裾野駅徒歩3分の矯正歯科専門医院です。キレイな歯並び・キチンとした噛み合わせのための矯正治療を行います。近隣の沼津市や長泉町からもどうぞ。

わたなべ歯列矯正クリニック

〒410-1127 静岡県裾野市平松456-1 1F

JR御殿場線「裾野駅」より徒歩3分

診療時間(休診日:木曜、隔週月曜・日曜)

[月火水金] 10:30~13:00 / 15:00~19:30
[土日] 10:00~13:00 / 14:30~18:30

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マルチブラケット治療

10月18日(金

『違和感の感じ方もひとそれぞれ

 

裏側ブラケットの装置といえば、見えずに矯正治療期間を過ごすことを可能にする装置のひとつです。

ただ歯の裏側に付くということで、表に付いた場合と比べ舌と装置がとても近いところに位置するため、感じる違和感が強くなるという傾向があります。

考えてみれば確かに納得で、歯の表に付けばそこにはすぐ前に唇がありますから、表に付けた場合は唇の裏に感じる違和感の方が主に感じられことになります。

 

先日初めて上の歯列の裏側に装置を付けた患者さんが何人かいました。

一人は人前で講演などの話す仕事をしている方でした。見えないことが重要であることもさることながら、やはりしゃべりにくくなってしまってはやや本末転倒のような気もします。

様々な点から説明をし、ご本人も悩んだ末ハーフリンガルという選択に至りました。

いざ装着の際しゃべりにくくなることをやはりとても心配していましたが、付け終わってみると、

『全然大丈夫ですね』とのこと。

 

別の方は逆に『違和感?別に気にしません。』くらいの感覚でしたが、いざ装着してみると、

『これヤバいですね、、、』とのこと。

 

これこそ個人の感覚からくる感想なので、この方がこうだったからあの方もこうとは言えないものです。

ご自身のハードルの上げ方もあるでしょう。上げに上げて装着に臨んだ方と下げた状態で臨んだ方ではやはり感じ方が異なるのかもしれません。

ただ装置の装着部位が裏や表にかかわらず、そもそも矯正治療が、

『異物をできるだけ長い時間お口の中に入れ続けること』

を前提にしていますから、違和感自体は避けられないものでしょう。これまでで治療期間中ずっと『慣れなかった』方もいらっしゃらなければ、ずっとちゃんと『しゃべれなかった』方も、さらには装置の違和感が原因で治療を中断した方もいませんから、そこまで深刻に考えなくて良いものなのかもしれません。

 

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9月10日(火

『裏側ブラケットの部分矯正~セットアップ模型通りの結果

 

裏側ブラケットでの矯正治療は、部分矯正でも出番があります。

今回詳しくは触れませんが、表側の部分矯正より適応症が限られますが、もし適応に当てはまればそれこそ見えずに短期間での前歯一列が可能です。

 

さて題名ですが、裏側矯正では歯にブラケットを付ける前にセットアップ模型というものを作製します。

このセットアップ模型というのはいわゆるシミュレーション模型で、一列になった完成の歯並びを先に石膏模型で作ってしまうものです。そしてそこから逆算して歯面のどこにブラケット装置を装着すればよいかを割り出すために作製、使用します。

つまり目の届くところにゴ一ルをまず先に作ってしまうことで、完成形に直結した治療を行っていくことができるようになりるということです。

 

ブラケット装着位置もシミュレーション模型のようになる位置に設定しますから、実際の完成した歯並びもまた当然そのシミュレーション模型に近いものになります。

この”近い”という状態ですが、症例によっては近いを通り越してシミュレーション模型と”全く一緒”といっても過言ではないくらいの状態になるものもあります。

 

先日ブラケットオフになった患者さんもまさに模型通りの結果、仕上がりになりました。

部分矯正でのこのような結果になりやすい症例としては、主として最初の並びが歯のねじれや軽度の前後的なズレである場合が挙げられます。

逆におよそ模型通りだが、少し歯の角度が模型と異なるような症例は、例えば2番目の歯が後ろに引っ込んでいるような凸凹のタイプによく見られます。

歯冠同士は一列になっているが、歯の根っこが冠に追いついてこれていないような状態です。ただとはいっても冠はいい位置に来ているわけですから、一列度合いには問題ありません。

この根っこまで大きく移動させるとなるとそれだけで半年くらいかかってもおかしくはないものです。
一方で部分矯正では治療期間が短いことも大事な要素です。全体矯正なら他のことをしながら根っこの向きを変えていっても、それだけのために時間がかかるということにはなりませんが、部分矯正の場合はそうはいきません。

ですから部分矯正で上記のような症例は、最初に何をどこまで治すかを患者さんとよく相談をします。

 

裏側からの部分矯正はこのところ需要が多い治療方法の一つです。適応症であれば、装置がほぼ見えずに並びの改善が可能です。期間は半年~1年という方が一番多いです。全体矯正の2年という治療期間に比べれば短い期間とも言えます。

ご希望があって適応症であった方には、見えない、短い治療期間での一列の応援をさせていただきたいと思っています。

 

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6月17日(月

『お昼ご飯にウィダーインゼリーを飲む職場の上司

 

すでにハーフリンガル(上の歯列は裏側、下の歯列は表側)で矯正治療を開始している方の、治療開始前のエピソードです。


中学生頃から凸凹の歯並びが気になりだし、治すなら矯正が必要と分かってはいたもののあの『ギラギラ』したワイヤーの装置が嫌で、以降治療を始めることから遠ざかっていたといういきさつがありました。

その間『矯正するならあのギラギラの装置をしなきゃいけない』が頭の中にあったため、何か別の装置があるかもといった情報収集をしなかったそうです。

ただ、忘れることはあってもどこか歯並びを気にしている自分が常にいたようで、人と話しても自分の歯並びが気になって口を開けて笑えないし、相手の口元ばかりに目がいってしまうという状況で現在に至っていました。

 

そこで題名です。ある日職場の上司が、お昼ご飯にウィダーインゼリーを飲んでいたので理由を尋ねてみると、歯が痛くて物が噛めないとのこと。まさか親知らずですか?と聞いたところ、

『矯正始めたの』

と思いもよらない答えが返ってきたそうです。

患者さんがびっくりしたのは、この上司の歯に矯正装置が付いていない(ように見えていた)のにもかかわらず『矯正治療中』という答えが返ってきたからです。

そこで裏側矯正の存在を知りネットで調べたりして、思い立ったら早かったようですが、現在ハーフリンガルで治療をしている最中です。

ハーフリンガルは下の歯列は表に装置が付きますが、下唇で隠れてしまう方が多くあまり見えません。

『装置が見えることが気になって治療に踏み切れなかった方が治療を開始できて、その後も問題なく過ごせている装置』

とも言えますから、見えない・見えにくいという点においては満足できる類のものだと思われます。もちろん捉え方の個人差はあるとも思いますが、、、

見えない・見えにくい矯正治療を選択する場合、裏側矯正が今のところ最も患者さんのご希望に添える方法だと思います。

 

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5月18日(土

『中学生、混合歯列の反対咬合』

 

反対咬合といえばいわゆる受け口のことです。

受け口の治療はステージや程度により異なり、

小学生(就学前や小学生の期間)・・・顎の成長をコントロールする治療 ←土台が動くので、動く土台を好ましい位置に導く治療

中学生~成人(程度が小さいもの)・・・マルチブラケット治療 ←土台がもう動かないので、土台の上の歯を並べていく治療

中学生~成人(程度が大きいもの)・・・手術を伴う矯正治療
※中学生~高校生で程度が大きい場合は、10代後半からブラケット治療を始めます。

おおよそこんな感じになります。

 

中学生で、程度が小さいものはマルチブラケット治療を始めてもいいでしょう。

注としまして、

中学生→12歳臼歯まで生えている

程度が小さい→反対咬合でも骨格性の要因が小さく、身内に反対咬合の方がいない、など

等が付きます。

 

先日の相談の方は中学1年生の女子で、少なくともご両親は反対咬合ではなく、程度も切端咬合あるいは2~3歯に反対の歯がみられるくらいでした。

ただ歯列の発育段階として、12~3歳の方で見られうる永久歯列ではなく乳歯(第2乳臼歯)が混じった混合歯列の状態でした。当然12歳臼歯もまだ生えていません。

そうなると、上の記述に当てはめ中学生で程度は小さいものの、即マルチブラケット治療の適応というわけにはいきません。

単純には、

『マルチブラケット装置の適応が12歳臼歯まで生えそろった永久歯列からだから』

ということがそその理由に挙げられます。

一方で反対咬合で混合歯列(体全体としては成長期)の場合、まだ下顎自体が伸びる可能性も秘めています。つまり歯が植わっている土台が動くということです。

なので、現時点で土台の上の歯一本一本をきれいに並べていく、という治療つまりマルチブラケット治療を行うことはありません。

というよりも、現状で反対咬合かつ土台が動きうるのであれば、さらなる好ましくない動きを抑えることをしなければなりません。つまりは、さらに顎が前に出てしまうということを防がなくてはいけないわけです。

 

中学生とくに中学1年生くらいですと、生えかわりの個人差からまだ乳歯が残っているという状況は特別珍しくはないかと思います。他方で12歳臼歯まで生えて永久歯列が完成していてももちろん珍しくはありません。

これに症例としての中身が併されば、治療の内容に差が出ることも然るべきということになるのでしょう。

 

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5月7日(火

『顎を切る手術で治したい、、、でも矯正治療は裏側からしたい』

 

さて矯正治療は自費診療といって健康保険が効かないことは世間でも広く知れているかと思います。

一方で保険の効く矯正治療もあります。不正咬合の程度が著しく、その改善に手術(顎の骨切りなど)が必要とされる場合、顎変形症と病名が付く場合ですが、矯正治療に保険が効くようになります。

顎変形症の矯正治療には決められた流れがありまして、大まかには、

矯正歯科医院で顎変形症との診断を受ける → 術前矯正治療(手術を行う前の矯正:1年ほど)→ 手術(提携病院への入院:1週間ほど)→ 術後矯正治療(手術後の矯正:1年ほど)→保定(治療終了)

の流れになります。

上記の流れを厳密に踏まないと、保険適応になりません。

つまり、手術ありきの矯正治療ですし、矯正治療ありきの手術ということになります。

 

先日の初診相談の方は当院が初めての相談でしたが、インターネットなどでいろいろと調べてきていて、『手術で治したい』という希望をすでに持っていました。また、手術を伴う矯正治療の場合は、矯正治療が保険の適応になることもご存知でした。

症状としては受け口で、奥歯がのみが咬合、横顔の印象も受け口の方特有の側貌になっており、顎変形症の病名を付けられる程度でした。また、矯正治療は裏側からしたいという希望も持っていました。

 

結果としては、患者さんの希望を叶えてあげられない相談となってしまったんですが、理由としては、

・当院が保険適応の矯正治療を行っていない点

・保険適応になる矯正治療を行おうとすると、表側からのブラケットにしなければいけない点

でした。

 

矯正歯科の専門医院のなかでも、保険治療も行う医院と自費診療のみを行う医院があります。もちろん保険治療というのは虫歯や歯周病の治療のことではなく、上述した顎変形症などの方の矯正治療のことです。
なかなか患者さんもここまで知っている方は少なく、相談で来院しその旨を相談時に伝えられる場合が多いようです。

ですので、顎変形症で手術を伴う矯正治療が適応になると思われる方は、該当の矯正歯科医院で初診相談を受ける必要があります。

 

なので治療そのものに関してはそれでいいのですが、解決できない問題として、

顎変形症(矯正治療が保険適応になりうる症状)であっても、裏側からの装置(裏側矯正)で治療を行ってしまうと保険が効かなくなってしまう

ということが挙げられます。

 

虫歯治療は保険が効くが、矯正治療は保険が効かない。健康保険なので国が治療費の一部を負担してくれるわけですが、虫歯は国が疾患と認めてくれているからこその適応なわけです。
一方で歯並び・噛み合わせの改善は、治療というより美容、という捉えられ方であるため

『国はその費用を負担しませんよ』

となっているのです。

でも不正咬合としての歯並び・噛み合わせが重篤化すれば機能面や日常生活にも支障が出ますから、そうなると疾患として認められるようになりその改善は、美容というより治療、という捉えられ方にもなり、

『国が費用を一部負担します』

となるわけです。

 

一方で歯並び・噛み合わせを改善する際、見えにくい装置として最近では裏側矯正がありますが、裏側矯正が存在している理由のすべては『見た目』です。それ以外の理由はありません。

なので歯並び・噛み合わせを治すだけならば裏側からである必要は全くありません。表側からですべてが治せます。

ですから、顎変形症の矯正治療であっても、

『国が負担する(保険が効く)のは、表側からした場合だけですよ』

という条件が付いてくるのです。

ですので、裏側から見えない装置を使って手術もしたい、となると治療費用から手術費用まですべてが自費診療、つまり患者さん自身の負担となってしまうわけです。

 

でもどうでしょう。

例えば受け口の方が顎変形症の手術で出ている下顎を引っ込めたとします。すると口元の印象というよりは、それを通り越して顔全体の印象がとても大きく変わります。

矯正治療の一環としてのそのような治療があるということを知らない人からすれば(ほとんどの一般の方は知らないと思いますが)、いわゆる、

『整形した』

と思われる程度で変わります。

もしブラケットが歯についているのが表ではなく裏であれば、周りの人は矯正治療であることをさらに知りえませんから、何日間か会社を休んだと思ったら顔が変ってた、顎の骨を切るまでの整形をしたんじゃないか、と捉えてしまうかもしれません。

 

一方で、歯の表にブラケットが付いていて、手術までに1年間の矯正治療をしていたとしたらどうでしょう。今度は国が認めた疾患であり保険治療でもあるわけなので、美容ではなく疾患の治療をするなかで、結果的に見た目も変わるという位置づけになります。

周囲も、手術をしなければいけないほどの深刻な噛み合わせの問題だったんだね、と捉えるかもしれません。何よりも1年も前からブラケットを付けています。それが手術を前提とした矯正治療であることを周りにも告知しやすいと思います。

 

以前の職場で手術を伴う矯正治療を担当していた際、手術を終えた患者さんから、

『顎を後ろに退げただけでここまで顔の印象って変わるんですね。びっくりです。』

と、ここまでは手術をした患者さん全員がおっしゃることなんですが、加えて、

『ブラケットが付いていて良かったです。矯正治療で顎を後退させた、と周りに説明しやすいですから。』

とのこと。

 

裏側からの矯正治療で費用を抜きにすれば、やはり見えずに、矯正治療と気づかれずに結果を得られることは大きなメリットだと思います。

ただそれが手術を伴う矯正治療となった場合には、逆に装置が表に付いていることがメリットと捉えられる一面もあることを、患者さんのお話から知らされました。

 

今回の初診相談の患者さんがどのタイプで手術に臨まれるかはわかりませんが、一応上記のような説明もさせていただきました。

ただ患者さんの側で自費診療になってしまうことを良しとしても、裏側からの矯正治療で手術を行える施設が限られていることも確かです。

まず医院探しが大変かもしれません。

 

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4月26日(金

『側切歯(前から数えて2番目の歯)を抜いて治療したい・・・後編』

 

前回の続きです。

 

3を2の形にする際、抜髄(歯の神経を取り除くこと)をして、いったん歯をものすごく小さくしてから2の形の被せをすることが必要、ということは照会した歯科医院の先生のお話ですでに判明しています。

 

情報が小出しですが、この患者さんは下の歯並びにも凸凹があり、それを一列にするには抜歯が必要でした。つまり矯正の治療期間ということだけで言えば、上の2番を抜いて上がササっと一列になっても、下がまだ治療中であるため治療自体が早く終わることはないわけです。

よく、『矯正か被せか』で期間のかかる矯正よりも歯を大きく削ってパパっと一列をゲットする被せかが比較される場合もありますが、矯正をしないなら被せで解決ということも考えられるかもしれません。

でもどうせ矯正をするのであれば、被せをせずすべて自前の歯で解決できた方が後々にとっても良いのは明らかです。

なので矯正の立場としては4を抜いて2を表に出してくることを勧めていました。

 

診断を終えたのち、3~4か月音沙汰がなかったので、どこかの歯科医院で被せをして治したのかなと思っていたところ、連絡があり4を抜いて2を表に出す方法で治療を進めたいとのこと。

そして治療が開始され、今に至ります。

このような経過があったこともあり、2を抜歯せず前歯が一列になったことに対して患者さんの喜びも一入でしょう。

なぜ患者さんが2抜歯にこだわったかというと、期間は期間でも、1番と2番が2枚歯のような感じで重なっているのが嫌で、少しでも早く2枚歯の状態を何とかしたかったからです。

4番目はもちろん抜いていますが、2番を残したので、2番は天然の2番で3番も3番です。もちろん3番の神経をとって2番の形にする必要もありません。

 

今回のケースでは2番抜歯でなくてよかったことは、前編冒頭の患者さんの発言ママですが、短期の視点で『良い』ことは大事だとは思います。

でも当たり前ですが、患者さんは矯正装置がついている期間よりも、矯正治療が終わった後の生活の方が長いです。患者さんのバックグラウンドに拠りけりだとは思いつつも、長期の視点で『良い』かどうかという基準もやはり大事だと思います。

 

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4月23日(火

『側切歯(前から数えて2番目の歯)を抜いて治療したい・・・前編』

 

先日の診療中のこと。

マルチブラケット治療開始8か月を経過した患者さんが、前歯が一列になりその喜びを噛みしめながらポツリ、

『2番目抜かなくて良かった・・・』

 

この患者さんの初診時は叢生(並びの凸凹)で両側の側切歯が2本とも内側に入っており、程度としては『前歯のすぐ隣に犬歯がある』状態でした。つまり、丸々2本分永久歯の生えるスペースが不足している状況です。

 

マルチブラケット治療の抜歯ケースでは、第一小臼歯といって前から数えて4番目の歯が抜歯の適用になることが多いです。

次に第二小臼歯、5番というところでしょうか。

いわゆる八重歯だからといって犬歯(3番)が、あるいは後ろに大きく引っ込んでいるからといって側切歯(2番)が抜歯の適用になることは稀です。

奥歯は噛む機能を主に担う歯ですし、前歯は見た目の要素、審美性を担う歯です。にこっとしたときに歯並びがキレイに見えるのは、前歯を担う1、2、3番の各形態が自然に調和のとれた状態になっているからです。

もし前歯が1、2、3番ではなく、1、3、4番で構成された場合、やはり違和感が出てしまいます。

 

ただこの患者さんのように、側切歯が隙間なく歯列から追い出されている場合、側切歯を抜くメリットというのはあるといえばあります。

それは一列になるまでの時間・期間が大幅に短縮されるという点です。

2番を歯列に入れるために4番を抜いた場合、まず4番を抜いたスペースに3番を退げ、3番が退がったら3番があった場所に2番を引っ張り出してくる、といった行程を経るひつようがあります。

おそらく矯正用のアンカースクリューといった付加装置も必要になるでしょう。

2番が1番の隣に来るまでに1年くらいはかかるかもしれません。

 

一方で、2番を抜いた場合はどうでしょう。一列じゃない歯列の原因はこの2番がはみ出しているからです。なのでこの2番を抜いてしまえば即一列の歯列の完成です。期間にして1日です。

なので、もし、1番のとなりに3番があることが気にならないのであれば、これも一つの方法かもしれません。

もちろん、2と3は長さ、幅、形態、厚み、、、とどれをとっても異なりますから、並びや見た目だけではなく噛み合わせが少しずれるといった問題を生じさせたり、すでに問題がある状態を改善できなかったりといったことが起こり得ます。

 

この患者さんは、内側にある2を抜きたいのだけれど、1の隣には2の形態をした歯があってほしい、という希望を持ち合わせていました。

こうなると方法としては二つです。

4を抜いて2を出すか、

2を抜いて、3を2の形に修正するか、

です。

 

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4月19日(金

『『裏側矯正 裾野』の検索で』

 

先日の初診相談の患者さんです。

以前も書きました、

裏側矯正希望の患者さんは、裏側矯正をやると決めて来院することが多い

法則?ですが、

今回の相談の方もそうでした。

通常の装置か見えにくい白い装置かで迷われる方は多くいらっしゃいますが、やはり裏でやると決めている方はそもそも医院探しから『裏側矯正を行っている』かどうかの基準で探していますから、上のような法則があてはまるのも納得です。

 

このかたはgoogleで『裏側矯正 裾野』で検索して当院を知ったとのことです。

もともと他県にお住いの方で、高校生の時に中学生の妹さんと一緒に治療を始めるタイミングがあったとのことですが、当時さまざまな事情で表側からしか治療ができず、やはり装置が見えてしまうのが嫌でその時は治療開始になりませんでした。

とはいいつつも歯並びが気にならなくなることはなく、先日当院受診となりました。

 

やはり『装置が見える』ことが足かせになり、治療を思いとどまっている方は多いんだなと改めて実感しました。

 

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3月14日(木

『ブラケットオフの患者さんラッシュ』

 

必ずしもこの時期だからというわけではありませんが、ブラケットオフのタイミングがどういうわけか集中する時期があります。

最近はほぼ毎日治療終了になる患者さんがいて、この時期に合わせて言うのであればいわば『卒業』です。

 

上下裏側からの患者さんは、ブラケットを外したからと言って外す前と外した後で見た目が全く変わりません。

でももちろんお口の中からあの煩わしい装置がなくなるのでスッキリ感はかなりあるため、外した後はとてもうれしそうです。

 

卒業した方はその次に新たな入学や入社があるように、卒業したからと言って『終わり』ではありません。矯正治療も一緒で、ブラケットオフ=終わりではなく、ここから始まる行程があります。

それは戻り止め、保定期間です。

なんとまたここから新たな2年間の始まりです。

ただ、矯正治療を終えられる方はこの行程がこれから始まることを知っているので、驚いたりはしません。

むしろ、この行程がとても大事な行程であることも知っているので、『よし、これからリテーナー頑張るぞ』といった意気込みを感じる方さえいます。

 

保定期間の通院間隔は3~6か月です。

毎月来院していた患者さんが、以降はこの頻度になりますから医院としては少し寂しいものがありますが、患者さんにとっては頻繁に通わなくてもよくなるのでうれしい限りでしょう。

 

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3月10日(日

『犬歯のひっかかり』

 

今回は少しマニアックな話です。

 

歯を抜く矯正治療には、抜歯したスペースに犬歯を後退させていく行程があります。

犬歯は前から数えて3番目の歯です。多くの場合抜歯するのは4番目の歯ですから、4番目の歯があったところに犬歯を移動させるのがこの行程の目的です。

後ろに移動させますから、抜歯したスペースよりももっと後ろの歯、たとえば第一大臼歯などからゴムを犬歯に引っ掛けて引っ張っていきます。

 

大きさや数の比較で言えば、大きい奥2本対そこまで大きくない犬歯1本ですから、奥歯が負けることは通常なく、犬歯が後ろに引っ張られてきます。大人3人対子ども1人の綱引きみたいなものです。

ところが上の力関係を無視して、この引っ張り合いで奥歯の方が前に来てしまうことがあります。子ども一人の力で大人2人を引っ張ってくることは普通出来ませんから、そこには何か見えざる力が働いていることが考えられます。

 

ところで、犬歯にはとある特徴があります。

犬歯は歯の中で一番もちのいい歯、一番最後まで残る歯、などとよく言われています。その理由として、『歯根が長い』ことが挙げられます。

土に植わっている木でも、根っこが短かければ外力によってすぐ倒されてしまうでしょう。歯も一緒です。やはり根っこが長く、骨にドーンと植わっていればその分もちもいいことになります。

 

ただこの根っこが長いこと、これが歯の移動にとってはややマイナスの要素になることも実は少なくありません。

今度は逆に、根っこが短い木と根っこが長く地中奥深くまで張ってる木とでは、どちらが植え替え易いでしょう。もちろん根っこが短い木です。

ということで根っこが長い歯というのは短い歯に比べて動きにくいです。

 

ではもう一度、今度は普通の大人の女性2人と柔道日本チャンピオンの男子中学生1人が2対1の綱引きをしたらどちらが勝つでしょう?

女性2人の方かもしれませんし、中学生の方かもしれません。2対1とはいえど条件が揃えば、1の方が勝ってしまうこともあります。

 

犬歯と奥歯数本の引っ張り合いでもこれが起こることがあります。なので臨床では犬歯を後ろに引っ張っていくだけの行程であっても、安易にやることはできません。

とある患者さんも、2~3か月前通法通り犬歯を引っ張り始めた1か月後、たいして犬歯は後退しておらず逆に奥歯が前方に傾く傾向が。

このかたの犬歯はやはり根が長く、根の先が骨の中のことさら固い部分に引っかかるように位置していたため、根っこの先端を内側に戻す調整と、やや前に来ていた奥歯を後ろに戻す調整を行い、対応しました。

先日の来院では奥歯の位置もそのままで、無事犬歯も後退し始めたので事なきを得ました。

 

でもいざ犬歯が無事目的地まで後退しきっててくれれば、犬歯もまた奥歯の一部となって、今度は前歯を後ろに引っ張る側として参戦してくれます。こうなると手ごわい敵が急に心強い味方に変化することになるため、まさしく昨日の敵は今日の友といったところでしょうか。

 

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3月2日(土

『ブラケット装置装着5人』

 

矯正治療は、初診相談から治療開始となる装置装着まで少しお時間がかかります。患者さんや治療内容にもよりますが、平均で1~2か月くらいかかるかもしれません。

この3月という時期は年度終わり、新年度の始まりを目の前にしていますので、何か新しいことが始まるきっかけになる月でもあると思います。

なので矯正歯科でも初診相談で来院される方が多くなります。

始める気満々で来院され、出来ることなら明日からでも装置を付けたいと言われる方もいらっしゃいます。ただ、とても申し訳ないのですが、矯正治療は昨日初診、今日治療開始、ということにはなかなかなれません。

 

およそどこの矯正歯科でも同様かと思いますが、治療が始まるまでは、

初診相談→検査→診断→歯磨き指導の回→装置準備の型どりなど→装置装着

という行程を踏む場合が多いです。

上はどの矢印も同じ長さですが、次の行程に進むまで1~2週間かかるものや1~2か月かかるものもあるので、初診相談から治療開始となるまでには少なくとも1か月くらいは期間を見ることが必要でしょう。もちろんこれは各医院によって差はあると思います。

 

しかし最近ではこのような順序で治療が進むことを患者さんもすでに知っていて、この時期に装置が付けれたらいいなぁという希望に対して、上の必要期間を逆算して来院される方が多くいらっしゃいます。

そのような意図はなく、偶然この3月という時期に装置装着となった方もいれば、この春休みのうち、新しい職場で仕事が始まる前に装置を付けておきたい、装置に慣れてから新生活に臨みたい、と考えてこの時期に装置装着となる方もいます。

 

この日装置装着となった方のうち2人は4月から新学年、2人は高校へ進学、一人は社会人と、いずれも新生活目前の方たちでした。こう書いては見たものの、学生であれば4月から新学年はさほど珍しいパターンはないですね。

ただ装置装着はは、装着された位置でその患者さんの歯並び・噛み合わせが決まってしまうので、とても神経を使う処置です。その内容が日に5症例あるとちょっと疲れます(笑)。

 

 

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2月22日(金

『前回のブログの反応』

 

前回のブログを読んだ通院中の患者さん数名から、

『あのブログの患者さん結局どうなったんですか?』

『治療をすることになったんですか?』

などなどと質問をされましたので、追記したいと思います。

 

矯正の患者さん同士、やはり矯正治療を始めるまでに至るきっかけや考え、いきさつには違う点もあれど共通点も多々あります。

患者さんのなかには、まさしく

『私も今になって治療をするまでは中学生の頃にやっておけばよかったと思っていたうちの一人。でも結局は今でよかったとも思う。』

という方がいました。この方はすでにブラケット治療は終わり、現在リテーナー(戻り止め装置)を使用中です。

 

確かに中高生の頃にやっておけば、今キレイな歯並びだった可能性はあります。

『だった可能性?』

『だったでしょう。』

ではないの?

と鋭い方は思われるかもしれません。

前回書いた”治療へのモチベーション”は、実は治療中だけでなく、治療終了後にまでも保っておく必要があるのです。

なぜなら矯正治療には治療後の”後戻り”の可能性があるからです。2年間の治療後には、2年間以上の保定期間という、今度はキレイな歯並びを保つ期間が続きます。

今度はつけっぱなしの装置ではなく、患者さん自身で付けたり外したりができる装置です。付けっぱなしではないので一見楽に思えますが、逆に『維持』の管理が患者さん自身に委ねられることになるので、付けっぱなしの装置とは別の大変さが生まれます。

サボって付けなければせっかくの並びが崩れてしまうし、しっかり管理して装着を続ければ歯並びは維持されます。

保定装置の継続使用、これこそ高いモチベーションのなせる業でしょう。

 

上の患者さんの言葉ですが、

『あの頃なんとか矯正していても、絶対リテーナー(戻り止め装置)は真面目に使わなかったと思う。』

今やりたくてやって、やっと手に入ったものだから、ずっとそれを持っていたいと思う。

ここまでの気持ちがあってやっと維持までうまくいく。矯正治療はなかなか大変です。

 

前回のブログの患者さんですが、もちろん治療開始にはなっていません。やはりご本人が治療をしたい、治療の必要性がある、という気持ちに至っていないのが大きいでしょう。

海外に行くなら歯並びはキレイな方がいい、頭では分かっているものの周囲から言われる言葉よりも、自分の中から湧き上がる感覚や理解であった方が行動にもつながりやすいということだと思います。

実際に、中高生の頃に矯正を終わらして、その後保定装置の使用が甘く後戻りをしてしまい、再治療をしたく当院に来られる方もいらっしゃいますから、キレイな歯並びでずっといたい、という気持ちを、他の色々なことに消されてしまわずいつまで持ち続けていられるか、が歯並びの末長い維持には大事な要素だと思われます。

 

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1月30日(水

『いろいろな不安を持っていたセカンドオピニオン』

 

昨年夏くらいから、ひと月の初診相談のうち1〜2件ほどセカンドオピニオンの方がいらっしゃいます。

本日来院した患者さんは高校生女子、マルチブラケット装置が装着されており、すでに治療期間は3年を超えているという現状でした。

 

3年前の治療開始時の主訴は凸凹と出っ歯でした。患者さんの強い希望で非抜歯の方針で治療を進めてきましたが、凸凹は改善したものの、口元の突出は以前よりも増えた気がするという現状です。

なので患者さんとしてはまだ『出っ歯が治っていない』という認識でいたところ、4月から矯正担当医がその歯科医院に来れなくなるということで、治療終了の申し出を受けたため、どうしたらいいか分からなくなり、当院のセカンドオピニオンを受診したという経緯でした。

 

多くの不安を抱えられていましたが、

一つは、治療の継続のことです。

やはりこの現状で治療終了としたくはないとのことで、なんとか出っ歯を治して終わりたい。なので治療の継続をしてほしいが、やはり歯は抜きたくない。

一つは、費用面です。

前院では通院毎で診察代が発生する費用体系だったとのことで、3年通院したことで一般的な矯正治療にかかるお金をすでに費やしている現状であるため、続きを他院でするにしても0からの費用をかけることが難しい。

一つは、期間です。

すでにマルチブラケットをつけて3年を経過しています。今後”真”の治療終了となるまでの期間さらに装置をつけ続け(つまりは歯に力を掛け続け)、歯は大丈夫か。虫歯や歯周病も心配とのこと。

さらに一つは、進学です。

4月から高校3年生、大学受験をするため夏には受験勉強が本格化しますから、治療が勉強の負担になるかもしれないという点、さらには来年の3月で治療が終わらず遠方に転居となった場合、さらにまた転院ということになってしまう。

などの不安を挙げられました。文章での事実の列挙だけですとなかなか伝えられませんが、お母さんの切迫感はなかなかでした。

どの不安も、解決にあたっては一筋縄ではいかないものばかりです。

 

患者さんも、患者さん側の要素として治療終了や中断、転医などとなる分にはある程度踏ん切りがつくかと思いますが、矯正医が突然来れなくなるから、では諦めもつきません。

矯正治療は長丁場です。子どもの治療では、6〜7歳から治療が始まる場合、13歳で達成されるべき良い歯並び・噛み合わせを逆算して、担当医が治療計画を立案します。

13歳でここを目指すから11歳ではこの装置を使う、11歳でこういう状態でその装置を使うなら9歳ではこう、9歳がそうなら7歳は、、、と言った具合に、全ての行程には連続性があります。

矯正装置はその種類が山ほどあります。なので担当医ごとで、よく使う装置や全く使わない装置もあれば、使用して多くの効果を認めている装置やほとんど使用しない装置で有効性を確認できていない装置などもあります。これは子どもの治療にとどまらず、マルチブラケット治療でも同様です。

なので、装置の転医先で前医の治療計画が全く引き継がれないということも往々にしてあります。

となると治療計画がガラリと変わりますから、患者さんにとっては新たな担当医から思いもよらない提案をされたり、、、などということもありえます。よくあるケースとしては、実は今回もそのケースに含まれますが、前医では抜かない方針だったのに、転医先では抜歯をしないとできないと言われた、、、等です。

 

このような治療計画の一貫性ということはもちろんですが、医院が変わると費用もまた振り出しに、、、ということさえもありえます。

矯正治療はこのような特徴を持ったある意味”特殊”な治療です。避けられない状況もありますが、出来るだけ『治療終了まで』を見通せる医院で治療を開始できるのがベストだと思います。

 

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1月16日(水

『ハーフリンガルでブラケットオフになった患者さん

 

さて、コボブログでも度々登場している『ハーフリンガル』。

上の歯列は裏側、下の歯列は表からブラケット治療を行う方法です。その特徴やメリットやデメリットはこちら(見えない裏側矯正)をご覧ください。

 

『思ってたよりも早く終わったので、あっという間でした。』

 

カルテを見るて2017年の7月にブラケット装置を装着しています。なのでこの1月で治療期間ちょうど1年半でした。社会人の方で、途中3ヶ月ほど転勤で来院できなかった期間があったことを考えれば、治療期間的にはまずまずでしょう。

やはりカルテを見ると、1年2ヶ月くらいから、ブラケットの位置を変えたり、ワイヤーを曲げたりして、見た目や噛み合わせの仕上げになる歯の細かい位置の調整をしていたので、およその”形”には1年ほどでなっていたことになります。

この方の初診状態は、下の歯列は比較的一列、上の犬歯は丸まる2本分の八重歯だったので、上の小臼歯を2本抜いての治療でした。

 

これもちょこちょこ触れていますが、凸凹の程度が大きい歯列で、その改善方法を抜歯で行う場合、つまり歯を抜いて歯列を一列にしたら、抜いてできたスペースが全て埋まり終わっていた場合、治療期間は短くなる傾向があります。

歯を抜いて治療を行う場合、抜いてできた隙間は、

①まず凸凹が一列になるために使われ、

②残ったスペースを使って前歯を後ろに引っ込めて

閉鎖します。

①で自然に閉鎖されるのがスピードとして最も早い消費のされ方です。

一方で、②でスペースを閉鎖していく行程は時間がかかります。

なので症例でいうと、同じ抜歯症例だけれど、凸凹が多い方よりも、凸凹が少なく一列なんだけど出っ歯、という方の方が治療期間は長くなります。

今回オフになった方は、抜いたスペースの『全て』が凸凹が一列になる過程で消費されるので、隙間の閉鎖のされ方としては最も速度の早いパターンと言えます。

 

期間の話はさておき、今回の患者さんは治療開始前フルリンガルにしようかハーフリンガルにしようか迷っていましたが、ハーフリンガルでの開始となりました。

気になる下の歯の装置の見え方はと言えば、これはハーフリンガルで治療を始めた人のほとんどが装置装着のその日、家でしていることのようですが、『スマイルの練習』をすることで治療期間を通して目立つこともなかったようです。

スマイルの練習とはなにも大げさなものではなく、ここまで口を広げると下の装置が見える、ここまでなら見えない、というセルフチェックのようなものとのこと。

下の装置というか下の歯列自体、よっぽど大きく口を開けても見えることが少ないです。

こちらを参考にどうぞ。

 

中学生以上の矯正治療はマルチブラケット治療が主となります。当院では、

通常の装置をを使ったブラケット治療

ホワイトブラケットとホワイトワイヤーを使ったブラケット治療

上は裏、下は表のハーフリンガル

上下裏のフルリンガル

がありますが、

成人の方では、ハーフリンガルを選択される方が最も多いです。

『上の歯列の装置が見えない』=矯正中であると気付かれにくい

というのは患者さんにとってとても大事な要素であることの表れでなのしょう。

 

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7月29日(日

『治療開始のタイミング~高校2年生の夏編~次々と押し寄せるイベント

 

なんのタイトルでしょう?(笑)

 

さて、永久歯への生え替わりがすべて終わった中学生以降であれば、矯正治療としてはマルチブラケット治療の対象になります。

さらにマルチブラケット治療は、上記中学生以降であればいつでも始めることが出来ます。開始のベストなタイミングは、

『治療をしたいと思ったその時』

ということが出来るでしょう。

 

ただこれはあくまで、生体の都合上でのタイミングです。

矯正治療を実際に始めるにあたってはそれにプラスして、生活の都合上でのタイミングもはかる必要があります。

 

先日相談に来た高校2年生の女子の患者さんです。

再来年の4月に大学進学を控え、それに伴い県外へ転居する可能性もある、という現状です。

症状としては、上顎左側の丸々一本分の八重歯、下顎前歯の並びが凸凹です。裏側からのブラケット治療を希望しています。

現状で予想される治療期間は1年半~2年というところでした。

 

現在7月下旬です。治療を始める場合、初診相談後に検査、診断、装置装着の準備を経て装置装着になりますから、歯にブラケットが着くのは早くても9月でしょう。

となれば、再来年の3月までに残されている治療期間は1年半です。

なので、転居前にブラケットオフになることも十分考えられます。一方で通常通りの2年という期間がかかれば、治療途中での転院ということもまた十分にあり得ます。

治療途中で転院となった場合、患者さんにとって色々な負担があります。

1つは費用における面、もう一つは治療方法の一貫性における面です。

なので、転院の負担を無くそうと思えば解決方法は簡単で、転居前には治療を始めずに転居先で0からスタートすればいいのです。

これで、転居というイベントから発生する転院という問題を避けることが可能になります。

 

一方で特に女性の方が大学進学後に矯正治療を開始した場合、治療期間に別の考慮すべきイベントが重なってくることになります。

それは、成人式です。

大学進学(転居)後のバタバタが落ち着いてから矯正歯科を受診すると、やはり上記の一連の流れの後に治療開始になりますから、7~8月くらいに治療開始になるでしょう。

すると今度は1年半後に成人式が待っています。多くの方が前の年の10~11月に前撮りをするでしょうから、前撮りまでには1年とちょっと、ということになります。

一般的に、相談の方や治療中の患者さんの反応としては、転居に伴う新生活開始の場面よりも、成人式の場面でのほうが装置が歯に付いていることへの抵抗を持っている方が多い気がします。

さらにその先には就活や就職が待ち構えています。

 

一難去ってまた一難のあとにまた一難とでもいいましょうか。

大学進学や成人式、就職は人生にとっての素晴らしいイベントです。ですが、そのタイミングに矯正治療がかかわってくると、少しややこしくなってしまいます。

 

今回の患者さんに戻ります。

今治療を始めればもし治療が終わらなかったとしても、再来年の3月には概ねキレイな完成に近い状態にはなっているはずです。その後転院のバタバタがあるかもしれませんが、その年の夏~秋にかけては遅くとも治療終了になっていることでしょう。

つまり『転院』を考えに入れなければ、一番早く治療が終わるのは、一番早く治療を始める『今』ということになります。

キレイな状態になることを人生の一番早いタイミングで獲得できます。人生のうちでキレイな歯並びの状態で過ごせる期間が1年半増えるわけです。

 

高校生の矯正治療で転院が絡んでくる場合、どのタイミングで、あるいはどこで治療を始めるかは患者さんもそうですが、保護者の方の考え方によるところも大きいでしょう。

通院圏外への転居を、半年以内に控えているような場合は、それが部分矯正であったとしても転居後に始めた方が良いと思います。

一方で治療期間として1年半の確保が出来る場合は、転居前に始めてもいいのではと考えています。今回のケースのように、大学進学で転居を予定しているような方の場合は特にそう思います。

もちろん現医院でブラケットオフまで進まないかもしれませんし、保定観察はどうする?といった問題はあります。というところを差し引いても、上述のようなメリットの方が大きいと考えるからです。

 

極端な話に聞こえるかもしえませんが、人生では何が起こるか分かりません。2年後に始めようと思っている何かが、別の事情が重なりそのタイミングで始められなくなることもよくある話です。

初診相談で相談者のかたが『あの時治療をやっていれば、、、』と話しをされるのもしばしばです。

 

いくつかの要素が絡んだ問題を考えるときに、まとめて考えることももちろん大事ですが、ひとつひとつの要素をばらして考えることも大事です。

矯正治療ではミクロでもマクロでも優先順位を決めて行うことが大切です。

 

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7月18日(水

『年齢が上がると歯が動きにくくなるのは本当?それとも都市伝説?

 

さて最近猛暑日が続きますね。例年だと、この時期でも裾野では就寝時クーラーいらずのはずなんですが、今年はちょっと事情が違うようです。

 

『年齢を重ねると歯は動きにくくなる』

『若いほうが歯が動きやすい』

相談をしていると患者さんの方から口にすることも多いので、どこかでこんなこと聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。

 

そもそも歯を動きやすくする、にくくする要素はたくさんあります。

不正咬合(噛み合わせ)の種類、骨格のタイプ、咬合力、年齢、、、もっと細かいところでは、歯根の長さ、形態、歯槽骨の幅、硬さ、上顎洞の位置、喫煙などの習慣、、、

などなどです。

レントゲンを撮ってみないと分からない要素もある中で、年齢は高いか低いかだけで、自分がどちらのグループに属するかは患者さん自身で判断できそうな要素ですから、まず気にかかる要素になるのでしょう。

 

ではそもそも年齢を重ねると、本当に歯は動きにくくなるのでしょうか?

実は、なります。

分子生物レベルでの実験結果から、論文などですでにその仕組みも詳しく判明しています。ただ、人で人体実験は出来ませんから、ラットを用いた歯の移動実験でということにはなりますが。

簡単に要旨を説明しますと、次のようになります。

 

歯が移動する際には、”歯を移動させる細胞”が歯の根っこの周りに集まってくることが必要です。この細胞、普段は歯の周りにはいません。歯に矯正などの力をかけると集まってきます。

この”歯を移動させる細胞”が集まってくる(呼ばれてから集合するまでの)速さが、年齢が若いと速いです。また、それぞれの細胞の活きもいいので、少ない数の細胞で仕事をこなせます。

一方で年齢が上がると、この細胞が集まってくるスピードも遅ければ、よりたくさん集まらないと同じ量の仕事がこなせません。

 

単位は適当ですが数で表してみますと、

年齢が若いと、歯を動かすのに必要な1000個の細胞が1日で集まってくる。

年齢を重ねると、1000個の細胞が集まるだけで2日かかるが、歯が動くにはさらにあと1000個の細胞に集まってもらうことが必要(動くまでには4日かかることに)。

繰り返しますが、単位は適当なので個数とか日数はこの通りではないですが、年齢が上がると歯が動きにくくなる理由がお分かりいただけるかと思います。

 

上にも書きましたが、歯の動きやすさには他にも色々な要素がありますし、さらには治療期間ということになると、それを左右する要素はもっと多岐に渡りますから、年齢だけで治療期間の長短どうなるかは判断できません。

 

とはいいつつもやはり一般的に言って、年齢の若い場合の方が歯は動きやすく結果治療期間も短い傾向にある、というのはその通りだとも思います。

 

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6月23日(土

『裏側からの矯正は口元が引っ込みやすい?』

 

気付いたら今月のブログの内容は裏側矯正に関するものばかりでしたが、今回も裏側矯正についてです。

初診相談の際、複数の患者さんから同じような質問をいただくことがよくありますが、そのようなことがあるとすぐブログでも取り上げたくなってしまいます(笑)。

 

『裏側から矯正をすると、前歯が退がりやすいと聞きました。私の前歯も退がりやすくなりますか?』

質問された方は、インターネットの裏側矯正紹介サイトのようなページから情報を得てきたようです。

 

裏側矯正では前歯が退がりやすい、、、果たしてこれは本当なのでしょうか?

回答としては、合ってもいるし間違ってもいる、患者さんのイメージする『退がる』と実際の『退がりやすい』が同じではない、という感じになります。

 

まず原則として、前歯は後方にスペースがなければ後退できませんから、前歯が後ろに退がるのは『後方にスペースを獲得した時』ということになります。

なので裏側矯正をすれば小臼歯抜歯や遠心移動をしなくても、裏側矯正というだけで前歯が後退できるというわけではありません。

患者さんの考えとして『裏側矯正をすれば抜歯をしなくていいのかも、、、』ということがあるかもしれませんが、これは少し違うところです。

 

では前歯が『退がりやすい』とはどういうことなのかというと、これはむしろ施術する側が気にしなければいけない内容で、注意しなければいけない点です。

裏側矯正では抜歯スペースに前歯を引っ張ってくる際、歯の裏側にブラケットがついているという性質上、とても内側に倒れこみやすいです。前歯の移動距離が大きい(よりたくさんの量前歯を後退させる)人ほど、その倒れこむ引きしろは大きくなります。

なので『退がりやすい』というよりは『倒れこみやすい』という方が的確な表現ですが、この倒れこみは程度にもよりますが、治療上好ましくない現症であることが一般的です。

逆に倒れこみを起こさせずに後退させることが、理想的に求められる後退のさせ方だったりします。(もちろん計画的に倒れこませることもあります。この場合の倒れこみは必要な倒れこみと言えます。)

前歯の倒れこみが大きくなってしまうと、それは小臼歯のあたりまで別の影響が出てしまっていることが多く、治療中とはいえ好ましい状態ではありません。

 

ただ、やや前歯に凸凹があって、それを一列にするための小臼歯抜歯をしたりしない場合、表側に装置が付いていると『バンッ』と前歯が前に張り出して並びますが、裏からのアプローチだと前に出にくい、ということはあります。

なので患者さんが想像する『前歯の退がりやすさ』とは異なるとは思いますが、一列にした際の前歯が『出にくい』要素は持ち合わせているとは言えることにはなるでしょう。

 

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6月15日(金

『裏側からの矯正あるある』

 

つい先日、裏側からの矯正治療(リンガル)を終え、保定に移行した患者さんです。

 

裏側に限らず、マルチブラケット治療の終盤はディテーリングといって、細かい歯の位置や噛み合わせの調整をする期間に充てられます。

この段階までくれば抜歯した方でも隙間は閉じているし、パッと見キレイな歯並びは達成できているような状態になっています。

ですから、いざ装置を外すときの状態と、そこからさかのぼって3~4か月くらいの前の状態とでは、患者さんがご自身で自分の歯並びを鏡で見て、感じ取れる大きな違いはないかもしれません。

 

では表側矯正と裏側矯正の方で比べた時、治療終了となり実際に装置を外した時と、外す前(直前でも数ヶ月前でも)とでの患者さんの感じ方に違いはあるのでしょうか?

実はこれ、とても大きく違います。

 

まさに今、装置を外そうとしているような歯並びが一列になった段階でも、歯のおもて側にブラケット装置がついているといまいちその一列具合を実感できません。ブラケットの厚みの分、口元も少し張りが出ている場合もあるくらいです。

なのでブラケットオフの診療回でも、まだ装置のついている来院時と装置が外れた退院時とでは、ご本人の歯並びに対する見た目の感じ方はかなり大きく違ってきます。

 

一方で裏側、特に上下歯列ともに裏側から治療をしてきた方はどうでしょう。装置を外す数ヶ月前からはすでに歯並び・噛み合わせとも完成に近い状態です。

上下裏側からの場合、当然歯のおもてにブラケット装置は付いていませんから、外からの見た目で言えば、すでに装置は外れている状態と同じです。

ブラケットオフと言っても、見えない歯の裏に付いている装置を外すだけですから、外した後と前とで、外からの見た目は全く変わりません。

なので装置をオフし、鏡を見た時におもて側からの治療の方にある『うわぁ~!』という驚きが裏側の方にはほぼほぼありません。邪魔な位置にあったブラケットがなくなり、『あ~スッキリした!』と感じている方はたくさんいます。これはおもて側の方も一緒ですが。

 

治療期間中装置が見えない、見えない位置にあるから歯の移動の経過や結果をダイレクトに実感できる、これは裏側矯正のメリットでもあるんですが、オフ時にその並びを見てもあまり驚かない、、、むしろ『うん、知ってた』くらいのリアクションは、ブラケットオフの時に裏側矯正の方にあるあるな光景です。

 

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6月10日(日

『最初からフルリンガル(上下裏側からの矯正)を希望』

 

先日診断を終えた患者さんです。

 

裏側からの矯正を始める患者さんは、裏側から始めることを来院当初から決めていることが多い傾向にあります。

目立ちにくいホワイトにしようか、見えない裏側にしようかで迷って裏側にする、という方は意外に少ないです。

一方で、裏側からと決めている方でも、上下裏のフルリンガルにしようか上は裏下は表のハーフリンガルにしようかを迷う方は多くいらっしゃいます。

下顎の歯列は歯列そのものが下唇に隠れて見えにくいこと、下の裏に装置を付けた場合上の裏よりもやや違和感があること、ハーフリンガルの方が費用が抑えられること、等々の点からハーフリンガルという選択の魅力は大きいのだと思われます。

 

ところで実は、『下の歯列は見えいにくい』のは万人のかたに共通な特徴ではありません。主に出っ歯さんで上の歯列が出ていて、相対的に下の歯列が引っ込んでいるようなタイプの方ではよく見られる特徴です。

逆に下顎前突や受け口とまではいかなくても、やや骨格的に下顎が出ているような方の場合、上よりもむしろ下の歯列の方がよく目立つなんていう場合もあります。

 

今回の患者さんはご自分の歯列の特徴をよく捉えていて、

『私は下の歯列の方がよく見えてしまうので、上はもちろん下も裏からやりたい』

と相談の時点でお話をしていました。

 

ただ診断の際も下の裏に装置を付けた場合の違和感を心配していましたが、表に付けた場合も少なからず違和感はありますし、上の裏に装置を付けてその違和感にびっくりしていた方が、『なんだこんなもんか』と下の裏に装置を付けた際には言っていた、なんてこともありますから、感じ方の個人差はありますがそこまで過敏になる必要もないのかもしれません。

 

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5月21日(月

『1年半ぶりの”初診”相談』

 

”ぶり”ですから厳密には初診ではないですが、先日本当の初診相談から約1年半ぶりに再相談に来られた患者さんがいました。

矯正歯科では特に小児のお子さんで多い気もしますが、初診相談から1年と言わず、2年、3年経って再度相談に赴く、というケースが少なくありません。

ホームページのフォームからのご予約であったため、その後この患者さんのカルテを見返してみると、相談内容に、

『来年3月に転勤の可能性有。そこで転勤がなければそこからあと2~3年はないと思うとのこと。』

と記載がありました。となれば今回予約を取った理由の予想が付きます。

 

実際来院された際お話を聞いてみるとまさにその通りの理由で、治療も開始する運びとなりました。ただ、今度は再来年の3月には転勤がほぼ確定という見通しであり、また仮に一番近い支社への転勤となった場合でも当院へ通える距離ではありません。

なので矯正治療を今始めた場合、再来年3月に終わっていればそれでよし、終わっていなければ転院ということになります。

そこまでに、正味1年8~9か月の治療期間ということになりそうですが、幸いにも症例的に治療終了となることに無理のある期間ではなさそうです。回り道や行ったり来たりをしているとすぐに経過してしまう期間でもありますが。

 

もちろん保定期間はどうする?という問題もありますが、それを言っているとこの方は一生矯正治療を出来なくなってしまうかもしれませんから、当院でブラケット終了まで、保定は転居先にて、とういう形が生活面も治療費用的にも望ましい形態であることは間違いないでしょう。

 

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5月18日(土

『治療終了(ブラケットオフ)、続々と。』

 

当クリニックは2016年の7月開院ですので、現在開院から2年弱を経過したことになります。

矯正治療の経験者の方はご存知の通り、矯正治療は仮に治療する気まんまんで矯正歯科医院を受診しても、

初診相談

検査(後日)

診断(通常、検査から1~2週間後)

医院によっては歯磨きチェックの回など

用いる装置によっては装置準備のための歯型を採取

やっと装置装着、治療開始。

のような行程を進んでいただくことになるため、むし歯の治療のように来院日=治療開始日のようになることはありません。

患者さんによっては治すべきむし歯があったりすれば、装置装着はその虫歯を治してからになりますから、上記にさらに1行程プラスしてやっと治療開始になります。

いろいろな都合がうまくつけば、初診相談からひと月未満で治療開始となる場合もありますが、だいたいはひと月~ふた月後に始まる場合がほとんどです。

 

なので開院後、当院で一番早く装置を装着した方でも、8月終わり~10月ころとなっていました。

しかもこの時期にスタートした方たちは、開院というスタートラインが決まっていた状況だったので、『どどっと一斉スタート』という形で治療開始となった方たちでした。

 

そこから1年半ほど経過した現在、今度はどどっとブラケットオフの時期を迎えています。

本日だけで2組、今週もう1組、来週以降も予定あり、さらにブラケットオフのためのリテーナー印象のアポイントも何件か入っているため、今後続々とオフが続くことになるでしょう。

 

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5月7日(月

『メール相談~非抜歯矯正でのセカンドオピニオン』

 

GWの休診中にメール相談を何件かいただきました。うち2件がセカンドオピニオンに関するものだったので少し触れたいと思います。

 

さて『非抜歯矯正』という言葉を、主にはインターネット上でよく目にします。

『そちらでは非抜歯矯正はやっていますか?』

という問い合わせはこれまでにもあります。

 

マルチブラケット治療において抜歯か非抜歯かはその症例によります。『詳しく分析したり、患者さんの主訴をうかがったりして、必要なら抜歯、そうでなければ非抜歯』ということになりますから、当然非抜歯矯正やっていることになるわけです。これはどこの矯正歯科医院でも同じでしょう。

一方で上のお問い合わせは少しニュアンスが違います。どちらかというと『そちらは全ての矯正を非抜歯にて行う、非抜歯専門医院ですか?』というくらいの意味合いが含まれています。

実際ネット上で”非抜歯 矯正”と検索すると、非抜歯専門でやっている旨を紹介しているサイトも多々見受けます。

 

近年ではアンカースクリューの普及もありますから、並びの凸凹がある場合の抜歯の必要度は確かに下がっていると言えるでしょう。

しかしその程度が大きい場合や、口元の突出が主訴である場合などはやはり抜歯が必要となる場合も多いです。

 

そこで本題に戻ります。

相談の方は現在ブラケット治療後2年を経過した方です。当初より並びは一列に近くなったものの、犬歯の八重歯感がまだぬぐえない、上下の前歯が当たらなく出っ歯になった感じがする、奥歯で噛みにくいということを主訴としていました。

添付いただいた写真で判断すると、臨床的には、叢生、前歯部開咬、上顎前突、臼歯部鋏状咬合という診断名をつけることが出来る状態でした。

治療前には叢生だけだった悩みが、治療によって開咬や出っ歯、奥歯でものを噛みにくいなど、いくつにも増えてしまった現状です。

 

歯の移動は魔法ではなく、単純な物理の法則に従っている面も多々あります。はみ出している歯が歯列に戻るためには、戻るためのスペースが必要です。

スペースの獲得方法は、

1.前方への拡大(前歯を出して歯列の外周を広くする)

2.側方への拡大(歯列の幅を広げて歯列の外周を広くする)

3.後方への拡大(いわゆる遠心移動)

4.IPR(歯の側面を数歯に渡ってやすりがけをします)

5.抜歯

があります。

手っ取り早いのは1や2です。はみ出している歯にブラケットを付けてワイヤーを通せばおのずと1や2をしたことになるからです。つまり歯列は側方に大きく拡大し、前歯は出ます。

はみ出していた歯が歯列に入ったというよりは、はみ出した歯の位置まで他の歯が出てきて大きな外周を描いて並ぶようなイメージです。

一般的に前歯がもっと前に出るのは審美的にも好ましいとはされませんから、抜歯をしない場合のスペース獲得方法は、適度な側方への拡大とIPR、必要量の遠心移動が必須となるでしょう。

1や2はブラケットとワイヤーがあれば誰でも施術できますが、3の遠心移動には技術が必要です。つまり、鋏状咬合や開咬、さらには前歯が大きく出てしまう仕上がりに技術は必要ありませんが、そうはならずに非抜歯で重度の叢生を治すには技術のみならず患者さんの生体側の条件など他にもいろいろな要素がそろっていることが必要なのです。

 

非抜歯で治療可能という言葉の響きはとても良く聞こえますが、患者さんは治療前に、ご自分の治療がどういう方法で行われるのか、提案された方法だと仕上がりはどうなるのか、などなどをしっかり確認することが大事です。

またその医院で治療するしないは別として、初診相談の段階で数軒の専門医院を受診してみて広く専門家の意見を取り入れてみてもいいと思います。近々結婚式があるとか、就職活動が始まるといった事情は別として、矯正治療はその開始のタイミングが”一刻を争う”ことは稀です。開始が1か月2か月先、あるいは半年1年先になったとしても、『1年前だったらこの方法で治療出来たのに、時間が経っちゃったからもう出来ないよ』となることはほとんどありません。
子どもだったり、成人でも5年10年経過していれば話は変わりますが、、、

 

患者さんの側でも『本来抜歯のケースを非抜歯で治す試みは、治療の難易度を上げることが多い』ということを把握している場合が多いと思います。

受診した全ての歯科医院で『これは抜歯でしょう』と言われれば、どうしても抜歯が必要な症例んだと思うかもしれません。

一方で複数の歯科医院で抜歯と言われたが、一つの医院で非抜歯で出来ると言われたのであれば、抜歯での治療を提案された歯科医院で受けた”非抜歯では出来ない理由”をぶつけてみるのもいいでしょう。

 

今回メール相談を受けた患者さんを正常咬合まで治そうと思うと、上下小臼歯抜歯が必要で期間も2年以上はかかると思います。丸々一回分の矯正治療と同じです。このようなケースからも、非抜歯とすることで難易度が大きく上がるケースでは、そのくらい慎重であっていいのかもしれません。

 

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4月25日(水

『前歯を引っ込めたいだけなのに、下の歯列にもブラケットを付けなきゃいけないのは何故?』

 

さて前回の続きです。

上の前歯を後ろに退げるのに、なんで下の歯列にも装置を付ける必要があるのでしょう?

 

大きく括ってしまえば、理由は『噛み合わせ』にあります。
さらに『噛み合わせ』の中にも、いくつか別個の理由がありますが、文字で書いても比較的理解しやすいところを説明します。

また機会があれば図などを用いて、『スピーカーブ』や『前歯の後退量』などという点から書こうと思います。

 

なので今回は”奥歯の噛み合わせ”という点から説明します。

前回、『前歯を奥歯から引っ張ると前歯が後ろに後退するだけでなく、奥歯もつられて前に動いてしまう』ということを書きました。

実はこの”奥歯が前に動いてしまう”こと、この問題は単にその分前歯を後退させる量が減ってしまうことだけにとどまりません。

奥歯が動くということはイコール『噛み合わせが変化する』ということにもなるのです。

 

矯正治療だから奥歯も含めて歯が動いて当然では?と思う方もいるでしょう。もちろん動いていいのですが、”下の奥歯も動いていいならば”という条件が付きます。

虫歯治療の歯医者さんで、虫歯治療後に詰め物を入れたことがある方には分かりやすいかもしれませんが、入れた直後カチンと噛んでみると、そこだけ噛み合わせが高い、強く当たるなんていう経験をした方も多いと思います。

その際、その強く当たる部分の詰め物を少し削れば問題は解決します。

ではそもそも、”強く当たる”と感じた部分はどのくらいその詰め物が出っ張っていたのでしょう?それはおそらく”0.数ミリ”ほどです。決して1mmも出っ張っていることはありません。つまり歯は0.数ミリほどの違いをを違いとして感知できてしまうわけです。

 

歯の移動についても同様のことが言えます。

上の奥歯が前歯によって引っ張られれば、奥歯は前方に動きます。今度は0.数ミリというわけにはいきません。数ミリ単位で動きます。

それだけ動けば当然以前奥歯があった位置と大きく変わることになりますから、噛み合わせが変わってしまいます。

 

ところで、前歯に引っ張れてやってきた奥歯のこの位置、奥歯にとってはどのような位置になるのでしょう?

奥歯が今いる位置は、抜歯してできたスペースを埋めるために引っ張られて”しょうがなく”やってきた位置であり、良く噛める、いい噛み合わせになることを基準に動かされた位置ではありません。

噛み合わせはもちろん、上下の歯があっての噛み合わせです。スペースを閉じること優先で移動してきた上の奥歯のその位置が、下の奥歯との良い噛み合わせが達成される位置になっているとは限らないのです。

 

前歯はそこそこ後退したけど、噛み合わせが治療前と比べて悪くなった、噛みにくくなったということになれば、本末転倒のような気すらします。

一方で、上記のような状況で、下の奥歯にも装置が付いていたらどうでしょう?

すると下の奥歯も動かすことが出来るので、上の奥歯にとっての下の奥歯の良い位置、下の奥歯にとっても上の奥歯の良い位置にそれぞれを動かすことが出来ることになり、噛み合わせの問題が起こらないのです。

逆に言えば、奥歯を動かすような治療は(例外を除き)、上下の奥歯にブラケット装置を付けることが必要、つまりは全体矯正としてアプローチすることが必要ということになるのです。

 

これは、部分矯正が前歯にしかブラケットを付けない理由と同じ理由です。

このブログでもよく取り上げる、部分矯正が適応かどうかの問題ですが、その判断基準の一つにまさに『前歯を動かすことで奥歯の位置が変わってしまわないか』というものがあります。

前歯にしか装置を付けなくても、前歯を動かす量や程度が大きい場合、その反動で奥歯が動きうることがあります。部分矯正ではやはり前歯にしか装置を付けませんから、奥歯が動いてしまって噛み合わせに影響が出た場合、それを治す術がありません。

ですから、奥歯に影響が出ない範囲で対応できる前歯の程度かどうか、というのが部分矯正にとってはとても大事な要素になるのです。

 

でも確かに、新しい環境への適応というか単純に慣れもありますから、しょうがなく動いた奥歯の位置でなんの問題も起こらないこともあるでしょう。でも何かが起こった場合、そこから深刻な問題へ発展することもあるかもしれません。

体のこと、医療のことですから、イチかバチかでやるものでもないですしね。

 

ですので当院では、上の前歯を退げたい、口元をスッとさせたいことが主訴・ご希望の方にはもれなく全体矯正をお奨めしています。

 

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4月18日(水

『なぜ前歯を引っ込める治療は部分矯正では出来ないんですか?という質問

 

初診相談や、メール相談、ブログへのコメントなど色々なところでいただく質問なので、いったんまとめてみようと思います。

 

まず原則として、『部分矯正でブラケットを付けるのは、前歯6本(犬歯含む)まで』というものがあります。

前歯を後退させるために通法では、犬歯の後ろの第1小臼歯という歯を抜きます。抜いてできたスペースに前歯6本を移動させることで前歯は後退します。

ではこの前歯6本は”誰”に引っ張ってもらうのでしょう?

というのも、抜歯したスペースに向かって前歯6本を移動させますから、抜歯した部分より後ろの歯から引っ張ってもらう必要があるのです。となれば後ろの歯にも装置を付ける必要が生じます。

ですから、この時点でもう部分矯正ではなくなります。

 

部分矯正で前歯を後退させる治療はありませんから、すでに架空の話ですが少し続けます。

後ろの歯から引っ張る場合、どの歯から引っ張りましょう?

主訴が”前歯を後退させたい”ですから、抜歯したスペースは丸々前歯の後退のために使いたいですよね。

なぜこんなことを言うかというと、前歯6本を奥歯から引っ張ってもらうとは言っても実際の図式は、『前歯VS奥歯の引っ張り合い』です。奥歯は前歯を引っ張りますが、同時に前歯から引っ張られる力を受けることにもなります。

そうなると、せっかく前歯を後退させるために歯を抜いてまでして作ったスペースが、奥歯が前に来ることで閉鎖してしまうことになるのです。これでは前歯は思ったほど後ろには退がってくれません。

ところで、抜歯したスペースの後ろには、順に『第2小臼歯』『第1大臼歯』『第2大臼歯』と3本の臼歯が続きます。

上記引っ張り合いで、なるべく前歯6本が後退する割合を多くしたいのであれば、引っ張る側も人員を増やす必要があります。

つまり、第2小臼歯から引っ張るよりは、一番後ろの第2大臼歯から引っ張ったほうが、前歯に引っ張られ(つられ)にくくなるわけです。

となれば、ブラケットは一番後ろの第2大臼歯まで装着する必要が出てきます。一方でこれは上の歯全部に装置が付くことを意味しますから、部分矯正の範囲を大きく超えてしまうことになります。

 

以上が歯を抜いて前歯を後退させる治療が、部分矯正ではない理由です。別の観点からの説明もありますが、上のような回答をすると理解いただけることが多いです。

 

そして類似のよくある質問に、

『前歯を引っ込めたいだけのに、上の歯列だけではなく下の歯列にもブラケットを付けなきゃいけないのは何故?』

というのもあります。

この答えはまた次回以降で書きたいと思います。

 

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3月24日(土

『裏側矯正は部分矯正が得意?!

 

さて3月も下旬です。たまに寒い日があるものの基本暖かくなってきました。

 

部分矯正は裏側からも可能です。最近部分矯正を裏側から行うことになった患者さんが何人かいましたので取り上げてみたいと思います。

 

可能ではありますが、表側矯正と同様に部分矯正としての適応症かどうかという判定がやはり必要になります。

これとは別にさらに裏側矯正特有の、部分矯正を裏からする場合に必要な判断基準というものもあります。

この点をクリアできた場合の、部分矯正を裏側から行うメリットは次のようなものが挙げられます。

・外から装置が見えない、周囲に気づかれない

・治療中でも並びの一列を比較的早期から実感できる

・前歯が前に出にくい

上2つは裏側の全体矯正でも同様なので、ここでは説明を省きます。

 

表側からの部分矯正との大きな違いは3つ目の『前歯が前に出にくい』という点です。

ところで全ての物体には抵抗中心というものが存在しています。その中心に対してどこに力を掛けるかで、その物体がどう動くかが決まります。

例えば、スカイツリーを巨人が押す姿をイメージしてください。

てっぺんのあたりを押せば、ツリーは倒れてしまうでしょう。一方で脚の部分を押せばツリーはズリズリと倒れずに平行移動するでしょう。

 

歯の抵抗中心の詳しい話は省きますが、スカイツリーと同様のことが歯でも起こります。

装置を表に付けるか裏に付けるかで、歯に同じ力を同じ向きに掛けても歯が動く方向が異なるのです。

表からの部分矯正では物理的に避けられない『凸凹は一列になるが歯が前に出てしまう』という現象。これが裏側では起こりにくくなります。つまり、装置を歯の裏側に付けるということで、歯の頭は内側に入って一列になろうとするのです。

もちろんこれもいいことばかりではありませんし、程度が大きければ裏側でも歯は前に出ます。

 

ですがそのメカニズムをうまく利用できれば、部分矯正を裏側矯正で行うのは”向いている”治療ということが出来るでしょう。

 

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3月8日(木

『インシグニアで表側でもオーダーメイド矯正

 

さて矯正治療でも『オーダーメイド』という言葉が使われることがよくあります。

突き詰めれば矯正治療は全てその患者さんに即したオーダーメイド治療なんですが、使用する装置については、オーダーメイドかレディーメイドか区別することができます。

 

例えば子供の治療では、

型採りをして、その型を基にして作った装置(拡大プレート、バイオネーターなど)→オーダーメイドの装置

型採りが必要ではなく、既に存在する原型を調整して使用する装置(プレオルソなど)→レディーメイドの装置

と分けることが出来ます。

 

同じような基準でマルチブラケット装置も分類することが出来ます。

レディーメイド→通常の表側ブラケット装置

オーダーメイド→裏側のブラケット装置

マルチブラケット装置ではありませんが、インビザラインなどもオーダーメイド装置に分類できるでしょう。

要は、その装置を作製するために、そのための型採りが必要かそうでないかでオーダーかレディかが分類されるといえます。

(※通常の表側矯正でも、装置は既製のものであっても歯に付ける位置は患者さんごと異なりますし、使用するワイヤーの形態も患者さんごとで異なりますから、それを以てオーダーメイドといえばもちろんオーダーメイドです。)

 

通常表側のブラケット矯正は、そこに歯があり、さらにブラケットと接着剤さえあれば、臨床的に問題ない正確な歯の位置にブラケットを付けていくことが出来ます。ほとんどの矯正歯科医院で行われている方法です。

裏側矯正ではそうはいかないことはこれまでに触れたとおりです。

裏側矯正では必要性から端を発してオーダーメイドの装置を作製するため、好むと好まざるを選べません。でもその制作過程で『セットアップ模型』というものを制作しますが、これをもとにしてブラケット装置が作製されることで、得られるメリットはとても大きいものになります。

 

表側矯正にもそのメリットを活かそう、としたものが題名にもある『インシグニア』です。表側矯正では先に述べたように、歯と装置と接着剤があれば治療が問題なく開始できます。そこを敢えて、裏側矯正のようにセットアップ模型(デジタルですが)を作製しさらにそこからオーダーメイドのブラケット装置までも作成し治療を開始しようとするわけです。

ですからそのメリットが本当に大きくないと、このシステムも開発されていないと思いますし、矯正歯科医からも選ばれていないでしょう。そのメリットは患者さにも、医院にも、施術する側にも確かにあると考えられるので、当院でも今後導入していく予定です。

 

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3月4日(日

『裏側矯正での舌の違和感は人それぞれ

 

さて先日、同日に裏側矯正の装置装着となる患者さんが二組いました。

どちらもすでに上の裏には装置を装着していて、その日は下の歯列の裏にブラケット装置を付けるという回でした。

歯列の特徴などの詳細は省きますが、一方の方はブラケットから舌までの距離が比較的ある方、もう一方の方はその距離が短い(装置と舌が近くに位置する)方でした。

どちらにも以前から『下の裏側は違和感感じる方も多いですよ』というアナウンスをしていたものの、上の違和感がそれほどでもなかったという経緯から、患者さんも『大丈夫じゃない?』くらいの感じでした。

 

そして装置装着後。

『結構違和感ありますね、、、』と言ったのは”ブラケットから舌までの距離がある方”のほうでした。距離があるということは、ベロを動かしても動く範囲で装置には当たりにくいということを意味します。となれば違和感も少ないはずです。

一方で、後者の方は『こんなもんでしょうね、上と同じくらいです。すぐ慣れると思います。』とのこと。装置と舌が近いということは、ベロの動く範囲に装置があるということで、ベロが動けば装置に当たります。当然違和感も出るはずです。が、それほど感じていないのです。

 

なのでそ上記のような要素だけでは計ることのできないところが、違和感の感じ方としてはあるのでしょう。

 

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2月17日(土

『メール相談で、マウスピース矯正についてのセカンドオピニオン

 

先日のメール相談です。

現在一般歯科でマウスピース矯正(インビザライン)を行っているとのこと。

噛み合わせがあっていないことを担当医に告げると、続きは矯正の専門医院でしてほしいと言われた、という経緯でした。

治療開始前と現在の写真を添付いただいていたので比較してみると、凸凹は比較的一列に近くなっているものの、奥歯の噛み合わせが反対になっています。つまり、上の歯列が下の歯列を覆えていない噛み合わせです。前歯は突き合せになっています。

臼歯部反対咬合と切端咬合

という不正咬合になるでしょうか。

 

回答としては、

まずは現在の担当医とお話をしていただくこと。治療の継続(現院あるいは他院での)はもちろん費用のこともうやむやになっている様子だったため、まずその辺りを整理することを勧めました。

そしてその後、仮に当院で治療の継続を希望する場合は、マウスピースではなくブラケット治療ですることになるだろう旨を伝えました。現在でそれなりの治療期間が経過していること、現在の状態では、取り外しのマウスピースよりも付けっぱなしのブラケットの方が確実で、かつ再開までの期間や再開後の進行も早いと考えられたためです。

恐らくこのケースは、これまでどういう治療をしてきたからここからはこうする、、、という治療計画を立てるよりも、現状としてこうである噛み合わせ、不正咬合である『初診の状態』として捉えないといけない症例でしょう。

 

以前、マウスピース矯正で好ましくない歯の動きをしてしまったという方のクリンチェック(インビザラインの設計図のようなもの)を見させていただく機会がありましたが、『どんな方法を使っても、歯はこんな動き方をしない』という魔法のような動き方が設定されていました。

歯の動き方には規則があります。これはブラケット治療でもマウスピース治療でも共通です。多くの矯正医はまずそれを学び、ブラケット治療をする中でその規則を自分のものにしていきます。

インビザラインはその過程を経ていない、矯正歯科学会の認定医等ではなくても、患者さんに施術が可能です。

さらにマウスピースにはマウスピース特有の歯の動き方がありますから、歯の移動の原則を知ったうえで、マウスピース特有の動き方も習得した医師でないと、安心、安全な治療は提供できないということになると思います。

個人的には、表側のブラケット矯正との比較で言えば、裏側のブラケット矯正よりもマウスピース矯正の方が違いが大きいと感じます。

 

マウスピース矯正での医院選びは、通常のブラケット治療を考えての医院選びよりも慎重であっていいと思います。

 

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2月10日(土

『デジャヴ

 

意味不明なタイトルですが。

 

マルチブラケット治療にはディテーリングといって、治療の後半に噛み合わせの最終調整を行うステージがあります。

ワイヤーを調整したり、ブラケットの歯に付ける位置を変えたりなどといったことを主にすることで、噛み合わせをより緊密にしていきます。

その際よく併用されるのが、ご存知の方もいると思いますが、あの『ゴム』です。

歯科医院で掛けるお口のなかにかけっぱなしのチェーンのようなゴムではなく、患者さんが自分で掛けはずしをするあの『ゴム』です。

必ずしも治療の終盤のみで使われるとは限りませんが、多くは後半で使用されます。

 

矯正治療で使う装置は、患者さん自身で取り外しのできる装置と出来ない装置に分類されますが、このゴムは取り外しのできる装置に分類されます。

マルチブラケット装置やワイヤーは患者さん自身では取り外しができませんが、ゴムは出来ます。

マルチブラケット装置やワイヤーは患者さん自身で取り外しが出来ない代わりに、患者さんが取り外しを頑張らなくても歯が動きます。一方で、ゴムは取り外しができてしまう代わりに、患者さんがその装着(と外し)を頑張らないと歯は動きません。

ワイヤーは24時間歯に付いていますから、24時間歯には動かす力がかかります。ゴムは付けている時間しか力を発揮しませんから、付けている時間=歯が動きうる時間ということになります。

なのでゴム(正式には顎間ゴムといいます)は、歯の動く動かない、もっといえば治療の上手くいくいかないを、患者さんに委ねる装置とも呼べるのです。

前置きが長くなりました。

 

先日もう少しでブラケット治療の終わりそうな患者さんの診療をしていました。高校生の女子です。この前の回にゴムの宿題を出していました。

ところでゴムは、上記のようにお口の中でつけっぱなしでいることが難しい装置です。

というのも大抵は上の歯と下の歯にまたがって掛ける必要があるため、掛けている間は口が開きにくかったり、しゃべりにくかったり、掛けてること自体が気になったりもします。当然何かを口にする際にはいったん外す必要がありますから、食べ終わった後に付けるのを忘れてしまう、、、なんてことも起こり得ます。

患者さんにも、

付ける時間が長いほど歯はよく動く=よく動くほど速く治療が進む=治療が進むほど早く治療も終わる

という図式は頭の中にあるものの、現実的なところで付けている時間の確保が難しい場合も大いにあるのです。

 

この患者さんは、下の奥歯を手前に寄せるゴムを掛けていました。付けることになってからの最初のひと月だし、学校や家庭では部活や勉強、塾も忙しそうだし、奥歯が動いていても少しだろうなぁ、という予想?でいました。

しかしいざお口の中を見てみると、、、なんと隙間がもうない!?

動きにくいとされている奥歯の、すぐ手前にあった2mmほどのスペースが、その奥歯が前に来ることで閉鎖されていました。

2mmというと『なんだ2mmか』と思われるかもしれませんが、お口の中のスペースで2mmはそこそこ大きいですし、下の奥歯を、ゴムという手段によって前に来させて閉鎖する距離としては、なかなかの量です。

それが閉じていたわけですから、『すごいゴム頑張ったんじゃない!?』となるわけです。

『何か食べてるとき以外はほぼ掛けてた』とのことでした。

 

そしてこの言葉を聞いた瞬間、いつかの一場面が頭をよぎりました。あれ、、、こんな場面でこの言葉を聞いたことがこれまでにもなかったっけ、、、

以前の職場で診療していた時のこと。治療の終盤、下の前歯の真ん中が右にずれている、やはり高校生女子の患者さんがいました。上下の歯列の正中が合えば治療も終わりです。仕上げに、その正中合わせをゴムで行うことになりました。

交叉ゴムといって、上下の前歯を横断(斜断?)して掛けるタイプです。前歯のど真ん中を横切りますからとても目立ちます。しゃべりにくく、口を閉じにくい点も奥歯にゴムをかけた場合以上です。なので、この交叉ゴムを一日中掛けておくというのは、実生活の中では難しいです。

ただ家にいる間、就寝時も併せ10~12時間ほど使用を確保できれば、十分効果は期待できますから、その中でやってもらうよう指示をしました。

 

そして次の回。

ゴム出来た?と聞くと『出来た!』とのこと。

ではいざお口拝見、、、

(あれ?あまり変わってないな、、、ずれたままだ、、、)

(?)

(?!)

(!!)

最初気づけませんでしたが、なんとずれている方向が”逆”になっていたのです。つまり、下の歯列の正中が右にずれていたのが、ゴムを頑張りすぎて効果が出すぎて、下の歯列の正中が上の歯列の正中に対し、ちょうどいいところを通り越してさらに左にずれるというところまで変化していたわけです。

『かなり頑張ったね』と聞くと、

『食事以外はだいたいしてた』

 

この場面でした。

患者さんが高校生の女子だったこと、予想以上の移動距離、予想以上の頑張り、そして特徴的なセリフと、色々な状況が類似していたため、思い出されたのでしょう。

 

余談ですが、顎間ゴムはアンカースクリューの普及で確かにその登場回数は減っていると思われますが、0になる、ということにはなっていません。

ところで、治療途中でゴムやスクリューが必要になることがあります。治療の最初からスクリューが絶対に必要な状況とは違って、この場合、

『ゴムでも治るだろうけど、スクリューならその確実性が高い』

という状況であることが多いです。

なので、患者さんには、

『ゴム頑張れば全然治る範囲の程度だから、まずはゴムでやってみようか』

と説明しゴムをスタートします。

ここでゴムを頑張ってくれる場合はいいんですが、中にはゴムの使用時間が確保できない患者さんも出てきます。

どうしても事情があって掛けられない人もいれば、単に面倒くさくてしない人もやはりいます。

前者の方はゴムをする”余力”がない方ですから、そのまま抵抗なく、諦めもありスクリューに転向していけることが多いです。

一方で後者の方、面倒くさくてしなかった方には余力がまだまだあります。やろうと思えばゴムの時間を確保できる方たちですから、やろうとさえ思ってもらえればゴムをしてもらえるはずです。でも皆さん口を揃えて『やる時間がない』と言いますが(笑)。

このゴムかけ、してくれない方に延々とゴムを指示しても、いたずらに時間を経過させてしまうだけです。なので、ゴムをスタートする際に期間を決めています。

ゴムかスクリューかの選択で、(スクリューが嫌で)ゴムを選んだ人たちです。そのゴム掛けを頑張れなかったり、効果が出なかったりすれば、必然と残された選択肢はスクリューのみということになってしまいますが、でもそれは嫌なわけです。

3ヶ月の期間が近づいた頃、

『ゴム本当にやってる?しなくてもいいけど次までやってこなかったり効果が出ていなかったりしたら”ネジ”打つよ』

とハッパ(?)をかけます。すると1ヶ月後、、、

『え?すごい治ってるじゃん!?やる時間ないって言ってたけど、実はあったってこと?』

『飯以外はだいたいしてた』(笑)

このパターンは中高生の男子に多いですね(笑)。分かる気がします。そして何やら誇らしげなのも微笑ましいです。

 

厳密に言えばゴムとネジの治り方は異なりますから、必ずしもネジの代わりにゴムがあるという位置づけではありません。

でも、代用の効く場面はたくさんあります。そういう意味でもゴムが使用されるシーンはまだまだなくならないでしょう。

 

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1月29日(月

『ハーフリンガルは矯正歯科医でも気づかない?!

 

先日、歯科関係ではない取引業者の方と打ち合わせをする機会がありました。

どちらも初対面で東京から来ていただいたのですが、一人は男性、もう一人は20代の女性の方です。女性の方には、職業柄そこに目が行くというか、”矯正治療済み”かな?と思うほど歯並びキレイだなという印象を持ちました。

ただ後付けの言い訳ではないですが、何か『あれ?』という感覚を持った、というのもありました。

 

30分ほどの短い時間でしたが、初めの15分ほどは主に男性の方と話をし、その間女性の方は相槌だったり、ごく簡単な補足説明をする程度でした。

後半から女性の方と主に話すようになりましたが、話し始めて少し経ちやや大笑いするような内容があった際、女性の方も少し大きく口をあけて笑う場面がありました。

すると、、、

もうとっくにお分かりかと思いますが、そうです、女性の方は下の前歯にブラケットを付けており、つまりは矯正治療中だったことが判明したのです。

※写真はサンプルです。上記の方のものではありません。

上の歯列は裏側、下は表、のハーフリンガルという方法での治療中でした。

逆の先入観というか、上の歯列の見えるところに装置が付いていないわけですから、下の歯列の”現物”が見えない限りは、矯正中だとは思いようがありません。

女性の方も、

『下の歯を故意には隠そうとはせず自然にお話をして、先生がいつ気づかれるかと窺がっていました』

とのこと。

上の歯列は小臼歯の抜歯をしているということですが、現在治療を開始して1年半を過ぎたところです。抜歯スペースもほぼ閉鎖、歯列は一列、口元の突出もない、そこに装置が見えないということも併されば気付きようがありません。

 

これまで自分の患者さんや知り合いなど、すでにハーフリンガルで治療をしているということを自分が知っていてその方と接することがほとんどでしたから、たとえ装置が見えていなくてもそのことに驚かされることはありませんでした。

なので今回の体験は施術する側としてもとても貴重です。

 

矯正治療中であることが判明するよりも先に、矯正治療が終わってキレイな歯並びが達成できた状態と矯正歯科医に思わせてしまう、、、

上下裏のフルリンガルならまだしも、下は表に装置が付いているにもかかわらずですから、ハーフリンガル恐るべし、、、

 

ただ、やられっぱなしではなく何か”あれ?”という感覚を持てたのが、矯正医として最後の砦を守ったというか、ちょっとは抵抗できたぞ、というところでしょうか。(笑)

 

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1月5日(金

『新年最初の診療内容

 

当院は本日より新年の診療を開始しました。

今日の診療内容は、初診相談件、マルチブラケット調整、準備矯正治療の調整、上下拡大プレートのセット、、、

などそれぞれが複数件あるものもあるため、アポイントが朝から晩まで埋まった状態。

これらにプラスして年末年始にご家庭で生じた装置の不具合への緊急診療も重なったため、夕方以降診療室は少しバタバタとした感じでした。

 

マルチブラケット調整では、一人は1年経過、一人はもうすぐ1年経過、一人はもうすぐ半年経過、治療法では抜歯、非抜歯、使用装置では表側ブラケットあり審美ブラケットあり裏側ブラケットありの、これもバラエティーに富んだ内容でした。

1年経過した方の状態がそろそろブラケット除去(ブラケット治療終了)が見えてきた段階であるのは、序盤に下顎歯列の遠心移動といった”山”を乗り越えての現状があるだけに少しホッと出来ます。

 

明日以降も今日のようなアポイント状況がもう少し続きます。

 

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12月19日(火

『裏側矯正はなぜ難しい?

 

裏側矯正は表側矯正に比べ施術する側としての難易度が高い、とされています。

それが、裏側矯正を提供している医院が少ない理由でしょう。では裏側矯正はどこが難しいのでしょう。

 

操作のしにくさ

歯にブラケットを付け、ブラケットにあるスロットにワイヤーを通すと歯は動きます。

一本の歯における、歯、ブラケット、ワイヤー、この三者の位置関係を表と裏で比較しますと、手前から奥に向かって、

表側ブラケットでは、『ワイヤー → ブラケット → 歯 → 口腔内(喉方向)』

裏側ブラケットでは、『歯 → ブラケット → ワイヤー → 口腔内(喉方向)』

の順で装着されていることになります。

つまり表側ではワイヤーの下にはブラケット(とその下の歯)がありますが、裏側の場合はワイヤーの下にはブラケットはなく、口腔内、喉と”空間”が続きます。

矯正治療に限りませんが、何事も”支持”があると操作がしやすいです。

ワイヤーを操作する際表側矯正の場合、ワイヤーの下にはブラケットと歯がありますから、それらを支持に操作をすることが容易です。

しかし裏側矯正の場合、歯やブラケットが手前にあり、ワイヤーの下には支持になるものがありませんし、裏側ということで見えづらいという状況も重なり、施術がしにくくなります。

ただ実は操作に慣れてしまえばこれらはなんてことはない要素で、むしろ表側よりも操作しやりやすい要素も多々ありますが

 

歯の抵抗中心との関係

抵抗中心って?となります。

詳しくは省きますが、ブラケットが歯の表に付いた場合と、裏に付いた場合とでは、同じ種類やサイズのワイヤーで、同じ大きさ、同じ方向に力がかかったとしても歯の動く方向が異なるのです。

そうさせるのが、抵抗中心に対するブラケットの装着位置の違いです。

これがあるがために、そもそもの使用するブラケットを選択するところから注意しなければいけないほどです。

さらにワイヤーの種類やサイズ、ワイヤーを使う順番、ワイヤーの設計、どこから前歯を引っ張るか、前歯をどんな角度で位置付ける設計を組むか、、、、、、など、治療開始前の治療計画立案から治療の最初、治療の中盤、治療の最後までこれに影響を受けます。

表と一緒であれば問題ないのですが、ちょっと違う、あるいは180度違う、真逆、などという点も多々あるため、そこを注意して治療を進めていかないといけないわけです。

 

例えば、噛み合わせ上出っ歯(上顎前突)に分類されるが前歯2本が内に傾いていて(舌側傾斜)、出っ歯に見えないでも噛み合わせも深い、という噛み合わせがあります。2級Ⅱ類と呼ばれるものです。

表のブラケットなら、ワイヤーを上に向け前歯が持ち上がる力をかけていけば、歯も持ち上がるし舌側傾斜も改善します。ところが裏側で同じことをしてしまうと、前歯はさらに舌側傾斜をしてしまいます。あまりに倒れこみすぎると下あごの歯列への噛み合わせの影響や顎関節への影響すら出てきます。

 

もうひとつ、有名な落とし穴ですが、ボーウィングエフェクトといって、抜歯症例において抜歯したスペースを閉鎖していく段階で起こる副作用もあります。

これもやはり前歯が内側に倒れこみすぎてしまう、歯列が小臼歯辺りで幅が拡がってしまい、大臼歯辺りで狭くなってしまう現象です

 

起こって形となってしまった副作用は、そうなるまでにかかった時間の2~3倍をかけないと元の状態には戻りませんから大変です。

そうならないように注意して(こうしたらそうなる、ではそうならないようにするにはこうするという正しい捉え方をした上で)治療を進める必要があります。

 

まだまだ違いはたくさんありますが、別の機会で触れようと思います。

12月12日(火

『裏側矯正が始められる年齢は?

 

先日の記事で最近裏側矯正についてのお問い合わせが多いことを書きましたが、実際にあった質問(今回は題名のもの)を紹介したいと思います。

 

通常の表側マルチブラケット矯正は、

『上下左右の12歳臼歯が生えそろったら(それ以降ならいつでも)』

が、推奨される治療開始の目安です。

 

裏側矯正も、基本的にはブラケットを表に付けるか裏に付けるかの違いだけですから、治療開始は同様に”12歳臼歯がはえそろったら”となりそうな気がします。

でも実は裏側矯正の場合、少し事情が異なります。

この写真は下の歯列の模型ですが、写真手前には歯の表の面が、写真奥には歯の裏面が映っています。

表面の平面にブラケットを付けるのが表側矯正ですし、裏の平面に付けるのが舌側矯正です。

 

さてここで注目していただきたいのが、表面、裏面の平面部分の面積の差です。表側の方が断然広いことに気づかれるかと思います。

特に左から3、4番目の小臼歯と呼ばれる2本の歯を手前と奥とで比較してみてください。歴然とした差が認められます。

 

永久歯は乳歯が抜けたあと歯茎から頭を出してきますが、頭を完全に出し切った(かにみえた)あとも、僅かずつながら見える頭の長さを増やしていきます。

12歳臼歯は12歳ころ生えるのでその名がついていますが、上の12際臼歯では13~14歳くらいで生え始めることも珍しくありません。

その後完全に頭を出し、さらに少しずつ伸びてくるとなると、本当の意味で歯冠の全貌が露わになるのは中学生の終わりか、高校生の初めくらいということになります。

 

歯の表面はブラケット装置が装着可能な平面がもともと広いため中学生くらいで装置装着となっても何も問題はありません。

しかしもともと平面部分が狭い歯の裏側においては、中学生くらいでまだ歯冠の全貌が出きっていない段階だと、ただでさえ狭いのにさらに狭い状態となっているわけです。

ですから、装置を付ける面積が足りない→装置をまだ付けることが出来ない、という状況も大いにありうるのです。

 

もちろん歯の生えかわりのスピードは個人差に拠るところも大きいですから、上記理由がすべての方に当てはまるわけではありません。もっと早い方、もう少し遅い方もいるでしょう。

ただ、裏側矯正における年齢や学年の下限の目安は、高校生くらいというのが通常となっています。

 

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12月7日(木

『ひととおりの診療内容がギュッと詰まった一日

 

昨日は平日でしたが、土日並みに診療内容盛りだくさんな一日でした。

診断2件、初診相談、精密検査、衛生士によるMFT指導、子どもの矯正治療、マルチブラケット治療、裏側のマルチブラケット治療、マウスピース矯正、矯正用スクリューセット、、、

と、大分類で言えば矯正歯科で行う一通りの診療が詰まった一日になっていました。

パワーチェーン(主にマルチブラケット治療で使う、歯を引っ張るゴム)が外れてしまったという急患もありましたから、本当に一式出そろったという感じです。

 

全ての診療について触れるのは難しいので、いくつかピックアップして書きます。

 

舌側矯正の診療

この日はフルリンガル(上下とも裏側ブラケット)の患者さんでした。この患者さんは上下凸凹でしたが、IPRと遠心移動を行って凸凹を解消するスペースを獲得しました。

ブラケットをつけてまだ半年ほどですが、『一列』はほぼ完全に達成されている状態です。

通常『マルチブラケット治療』と言うと、現在でも歯の表にブラケット装置を付けて行う治療のことを指すと思いますが、ブラケットが歯の表に付いていると、治療途中で歯並びが一列になってもなかなかその一列を実感しにくいです。

一方で裏側ブラケットでは、治療の途中でも歯の表面には何も装置は付いていませんから、『歯の表面にブラケット装置が付いていない状態』を『ブラケット治療が終わった状態』と仮定するならば、裏側矯正の場合は治療が継続しているものの、装置が歯の表に付いていないという点で、治療が終わっている状態とも捉えることができます。

並びの一列は、表から裏からに関わらず治療の早期の段階(半年ほど)で達成されることがほとんどですから、裏からの治療の場合

『ブラケットが付いていない一列になった状態を半年ほどでダイレクトに実感』

できるわけです。それが、この現在治療半年ほどとなった患者さんからその日に出た、

『先生、もう終わってもいいんじゃないですか?』

という言葉にも表れているでしょう。(もちろんまだ終われません、、、)

 

アンカースクリュー埋入

専門的な内容ですが、スクリューセットは多くの場合付着歯肉といって『動かない歯茎』に埋入することがほとんどです。

しかし付着歯肉の幅に個人差があったり(幅が広いこともあれば狭いことも)、歯槽骨の高さが低かったりすると、付着歯肉に埋入できないこともしばしばです。

付着歯肉に埋入したい確固たる理由が存在するのですが、付着歯肉に埋入することを何よりも優先してしまうと、スクリューが骨まで届かない、そもそも骨に埋まらないという本末転倒な事態になってしまいます。

ですからそうなってしまうことが予想される場合には、付着歯肉に埋入することを諦め、遊離歯肉といって『動く歯茎』からの埋入が選択されます。この歯肉の内側には厚い骨(皮質骨)が存在していることがほとんどですから、埋入したスクリューがしっかり骨に植わる、という点では埋入部位としては申し分はないわけです。

じゃぁ初めから遊離歯肉に埋入すればいいのでは、、、という声が聞こえてきそうですが、とある理由でそういうことにもならないわけです。

この日の患者さんも遊離歯肉への埋入が必須だったため、移行部から5mmほどの部位に埋入しました。

骨を明示しての埋入であり、埋入トルクも適正値であったため骨へしっかり埋まっていることは確認済みですが、残るは遊離歯肉埋入時に特徴的に起こる『歯茎の腫れ』を今後フォローしていかなくてはなりません。

 

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8月25日(金

『マルチブラケット治療の期間の内訳〜一列になった、隙間も閉じた、でもまだ続くの?

 

8月も終盤ですが、ここにきて暑いですね。でも夜は未だにクーラー入らずです。

 

抜歯を伴うマルチブラケット治療の期間はおよそ2年と言われています。

もちろんこれは平均、ケースバイケースですので1年半で終わる方もいれば2年半、3年かかる方もいます。

 

では治療期間の内訳を見てみましょう。

①レベリング、アライメント

→まず凸凹を一列にします。半年〜1年

 

②スペース閉鎖

→凸凹を一列にして残ったスペースを閉じていきます。半年〜1年

 

③ディテーリング

→細かい噛み合わせの調整。半年〜1年

 

それぞれの行程の短い方をとれば半年x3で1年半、長い方をとれば1年x3で3年ということになります。

 

凸凹が主訴の方は一列になった段階で、その変化にとても驚かれます。早い方では半年足らずで長年悩まれていた凸凹が解消されますから、

『もっと早くにやっていればよかった!』

とおっしゃられる患者さんも実際にいるわけです。

 

しかしここで治療終了ということにはなりません。上の項目でいうとここから②がさらにはその後には③が控えていますから、まだ年単位の治療は続きます。

凸凹が一列になるためには、抜歯で生じたスペースが消費されます。ですから凸凹が一列になった際には歯を抜いてできた隙間の量は減少しています。

減少してはいても隙間が残っていますから、この隙間は当然閉じなければいけません。この点は患者さんも隙間があっては不都合というのは実感しますから、②の治療というのは①が終わった後でもすんなり入っていけます。出っ歯さんであれば、ここからが前歯が後退していく過程になりますから依然としてモチベーションは高いわけです。

 

そして一列にもなり、隙間も閉じてしまえば『やった終わりだ!』と思いたいところですが、まだ終われません。

ここから細かい噛み合わせの調整が始まります。この期間もそれなりの時間がかかります。ダイナミックな変化は①と②で終わっています。③で行う調整は『ディテーリング』と呼ばれ、文字通りの細かい調整ですから、患者さんの側では見た目の大きな変化としては感じられないこともしばしばです。

 

なのでこのあたりになってくると、『装置はいつ外せますか?』『そろそろ外したいです。』とおっしゃられる患者さんもいます。お気持ちは分かるんですが、この③の段階は大事です。

 

ブラケット装置が外れた後は『保定期間』に入ります。いわゆる後戻りを防ぐ期間です。後戻りを起こさないためには保定装置をしっかり使うことがもちろん大事ですが、治療後の歯列がもっとも安定するためには、終了時の歯並び・噛み合わせが『安定しやすいかたち』となっていることが前提条件です。隙間が閉じたばかりの歯列は、まだ安定しやすい形にななっていないのです。

 

治療期間は年単位ですからモチベーションの維持が難しいことも時にはあるかもしれません。ただここまできたら治療の段階としてはもちろん終盤です。あともう一息というところまできたということですから、患者さんの側としてのラストスパートの気持ちで乗り越えていただきたいと思います。

 

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4月20日(木

『『裏側からの矯正には向いていない』と言われて来た初診相談』

 

先日の初診相談です。

20代の女性で、主訴は前歯の凸凹(軽度の八重歯)、裏側からの矯正治療のご希望がありました。当院が3軒目の初診相談でしたが、矯正専門医院での初診相談は初めてということでした。

 

上顎のみ裏側からのいわゆる『ハーフリンガル』を希望されていて、前2軒の矯正相談では、『噛み合わせ上、裏側からの矯正に向いていない』との説明をうけたそうです。

裏側からの矯正治療でよく『向いていない』と説明を受けるものには、”深い噛み合わせ”が挙げられます。

噛み合わせが深いとカチンと噛んだ際に、下の前歯と上の裏側にある装置が当たってしまい、装置が外れたり壊れたりすることがあるからです。

ただ、『噛み合わせが深くて下の前歯と上の装置が当たる=裏側に向いていない』わけではなく、その状態にも対応できる方法はあります。

 

ところが、この患者さんの場合特に深い噛み合わせというわけでもありません。おそらく特に工夫を施さなくても上の前歯の裏側には装置は付けけられるでしょう。

むしろ裏側からの適応症ど真ん中のような気すらしてきます。

前医にてCTなどのレントゲンを撮影していて、骨がとても薄いとかそういう問題が発見された上で『向いていない』ということであれば納得ですが、レントゲン撮影などは行っていないとのこと。

特に歯周病などに罹患しているのでなければ、この年齢で骨が原因で裏側から矯正治療が出来ないという判定になることは稀です。(部分的に骨が薄いなどで治療の進行に注意を要することはありますが。)

ですのでその旨説明し、歯並び・噛み合わせとしては特に問題のない適応症であることを説明しました。

 

以前にも似たような裏側矯正の初診相談があり似たような記事を書きましたが、その方はすでに治療開始となっています。

表側からの治療とは別に裏側からの矯正では注意すべきところがたくさんありまして、治療計画の段階から表側とは異なる点ばかりです。

 

患者さんは裏側からでないと治療はしたくないと言い切っていましたので、裏側から可能である見通しをお話できてよかったと思います。

 

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3月16日(木

『最近多い裏側(舌側)矯正の相談・開始

 

もうこのままいくかと思っていたらまたまた寒い日がきましたね。

さすがにもう3月も下旬に差し掛かりますから、もうあったかい日が続いていくんではないでしょうか?

 

さて、部分矯正の相談が多いことはこれまで何度か書いてきました。

最近でもやっぱり多いです。

でも実は割合としてそれが多いのではなく、調べてみると一番多いのは子供の矯正治療の相談や、本格矯正治療の相談です。

本来あまり多くない(と思っている)部分矯正の相談が通常より多くなると、割合が少なくても『多いなぁ』と感じてしまいます。

 

部分矯正と同様の感覚かもしれませんが、やはり多いと感じるのが裏側矯正・舌側矯正の相談です。

ハーフリンガル、フルリンガル希望の人数はそれぞれ同じくらいです。

部分矯正では相談時に適応症かどうか、部分矯正で患者さんの主訴が改善されるのかをお伝えします。

その際適応症ではなかったり、主訴の改善が見込めないあるいは望まない反作用が大きく出てしまうような場合、治療が開始とならない場合も多々あります。

 

一方で裏側矯正・舌側矯正は本格矯正のカテゴリーの中の治療の一つですから、原則適応症に制限はありません。

ただし開始にあたっての検討項目はあります。

ここでとある問題が生じます。経験された方にはわかるかもしれませんが、通常

『裏側・舌側矯正の出来る、出来ないの判定は診断時になってしまう』

というものです。

 

例えば、裏側矯正希望の患者さんが相談に訪れたとします。患者さんとしてはリンガルで出来ないのであれば矯正治療はあまり考えないというくらいの姿勢です。

そこで矯正医から『裏側から出来るかどうかの判定は診断時になります』

と告げられたとしましょう。

診断に赴くと、そこで『裏側からの治療は難しいですね。表側からした方がいいでしょう。表側から行う方法としては、、、』

と興味のない表側矯正の話のみされてしまい、でも診断にはいらしているので診断費が発生してしまう、、、なんていうこともない話ではないでしょう。

 

当院では、そのような判定が必要な方の場合、レントゲンや歯型などの検査のみをさせていただき、まず『出来る・出来ない』の判定のみをさせてもらいます。その後判定結果をお電話やメールなどでご報告する、というシステムを採用しています。

ここまでに費用はかかりません。というのもこの時点で患者さんに報告するのはあくまで『出来る・出来ない』の判定のみで、治療方法や詳しい現状のご報告は行わないためです。

判定を聞いて『裏側から出来る』ということになれば、それから診断に来ていただき、より詳しい現状や治療方法を聞いていただくことになりますから、やる予定のない治療方法を聞いて診断費のみ払うことになる、というとにもならないと思います。

もちろん『出来る』という判定をしたのだから診断に来てください、なんていうこともないですので、その辺りはご心配なくこのシステムを利用していただければと思います。

 

とは言っても『検査後の判定』が必要となるケースも少ないですから、あえてお伝えすることでもないのかもしれませんけどね。

 

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1月21日(土

『国別!矯正治療中の患者さんによる患者さんのイメージ!』


一年のうちで2月が一番寒い(平均気温が低い)と思っていましたが、そうではないんですね。
全県調べたわけではないんですが、北海道、青森、東京、大阪、広島、鹿児島、沖縄と、すくなくともこれらの県はすべて1月が最寒なようです。

それにしても沖縄は過去30年の最低気温が14.6℃ということですから驚きです。

 

『矯正治療中のイメージは?』
(矯正治療をしている方に矯正治療をしている自分のイメージは?)

というアンケート調査によれば、

 

『だんだんと歯並びがキレイになっていくので嬉しい』

 

と答えた方が、

日本人37%、アメリカ人76%、中国人63.5%だったのに対し、

 

『矯正装置が不自由でつらい』

 

と答えた方が

日本人67%、アメリカ人24%、中国人36.5%だったとのことです。

 

日本人はとにかく矯正装置が見えるのが気になるようです。

 

日本人は、

『陰で頑張る、人知れず努力する』

のが美徳とされる国民性ですから、矯正治療もそれに当てはまるのかもしれません。

 

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1月11日(水

『部分矯正で難しいこと』


毎日気温は低いですが、晴れていて風もない日は日差しをとても暖かく感じられて気持ちいです。富士山もとても大きく綺麗に見えますしね。

 

部分矯正についてはこれまで何度か触れてきました。

初診相談の時に、

『気になるとこはここだけだから、チャチャッとやっちゃってよ』

というノリで部分矯正を希望される方もいらっしゃいます。(笑)


けれど、意外と部分矯正は難しいんです。

 

部分矯正は装置を付ける範囲が限られますから、当然僕ら矯正医の手の届く範囲(治療でまかなえる範囲)も制限されるわけです。


平たく言えば、装置をつけた歯しかコントロールすることはできない、ということです。

 

一方で、歯を動かす際に矯正医が考えなければいけないのが『作用』と『反作用』です。

目的の歯を動かす(作用)のは簡単ですが、目的の歯が動く際には当然目的ではない歯にも力(反作用)がかかって動いてしまいます。

矯正治療ではこの反作用をいかに抑えながらやっていくかがとても大事であり、この反作用に対するケアをしっかりしたかどうかで、仕上がりや治療期間にも差が出るほどです。

 

部分矯正では、装置を付けるのが前歯2〜6本ほどにとどまる場合がほとんどです。

そのため、装置が付いている歯を動かしたその反作用が、装置をつけていない歯に生じて歯があらぬ位置に移動してしまった場合、それを治す術はありません。

なので部分矯正の適応症は、

気になる部分に装置をつけて歯を動かしても、良くない動きが装置をつけていない歯に起きない範囲でできる治療

と、比較的狭いものになってしまうのです。

とは言っても、動いて欲しくない歯に、歯を動きにくくする装置を付けることで、動きにくくする方法もありますから、実際にはそこまで適応症が狭いわけはありません。

 

もう一つ難しい要素としては、

『治療期間の制限』

です。

もともと部分矯正自体が半年〜一年程度で終わるような主訴の方に対して行うものです。

そのような方の場合、半年後に○○というイベントがあるからそれまでに治療を終わらせたい、という要望を持って部分矯正を選ばれている場合も多いです。

先ほどの話ではないですが、限られた治療期間に起きてしまった反作用なんかに時間を取られていると、期間内に終わらないわけです。

治療開始前から起きる反作用を全て洗い出して、それに対するアプローチを計画立てて行いながら、目的の歯のみを目的の位置まで動かす、という最短ルートでの治療が必要になるのです。

まだ他にもいくつかありますが、少し長くなりましたので今日はこの辺にしておきます。


以上、部分矯正は意外に難しい、というお話でした。

 

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12月14日(水)

『舌側矯正には表側矯正にはない『準備』がたくさんあります』

 

たくさんあります。

たくさんありますので、その全てをここで紹介することはできませんが、代表的な部分をひとつご紹介したいと思います。

それは、『歯に装置(ブラケット)をつける』際の準備です。

表側の矯正の場合、ブラケット装置(粒々の装置)を直接歯に付けることができます。そして付けた位置も正確です。

舌側の矯正の場合、もちろん表側のように接着剤さえあれば装置を直接歯に付けることはできます。しかし正確な位置に付けることが絶対できません。

ピンとこない説明になりますが、

表側にブラケットをつける場合2次元でブラケットをつければよく、

裏側にブラケットをつける場合3次元にブラケットをつけなければならない

からです。裏側の正しい位置に直接ブラケットをつけることができる人間は恐らくいないでしょう。
 

そのため裏側の正しい位置にブラケットをつけるには、患者さんの歯型から

『正しい位置にブラケットをつけることを可能にするもの』

をあらかじめ準備作成しておく必要があります。

それが写真のようなものになります。

金属の部分がブラケットです。(当然ですが金属であっても裏側なので見えません。)

ピンクの輪っかの部分をガイドにして、下写真のように歯にはめます。輪っかはぴったりと歯にはまるので、結果ブラケットは歯の裏側の『ここ』という場所に正確にセットされます。

セット後ピンクの輪っかは外します。

以前のブログとも関連しますが、表側のブラケットのセットにはこの過程はないため、ご希望により診断後比較的早期に治療を開始することも可能です。

しかし裏側の場合、上記の準備が必要になるため、診断から装着まで1月半〜2ヶ月(装置作成のための精密な歯型を診断後いつ採得するかにもよります)ほどはかかることになります。


今回のブログは、初診相談の際、表側のホワイトブラケット(目立ちにくい面側のブラケット)にするか、裏側からするかを迷われていた患者様に、この『準備』について説明したところ装置装着までの期間の差に少し驚かれていたので書いてみました。

ただ、治療が始まれば矯正歯科への通院間隔はだいたい1月半ほどですから、それが最初から始まっていると思っていただければいいのかもしれません。

 

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9月8日(木)

『目立ちにくい表側のマルチブラケット治療ーホワイトワイヤーとホワイトブラケット』

 

最近パッとしない天気が続きますね。朝から降りそうなのに結局一日降らなかったり、買い物を終えて建物から出ようとしたらいつの間にか降っていたり、、、こんな天気裾野だけかと思いきや、ニュースなんかで見ると全国的にこんな感じみたいですね。

台風シーズンですので、当院に来院される患者さまも気をつけていただきたいと思います。

 

中学生以降の矯正治療ではマルチブラケット治療といって、『それぞれの歯の表面にボタンを着けてワイヤーをそのボタンに通して歯を動かす治療』が矯正治療の主流です。
(詳しくはマルチブラケット治療についてをご覧ください。)

当院でも行っているマウスピース矯正やブラケット装置を歯の裏面につけて行う裏側矯正も近年需要のある治療方法ですが、適応症の幅や費用の面からやはり患者さまに最も選ばれているのは表側からのブラケット装置による方法です。

昔はこの歯の表面につくボタンはどこの矯正歯科でも、前歯も含め全て『金属』のボタンが使用されていました。白い歯に銀色のボタンですからこれは目立ちます。

当院では通常提供させていただくブラケット装置は『透明』なものを使用しております。これだけでも以前の金属ブラケットに比べれば格段に目立ちにくくなっていると思われます。

一方で、もっと目立ちにくくしたい!

という方には下の写真にあります、『ホワイトブラケットおよびホワイトワイヤー』を用いた矯正治療を提供させていただくこともできます。

ホワイトワイヤーもこれまでの『ホワイトコーティングが剥げる』という課題をクリアしたワイヤーを用いていますので、ホワイトワイヤーを使っても結局コーティングが剥げてその下の金属色(銀色)が見えてきてしまう、、、ということにもなりません。

ブラケットそのものも着色しにくい材質ですので、ホワイトの審美性も治療期間で保たれます。

目立つのは嫌だけど、費用が高くなってしまうのも嫌だ、、、という方に多く選ばれている装置です。

 

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8月21日(日)

『矯正用インプラント(小さいネジ)の費用が治療費用に含まれている理由は?』

 

当院での矯正歯科用インプラントを埋入するための費用は、最初に提示する治療費用に含まれています。仮に治療当初に使用する予定がなく、治療途中に使用することになったとしても追加の費用はもちろん頂きません。

そもそも矯正用インプラントとはなんでしょう?

簡潔に言うと『歯茎(とその下の骨)に打つ小さいネジ』のことです。直径は1.5mm〜2mm、長さは6mmほどです。

矯正歯科ではこのネジにより、歯を抜かない矯正治療の幅が広がったり、歯を抜いた際の治療の仕上がりが綺麗になったりと矯正治療において様々な恩恵を与えてくれる装置です。術者にとっても患者さまにとっても様々なメリットの多い装置です。

しかしデメリットもあります。それは簡単ながらも外科処置であるという点です。ネジを埋める処置はもちろん麻酔をしますし、麻酔が効いた後、ネジを打ち始めてから打ち終わるまでの所要時間は10分ほどの簡単な外科処置です。でも患者さまにとっては『歯茎にネジが埋まる』わけですから『怖い』と思います。

先ほども書きましたが、使用にあたっては結局のところ患者さまにとってメリットの多い装置です。最初の『埋める』段階さえクリアしていただければ、あとはこの装置に関しては患者さまに頑張っていただくことは特にありません。

メリットの多い装置ですから、使用に際しクリアしなければならないハードルの数はできるだけ少なくしたいと考えています。ハードルがいくつもあり、かつそれぞれが高いハードルでは患者さまも使用を躊躇されてしまうでしょう。

考えられるハードルとしては、『怖さ』『費用』『手間』の3つでしょう。

『怖さ』については、なるべく安心していただけるようその安全性をしっかり説明します。

『費用』について。このスクリューは現在、非抜歯・抜歯治療にかかわらず多くの症例で用いられています。別途費用がかかるとなると、実質的には治療費用の底上げという形になりかねません。

『手間』について、もし他医院さんでスクリューを打つ処置をしていただく場合、他医院さんに行っていただく手間と費用がかかることになります。

当院ではスクリュー費用が別途かかることはなく、また当院にて処置が行えますので他医院さんへ行っていただくこともありません。

当院ではこの費用と手間にかかる負担は0ですので、当院の患者さまが乗り越えていただくハードルは『怖さ』のハードルのみということになります。提案させていただいた方は皆さま、この処置を選択していただけています。

良い処置はできるだけ良い(取り入れやすい)条件で提供させていただきたいと考えています。

 

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7月24日(日)

『矯正治療では口元の変化が起こります』

矯正治療の前後では、当たり前ですが歯並びと噛み合わせが変わります。

意外と知られていませんが、それら二つに併せて口元も変わります。上の写真は同じ患者さまの治療前後の歯並び・噛み合わせと口元の変化の写真です。(左が治療前、右が治療後です。)

上唇、下唇のすぐ後ろには前歯があります。ですので、上唇、下唇の位置(張り出し具合、引っこみ具合)は前歯が出ているか、引っ込んでいるかに左右されることになります。

矯正治療では前歯の位置を変えますから、結果として上唇、下唇の位置も変わるわけです。

 

『抜歯が必要ですか?』

と初診相談の際患者さまから質問をお受けすることがよくあります。抜歯をするしないの基準は、

『凸凹の程度』『前歯の出かたの程度』『口元の出かたの程度』

など幾つかあります。

しかしやはり、一番肝心なのは『患者さまが治療後にどうなっていたいと考えるか』です。

『凸凹を一列にしたい』場合、歯を抜かずともご希望を達成できる場合も多いです。しかし、

『口元を引っ込めたい』というご希望があった場合、上の写真の患者さまのようにちゃんとした効果を得るには抜歯が必要になることが多いです。

口元を引っ込めるには、前歯を引っ込める必要があり、前歯を引っ込めるには、前歯の後ろにスペースが必要だからです。

ただし、抜歯の判断には実はもっと詳しい精査が必要です。年齢、骨の量・厚み(薄さ)、歯根の状態、う蝕等の処置の有無、、、などなど多くの要素を検討する必要があります。

ですので治療方針は、

患者さまの考える治療目標

患者さまの治療方法に関するご要望

上記が実現可能かのありとあらゆる検討(検査結果から)

により決まることになります。

口元の突出感が気になる方、矯正治療によって『キレイな歯並び・キチンとした噛み合わせ』とともに『スッとした口元』も達成してみませんか?

 

裾野、長泉の歯列矯正専門・矯正歯科『わたなべ歯列矯正クリニック』

7月21日(木)

『部分矯正のメリット・デメリット』

 

僕が以前勤務していた矯正歯科医院であったお話です。

地域の患者さまからとても支持されている医院で日々たくさんの患者さまが初診相談に訪れていました。

時期がら?季節がら?かはわかりませんが、僕が退社する前の1〜3月くらいでしょうか、治療希望の患者さまで『部分矯正』を希望される方がとても多くいらっしゃいました。

部分矯正とは、すべての歯にブラケット装置を付ける全体矯正とは異なり、気になる部分にだけ装置を付け気になる部分のみの改善を試みる方法です。

部分矯正のメリットは、

・期間が短い

・費用が全体矯正比べ少ない

・煩わしさの程度が少ない

などが挙げられます。

当時、部分矯正希望の患者さまに、

『なぜ部分矯正をご希望ですか?』と尋ねたところ、

『そこだけが気になるから、そこだけ直して欲しい』

とごくごく順当な答えをいただきました。それはそうですよね。

上記メリットもありご希望の多い部分矯正ですが、部分であることのデメリットもあります。部分矯正をご希望の方はこのデメリットの方もしっかりと理解し納得した上で始めることが必要です。

部分矯正について少し詳しく書いてありますので、お考えの方は参考にしていただければと思います。

部分矯正について

 

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