苦労したんです。この子も私と同じ歯並びで、きっとこの先苦労することもあると思うので矯正治療をしてもらいたいんです。』

 

お母さんの歯並びをまじまじと見たわけではありませんが、確かに口元の印象はそっくりです。

さらにお母さんは続けます。

『私も高校生の時に歯列矯正をしたいと思ったんですが、当時の銀ギラの装置を何年も付けたままでいるとか、歯を抜くとかが嫌でしなかったんですよね、、、そのあともしたいと思ったことは何回かあったんですが、その時に限ってタイミングが悪くて、、、』

さらに続けます。

『あの時本当にやっておく必要があったなと思って。』

 

この患者さんの歯並びを一列にしかも口元までスッと後退させるとなると、通法通りの上下左右の小臼歯の4本抜歯を伴うマルチブラケット治療が必要になると思われます。

詳しい検査をしていない段階といえど、抜歯をしないとなかなか難しいだろう凸凹や出っ歯さんの程度であると見込まれます。

 

ここまでほぼお母さんのお話だけでしたので、患者さん本人の話ももちろん聞いてみるわけです。

ー○○さんは歯並びのどの辺が気になる?

『あまり気になるところはないです。』

ー凸凹とか、お母さんの言ってる口元の感じとかも?

『はい。』

 

するとお母さん、

『この子、そうなんですよ。こんな風に言うんですよ。先生からも治療が必要って言ってやってください。』

 

患者さんのお話を聞くと、装置が特別いやなわけででもないようです。さらには、ご自分の歯並びの状態だとそれを一列にかつ口元もスッとするには、抜歯もいたしかたないんだなというのも理解してもらえているようです。

ただ患者さん本人の考えにあるのが、

『気になってないから治したいとも思わない。なんで矯正しなきゃいけないの。』

ですから、そもそものところにその理由があるわけです。

 

患者さんが自分自身に『こうなりたい!』という希望がないと『矯正治療したい(必要だ)!』とはなかなかなりません。

矯正治療を始める方の大部分はこれを持っていますから、『こうなりたい』→『必要だ』と考えて治療を始めることになります。

 

一方で、『こうなりたくないから』という希望が治療の必要性になる場合もあります。
ただこれは患者さん本人がその可能性に気づけないこともしばしばです。
例えば、矯正治療を今しなかった場合に起こる良くない変化はなかなかご自分では予想がつきにくいからです。

なのでしなかった場合の予想される変化を専門的な立場から経験を踏まえてお話はしますが、『~したい』に比べモチベーションとしては大分弱いですから、このお話をしたからと言って患者さんは治療の必要性を感じるとは限りません。

 

この患者さんの場合、前者の『したい』ではない以上、後者の『しなかった場合どうなるか』をお話しすることになるわけです。

ここで先ほどのお母さんの話が出てきます。

このお母さんの話と照らし合わせ、今、中学生のうちに治療を開始するメリットってなんでしょう。

矯正治療は年単位の治療です。時間もかかれば費用もかかります。今後いつか『治療をしたい!歯並びをキレイにしたい!』と思う時期が来るかもしれません。でも今度はその時期がすんなりと矯正治療に入っていけるタイミングとは限りません。

お母さんの『タイミングが悪くて、、、』というのがきっとこれに当てはまります。

これから、大学(転居)、就職、社会人、結婚、出産、育児、、、といった人生の中のイベントを経験すると思いますが、年単位でしかもお金のかかる治療ですから、したいと思った時にいつでも治療ができないことだってあるのです。

育児にひと段落ついた方が『ずっと気になっていた歯並びをやっと治せる』と言って受診されるケースも決してめずらしくないですからね。

 

しなかったらどうなる、はいろいろな観点からお話しできるんですが、今回は上のような観点から過去の似たような相談例を交えてお話ししました。

今中学生なら時間も(出してもらえるという意味で)お金もあるわけですから、タイミングとしては向いている時期と言えます。

ただタイミングはいいとしても中学生・高校生ほど多感な時代もありませんから、その時期に見えてしまうブラケットをつけるというのはなかなかの抵抗なんでしょうね。

 

やりたくないときにやっても特に矯正治療の場合、良い結果になる可能性を下げてしまいますから、

必要条件が、

『したいと思った時』

であることには変わりはないんですけれどね。

 

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6月22日(木

『いままでに歯医者にかかったことがない小学生男子の初診相談

 

未だに梅雨らしい日になりませんね。そのためかジメッとした感じもせず、心地よい風が吹いて過ごしやすい毎日です。

 

さて先日、これまでに歯科を受診したことがないという小学校高学年の男子の患者さんが初診相談に来られました。

来院のきっかけは学校歯科検診にて『要注意乳歯』を指摘されたためです。乳歯の下から永久歯が生えてきているのに、まだその乳歯が残っている『その乳歯』のことを要注意乳歯と呼びます。

下から生えてくる永久歯は、この要注意乳歯を避けるように移動してしまうことがあるため、この永久歯が位置異常となってしまうことも稀ではありません。そのためこの要注意乳歯は抜歯の適応になるのです。

この患者さんはまさに要注意乳歯のため次の永久歯が位置異常を起こしかけている状態でした。

ただあくまでも『かけている』状態でしたので、これについては要注意乳歯の抜歯によって永久歯が自然に元の位置に戻ってくれるでしょう、と説明をしました。

 

ところが別のところに少し大きな問題が潜んでいました。それは、これから生えようとしている犬歯が『骨の中でのおかしな向きをむいている』という点です。

このブログでもたまに紹介していますが、犬歯は稀に生える方向を誤って、乳歯の犬歯ではなくすでに生え変わっている永久歯の前歯(中切歯や側切歯)の根っこを溶かしてしまうことがあります。

 

当院の初診相談ではパノラマレントゲン写真といって、今後生えてくる永久歯の位置がわかるレントゲンをご希望があれば撮影を行っています。『今後生えてくる、、、』情報が得られるため、これからの歯並び・噛み合わせの予想される変化のお話もしやすくなります。

初診相談に来られる小学生の患者さんの多くは撮影を希望されるため、そのあたりの『未来』のお話もさせていただいています。

ただこのパノラマレントゲン、何も矯正歯科で特有のレントゲンではありません。広く歯科で一般的なレントゲンですから、歯科にかかったことがある方なら一度は誰でも撮影するようなスクリーニング的な意味合いも持ったレントゲンです。多くがデジタル化されているため被爆量もほとんどありません。

 

今回お撮りしたこの患者さんのパノラマレントゲンの撮影結果を見てみると、骨の中の犬歯がすでに生えている永久歯の前歯2本の根っこをすでに溶かしてしまっている状態でした。
生え変わりの乳歯の根っこが溶かされてグラグラするように、この前歯2本の根っこも溶かされて、歯にもややグラグラが認められます。

虫歯になったことがこれまで一度もない、ということで歯科にかかったことが一度もなかった患者さんですが、そのためこのレントゲン自体も今回が初めてということになるわけです。

お母さんは、

『もし虫歯があれば歯科を受診していて、もっと早くこの状態がわかっていたんですかね、、、』

とおっしゃっていました。

 

確かに虫歯があれば歯科にかかっていたでしょうから、そう言えるのかもしれません。でも虫歯があれば良かったとは言えないでしょう。虫歯がない歯を保つことができているのは素晴らしいことです。

そうなると『歯科に予防的に受診する』という考えが患者さんの側に必要になるのかもしれません。

けれど、虫歯がないのに歯科を受診、、、という考えがやはりまだ世間的に浸透していないのが実情ですし、仮に虫歯がない状態で予防的に歯科を受診したとしても、その際にレントゲンまでとってもらえるのか?というところにも一つ壁があるかと思われます。

 

じゃあ歯並びで気になるところがない状態で、歯科ではなく矯正歯科を予防的に受診するか、、、というとそちらのほうにこそなかなか繋がらないかもしれません。

またもし受診したとしても初診相談でパノラマレントゲンの撮影を行わない矯正歯科の方が多いと思いますから、初診相談止まりでは『骨の中』の状態までは分からないことも多いでしょう。

となると、詳しい検査をして、診断にてより詳細な話を聞いて初めて『現状把握』が可能ということになるでしょうから、ここまでくると費用も3〜5万円ほどかかることにもなります。

でもそれはそれで初診相談だけでは得られないその分に見合う貴重な情報が患者さんには得られますから『お金がかかって損をした』ということにはならないとは思います。

詳しい検査によってもし異常が分かれば、その瞬間がその異常を把握できた一番早いタイミングということになり異常にアプローチしていくことができるわけですし、異常がなければ異常がないということを知った状態で安心して生活していけるわけですからね。

 

ただ今までに、

『歯並びで特に気になるところはないんですけど、骨の中の様子まで把握したいので、検査・診断までしてもらってもいいですか』

という主訴の患者さんは、勤務医の時代を通じても一人もいませんから、日常で何もおかしなところはない、、、とご本人やご家族が認識している段階でどこまで『予防』という考えを実践できるか、、、というのはなかなか難しいところもあるのかもしれません。

 

(※歯並びや噛み合わせが気になって来院された方でいえば、『治療をする、しないはまだ分からないがまずは現状を隅々まで把握しておきたい』、という理由で検査、診断まで進まれる方はいらっしゃいます。)

 

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5月27日(土

『矯正治療中のセカンドオピニオン~転院との関連

 

先日の初診相談の患者さんです。

元々は遠方より転居されてきた方で、患者さんは小学生の女子です。現在一般の歯科医院にて矯正治療を継続中とのことでした。

当院の初診相談には、現在と今後の治療について他の先生の意見も聞きたいということで来院されました。

 

患者さんの歯並びの特徴的な点として、下顎の2本の先天欠損(生まれつき永久歯がない)が挙げられます。

自分の子どもに永久歯がもともと2本ない、保護者の方は初めて聞くとびっくりされる方も多いです。

しかし実は下あごの側切歯や第二小臼歯といった永久歯は、左右どちらか1本または左右2本ともがもともとない、ということが起こりやすい歯とされており、歯科医師からすればめずらしいことではありません。

その場合の矯正治療としても、対応するパターンは何通りかあり『決まった対応法・治療法』というものが存在します。

ですので、お子さんの永久歯が少ないと分かっても慌てる必要はありません。

 

この患者さんも転居前の担当医から下の永久歯が2本足りないというお話は聞いていたとのことでした。

 

本数が少ない場合での矯正治療には決まった対応法があります。下の歯が2本ない場合の例を挙げますと、

上の歯列が2本足りない場合に比べ、下の歯列が2本足りない場合はやや対応が複雑になります。下の歯が2本足りない場合は、上下で歯の本数を合わせることが必要です。

つまり、下の歯が2本足りない場合は、

・下の歯列に2本分の歯を足すか(1本分の歯を足すという方法もあるにはあります)

・上の歯列から2本歯を引くか

ということが必要になります。

 

このような2本分のスペースを作る、あるいは2本減らす治療の仕上げは中学生以降のマルチブラケット治療で行うことになりますから、小学生で下の歯が2本足りないことが分かった場合の矯正治療は、中学生以降で行うどちらか二つの方法を見据えたものでなければなりません。

 

なんでもそうだとは思いますが、こういう目的・ゴールがあるから今何をするかが決まってくるものです。

こういうゴールを目指すなら今これをする必要はないし、あっちのゴールを目指すなら今からこれをしておかないといけないし、あるいは後々どちらも目指せるように今はこれをここまでするにとどめておく、といったようなゴールから逆算した今のアプローチが必要です。

そしてなによりも、立てたゴールと今のアプローチについて歯科医師と患者さんの双方に共通の理解や認識が共有されていなければなりません。

 

今回患者さんとお話しし、前医や現医とこの『共有』の部分がされていないことが分かりました。

当然矯正治療は何かしらの計画のもとで進められているはずですから、患者さんに今がどこに向かっているどのような治療なのかを現歯科医院に尋ねてみることを勧めました。

 

昔学生の頃、部活で外周(学校の敷地の周り)をよく走らされました。この外周(外周は単に敷地のことですが、当時は外周を走ることを意味してました)、距離が長いのでとても疲れるんです。

『外周5周』と言われれば、目標も決まって、走り終わるまでのペース配分も考えながら走ることが出来ます。

でもたまに『とりあえず外周』と言われることもありました。走っている最中は何週走ればいいか分からないので、なにやら絶望的な気分になるし、ペース配分も決まりません。

やはりどこに向かっているかが分からないと、不安にもなるし今がどうしたらいいかわからなくなってしまいます。

 

たびたび書いていますが、やはり治療目標の共有が大事だと実感した初診相談でした。

 

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5月1日(月

『矯正治療の費用にとても驚いていた母娘』

 

5月ですね。

ゴールデンウィーク真っ只中の方もいれば、連休の合間で今日と明日は学校、仕事という方もいらっしゃるでしょう。

5月といえば一年の1/3が終わったことになりますから、時間の過ぎる速さも毎度のことながら実感しています。

 

さて矯正治療といえば自費診療で保険が効かないことはご存知の方も多いかと思います。ですので来院される方の多くは、当院のものに限らずホームページやインターネットなりで費用の確認をされています。

ですから意外かもしれませんが、相談の際に費用を説明しても『高い』とそこで初めて思われる方は実はそんなに多くありません。

とは言っても『自費診療』と知っていて、調べてこられるからその場では『高い』と思わないというだけで、矯正治療自体はやはり『高額』な費用という位置付けとなっているでしょう。

 

ここで先日の相談の方です。お母さまと高校生女子の患者さんでのご来院でした。

費用の説明の際、患者さまから出た言葉は、

『こんなに安いんですか?!』

です。

僕にとっても初めてのパターンでしたので、僕も少し驚いちゃいました。

 

当院の治療費用は矯正治療の相場からすれば決して高くはありませんが、ことさら安く設定しているわけでもないため、患者さんから上記のお言葉が出るとは思ってもいなかったからです。

なのでなぜそう思われたのかを聞いてみると、お母さまのお友達が矯正治療をされて、

『矯正治療費用が200万円ほどかかった』

とお話を聞いていたため、治療費用はそのくらいと思っていたとの背景があったようでした。

 

通常ですと矯正治療費用に200万円はかかりません。

患者さんのお話からするとおそらく、そのお友達の方は裏側からの矯正治療と併せてインプラントや被せ(恐らく白いセラミックなど)の治療をされたのだと予想がついたため、『計200万円ではないでしょうか?』との解釈を説明しました。

それでもなお『安さ』に疑問を持たれていました。それはそうでしょう。200万円かかると考えていた治療費が70万円ほどになったわけですから、、、。

 

インターネットなどで他院での費用や一般的な相場などを検索されていないとのことでしたので、患者さんにはそれらや他矯正歯科の受診を勧めました。

 

矯正治療の費用だけに限りませんが、『最初に見聞きした情報』のその方への専有度は計り知れないなと思わされた初診相談でした。

 

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12月26日(月

『早く終わりたいのでたくさん力をかけちゃってください(^ ^)』


先日の矯正の診断での話です。
 

高校生の女子とそのお母さんに、診断ということで現状と治療方法の説明をしました。患者さんは高校生の女子の方です。

現在3年生で、2019年の成人式までには治療を終わりたいとのこと。

歯の重なりの程度はなかなか大きいものの(重度の叢生)、症例としては決して難しいタイプではないです。

装置を付けるのが2017年の1〜2月として、2018年の12月までに治療を終えればいいわけですから、期間は2年弱あります。

しかもどちらかといえば、先日のブログでも紹介したいわゆる『治療期間のかからない』タイプであるため、順調に進めば『前撮り』のタイミングにも間に合う可能性も大いにあるくらいです。
 

当院に来られる患者さんから、


『やっぱり治療は3年くらいかかるんですよね?』


という言葉をよく耳にします。

先日の患者さんからもこの言葉を聞きましたし、この患者さんのお母さんも初診相談の時にそう話していました。

おそらく現在の凸凹の程度から『治療期間は長いだろうなぁ』ということを連想させるのだと思います。

さらに『成人式までには、、、』といった背景があることから診断中にお母さんから
 

『早く終わりたいのでたくさん力をかけてあげてください(^ ^)この子痛みには強いので(^ ^)』
 

という言葉をニコニコしながらいただきました。


僕も歯医者になった後も、矯正治療を大学病院で勉強するまでは、歯はたくさん(大きな)力をかければ早くたくさん動くのだと思っていました。

でも実際は違います。

大きすぎる力をかけてしまうと、歯が動くスピードを逆に下げてしまうのです。しかも痛みだけは力の強さに応じて強くなりますから、これでは『痛み損』です。

(矯正力をかけて歯が動く際の反応は一種の炎症反応ですから、歯に装置をつけて力をかけると痛みは個人差・程度の大小はあれ生じます。)


何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、『中庸』であることが大事です。医療の場合は、過ぎたるは及ばざるよりなお悪し、かもしれません。

そんな内容の話をお母さんとご本人にもさせていただき、納得してもらいました。

 

無理なく進めることで結果も付いてくると思います。

 

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11月22日(火)

『初診相談でお話しすること』

 

裾野では晴れると富士山がとても綺麗に見えます。以前住んでいた横浜の自宅からも見えましたが、裾野から見えるあのサイズで雲ひとつかかっていない富士山はまさに壮観です。

 

矯正歯科の初診相談に来られる方のそれまでのバックグラウンドは様々です。

・学校検診で指摘を受けた方

・かかりつけの歯科医院で矯正治療を勧められた方

・保護者の方が気になって受診される方

・ご本人が気にされて受診される方

・当院が初めての初診相談の方

・これまでに複数の医院の初診相談を受けられている方

・他院さんにて検査、診断までを済まされていてセカンドオピニオンとして来院される方

・他院にて治療中の方

 

などなど様々です。

様々ですが、矯正歯科に初診相談に来られる方は2つに大別されると思います。

ひとつは、情報が少なくて(まだ無くて)情報を求めて来られる場合

もうひとつは、情報が多くて正解はどれかを求めて来られる場合

です。

歯並び・噛み合わせについて不安ごとや問題ごとを何もお抱えでない方は当院には来院されませんから、皆さん何らかの心配事や不明点などをお持ちで初診相談を受けに来られます。


矯正治療には好ましいゴールというものが存在しますが、これは必ずしも矯正治療を受ける全ての方に当てはまるもの、あるいは当てはめていいものであるわけではありません。

ですので、現状からゴールにに向かう道筋は一本だけではなく何本も存在することになるでしょう。
ひとつのゴールに向かう道ですら何本もあるのに、別のゴールが存在するとなると、ゴールまでの道筋の本数の多さは計り知れ(ないかもしれ)ません。

ですので、

情報のまだない方には、こういうゴールがあってその道のりにはこのようなコースがあって、、、などというお話しをさせていただき、

情報が多くやや今後について混乱している方には、その絡まった何本かの道筋を解きはぐすことができるようなお話しをさせていただくことを、当院の初診相談では心がけております。

相談後、すっきりとした状態で再度ご家庭でご検討されてみてはと思います。

 

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11月3日(木)

『最近は前歯の部分矯正の相談が多いです』

 

11月になりましたね。今までの『この時期の服装』では裾野だと寒いということを最近感じています。

 

以前のブログでも書いたことがあるんですが、2~3日の間に初診相談に訪れる何人かの患者さんの主訴(不正咬合の種類)が似る傾向があります。

小児の反対咬合の患者さんが何人も続いたり、リンガル(舌側矯正)希望の患者さんが何人も続いたり、、、などです。

ここ最近は『部分矯正』の患者さんが短い期間に集中して初診相談に来院されました。

部分矯正のページ』でも書きましたが、部分矯正には適応・不適応があります。どどっと来院された部分矯正希望の患者さんのうち、部分矯正の適応だった患者さんは半分ほどだったでしょうか。

例えば『出っ歯』で『前歯の並びが凹凸』の2名の方が部分矯正を希望されて来院したとします。出っ歯の程度と凸凹の程度はおふたりとも同程度です。

Aさんは『出っ歯』を治したい

Bさんは『前歯の凹凸』を治したい(出っ歯は治さなくていい)

というのが主訴です。

この場合、Aさんは部分矯正が不適応ですが、Bさんは適応になります。

症例の中身としての適応・不適応もあれば、部分矯正の範囲でできることで患者さんの主訴を改善できるかどうか、というのも適応・不適応の重要な判断要素です。患者さんの一番治したいところが治療の前後で変わらないのであれば、治療をする意味はありません。

全体矯正によって並びだけでなく、噛み合わせ、口元の状態も良好にできるのであればそれが理想ですし、治療を提供する僕たち矯正歯科医も完璧を目指したいとは思いますが、患者さんも個々それぞれの事情があって部分矯正をご希望されています。

医療行為として、部分矯正をお勧めできない方にはキッパリとお勧めできませんとお話しさせていただいていますが、一方で部分矯正は費用、期間、装置を付ける範囲などを少なくできる治療方法ですから、適応と判断された方には部分矯正のメリットを享受していただきたいと思っています。

 

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10月31日(月)

『矯正治療はしっかりとした検査、計画のもと行いましょう

 

裾野から見た富士山も頭がほんのり白くなってきましたね。これからは紅葉もシーズンになってきますから、裾野では周囲の山々の変化を見るのも日々の楽しみの一つです。

 

歯科や矯正歯科に限ったことではありませんが、治療を開始する前に必ずしなければいけないことがあります。それは、

『しっかりとした現状把握と治療計画』

です。

Aというウイルスに感染しているのに、ちゃんとした検査をせずにBというウイルスに感染していると判断し、Bにしか効果のない薬や方法を用いて治療する→治らない

ということにならないように、現状をキチンと把握することが必要です。遊園地やショッピングモールでも、店内地図で現在位置を把握してから目的地に向かいますよね。

現在位置が把握できれば、目的地までの道筋や最短距離、あるいは途中で立ち寄った方が良い場所なんかも正確に決まってきます。

矯正歯科治療は年単位の経過の長い治療です。これは現在地から目的地までの距離が長いということを意味します。その分しっかりとした現状把握とゴールまでの道筋が明確でないとすぐに『迷子』になってしまうでしょう。

矯正歯科において現状把握のために必須な検査として、

『パノラマレントゲン』『セファロ(頭部X線規格写真)』『CT(場合によって)』『歯型』

などがあります。

これらによって現在位置を把握し、じゃあゴールに到達するにはどういう道筋、行程をたどっていくのが理想的かを計画します。

無計画で自由奔放な生き方はうまくいっていればカッコイイように見えますが、それが治療となると自分がしてほしい治療とは思えません。

医師と患者さまが目的を共有し、同じゴールに向かっていける治療が好ましいと思います。

 

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10月8日(土)

『矯正治療を始めるのに適したタイミング?』

 

世間では3連休真っ只中ですね。裾野や裾野近隣の市町村でもこの連休で運動会が予定されている幼稚園、保育園、小学校、、、もあるようですがあいにくの雨、、、
久しぶりにスカッとした晴れ間を見たいものです。

 

治療開始の最適なタイミングは、小学生の患者さまと中学生以降の患者さまでその判断の基準が異なります。

小学生では、顎の成長や歯の生え変わり、不正咬合としての程度、改善の緊急性、、、などタイミングが『症例としての中身』に左右されることが多いです。

ですから患者さまのおうちの方も『治療が必要かどうか』や『必要ならいつからか』を知りたいから矯正歯科に来院した、という方が多いです。

 

一方中学生以降では、開始のタイミングが症例としての中身に左右されることはほとんどなく、患者様も『必要(したい)と思っているから』や『早く始めたい』から来院した、という方が多いです。

ですので、中学生以降の方の開始のタイミングは『したいと思った時』ということになりますが、一方で中学生以降の方では小学生の方にはない、開始のタイミングを左右する要素が生まれてきます。

それは『ライフスタイル』との兼ね合いです。こちらのページ(年代別の矯正歯科治療について)で少しまとめてあるのでご覧ください。

とは言ってもやはり、中学生以降の方ではご本人が『歯並びをキレイにしたい!!』と思った時が、治療開始のベストなタイミングであることには変わりはないと思います。

 

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10月4日(火)

『子どもの矯正相談でおうちの方からよくある質問』

 

今日は全国的に暑かったみたいですね。裾野もそれなりに気温が上がってました。台風の影響らしいですが、明日以降の台風の進路も気にかかるところです。

子どもの初診相談で、おうちの方からかなり高い確率で出る質問がいくつかあります。
 

・治療が必要ですか?

・いつから治療が必要ですか?

・今から始めれば将来抜歯をしなくて済みますか?

・早く始めれば子どもの治療だけで終われますか?(早く始めれば早く終われますか?)


などなどです。

答えは、、、症例によります。

症例によって、その場で即答できるも場合あれば、詳しい検査が必要な場合(こちらの場合の方が多いですが)もあります。

早く始めても早く終わらない症例もあります。

始まるのが早くても将来抜歯をする症例もあります。(早くに始まる理由と、将来抜歯となる理由が別のところにあります。)

一概には言えませんし、すべてのパターンを網羅しようとすると話がとても長くなってしまいます。詳しくはこちらのページをご覧ください。

これらの質問はどちらの矯正歯科でも共通してよくある質問のようです。どの地域でも、お子さまの歯並びに対する保護者の方の心配事は共通しているということですね。

 

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9月23日(金)

『こういう”紹介”もあるんだなぁと思った先日の紹介患者さん〜後編』

 

前回の続きです。

数週間経って『あの患者さんどうしたかなぁ』と思っていたところ、またとある女性の方が初診相談に来院されました。

ご来院のきっかけは、

『姉からの紹介』

とのことでした。

問診にご記入いただいた住所も苗字も違っていたので全く気がつきませんでしたが、お話を伺っていると、姉というのは前編に登場した女性の方であることがわかりました。

お姉さまのその後をお尋ねしたところ、相談後一般歯科を受診し、矯正ではない方法で一応の改善が得られ、結果にも満足されているとのことでした。

前回の相談の印象を妹さん(今回の相談患者さん)に、

『医院の利益ではなく自分(患者さんご本人)にとって利益になるような提案をしてもらえ嬉しかった』

と話していたようです。その話を受けて予てから矯正治療を考えていた妹さんが当院を受診した、という経緯でした。

矯正治療は審美的要素はあるものの、れっきとした医療行為ですので根拠に基づいた説明をしただけですが、患者さんは上記のように受け取ってくれていたようです。

ちなみに妹さんは、噛み合わせ全体と見た目が気になるとのことで、全体矯正をする気満々で来院されましたので、後日治療開始となりました。

 

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9月19日(月)

『こういう”紹介”もあるんだなぁと思った先日の紹介患者さん〜前編』

 

以前、前歯の部分矯正を希望されて、とある女性の方が初診相談に来られました。

現状を確認したところ、部分矯正により患者さまの望む部位の改善は可能と見込みましたが、問題は改善後にあると考えました。

それは、

『部分矯正としてできる範囲の治療で主訴は一旦は改善するものの、原因の除去まではできないため、改善後比較的早期にまた元に戻ってしまう』

ということが予想できたためです。元に戻ってしまわないよう治すには、原因の除去をしっかりと行うことのできる全体矯正が必要になります。

ですので患者さまには上記理由から、部分矯正は勧めることができない旨を説明させていただき、とても良く理解をしていいただけました。

しかし患者さまには全体矯正を行う意向はありません。

そうなると患者さまは、気になるところが気になるままとなってしまいます。

一方で上記考えはあくまで『僕』の見解ですので、別の矯正歯科に行けば『部分矯正できますよ』と言わるかもしれません。
また、患者さまの気になる部分はそれこそ一時的であれば、歯が欠けた際に用いるプラスチックを用いたやり方でも(歯を動かす方法ではなく)現状よりは良い状態にすることが可能とも考えられたため、

以下の二つを提案しました。

他の矯正歯科の初診相談を受診していただく。

一般歯科にて、矯正治療としてではない方法での改善を図る。(これはお金も時間も、歯への負担もかからない方法なので、もし満足がいかなくてもやり直しが効く。)

すると患者さまは後者をやってみるとのことでしたので、その治療を受ける際に受診した先の先生に話しておいた方が良い事項を伝え、その日は相談終了となりました。

 

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9月14日(水)

『就学前の前歯部反対咬合

 

最近めっぽう寒いですね。ここ裾野では夜だけでなくいよいよ昼間も寒くなってまいりました。秋ですね。プロ野球ペナントレースの優勝チームが決まったことも、秋を感じさせる要素ですね。

 

先日の初診相談では立て続けに似た症例が続きました。

4〜5歳の前歯部反対咬合です。まだ乳歯だけの歯並びですが、前歯数本が反対の噛み合わせになっていました。

反対咬合には2種類あります。

上あごが後ろ、下あごが前、のように土台から反対の位置取りをしている場合と、

土台は上あごが前にある正しい位置取りだが、上の前歯が後ろ、下の前歯が前、

の位置取りをしている場合です。

前者を骨格性反対咬合、後者を歯性反対咬合と言います。実はもう一つ機能性反対咬合などというパターンもあります。

下あごは身長の伸びが活発な時期(小学校高学年から中学、高校)にかけて一緒に成長しますから、就学前のお子さまが『骨格性反対咬合』の様相を呈していることは稀です。

だいたいが機能性か歯性の反対咬合に分類されます。

しかし、これを放っておくと骨格性の反対咬合に移行してしまうこともあるので要注意です。

治療としては、装置が使えるようになる4〜5歳くらいに取り外しの装置(写真:ムーシルドなど)を使用し、まずは上の前歯が下の前歯を覆うようにします。

いったんの改善を見た後は経過観察となります(それ以外に改善を必要とする箇所がない場合です)。

先ほど書きましたように、反対の噛み合わせの傾向にある方は、身長がぐっと伸びる時期に顎もぐっと伸びることがありますので、経過をしっかりフォローしていく必要があるのです。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月30日(火)

『矯正治療は何歳までできる?』

 

先日の初診相談の患者さまです。

成人の女性の方で、歯並びを治したいが矯正治療が年齢的に適応かどうか知りたい、ということで来院されました。

どの矯正歯科のホームページなどにも記載がありますように、矯正治療に年齢そのものによる制限(上限)はありません。ですので上は何歳でも矯正治療は可能です。

しかし、年齢に関連する項目から受ける制約はあります。その主なものとしては、『歯周組織(歯を支える骨や歯茎)や歯そのもの』の状態がどうかというものです。

歯は骨と歯茎によって支えられてその位置を保っています。年齢とともに骨は痩せていく傾向にありますから、その骨が歯の移動に耐えうる状態で健全に存在していることが歯を動かすためには必要なのです。

そして治療が可能となった場合でも、注意する点はあります。つまり、歯周組織そのものは健康であっても、例えば小学生、中高生の方のそれとは状態が異なるという点です。

その結果、採るべき治療方針、治療方法、治療期間などにも違いが出てくることもあります。

ご年齢のことで矯正治療を迷われている方いましたら、是非一度ご相談いただければと思います。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月23日(火)

『矯正治療で偏頭痛が治った?』

 

先日の初診相談に、

『姉が矯正治療をして偏頭痛が治った』

ので私も矯正治療をして肩こりを治したい、という方が来院されました。

この方は20代の女性の方です。当院に来院される患者様の多くは当院が位置している裾野、または裾野市近隣などからの方が多いですが、この方は少し離れた地域からの来院でした。

実際に、肩こりや顎の関節が疲れるから歯並び・噛み合わせを治したいということで矯正歯科に来院される方は多いです。

この方の歯並び・噛み合わせとしては、前歯の凸凹と奥歯の噛み合わせがすれ違っている状態でした。

確かに噛み合わせのズレがあるので、そこから来る肩こりかもしれません。でもそうでないかもしれません。

この方の現在の肩こりの原因が噛み合わせであるのであれば、噛み合わせを治すことで肩こりも治るのでしょうが、原因は噛み合わせではないかもしれません。

肩こりの原因には、全身のバランス、姿勢(普段時、仕事時、就寝時)、ストレス、運動不足、、、などがありますから、歯並び・噛み合わせを治してもそれ以外が原因であれば肩こりは治りません。

などといったところを患者さまには説明しました。

話を聞きますと、お姉さんも偏頭痛を治したくて矯正治療を始めたのではないとのこと。偏頭痛の治療もされていた(もちろん矯正歯科でではなく)とのことですので、治療の効果が出てきたのと、歯並び・噛み合わせが治っていくタイミングが同じだっただけなのかもしれません。

この患者さまも歯並びは歯並びとして気になっており、肩こりに関わらずキレイにしたいというご希望がありましたので、矯正治療を始めることになりました。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月12日(金)

『子どもの初診相談でのレントゲン』

 

子どもの矯正治療は必要性とタイミングの判断が大事であることはこれまでにも触れました。何でもかんでも必要でありしかも早い方が良いというわけでは決してなく、症例に応じた適切なタイミングというものがあります。

矯正歯科学会も今治療が必要な症例には今アプローチするが、そうでない症例には適切なタイミングを見極めて開始しましょうと提言しています。

学会の提案している『早期に治療が必要なケース』に僕の臨床上の経験を加味して治療の必要性とそのタイミングを判断しています。

大まかに書きますと、早期にアプローチすべきポイントが

1、目で直接見える範囲に認められるか

2、目で直接見えない範囲(骨の中)に認められるか

をもとに判断しています。

1については当然お口の中やお顔を(またはその写真を)見ればその有無が分かりますが、2についてはレントゲンによる情報がないとその有無が分かりません。

つまりお口の写真をもとに行う初診相談の際、

噛み合わせの異常など目に見える範囲で異常個所があれば『治療の必要性有り』とその時点で判断できますが、

目に見える範囲で異常個所が無かった場合は、それだけで『治療の必要性無し』とは判断できない

のです。これだけでは目に見えない範囲の異常個所の有無が不明だからです。

目で見える範囲で異常個所が無く、さらにレントゲンで見える範囲でも異常個所が無ければそこで初めて『早期の』治療の必要性はないと判断できます。(今後にわたって治療の必要性がない、というものではありません。)

当院では、乳歯から永久歯への生え変わりが残っている方に対し、初診相談時にお口・お顔の写真と併せレントゲン1枚(パノラマレントゲン)の撮影を提案しています。

スクリーニング的な意味を含めた簡単なレントゲンではありますが、わずかとはいえ放射線被ばくをすることになります。患者さまの中には他矯正歯科での初診相談や他医院(歯科医院に限らず)にて最近レントゲン撮影をしたという方もいらっしゃいますし、レントゲンは治療を始めると決めてからでいい、という方もいらっしゃるでしょう。ですので撮影は決して義務ではありません。

ご来院時にお伺いしますので、希望をおっしゃっていただければと思います。もちろんレントゲンを1枚撮ったからといって、その後より深い検査をセットで強要するなどということはありません。

初診相談の一回が、患者さまにとってできるだけ意義あるものになれば、と考えています。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

8月4日(木)

『先日の子どもの矯正治療の相談』

 

先日、小学生低学年の女の子の矯正相談がありました。出っ歯と並びの凹凸が気になるということで来院されました。お母様が気にされており、ご本人はよく分からないとのことでした。

症例としては叢生を伴う上下顎前突でした。下顎では永久歯の前歯4本に凹凸が見られ、その後ろには本来あるべき乳歯の犬歯はなく、代わりに第一乳臼歯が位置しているというような状態でした。

矯正相談はこれまでにもされており、前医では『土台が狭く歯も大きいため早く歯列を拡大しないと歯が並ばない』と説明を受けたとのことで、いわばセカンドオピニオン目的での来院でした。

お母様としては、お子さまの凸凹の程度などから治療が必要だろうという認識はあるものの、『こんなに早いうちから治療をしなくてはいけないの?』という点が引っかかる点としてあったようです。

僕がこのお子さまのお口の中を見て、させていただいた説明は、小学生のうちは生え変わりが問題なく進むことを観察していき(装置等を使用した積極的な治療をせず)、永久歯が生え揃ったら中間の歯を間引き(抜歯して)治療を開始するという考え方もある、というものです。

というのも現状として、

・拡大しても並び切ることが難しい(歯の大きさと土台の狭さ)

・無理に拡大していくと、歯根露出や歯肉退縮などの組織への悪影響が出る可能性

・現状でも口元が出ているため、これ以上の拡大でもっと口元が出てしまう可能性

・上記治療を行った場合、残りの小学生の間治療が継続ししかも中学生になってからも仕上げの治療が必要になる(小学生のうちに頑張っても小学生のうちには終わらない

・それだけ長く治療をしていても、仕上げの治療で口元の突出を改善したい場合は抜歯が必要になってしまう(今はご本人がよく分からず気にしていなくても、中学生くらいになったら口元の突出感を改善したいと思うかもしれない)

ということが考えられたためです。

ただ最後に、

『見える範囲での歯の重なりが大きい場合、骨の中で次に生えてくる歯が正しい向きを向いていない可能性がある』ことを説明し、『その場合はその部分に焦点を当てた治療を行うかもしれません』と付け足しました。

お母さまとしてはあっちでは『今すぐ』と言われたり、こっちでは『もう少し後(だいぶ後)』と言われたりとお話の途中ではやや混乱の様子がありつつも、最後には上記考えに納得していただけたご様子でした。

少し話は逸れますが『ゴールが明確になっていない拡大(特に床拡大装置での拡大)』と『明確でも無理のある拡大』は患者さまに利益をもたらすことは少ないです。

この患者さまは今後検査を行いレントゲンや歯型などを採り、歯の生え変わり等に問題なさそうであれば、小学生の間は半年ごとの経過観察、中学生から治療を開始し、マルチブラケット治療を行うかたちになりそうです。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月30日(日)

『矯正相談会を開催しました』

 

先日矯正相談会を開催しました。

夏休みということもあり、開催期間に裾野だけでなく、御殿場、長泉と広範囲から述べ9組の方に来院いただき、年齢についても学生の方から成人の方までと幅広くお話を伺いました。

矯正治療を始めるにあたり今回の皆様に比較的共通した悩みとしまして、

抜歯

見た目

費用

の面が挙げられると感じました。

一人の方は、他医院さんで矯正相談を受けたのち、セカンドオピニオンで来院されました。『抜歯』と『費用』『見た目』について当院の対応を聞いた上で、これまでの初診相談の内容と比較検討をしたいとのことでした。

費用と見た目に関しては、医院により決まっている(固定されている)面もありますので、単純な比較ということになるかと思います。

この患者様の一番の関心は『抜歯』が必要かという点についてでした。前医の相談で抜歯が必要と言われたとのことでしたが、僕が見てもやはり抜歯が必要という判断でした。

というのも、凸凹の程度も中程度あり出っ歯さんの要素も含んでいました。そのまま装置を付けると、一列にはなっても出っ歯さんの程度は増し噛み合わせも整いません。加えて患者様には口元を引っ込めたいという希望もあります。

その辺りを説明し、『抜歯』という点には納得していただきました。

 

別の方は、『費用』と『見た目』について悩まれていました。

矯正治療において費用と装置の目立ちは反比例します。装置が目立つ要素を減らす(見えにくくする、見えなくする)ほど費用は高くなります。

表側でも通常のブラケット装置よりも見えにくいホワイトブラケット、ホワイトブラケットにしてもそもそも表から歯に装置を付けるという点では変わらないため、ホワイトブラケットよりも取り外しのできる透明なマウスピース型装置、マウスピースよりも裏側矯正、といった具合で、見えにくさを追求すると治療費用も大きくなっていきます。

この患者さまは、完全に見えない形でしたい(裏側でしたい)けれど費用が、、、ということをお悩みでした。

当院にも設定した費用がありますので、お悩みだから設定を低くする、ということはできませんが、分割払いにする、その回数を多くする、ということには対応させて頂けます。

しかし矯正治療の費用には『医院ごとに設定した費用』があります。その患者さまは当院が初めての矯正相談でしたので、インターネットでの費用や治療方法の検索、他医院さんでの矯正相談をして、その上で比較検討していただくことを促しました。費用だけがその医院での治療を開始する決定要素ではありませんが、大事な要素であることには違いありません。

様々な点をしっかり比較検討した上で、納得して治療を開始していただきたいと思います。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月3日(日)

『本日の初診相談』

 

本日の矯正相談。昨日は7人、本日も7人の方に初診相談に来ていただき、とても幅広い層の方々のお話を聞かせていただきました。

相談された方の半分くらいは、お子さまの歯並び・かみ合わせについて、矯正治療が必要か、必要ならいつから始めればいいか、などを気にされているお父さま・お母さまからのご相談でした。

治療の必要性や開始するタイミングなどは「子どもの矯正治療ガイド」にまとめてありますのでご覧ください。

大まかな治療開始のタイミングとしては、

下あごの前後的、左右的なズレが生じている場合・・・就学前後

上記のような骨格のズレがない場合・・・就学後の適宜の時期

となります。

この時期のお子さまに骨格のズレが色濃く出ていることはまれです。しかしその兆候が出ている場合は要注意です。気を付けなければいけないのは、その兆候が出ていることに日常生活の中では気づけない場合があるということです。

「兆候」がそのままにされると、成長につれ見た目に分かる骨格のズレとして出てきます。伸びた身長を短くすることができないように、伸びてしまった後の顎の長さ、位置を変えることは成長が進むほど難しくなります。

治療の必要性、開始のタイミング、治療内容(期間、用いる装置など)などはご兄弟によっても異なる場合も多々あるくらいですから、個人個人で差があるのは当然です。

大事なのは現状の状態をしっかりと把握し、その上で必要かどうかの判断、必要の場合はいつからいつまで、などを適したタイミングで行っていくことだと考えています。

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』